三井住友銀行は、SDGsが目標とする2030年を見据え、本業を通じた環境・社会課題の解決に積極的に取り組んでいます。
この記事では、三井住友銀行を含むSMBCグループのSDGsの取り組みと三井住友銀行独自の取り組みを、三井住友ファイナンシャルグループ、および「三井住友銀行の取り組み」に沿ってご紹介します。
目次
三井住友銀行のビジョンと事業内容
企業名 | 株式会社 三井住友銀行 |
SDGs | 1.4.7.8.9.11.13 |
サステナビリティレポート |
ビジョン 〜中期的に目指す姿〜
最高の信頼を通じて、お客さま・社会とともに発展するグローバルソリューションプロバイダー
経営理念 〜果たすべき使命〜
- お客さまにより一層価値あるサービスを提供し、お客さまとともに発展する事業のを通じて、株主価値の永続的な増大を図る
- 勤勉で意欲的な社員が、思う存分その能力を発揮できる職場を作る
- 社会課題の解決を通じ、持続可能な社会の実現に貢献する
事業内容
銀行業
当行の本店および国内・海外支店等が行っている業務
- 貸出業務
- 預金業務
- 商品有価証券売買業務
- 有価証券投資業務
- 内国為替業務
- 外国為替業務
- 社債受託および登録業務
- 金融先物取引等の受託業務
- 証券投資信託の窓口販売
リース業
SMBCリース・ファイナンス会社がリース業務を行っています。
その他の事業
国内事業
各種与信関連業務 | SMBCファイナンスサービス(株)が融資業務・ファクタリング業務・集金代行業務を。SMBCベンチャーキャピタル(株)がベンチャーキャピタル業務を行っています。 |
証券業務 | SMBC日興証券(株)が証券業務を行っています。 |
投資顧問業務 | 三井住友DSアセットマネジメント(株)が、投資顧問業務・投資信託委託業務を。ジャパン・ペンション・ナビゲーター(株)が確定拠出年金に係る運営管理業務を行っています。 |
情報処理業務情報提供業務 | (株)さくらケーシーエスとさくら情報システム(株)が情報処理業務・システム開発・SMBCコンサルティング(株)情報提供業務を行っています。 |
海外事業
海外では、SMBCキャピタル・マーケット会社が投融資業務、スワップ業務を行っています。
三井住友銀行のSDGsの取り組み〜お客さま・社会とともに目指す未来〜
それでは、三井住友銀行を含むSMBCグループのSDGsの取り組み、および三井住友銀行のSDGs達成に向けた取り組みを合わせて順にご紹介します。
SMBCグループのSDGsの取り組み
三井住友銀行を含む、SMBCグループのSDGsの取り組みは、以下の3つに大きく分けて設定しています。
- 「環境」
- 「コミュニティ」
- 「次世代」
環境 | 目指す社会の前提となる、地域・世代を超えた人類共通の財産 |
コミュニティ | 目指す社会を実現するため、人と人とのつながりにより生まれる「信頼」「相互関係」をもとにした公と民の間を埋めるセーフティネット |
次世代 | 目指す社会を実現するため、社会をより良くし次の世代にその社会を受け渡す聡明な人々 |
順番に説明します。
環境への取り組み
◻︎基本的な考え方
地球環境は、地域・世代を超えた人類共通の財産であり、健全な地球環境の維持は持続可能な社会を実現する上での大前提であると考えます。
SMBCグループでは、気候変動をはじめとするさまざまな環境課題と向き合い、事業を通じて環境課題の解決に貢献することで、将来の世代に豊かな地球を受け継ぐ努力を続けていきます。
気候変動対策ロードマップ・アクションプラン
SMBCグループは、2021年に「気候変動対策ロードマップ」および「気候変動対策アクションプラン」を定め、気候変動に対する強靭性の確保・成長機会の獲得に向けた取り組みを加速させています。
「気候変動ロードマップ」においては、特に中期経営計画に取り組む5つの施策を「アクションプラン STEP1」と位置付けています。
この5つの施策は、ネットゼロを進めるための軸となる戦略的取り組みです。
2022年8月、「気候変動対策マップ」を「移行計画」としてアップデートし、ネットゼロ実現に向けたSMBCグループの一連と目標と行動を体系化しました
なお、 2023m年度から開始する「アクションプラン STEP2」における施策は、移行計画に包含される予定です。
移行計画の遂行により、移行リスクの低減と脱炭素化に伴う成長機会の拡大に努め、ネットゼロ実現を目指します。
気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)
SMBCグループは、※TCFDへの賛同を2017年12月にパリで開催されたOne Planet Summit で表明しました。
そして、引続きお客さま事業を通じた環境に配慮した技術の導入など、GHG排出量の削減へ向けた取り組みを支援します。
また、GHG排出量削減に向け、お客さま・社会の発展に貢献する事業展開を行い、今後一層気候変動への対応を強化していきます。
※TCFD:Task Force on Climate related Financial Disclosures の略。2015年4月の金融安定理事会によって設立された、気候関連財務情報開示タスクフォース。
気候変動の影響を個々の企業が財務報告において公表するもの。
環境ビジネスの推進
SMBCグループは、環境ビジネスを「本業としてのビジネスを追求しつつ、地球環境の維持や改善に貢献するための取り組み」と位置付けています。
太陽光発電を用いた再生エネルギービジネスや投資を通じた環境への貢献など、各社でさまざまな活動を展開しています。
◻︎主な取り組み
- グリーンファイナンスへの取り組み
- 環境関連ビジネスの創出
- 金融商品を通じた環境保全への取り組み
- 投資を通じた環境への貢献
環境リスクへの対応
SMBCグループは、グローバル金融グループとして環境・社会リスクに配慮した体制強化に努めています。
金融機関には、以下のような環境リスクがあります。
1.取引先の環境規制違反による事業停止や土壌汚染修復のための費用負担などにより、債務返済機能が悪化する信用リスク 2.脱炭素社会への意向が進む中、お弱様に収益減少や保有する資産価値の下落により業績が悪化することに伴う信用リスク 3.担保不動産に土壌汚染やアスベストが発見され、資産価値が下落することによる担保価値下落リスク 4.環境に悪影響を与える事業、人権侵害を及ぼす事業などに資金を融資したことによる貸手責任リスク |
上記によって伴う風評リスクに配慮した体制を強化しています。
環境負荷軽減への取り組み
◻︎主な取り組み
- マネジメントアプローチ(グループ環境方針)
- SMBCグループの環境データ
- 温室効果ガス排出量およびエネルギー使用量の削減
- 商品・サービスを通じた環境負荷軽減
- 自社における環境負荷軽減
SMBCグループグリーンボンド
グリーンボンドやグリーンローンで調達した資金は、再生可能エネルギーや省エネルギー事業等の環境に配慮したプロジェクトに充当しています。
SMBCグループは、国内外における太陽光発電・風力発電等の再生可能エネルギー事業等に対するプロジェクトファイナンスについて、確かな実績を有しています。
本債券の発行とローンを実行することで、上記プロジェクトファイナンスを通じた地球環境の維持・改善により一層貢献していきます。
コミュニティへの取り組み
◻︎基本的な考え方
人々の生活や経済活動が行われる中で、それぞれの主体がつながりを感じ、助け合い、安心して活動できるコミュニティが必要であると考えています。
SMBCグループは、私たち自身もコミュニティの中で活動を行う一員としての社会的責任を全うするため、地域・社会への貢献を続けています。
GREEN × GLOBE Partners
GREEN × GLOBE Partners とは、社会課題解決の「意識」と「機会」を流通させて社会変革を実現するためのコミュニティです。
一社だけでは解決できない環境・社会課題に対して、ともに考え、仲間を見つけ、アクションの起点となるために活動しています。
安心・安全のまちづくりの実現
SMBCグループは、高齢者や障がい者の方が安心して利用できる店舗づくりを推進しています。
社会教育やユニバーサルデザイン・サービスの導入など、グループ各社の店舗づくりへの取り組みを紹介します。
◻︎主な取り組み
- 超高齢社会における国づくり
- 従業員教育
- ユニバーサルデザイン・ユニバーサルサービスの導入
- 障がいのある方のお問い合わせ窓口の設置
高齢社会対応に関する対策
高齢社会対応に関する取り組み方針
- 多様なライフスタイルに応じた長寿人生を支えるサービスの提供
- 高齢社会におけるセーフティーネット整備に向けた支援
- 長寿化を社会の成長につなげる仲介機能の発揮
次世代への取り組み
◻︎基本的な考え方
社会環境が変化していく中、経済や社会が持続的可能であり続けるためには、必要な知識や技術を備えた社会を支える人材の育成が不可欠だと考えます。
SMBCグループは、SMBCグループとともに将来の社会を構築していく、次世代の人材や産業を育むことでサステナビリティを実施していきます。
生産産業分野への支援
SMBCグループは、次世代につながる社会・経済成長の実現に向けた「イノベーション」を促進しています。
そのため、三井住友銀行・SMBCベンチャーキャピタル・SMBC日興証券を中心としたグループ各社が一体となり、成長企業への一期通貫した支援に取り組んでいます。
◻︎主な取り組み
- 日本の成長戦略の基盤となる新規事業創出プログラム「未来X」
- 研究開発型ベンチャー企業への支援「リアルテックファンド」
- 中小企業者へのキャッシュレス導入支援
金融リテラシー教育の推進
SMBCグループは、誰もがお金に対する正しい知識を身につけ、安心して暮らせる社会を目指しています。
そして、グループ各社が有する知識やノウハウを活かしたさまざまな金融製剤教育活動を幅広い世代に向けて提供しています。
◻︎主な取り組み
- 金融情報メディアの配信
- 金融経済教育への取り組み
三井住友銀行のSDGs達成に向けた取り組み
つづいて、三井住友銀行が独自で行うSDGsの取り組みはこちらです。
- エクエーター原則
- 人権の尊重
- 金融経済教育への取り組み
- 日本銀行「軌道変動対応を支援するための資金供給オペレーション」への対応
順番に説明します。
エクエーター原則
三井住友銀行は、企業としての社会的責任を果たすとともに、より高品質の国際金融サービスを提供していくことを目的として、2006年1月に「エクエーター原則」を採択しました。
エクエーター原則とは: 大規模なプロジェクト向け融資における環境・社会への配慮基準 |
三井住友銀行は、エクエーター原則の採択と遵守が、三井住友銀行自身、借入人、地域コミュニティなどさまざまなステークホルダーに大きな恩恵をもたらすものと考えています。
この基準は、環境社会影響評価の実施プロセスや、公害防止・地域コミュニティへの配慮・自然環境への配慮など多岐に渡ります。
人権の尊重
三井住友銀行は、「お客さま・役職員の人間性を尊重する」「一切の差別行為を許さない」ことを行動原則に掲げ、人権啓発推進委員会が中心となり、全従業員の人権に対する意識を高める取り組みを行っています。
◻︎主な取り組み
- 人権啓発研修
- 職場環境改善に向けた取り組み
- 現代奴隷法への対応
金融経済教育への取り組み
現代社会では、多重債務問題や金融犯罪など、「お金」にまつわるさまざまな問題が存在します。
三井住友銀行では、子どもから大人まで幅広い世代を対象にした金融経済教育に取り組むことで、誰もが「お金」に対する正しい知識を身につけ、安心して暮らせる社会の実現を目指しています。
小学生向けの取り組み
- 夏休み!子ども銀行たんけん隊
従業員による授業のほか、窓口業務の体験やATM・金庫の見学などを通じて、子供たちが金融や銀行業務について勉強する機会を提供しています。
- 「銀行のひみつ」の発刊
2007年5月、株式会社学習研究者に協力し、「まんがでよくわかるシリーズ」から「銀行のひみつ」を発刊し、同書籍を全国の小学校約23,000校と、公立図書館約3,000館に寄贈しました。
「銀行のひみつ」は、銀行の3大業務である「預金・貸出・為替」を中心とした銀行の社会的な役割や銀行の歴史などを、まんがを通じてわかりやすく解説しています。
「キッザニア東京」「キッザニア甲子園」への協賛
キッザニア東京・甲子園のオフィシャルスポンサーとして銀行業務体験を提供しています。通貨の発行のほか、子供たちが銀行の仕事を楽しく体験できるプログラムを用意しています。
中学・高校生向けの取り組み
- 企業見学・講師派遣協力
- こども銀行に協力
学校に設置されたこども銀行の運営に協力しています。
三井住友銀行は、親銀行として本取組に協力すると同時に、毎年「生徒銀行際」において「貯蓄の重要性」に関する講演を行っています
大学生向けの取り組み
- 大学インターンシップの受け入れ
- 講師派遣
一般向けの取り組み
- 三井住友銀行東館1,2階を見学できるツアー「たいけん塾」を開催
日本銀行「気候変動を支援するための資金供給オペレーション」への対応
三井住友銀行は、日本銀行が実施する、気候変動対応を支援するための資金供給オペレーション(日銀グリーンオペ)の貸付対象先に選定されています。
国際原則または政府の指針に適合する投融資
- グリーンローン
- サステナビリティ・リンク・ローン
- トランジション・ファイナンス
まとめ
三井住友銀行の経営理念は「お客さまに、より一層価値のあるサービスを提供し、お客さまとともに発展する」そして、「事業を通じて、株主永続的な増大を図る」です。
その中で三井住友銀行は、グループ総合力を集結し、世界中に存在するさまざまな社会課題に対し、事業を通じた社会的課題の解決とSDGsの実現をこれからも目指していきます。