世界銀行と、あなたが普段利用している銀行との違いがわかりますか?
世界銀行は「宇宙銀行」のようにスピリチュアルな存在ではありません。世界銀行は普通の銀行とは大きく違った役割を持った国際的な機関です。
では、世界銀行とは一体どのような機関なのでしょうか?実は、貧しい国々を支援するための機関なのです。莫大な資金が動く世界銀行の目的や役割、IMF(国際通貨基金)との関係そして就職のための情報も、わかりやすく解説します。
目次
世界銀行とは
世界銀行とは、国際社会が協力して貧困をなくし、より良い世界を目指すために設立された国際機関です。いわば、世界中の国々が集まって作った、貧しい国々を支援するための大きな銀行のようなものです。
正式名称は「国際復興開発銀行」で、英語の「International Bank for Reconstruction and Development」を略してIBRDとも呼ばれます。
世界銀行は、189か国が加盟する国際的な金融機関で、開発途上国の貧困削減と持続可能な発展を支援することを目的としています。170か国以上から集まった専門家が130以上の事務所で活動し、さまざまなプロジェクトを通じて経済成長と社会の繁栄を促進しています。
【2023年6月期 世界銀行の貸借対照表(単位: 億米ドル)】
世界銀行の特徴
世界銀行の主な特徴は、以下の通りです。
多様な金融商品
世界銀行は、従来の融資、無利子融資、助成金など、さまざまな金融商品を提供しています。国ごとの経済状況や開発段階: 各国の経済状況や開発段階に応じて、最適な金融商品を選択でき、プロジェクトの規模、期間、リスクに応じて、柔軟な条件を設定できます。
【従来の融資】
- 開発プロジェクトのための長期低利融資が中心です。
- インフラ整備、教育、医療など、幅広い分野で活用されます。
【無利子融資】
- 低所得国の貧困削減や持続可能な開発を目的とした融資です。
- 環境保護、保健、教育などの分野に重点的に投じられます。
【助成金】
- 返済義務のない資金提供で、緊急支援や政策改革を支援します。
- 自然災害からの復興や、制度改革のための技術支援などに活用されます。
【その他の金融商品】
- 保証: 民間投資を促進するための投資保証を提供します。
- 技術協力: 技術移転や能力開発のための支援を行います。
技術支援と知識共有
金融以外にも、開発途上国に対して技術支援や政策アドバイスも行い、持続可能な開発に向けた知識を共有しています。また、多様な金融商品と、他の国際機関や民間セクターとの連携により、世界銀行は持続可能な開発目標の達成に貢献しています。
世界銀行の活動地域
世界銀行は、開発途上国を対象に活動していますが、主にアフリカ、中南米、アジア、中東などの経済成長が求められる地域で幅広くプロジェクトを展開しています。これにより、地域ごとの特性やニーズに応じた支援を行い、持続可能な成長を促進しています。
世界銀行グループ
世界銀行(IBRD)は、複数の機関から構成される世界銀行グループ(WBG)のなかの1つです。世界銀行グループ(WBG)は主に5つの機関から成り、それぞれが異なる目的や機能を持っています。
- 国際復興開発銀行(IBRD):世界銀行のことです。途上国に対して準商業的な融資を行い、経済の発展を支援します。IBRDは、特に中所得国や成長が期待される国々に焦点を当てています。
- 国際開発協会(IDA):最貧国に対して超長期・低利の融資や贈与を行う機関です。IDAの目的は、特に資金調達が難しい国々の経済発展を助けることにあります。
- 国際金融公社(IFC):開発途上国で活動する民間企業に対して融資や出資を行います。IFCは、民間セクターの発展を通じて経済成長を促進し、雇用を創出することを目指しています。
- 多数国間投資保証機関(MIGA):非商業的なリスクに対して保険や保証を提供し、民間直接投資を促進します。MIGAは、投資家がリスクを軽減できるよう支援し、開発途上国への投資を促進します。
- 投資紛争解決国際センター(ICSID):国際投資紛争の調停手続きを支援し、国際投資協定に基づく紛争解決手続きを支援します。
【世界銀行グループ】
国際通貨基金(IMF)との違い
ここで、国際通貨基金(IMF)との違いについて確認しておきましょう。
世界銀行と国際通貨基金(IMF)は、どちらも国際的な金融機関ですが、その役割は異なります。
目的の違い
世界銀行は、主に開発途上国の貧困削減や経済成長を支援することを目的としています。一方、IMFは、国際的な金融安定を維持するために、加盟国に対して短期的な金融支援を行います。
金融商品の種類
世界銀行は長期的な融資やプロジェクト支援が中心ですが、IMFは短期的な融資や政策アドバイスを主な業務としています。
対象国の違い
世界銀行は開発途上国を主な対象とし、IMFは全ての加盟国にサービスを提供します。
このように、世界銀行は、貧しい国々を支援し、より良い世界を作るために活動している国際機関です。IMFとは違った役割を持ち、資金の提供や技術的な支援を通じて、途上国の経済発展に貢献しています。*1)
世界銀行の目的と役割
前章でも少し触れた、世界銀行の目的と役割についてもう少し詳しく見ていきましょう。
世界銀行が目指すもの
世界銀行の主な目標は、大きく分けて2つあります。
①極度の貧困の撲滅
2024年に発表された「2024年食料危機グローバル報告書(The 2024 Global Report on Food Crises: GRFC 2024)」では、2030年までの飢餓撲滅目標達成に大きな課題が立ちはだかっていると訴えました。
報告書によると、2023年、分析対象となった59か国・領域における21.5%の人口に相当する、2億8,200万人の人々が急性の食料安全保障危機に直面し、緊急食糧支援を必要としています。2022年の報告から飢餓人口が2,400万人増加していますが、この原因として、分析対象が58か国から59か国に増えたこと、もう一方で、一部地域での食料安全保障が急激に悪化したこと、が指摘されました。
最も食料危機が深刻化したのはパレスチナ(ガザ地区)とスーダンで、極めて深刻な食料危機に直面する人口は70万人(うち60万人がガザ地区)と、2022年から倍増しました。
世界銀行は、こうした極度の貧困に苦しむ人々の数を減らし、誰もが最低限の生活を送れるようにしたいと考えています。
②繁栄の共有
国際通貨基金(IMF)と世界銀行は、2024年の世界経済が、新型コロナウイルス感染症の影響から徐々に回復し、安定に向かっていると予測しています。しかし、この明るい見通しとは裏腹に、世界的な経済格差がますます拡大しているという深刻な問題が浮上しています。
世界銀行の報告書によると、2024年~2025年にかけて、世界のGDPの80%以上を占める国・地域の成長率は、新型コロナウイルス感染症が流行する前の10年間の平均を下回ると予測されています。特に、開発途上国は、先進国に比べて経済成長が遅く、貧困層の割合も高いままです。
世界銀行は、経済成長の恩恵が、社会全体に行き渡るようにしたいと考えています。特に、所得が低い人々がより豊かになれるような支援を目指しています。
世界銀行の役割
世界銀行は、先ほど確認した2つの目標を達成するために、さまざまな活動を行っています。例えば、
- 資金の提供
貧しい国々に、道路や橋などのインフラ整備や、学校や病院の建設など、経済発展に必要な資金を貸し出したり、無償で提供したりしています。 - 技術支援
貧しい国々が、より良い政策を立て、経済を成長させるためのアドバイスや技術的な支援を提供しています。 - 知識の共有
世界中で行われている開発に関する研究成果や、成功事例などを共有し、より効果的な開発を進めるための支援を行っています。
などが挙げられます。
世界銀行が特別である理由
世界銀行は、国際的な機関であり、普通の銀行とは少し違います。特に、以下の3つの特徴が普通の銀行とは異なります。
- 国際協力:世界中の国々が協力して設立された機関であり、国際社会全体で貧困問題に取り組んでいます。
- 多様な支援:資金だけでなく、技術的なアドバイスや知識の共有など、さまざまな形で貧しい国々を支援しています。
- 持続可能な開発:単に経済成長だけでなく、環境保護や社会の安定も重視し、持続可能な開発を目指しています。
では、具体的にどのような活動を展開しているのでしょうか。
世界銀行の活動の例
世界銀行は、教育、医療、農業、インフラ整備など、幅広い分野で活動しています。例えば、アフリカの多くの国では、世界銀行の支援を受けて、学校や病院が建てられ、医療サービスが改善されています。
また、アジアでは、世界銀行からの支援によりインフラ整備が進み、人々の生活がより便利になっています。
日本への貸出例
世界銀行は、途上国の経済発展を支援する国際機関ですが、実は、かつて日本も世界銀行から多額の資金を借り入れていました。戦後の日本の復興期、世界銀行は日本のインフラ整備や産業の発展を支える重要な役割を果たしたのです。
例えば、以下のようなプロジェクトが挙げられます。
- 東海道新幹線:新幹線は、日本の高度経済成長を象徴する存在の一つですが、その建設には世界銀行の資金が活用されました。東京と新大阪を結ぶ高速鉄道網は、人々の移動を劇的に変え、日本の経済発展に大きく貢献しました。
- 東名高速道路:日本を代表する高速道路の一つである東名高速道路も、世界銀行の支援を受けて建設されました。物流の効率化や観光の活性化に大きく貢献し、日本の経済成長を支えました。
- 黒部ダム:黒部ダムは、日本の電力供給を支える重要なダムですが、その建設にも世界銀行の資金が投入されました。険しい山岳地帯での大規模な土木工事は、日本の技術力の高さを見せつけるものでした。
- 愛知用水:愛知県の農業用水として利用されている愛知用水も、世界銀行の支援を受けたプロジェクトの一つです。この用水は、地域の農業生産性を高め、食糧自給率の向上に貢献しました。
これらのプロジェクトは、私たちの生活様式を変え、日本の発展に大きな役割を果たしました。
日本は世界銀行からの借り入れを返済できましたか?
日本は世界銀行からの借入金を全額返済しています。これらの借入金は、1990年代初頭までに全額返済されました。
日本は、世界銀行からの支援を受けながら経済発展を遂げ、最終的には債務国から債権国へと立場を変えたのです。この経験は、他の途上国にとっても大きな励みとなり、世界銀行の活動の有効性を示す一例と言えるでしょう。
この世界銀行からの借入金の「返済卒業」は、日本が経済大国としての地位を確立したことを示す象徴的な出来事でした。同時に、日本が他の途上国の開発を支援する責任がある立場になったことも意味しています。
このように、世界銀行は、貧困撲滅、知識の共有、パートナーシップの形成、持続可能な開発、イノベーションの推進を通じて、途上国の発展に寄与しています。これらの役割を果たすことで、世界全体の平和と繁栄に貢献しているのです。*2)
世界銀行の歴史
世界銀行は、第二次世界大戦後の世界を形作る上で重要な役割を果たしてきました。今回は、世界銀行がどのように生まれ、どのような変遷を遂げてきたのか、その歴史をひもといていきましょう。
世界銀行の起源
【1944年7月のブレトンウッズ会議における44か国の代表団の議長】
世界銀行は、第二次世界大戦後の復興を目的として1944年に設立されました。当初は、戦後のヨーロッパの復興を支援するために設立されましたが、その後、開発途上国の経済発展を支援する機関へとその役割を拡大していきました。
世界銀行の起源を語る上で重要なのは、ブレトンウッズ体制との関連です。ブレトンウッズ体制とは、第二次世界大戦後の国際経済秩序を構築するために、アメリカ合衆国ニューハンプシャー州ブレトンウッズで開かれた国際連合国際通貨金融会議で採択された一連の協定のことです。
この体制の中で、国際通貨基金(IMF)とともに、世界銀行は国際金融システムの安定に貢献する重要な役割を担うことになりました。
世界銀行の誕生と初期の活動 (1944年~1950年代)
【戦後のフランスの年の被害の様子】
1944年、第二次世界大戦の終結が見えた頃、各国代表が集まり、戦後の世界経済の安定を図るための国際会議が開かれました。この会議で、世界銀行の前身となる国際復興開発銀行(IBRD)が設立されました。当初の目的は、戦火で荒廃したヨーロッパの復興を支援することでした。
しかし、ヨーロッパの復興が進むにつれて、世界銀行の活動は次第に開発途上国へと広がっていきました。特に、貧しい国々が経済成長に必要な資金を借り入れることができるよう、より柔軟な条件での融資が求められるようになりました。
国際開発協会(IDA)の設立と融資の拡大 (1960年代~1970年代)
【ロバート・マクナマラ世界銀行総裁】
1960年、より貧しい国々への支援を目的として、国際開発協会(IDA)が設立されました。IDAは、IBRDよりもさらに緩やかな条件で融資を行うことで、貧困国が経済発展するための基盤づくりを支援しました。
1968年に世界銀行の総裁に就任したロバート・マクナマラは、融資の拡大を積極的に推進し、世界銀行の活動は大きく変わりました。マクナマラは、貧困削減を最優先課題とし、教育や医療など、人々の生活に直結する分野への投資を拡大しました。
構造調整政策と新たな課題 (1980年代~1990年代)
【1992年、ソ連から独立したリトアニアが世界銀行グループの一員に】
1980年代以降、多くの開発途上国が深刻な債務問題を抱えるようになりました。この問題に対処するため、世界銀行と国際通貨基金(IMF)は、構造調整政策と呼ばれる経済改革プログラムを推進しました。
この政策は、経済の効率化を図る一方で、多くの国で社会的な混乱を引き起こすことになりました。
構造調整政策
構造調整政策とは、1980年代以降、開発途上国が抱えていた巨額の債務問題を解決するため、債務国の経済構造を根本から改革し、国際競争力を高めることで、経済成長と債務返済能力の回復を目指した政策です。IMFや世界銀行が、債務を抱えた国に対して、経済政策の変更を条件として融資を行うというもので、
- 財政支出の削減:国の支出を減らし、財政赤字を縮小すること。
- 国営企業の民営化:国が運営している企業を民間企業に売却すること。
- 貿易の自由化:輸入規制を緩和し、貿易を自由化すること。
- 為替レートの自由化:固定された為替レートを、市場の力によって変動する為替レートにすること。
などの政策改革を求めました。構造調整政策は、当初は期待された効果をもたらす国もありましたが、
- 貧困の拡大:公共サービスの削減や物価の上昇により、貧困層が特に大きな打撃を受けました。
- 失業率の上昇:国営企業の民営化やリストラにより、失業者が増加しました。
- 社会不安の増大:経済政策の急激な転換は、社会不安を引き起こす原因となりました。
- 環境問題の悪化:環境規制が緩和され、環境問題が深刻化することもありました。
など、多くの国で深刻な問題を引き起こしました。
グローバルな貧困削減への取り組み (1990年代~現在)
【2014年9月15日エボラ対策のための最初の資金が承認】
1990年代以降、世界銀行は、グローバルな貧困削減を目標に、さまざまな取り組みを進めてきました。特に、ジェンダー平等、気候変動、貧困層への金融サービスの提供など、新たな課題に取り組むようになりました。
また、世界銀行は、他の国際機関や政府、民間企業などとの連携を強化し、より効果的な開発支援を目指しています。
このように世界銀行は、戦後の復興から始まり、貧困削減というグローバルな課題に取り組む国際機関へと発展してきました。その歴史の中で、世界銀行はさまざまな変化を経験し、世界経済に大きな影響を与えてきました。*3)
世界銀行の問題点
世界銀行は、貧困削減や開発支援において重要な役割を果たしてきましたが、その活動にはさまざまな問題点や課題が指摘されています。ここでは、世界銀行が抱える主な問題点について、多角的な視点から考察していきます。
開発目標と環境保護のバランス
世界銀行は、途上国の経済成長を促進する一方で、環境問題への配慮が不足しているとの批判があります。特に、石炭火力発電への融資など、温室効果ガスの排出増加につながるプロジェクトへの支援が問題視されています。
世界銀行は当初、経済成長を最優先課題としており、環境問題への配慮が後回しになっていました。多くの途上国は、経済発展のために安価なエネルギー源である石炭に依存しており、世界銀行はこうした需要に応えざるを得ない側面もあったことも事実です。
構造調整プログラムの問題
1980年代から1990年代にかけて、世界銀行は、多くの途上国に対して、市場経済への移行を促す構造調整プログラムを推進しました。しかし、このプログラムは、一部の国で経済の安定化に貢献した一方で、貧困層への影響や社会不安を引き起こすなど、負の側面も指摘されています。
構造調整プログラムは、すべての国に対して画一的な政策を適用しようとしたため、各国の多様な状況に合致しないケースが多々ありました。また、経済的な効率性ばかりを重視し、社会的な公平性や環境への影響が十分に考慮されていなかったことも、要因の1つと言われています。
ガバナンスと透明性の欠如
世界銀行の意思決定プロセスは、一部の国の影響力が強く、透明性に欠けるという批判があります。具体的には、先進国、特にアメリカやヨーロッパの国の影響力が強いという構造的な問題が指摘されています。
また、融資プロジェクトの評価が不十分なケースもあり、資金の無駄遣いや不正が行われる可能性も指摘されています。さらに、世界銀行のプロジェクトに関する情報公開が不十分であり、市民社会やメディアによる監視が困難な状況でした。
陰謀論と批判
世界銀行が巨額の資金と影響力を持つことから、さまざまなうわさや陰謀論が生まれ、その活動に対する信頼性に疑問を投げかける声も少なくありません。
- 開発途上国の搾取:世界銀行の融資が、開発途上国の資源を外国資本に奪わせるための手段であるという見方。
- 新自由主義の押し付け:市場原理主義に基づく政策を一方的に押し付け、貧富の格差を拡大させているという批判。
- 環境破壊:世界銀行が支援する開発プロジェクトが、環境破壊を引き起こしているという指摘。
- 政治介入:特定の国の政治に介入し、自国の利益を優先しているという疑念。
- 秘密結社との繋がり:イルミナティなどの秘密結社と繋がりがあるという陰謀論。
などといった、批判的なうわさが一部の人々の間でささやかれています。これらのうわさは、必ずしも根拠のあるものとは限りませんが、世界銀行に対する不信感をあおり、その活動に対する批判を強める要因となっています。
しかし、これらの批判的なうわさからも、世界銀行がその活動において、誰からも理解が得られるように、より透明性を高め、説明責任を果たす必要があると考えることができます。
世界銀行のような巨大な組織を巡る陰謀論は、人々に「世界の裏側」をのぞき見るようなスリルを与えるかもしれません。
しかし、実際には、このような国際機関の活動は、さまざまな事情や思想を持つステークホルダー間の意見調整や、予期せぬ事態への対応など、膨大な努力を要する、非常に複雑なプロセスを経て進められています。
改善に向けた取り組みと課題
上記は、世界銀行の問題点の一例であり、他にもさまざまな問題点が考えられます。一方で、世界銀行はこれらの問題点を認識し、改善に向けて以下のような、さまざまな取り組みを行っています。
環境への配慮
石炭火力発電への融資を削減し、再生可能エネルギーへの投資を拡大しています。また、気候変動対策を重視したプロジェクトへの支援を強化しています。
構造調整プログラムの見直し
構造調整プログラムは、より柔軟かつ多様なアプローチへと転換しています。各国の実情に合わせて、適切な政策を設計するよう努めています。
ガバナンス改革
意思決定プロセスを透明化し、市民社会の参加を促進する取り組みを進めています。また、融資プロジェクトの評価を厳格化し、不正を防ぐための体制を強化しています。
しかし、これらの取り組みにも課題は残っています。
- 改革のスピード(世界銀行の改革は、十分なスピードで進んでいると評価されていない)
- 先進国の影響力(先進国の影響力が依然として強い)
- 途上国の多様性(途上国の状況は多様で、画一的な政策が必ずしも有効とは限らない)
世界銀行は、今後もこれらの課題に取り組み、より効果的な開発支援を行っていく必要があります。*4)
世界銀行に関してよくある疑問
ここまで読んできて、なんとなく世界銀行についてわかってきたでしょうか?しかし、世界銀行を身近に感じられる人は多くないでしょう。
ここでは、そんな世界銀行について、よくある疑問に回答していきます。
世界銀行はどのように資金を調達していますか?
A:主に世界各国の政府が出資しています。同時に、国際市場での債券発行を通じて資金を調達しています。
日本も、世界銀行の重要な出資国のひとつです。また、世界銀行は、各国の政府からの出資金に加え、債券を発行することで資金を集めます。
この債券は、投資家に対して利息を支払う形で返済されます。こうして得た資金を元に、開発途上国への融資を行い、経済発展を支援しています。
【IBRDのビジネスモデル】
世界銀行のプロジェクトはどのように選ばれるのですか?
A:プロジェクトは、各国政府のニーズや優先事項に基づいて選定されます。
世界銀行は、各国政府と協力し、地域の特性や課題に応じたプロジェクトを策定します。プロジェクトの選定には、現地の状況や必要性を考慮し、持続可能性や効果を評価することが重要視されています。
世界銀行の影響力はどれくらいあるのですか?
A:世界銀行は、グローバルな経済政策に大きな影響を与えています。
世界銀行は、資金提供だけでなく、開発政策に関するアドバイスや研究を行っています。そのため、各国の経済政策に影響を及ぼし、国際的な経済問題に対する解決策を模索する場としても機能しています。
世界銀行で働くためにはどうすれば良いですか?
A: 世界銀行で働くためには、高い専門性と国際的な視点が求められます。具体的には、経済学、開発学、社会学などの分野における高度な知識や経験、そして流暢な英語力が必要です。
世界銀行への就職は、非常に高い競争率ですが、不可能ではありません。また、世界銀行は多様なバックグラウンドを持つ人材を積極的に採用しています。
世界銀行の求人は、主に世界銀行のウェブサイトや、国際機関の求人情報を集めた専門サイトで募集されます。応募の際には、学歴、職務経験、言語能力に加えて、世界銀行のミッションに共感し、国際協力に貢献したいという意欲を示すことが重要です。
世界銀行に勤務した時の年収はどれくらいですか?
A: 世界銀行の年収は、職種、経験年数、勤務地などによって大きく異なります。一般的に、国際機関の職員の給与は、民間企業に比べて高水準であると言われています。
物価の高い都市での勤務の場合、手当が支給されることもあります。
世界銀行の活動は、本当に効果があるのですか?
A: 世界銀行の活動は、多くの途上国の発展に貢献してきました。しかし、すべてのプロジェクトが成功しているわけではありません。
世界銀行は、これまで多くの貧しい国々を支援し、彼らの生活を改善してきました。しかし、一方で、支援を受けた国の中には、依然として貧困に苦しんでいる国もあります。これは、経済状況や政治情勢など、さまざまな要因が複雑に絡み合っているためです。
世界銀行のメンバー国に序列があるのは本当ですか?
A:世界銀行のメンバー国には投票権において序列があります。
世界銀行は、各国の出資額に基づいて投票権を配分しています。このため、経済規模が大きい国や出資額の多い国は、より多くの投票権を持ち、意思決定において影響力が強くなります。例えば、アメリカや日本は大きな出資国であり、そのため重要な決定において大きな影響を持っています。一方で、出資額が少ない国は、相対的に影響力が低くなります。このように、世界銀行内での国の序列は、出資に基づく投票権によって形成されています。
【IBRD(世銀本体):投票権シェア】
投票権が多い国に有利で、アンフェアではありませんか?
A:確かに、出資比率によって投票権が異なり、より多くの資金を提供する国がより大きな影響力を持つという構造は、一見不公平に感じるかもしれません。しかし、この構造には、以下のような理由と背景があります。
- 責任と貢献:より多くの資金を提供する国は、世界銀行の運営に対してより大きな責任を負い、その成果に対してより大きな貢献を求められることになります。
- リスク分担:世界銀行の事業は、必ずしも成功するとは限りません。より多くの資金を提供する国は、そのリスクをより多く負うことになります。
- 効率性:出資比率に基づいた投票権の配分は、意思決定のプロセスをより効率的に進めることができます。
- 歴史的な経緯:世界銀行は、第二次世界大戦後の復興を目的として設立された国際機関です。その設立当初から、出資比率に基づいた投票権の配分が採用されてきました。
では、なぜこの構造が「アンフェア」ではないと言えるのでしょうか?世界銀行の意思決定は、単に投票数が多い意見が通るわけではありません。コンセンサスの原則に基づき、すべての加盟国の意見が尊重されます。
近年、世界銀行では、より公平で透明性の高いガバナンス体制を構築するための改革が進められています。重要なのは、 出資比率の大小に関わらず、すべての加盟国が世界銀行の運営に積極的に関与し、国際社会の共通の課題解決に向けて協力していくことです。*5)
世界銀行とSDGs
世界銀行は、SDGs(持続可能な開発目標)達成に向けた取り組みにおいて、重要な役割を担っています。世界銀行の活動が特にポジティブな影響を与えるSDGs目標を確認してみましょう。
SDGs目標1:貧困をなくそう
世界銀行は、極度の貧困に苦しむ人々の数を減らすために、低所得国の経済成長を支援し、社会サービスへのアクセスを向上させるためのプロジェクトに資金を提供しています。農業生産性の向上、中小企業の育成、金融サービスへのアクセス改善などを通じて、人々の収入を増やし、貧困からの脱出を支援しています。
例えば、アフリカの農村地域において、小規模農家への農業技術指導や灌漑施設の整備を行い、収入の増加を支援しています。また、マイクロファイナンス事業への投資を通じて、貧困層への金融アクセスの拡大を図っています。
【関連記事】マイクロファイナンスとは?仕組み・問題点と日本企業の取り組み事例を解説
SDGs目標2:飢餓をゼロに
世界銀行は、農業生産性の向上、灌漑施設の整備、気候変動への適応策の支援などを通じて、食料生産量を増やし、食料の安定供給を確保しています。小規模農家の収入向上を支援し、食料システムの持続可能性を高めるための取り組みを行っています。
インドのプロジェクトでは、乾燥に強い品種の開発や、スマート農業技術の導入を支援することで、食料生産量の増加と食料安全保障の強化を目指しています。
SDGs目標4:質の高い教育をみんなに
世界銀行は、初等教育から高等教育までのアクセスを拡大し、教育の質向上のための支援を行っています。教師の育成、学校施設の整備、教育課程の改善など、教育の質を高めるための多様なプロジェクトを実施しています。
サハラ以南のアフリカでは、学校建設や教師の養成、教育課程の改善を支援し、初等教育の普及率向上を目指しています。
SDGs目標6:清潔な水とトイレを世界中に
世界銀行は、安全な飲料水の供給、衛生施設の整備、水資源管理の改善など、水と衛生に関する問題解決のためのプロジェクトを支援しています。この活動によって、水に関連する疾病の減少、衛生状態の改善、生産性の向上に貢献しています。
バングラデシュの例では、安全な飲料水の供給と衛生施設の整備を支援し、コレラなどの水系感染症の発生を抑制しています。
SDGs目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
世界銀行は、再生可能エネルギーへの投資を促進し、エネルギーアクセスが困難な地域への電力を供給しています。また、エネルギー効率の向上を支援し、温室効果ガスの排出削減に貢献しています。
インドネシアでは、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーへの投資を促進し、エネルギーアクセスが困難な地域への電力を供給しています。
SDGs目標13:気候変動に具体的な対策を
世界銀行は、気候変動の影響緩和と適応のためのプロジェクトを支援しています。
- 再生可能エネルギーへの転換
- 森林保全
- 都市の持続可能性の向上
再生可能エネルギーへの転換
などの促進を支援しています。例えば、小島嶼開発途上国※において、海面上昇による影響を軽減するためのインフラ整備や、気候変動への適応策を支援しています。
世界銀行は、さまざまなSDGs目標に対して具体的な活動を展開し、ポジティブな影響を与えています。これらの活動は、国際的な課題の解決に貢献し、より良い未来を築くための基盤を形成しています。*6)
>>各目標に関する詳しい記事はこちらから
まとめ
【世界銀行の目標「極度の貧困を撲滅」「繁栄の共有」を全世界で持続可能な形で実現】
世界銀行は、貧困削減と持続可能な開発を目的とした国際金融機関です。主に開発途上国に対して融資や技術支援を行い、経済成長や社会的発展の促進を目指しています。
世界銀行を理解する上で重要なのは、それが単なる銀行ではなく、国際協力の象徴であり、多様な国々の複雑な問題に対処している点です。
また、世界銀行のような国際機関の活動の裏側は複雑で、多くの人の努力によって支えられています。世界中のさまざまな国が参加する世界銀行の活動は、例えば数千人の要人が安全に集まることができる会議の会場探しや、事情がさまざまな参加国の調整、そして想定外の事態への対応など、数多くの困難が伴うのです。
世界銀行は単に資金を提供するだけでなく、政治的な駆け引きや文化的な違いを乗り越えながら、国際協力を実現しようとしています。まだ多くの課題が指摘されていますが、今後もそれらの解決に向けた取り組みは続くでしょう。
現代社会は、情報があふれています。世界銀行に関する情報も例外ではありません。
このような社会の流れの中で、以下のようなことを常に心掛けていきましょう。
- 多角的な視点: さまざまな角度から複数の情報を収集し、客観的に判断する。
- 批判的思考:情報を鵜呑みにせず、背景や信頼性を考慮する。
- 継続的な学習: 国際問題や経済の動向について常に学び続けること。
- 積極的な参加:地域社会や国際問題に対して、意見を持ち行動する。
世界銀行について、まだまだ身近に感じていない人も多いでしょう。しかし、今後、グローバル化が進行する中で、このような国際機関や地政学、国際的な問題について知ることは不可欠です。
世界銀行の活動は、例えばあなたが世界銀行の職員として勤務していなくても、日本が出資することで実は私たち一人ひとりとつながっているのです。より多くの人が知ろうとするようになれば、世界銀行をはじめ、他の国際機関や政府・地方自治体・企業は説明責任を果たし活動の透明性を確保せざるを得なくなります。
一般的な知識を広げ、その中で、あなたの得意な分野や興味が持てる分野を見つけて知識を深めましょう。一人ひとりの理解と責任ある行動が、より良い社会と地球環境、さらには個人の充実した生活を実現するために重要なのです。
<参考・引用文献>
*1)世界銀行とは
THE WORLD BANK『開発途上国の持続可能な発展を支える投資 世銀債』(2023年6月)
WORLD BANK GROUP『世界銀行と日本』
WORLD BANK GROUP『WHO WE ARE』
WORLD BANK GROUP『WHAT WE DO』
WORLD BANK GROUP『世界銀行の概要』
財務省『約190カ国が加盟する“ワールド・バンク”日本は第2位の出資国』
国際通貨基金『IMFと世界銀行』
財務省『世界銀行グループ(WBG)』
国際通貨基金『世界銀行グループとIMF、気候変動対策の規模拡大に向け 共同の取り組みを深化』(2024年5月)
*2)世界銀行の目的と役割
WORLD BANK GROUP『世界銀行の概要』
WORLD BANK GROUP『世銀債(国際復興開発銀行債券)』
WORLD BANK GROUP『World Bank RAMP Trust Fund to Improve Public Asset Management Announces Second Beneficiary, Cabo Verde』
WORLD BANK GROUP『Mobilizing More Money for Small Businesses in
Rwanda through Innovative Blended Finance』
WORLD BANK GROUP『Ending Extreme Poverty and Promoting Shared Prosperity』
WORLD BANK GROUP『パートナー』
財務省『世界銀行グループ(WBG)』
日本経済新聞『世銀、融資枠23兆円拡大 気候変動・貧困対策の両立課題』(2023年10月)
WORLD BANK GROUP『日本が世界銀行から貸出を受けた31のプロジェクト』
WORLD BANK GROUP『日本とのパートナーシップ』
国際連合広報センター『世界銀行グループ』
国際農研『 1010. 2024年食料危機グローバル報告書』(2024年5月)
WORLD BANK GROUP『世界の貧困に関するデータ』(2018年10月)
JETRO『2024年の世界経済は低水準ながら安定へ、世界銀行見通し(世界)』(2024年6月)
*3)世界銀行の歴史
WORLD BANK GROUP『世界銀行グループのタイムライン July 1, 1944 Bretton Woods Conference begins』
WORLD BANK GROUP『世界銀行グループのタイムライン May 8, 1947 World Bank approves first loan for reconstruction』
WORLD BANK GROUP『世界銀行グループのタイムライン January 1, 1992 Post-Soviet states join the World Bank Group』
WORLD BANK GROUP『世界銀行グループのタイムライン September 15, 2014 First funding for Ebola response approved』
WORLD BANK GROUP『世界銀行と日本』
WORLD BANK GROUP『沿革』
WORLD BANK GROUP『世界銀行グループのタイムライン』
WORLD BANK GROUP『世界銀行と日本~60年のパートナーシップ~歴史編』(2012年8月)
国際通貨研究所『世界銀行』
国際通貨基金『IMFと世界銀行の連携を拡大 IMF専務理事と世界銀行総裁の共同声明』(2023年9月)
*4)世界銀行の問題点
参議院『国際通貨基金(IMF)・世界銀行グループの動向と課題― 増資・ガバナンスをめぐる議論を中心に ―』(2019年12月)
岩崎 康子 ・江尻 良『途上国におけるインフラ投資評価の 現状と課題:研究展望』(2020年)
地球温暖化政策財団『発展を阻害する世界銀行』(2017年)
外務省『columnI-11 OECFによる「世界銀行の構造調整アプローチの問題点について―主要なパートナーの立場からの提言」について』
佐俣 紀仁『世界銀行のアカウンタビリティとインスペクション・パネルの機能─「国際組織のアカウンタビリティ」の法的位置づけに関する一考察─』(2016年)
WORLD BANK GROUP『世界銀行グループ、保証業務の抜本見直しを発表』(2024年2月)
Reuters『米の反ユダヤ主義、社会・政治土壌が温床 陰謀論も浸透=リポート』(2024年4月)
*5)世界銀行に関してよくある疑問
WORLD BANK GROUP『世界銀行と日本』
WORLD BANK GROUP『世銀スタッフの横顔」(2021年12月)
WORLD BANK GROUP『主な採用プログラム』(2024年6月)
WORLD BANK GROUP『人事』
WORLD BANK GROUP『世銀債(国際復興開発銀行債券)』
WORLD BANK GROUP『IBRD Funding Program』
WORLD BANK GROUP『革新的資金調達ツールに各国が大規模な拠出を表明』(2024年4月)
WORLD BANK GROUP『採用に関するFAQ』(2019年12月)
WORLD BANK GROUP『世界銀行のプロジェクト融資業務』
WORLD BANK GROUP『世界銀行と日本』
WORLD BANK GROUP『世界銀行、数十億ドル規模の融資拡大に向け新施策を発表』(2023年7月)
世界銀行ブログ『日本と世界銀行の協働:強靭なインフラ構築に向けて』(2022年9月)
東洋経済ONLINE『世界銀行は、どのような人材を採用しているのか』(2016年1月)
参議院『Ⅳ.世界銀行の開発援助政策に関する調査 』
国際連合広報センター『開発のための融資』
日本貿易振興機構『世界銀行、電力分野改革を通じウズベキスタンの温室効果ガス削減を支援』(2023年8月)
環境省『資料 3. 新しい世界銀行の環境影響評価指令』(1999年1月)
*6)世界銀行とSDGs
マイクロファイナンスとは?仕組み・問題点と日本企業の取り組み事例を解説
国際協力機構『アフリカ地域農村部における産業振興策と金融制度支援に係る調査研究』(2007年3月)
WORLD BANK GROUP『ベナン:受益者に具体的な成果をもたらしながら、農業の課題に立ち向かう』(2019年11月)
WORLD BANK GROUP『パートナー』
WORLD BANK GROUP『農業・食料生産を変えることで温室効果ガス排出量の3分の1削減が可能』(2024年5月)
日本貿易振興機構『世界銀行、2023/2024年度のインドの経済成長率予測を7.5%に上方修正(インド、バングラデシュ、スリランカ、パキスタン)』(2024年4月)
IDA『農業 主な実績』
THE WORLD BANK『学習貧困:危機に瀕する児童教育』
WORLD BANK GROUP『教育と学びー可能性を実現するために』(2018年)
浜野 隆『世界銀行による構造調整 と教育改革過程ガーナにおけ る教育部門調 整を事例 として』(1996年)
WORLD BANK GROUP『アフリカ地域』
WORLD BANK GROUP『田中幸夫世界銀行 水グローバルプラクティス 東部・南部アフリカ地域担当 上級水資源管理専門官~第57回 世銀スタッフの横顔インタビュー』(2021年3月)
国際協力機構『バングラデシュ国 水ビジネス事業環境に係る情報収集・確認調査』(2013年9月)
日本貿易振興機構『世界銀行、バングラデシュへの総額12億5,000万ドルの融資承認』(2023年5月)
本山 央子『高すぎるコスト――インドネシア電力セクターの債務、汚職そして民営化』(2000年7月)
THE WORLD BANK『全ての人々にエネルギーを提供する新たな誓い』
WORLD BANK GROUP『エネルギー進捗報告書:持続可能なエネルギーの普及のためには格差解消が不可欠』(2021年6月)
JICA報告書『インドネシア国 再生可能エネルギー利用地方エネルギー供給計画調査ファイナルレポート』(2003年9月)
THE WORLD BANK『小島嶼開発途上国における交通システムの気象・災害に対する強靭化』(2022年4月)
THE WORLD BANK『小島嶼開発途上国における災害に強い交通システム 災害時の生命線となる強靭な輸送力』
外務省『小島嶼開発途上国(SIDS)』
WORLD BANK GROUP『世界銀行、途上国における「太陽光発電+蓄電池」システム導入加速に向けた包括的フレームワークを発表』(2023年11月)