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国連副事務総長はアフリカにおいて持続的な開発を実現するための行動を呼びかけている

<アミーナ・モハメッド国連副事務総長>

アミーナ・モハメッド国連副事務総長は、日曜日に開催された、カイス・サイード・チュニジア共和国大統領との会談で、持続可能な開発目標(SDGs)へ継続的に関わることを強調した。

モハメド氏は、同日閉幕した第8回アフリカ開発会議(TICAD8)に出席するために、チュニジアを訪れていた。

アフリカ開発会議は、「アフリカに住む人々のためのアフリカ開発」というの考え方のもと、1993年より、日本が主導で国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行、アフリカ連合委員会と共同で開催されてきた。

新時代

国連副事務総長を迎えて、サイード大統領は、新型コロナウイルス感染症やウクライナ情勢だけでなく、自国を引用しつつ世界的な新時代について言及した。チュニジアでは、新憲法が制定され、それは全ての人々に十分な説明責任を果たすだろうと述べた。

さらに、TICADはすでにアフリカに重要な成果をもたらしており、今回合意された事を実行に移す為に、多くのやるべきことがあると続けた。

SDGsは依然として重要だ

モハメッド氏は、SDGsが新時代において依然として重要な枠組みであること、また、TICADは重要なものを想起させる存在だと改めて呼びかけた。

17の目標は、極度の貧困撲滅、ジェンダー平等の実現、経済成長の促進、気候変動への取り組み、自然環境の保全などを通じて、より公正で公平な世界をもたらすことを目指している。

これらは2015年に世界的なリーダーによって採用され、そして2030年までの期限がある。

国連副事務総長は、多くの諸国において、より良い公共サービスの実現がいまだに達成していない。特に女性や少女の分野において。さらに、国連は国々を支援し続け、希望を与えると述べた。

<エチオピアの障害を持つ生徒・レデンは、Education Cannot Wait(ECW)のプログラムのおかげで、定められた教育支援を受けている。ECWとは、緊急事態や長引く危機における、国連の教育の基金である>

教育変革

モハメッド氏は、サイード大統領に、今度の国際連合総会と重要な国連教育の変革サミットへの参加を招待したことを思い出させた。

9月16日より国連本部にて開催される3日間のイベントは、あらゆる年齢や背景を持つ学習者に、成長する為に必要な技術、知識、そして価値観が身に付くような、教育に対する新しいビジョンを提示することを目的としている。

サイード大統領は、教授として、アフリカの再定義や再考に貢献できると述べた。

サイード大統領は出席に興味を示し、この新時代に教育を適応する事は基本だと述べた。さらに、教育や学習に対する最高評議会は、チュニジア新憲法に含まれていると付け加えた。

サイード大統領との会議はモハメッド氏がTICAD8の開会式で演説した翌日に開催された。

まさに嵐のようだ

モハメッド氏は発言中に、国連副事務総長は 今日世界が直面している、複数の危機が互いに影響しあう連鎖に対して行動する事を呼びかけた。

新型コロナウイルス感染症からの回復、ウクライナ情勢の影響、気候変動、財政危機によって、弱者は既に深刻なストレスにさらされていると述べた。

このまさに嵐とも呼べるものは、次々と、現在および未来の紛争や不安を悪化させる温床となっており、SDGsの達成、命や生活を救う為に行ってきた我々の協力や努力の信用を損なっている。

行動のための3つの領域

モハメッド氏は、これらの課題の克服、アフリカにおける安全保障、持続的な開発に取りかかる前例のない機会に、世界は直面していると述べた。

また、アフリカ経済に利益をもたらし、SDGsを達成する為に3つの主要分野にわたる行動を加速する必要性を強調した。

1つ目の分野は、エネルギーへの普遍的なアクセスと、公正で公平な再生可能エネルギーへの移行である。

TICADのような持続可能な投資と強力な友好関係を基礎とした、アフリカにおけるエネルギー開発の道筋を計画する、包括的な取り組みが必要だ。

「エネルギーへのアクセスギャップが6億人もの人々に影響があるので、

いつでもどこでも手頃な価格でのクリーンエネルギーへのアクセスという願望に対応する為に、

アフリカは余裕を持ってエネルギーをする必要があるだろう。」とモハメッド氏は述べた。

「現在の世界規模のエネルギー価格の高騰は、アフリカ諸国が持つ再生可能エネルギーに対する可能性を最大限に引き出す。

しかし、問題を解決するのに十分な投資が必要だろう。」

<カメルーン、ヨーコにて女性が協力してしている場面>

食糧システムの変更

2つ目の分野は、世界的な食糧システムを変える必要性に重点を置いている。それは、食糧安全保障、栄養、自給自足、そして、大陸全体の若者の雇用の達成を意味している。

「アフリカの穀倉地帯を拡大させるには、農業の生産性を高めなければならない。その為には、近代的な灌漑システム、農業の機械化、収穫後のロス削減などの新技術を取り入れた食糧システムが必要であり、アフリカにとって優先しなければならない。」と述べた。

さらに、TICADのような友好関係こそが、適切な投資、技術、適切なイノベーションを通じて、この変革を起こせると付け加えた。

最後の分野は、モハメッド氏は、不平等や、その根底にある要因に各国が取り組まない限り、相互作用している危機を解決できないと強調した。

「依存度の高い大陸であるなどのアフリカへの認識を、グローバルな舞台で、他の地域と同じように、同じ権利と地位を持ち、重大な役割があると考え改める必要がある。それは経済的なものであろうと、政治的なものであろうとだ。持続可能な開発の為に、適切な財源の動員は必須である。」とモハメッド氏は述べた。

やがてくるチャンスを掴む

モハメッド氏は、参加者に対し、今度の国際連合総会、国際通貨基金・世界銀行年次総会、G20、国連気候変動枠組条約第27回締約国会議を通じて、コロナウイルス感染症の流行からの回復とウクライナ情勢への対応に関して、協力を強めるよう促した。

モハメッド氏は、「我々は何もないところから始めるわけではない。」と述べ、アフリカにおける持続可能な開発を実現するという目標を達成する為に、確かな基盤が必要だと強調した。

今回、国連副事務総長は、アフリカ諸国に引き続き協力する用意があることを強調した。

この記事はUN NEWSの記事を翻訳したものです。

Original article: https://news.un.org/en/story/2022/08/1125592

公開日:2022/08/28