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「戦争の毒」に注意せよ、とグテーレス氏、「平和への呼びかけ」擁護

国連総長は金曜日、国際平和デーを記念して、ニューヨークの国連平和庭園で恒例の平和の鐘を鳴らし、1分間の黙祷を捧げた。

アントニオ・グテーレス事務総長は、”平和への呼びかけに参加してくれた”出席者に感謝しつつ、「今日、平和は攻撃を受けています」と念を押した。

何百万人もの命を危険にさらし、「戦争という毒は、人々を互いに敵対させ、国と国を対立させ、安全と福祉を侵食し、そして開発を後退させることによって、我々の世界を感染させています。

「また、私達が共有する未来への目標をも、どんどん遠ざけつつあります。」

戦うのではなく、共通の課題に取り組むために「人類は団結すべき」と国連事務総長は強調した。

それには貧困、飢餓、不平等、気候変動、生物多様性の損失、「生命と経済を同様に破壊し続ける」COVID-19の大流行、そして「今年の国際デーの焦点」である人種差別が含まれる。

平和の実現

平和を推進することは国連の主要な使命だが、「平和を構築する任務はすべての人にある」ことを彼は想起させた。

グテーレス氏は「共に、平和を築こう」と呼びかけた。

「私達の地球のための平和…深く不公平な世界金融システムの犠牲になっている発展途上国のための平和…そして、全ての人のための平等の名の下、あらゆる形態の差別、人種差別、ヘイトスピーチを終わらせることによって…」

さらに、「私達が行った、あるいは行わなかった決断の結果を受け継ぐことになる」若者のための平和を提唱した。

「そして、最も重要なことは戦争の恐怖の中で生きている何百万もの人々のための平和です。」と述べた。

グローバルな連帯は「今始まる」

事務総長は、「これまで以上に」世界的な連帯、集団行動、コミットメント、そして相互信頼の必要性を強調した。

「それはここから始まり、そして今始まるのです。」「全ての人々のための平和な世界を求める声を上げましょう。」と彼は述べた。

平和の鐘を鳴らす前に、出席者に「平和の意味と必要性について考える」沈黙の時間を持つよう呼びかけた。

連帯を求める

総会の議長であるクサバ・コロスキー氏は、1954年に60カ国から寄付されたコインで平和の鐘が作られたことを想起した。

「私達は今日、ここでの活動が適切でインパクトのあるものになるよう、同じ連帯感を必要としています。」と述べた。

新総会議長は、国連史上かつてないほど多くの難民や避難民が暴力から逃れている今日、世界の平和がいかに「重大な危機」にさらされているかを説明した。

ウクライナ戦争の影響が「地域をはるかに超えて」感じられることに触れ、「平和は常に脅かされる可能性があり、いかなる国もそれを当然視することはできないことを痛感させます。」と評した。

教育の重要性

今年のテーマである 「人種差別を終わらせ、平和を築く」は、「人種差別はいまだ私たちの世界に深く根付いている」ことを忘れないようにさせている、とコロスキー氏は述べた。

人種差別は世界の平和を脅かし、社会の絆を弱め、気候変動や紛争などの危機に対して国をより脆弱なものにしてしまう。

人種差別の背後にある目もくらむような固定観念を取り払うには、教育と科学が重要です。」と主張し、「多様なアイデアが創造性を刺激し、イノベーションを推進する」ことが私たちの強さの源であると付け加えた。

そして、「あらゆる形態の人種差別と差別を、きっぱりと終わらせる」よう、全ての人に呼びかけた。

平等を鳴り響かせる

コロスキー氏は、9月21日に開催された「国または民族、宗教および言語的マイノリティに属する人の権利に関する宣言」の30周年を記念する国連総会のハイレベルな会合に注目し、これを「寛容、包括、多様性の尊重の実践を再確認する」機会であると説明した。

また、世界人権宣言の起草者たちにも敬意を表した。

「この鐘の音が、世界中のすべての人の自由と平等のためになりますように。」と、総会議長は締めくくった。

毎年9月21日の「国際平和デー」は、国内および全ての国家と民族の間で平和の理想を強化するために捧げられる。

この記事はUN NEWSの記事を翻訳したものです。

Original article: https://news.un.org/en/story/2022/09/1126821

公開日:2022/09/16