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オーストラリア国民から愛されるBegaチーズ!製造と販売を行うBega Groupが環境のために工場と農場で取り組むエコ活動とは?

私たちにとっても身近な存在・チーズ。

南半球のオーストラリアでも食卓に欠かせない食材となっており、創業125年の歴史を持つBega Groupは国内でも高い認知度を誇るメーカーです。

製品の味や質はもちろん、エネルギー、資源、廃棄物、水質管理、動物福祉をはじめとする多方面における環境保全に取り組んでいることから、エコな企業としても高く評価されています。

この記事では、Bega Groupがどのようなエコ活動を行っているのが解説していきます。

Bega Groupの基本情報

1899年創業のBega Groupは、ニューサウスウェールズ州の田舎町・ベガ(Bega)に本社を構える乳製品の製造・販売メーカーです。

企業名のBega Groupは本社がある地名に由来し、ベガという地名はアボリジニの言葉で「大きなキャンプ場」もしくは「美しい」が訛ったものだとされています。

人口5,000人ほどの小さな街から始まったBega Groupですが、オーストラリア国内では特にチーズが有名なメーカーとして認知されており、2024年時点における国内チーズ小売市場は15.7%です。

尚、100%国内生産にこだわっているBega Groupは、ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、ビクトリア州、西オーストラリア州の4か所を拠点にチーズをはじめとする乳製品の製造を行っています。

Bega Groupが販売する製品とは?

Bega Groupはチーズの販売に最も力を入れており、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、クリームチーズ、子ども用のスナックチーズといったバリエーション豊富な商品展開を行っています。

また、チーズだけでなく、ピーナッツバター、ドレッシング、マヨネーズ、ハチミツなども取り揃えており、オーストラリアの食卓に必要な多くのものを購入できるメーカーとして国民に認識されています。

Bega Groupが掲げる環境目標

Bega Groupは、エネルギー、資源、廃棄物、水質管理、動物福祉といったさまざまな環境問題に向き合っています。

2050年までにネットゼロ実現を目指しているほか、短期的な計画としては2030年までに二酸化炭素の排出量の40%削減(2021年と比較)を謳っており、具体的には以下のような取り組みを行っています。

廃棄物削減に繋がるパッケージ

Bega Group はAustralian Packaging Covenant Organisation(APCO)の署名企業であり、自社パッケージが環境に与える影響を最小限に抑えています。

APCOはオーストラリアにおける包装の循環経済を促進する非営利団体で、循環型パッケージング設計の啓発や収集およびリサイクルシステムの教育などを通してエコなパッケージの市場拡大を目指しています。

Bega Groupは自社のパッケージにAPCOの包装ガイドラインを取り入れており、2022年には自社製品のパッケージのうち88%以上が再利用、リサイクル、コンポスト化可能なものに転換したほか、ポリ塩化ビニルをパッケージから廃止しました。

また、2023年からは1、2、3リットルの牛乳瓶に再生高密度ポリエチレンを採用しています。

再生高密度ポリエチレンは耐久性の高さを兼ね備えており、リサイクルして新しい食品用のボトルを製造できることからクイーンズランド州内のさまざまな企業が導入している素材です。

自社のリサイクル率アップ

Bega Groupは自社内でリサイクルプログラムを導入しており、工場やオフィス内で発生する段ボール、プラスチック、ドラム、金属、ガラス、アルミニウム、カートリッジ、紙などを全てリサイクルしています。

また、バッテリーなどを含む電子廃棄物や代替廃棄物を収集し、素材に応じてリサイクル及び再利用している点も特徴です。

地元で生産されたピーナッツの使用

Bega Groupは製品の国内生産にこだわっており、シンプリーピーナッツバターの主成分であるピーナッツをオーストラリア国内から仕入れています。

工場はニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、ビクトリア州、西オーストラリア州の4か所にあるものの、西オーストラリア州以外の3か所は東側に集中しています。

東側の工場に原料を輸送する上で二酸化炭素の排出量が増加してしまうため、Bega Groupはニューサウスウェールズ州の2つの農場とクイーンズランド州の7つの農場と契約を結びました。

また、2~3週間に1度の頻度で農学者と共に各農場を訪れており、化学物質の使用や安全性に関するデータを持続可能性報告書にまとめています。

持続可能性の高いエネルギー

2030年までに2021年時よりも40%の温室効果ガスの排出量削減を目指しているBega Groupでは、持続可能性の高いエコなエネルギーを導入してきました。

2024年時点で、Bega Groupの工場が消費する総エネルギーの20%は木材廃棄物を使った非化石燃料源から調達されています。

木材廃棄物燃料の使用によってボイラーから蒸気が発生しますが、石油ガスと比較すると環境負荷が低く、結果としてチーズ製造における二酸化炭素排出量が少なくなる点がメリットです。

Bega Groupでは常に工場からの二酸化炭素の排出量を監視しているのはもちろん、現在20%に留まっている木材廃棄物によるエネルギー生成の割合を今後増やしていくことも目標にしています。

水に関するマネジメント

チーズをはじめとするさまざまな乳製品を製造している工場内では、日々膨大な量の廃水が発生します。

生乳1トンの処理につき400~600リットル(家庭用の浴槽の2.5杯分程度)の廃水が出るとされており、不適切な処理による水質汚染の懸念もあります。

Bega Groupでは自社及び自治体の処理システムを通じて廃水を浄化した後、自社の敷地内の灌漑に使用することで水の汚染防止及び再利用を実現してきました。

また、製品の製造に使う水の安全性にもこだわっており、Bega Valley(ベガバリー)の工場では高性能の処理システムによって浄化された井戸水から水を供給しています。

水は毎日サンプルが収集され、NATA (National Associated of Testing Authorities) 認定研究所によるガイドラインに従って評価される徹底ぶりです。

工場の環境モニタリング

環境に与える影響を最小限に抑えるべく、Bega Groupでは大気、水、廃水、土地の環境モニタリングを実施しています。

環境パフォーマンスを評価するためにそれぞれのサンプルが集められ、環境面や安全性に問題がないか、異常な変化が見られないかなどをチェックするシステムです。

継続的にモニタリングすることで異変があった際に迅速かつ適切な対応ができるため、環境汚染などのリスクを軽減できるというメリットがあります。

尚、ビクトリア州の結果に関してはオーストラリアの環境保護局に直接報告されており、政府機関のチェックを通すことで環境負荷低減の徹底に繋がっている取り組みです。

植物由来のチーズの販売

乳製品に必要不可欠な乳牛には、温室効果ガスの排出量を増加させるというデメリットがあります。

そこで、Bega Groupでは植物由来のチーズの製造及び販売を行うことで、環境負荷の低減を目指しています。

牛乳供給業者との環境に関する契約

エコな製品を製造・販売するためには、サスティナブルな牛乳供給業者との契約が欠かせません。

Bega Groupの契約書には化学薬品および土壌の健康管理、牛乳の栄養分、水やエネルギーに関する要件が記載されているほか、断尾、家畜に対する特定の鎮痛剤の使用、分娩誘発の禁止といった動物福祉に関する項目も含まれています。

また、Bega Groupは農場に対して要件の遵守を要求するだけでなく、必要に応じて手助けなども行っている企業です。

農場がより環境に優しい設備を導入するためにBetter Farmsプログラムと呼ばれる助成金サポートを実施しており、助成金の額は2018年から2023年までで約260万ドルに達しています。

まとめ

サスティナブルなチーズづくりを続けるために、オーストラリアのBega Groupではさまざまなエコ活動に力を入れています。

味、質、価格帯などで選びがちなチーズですが、地球の未来のためにも環境への優しさを基準にチーズを購入してみてはいかがでしょう?