気候変動が加速する中、近年は世界中で「エネルギーのつくり方・使い方」に対する意識が高まり、「エネルギーミックス」に注目が集まっています。
エネルギーミックスは、 SDGs目標7「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」とも深いかかわりを持ち、これからの社会を考える上で欠かせないものです。
そこで今回は、エネルギーミックスとは何か?にはじまり、世界や日本での現状・政府と企業の取り組みを紹介します!
エネルギーミックスとは
エネルギーミックスとは、社会全体に必要な電気を、さまざまな発電方法によって供給することで、「電源構成」と呼ぶこともあります。
公益財団法人自然エネルギー財団が2023年4月に公表した「2035年エネルギーミックスへの提案(第1版)自然エネルギーによる電力脱炭素化を目指して」によると、電力の80%を自然エネルギーで供給することで、発電に必要な化石燃料費が8割削減できると言われています。
ここでいう電源とは、電源を作る元となる発電所、または電気を作るためのエネルギー源です。
ひとつの電源だけに頼ってしまうと、万が一の事故や災害で一斉に電力が停止してしまうリスクがあります。
そのため、日本をはじめ各国政府は、いくつかの電力源を組みあわせて、安定した電力を供給できるよう、発電方法の組みあわせ(エネルギーミックス)を考えるのです。
このエネルギーミックス(電源構成)を考える上で大切なのが、3E+S(Energy Security(安定供給), Economical Efficiency(経済効果),Enviroment(環境)+ Safety(安全性))の考え方です。
そして、同じように大切なのはエネルギー種類です。
次ではどのようなエネルギーがあるかを見ていきます。
エネルギーミックスの理解を深めるエネルギーの種類と特徴
世界では、さまざまな資源を使った発電方法で、電気をつくっています。
- 火力(石油・石炭・LNG)
- 原子力
- 再生エネルギー(太陽光・地熱・風力・水力・バイオマスなど)
ひとつずつ見ていきましょう。
火力
火力発電は、石油・石炭といった化石燃料や、液化天然ガス(LNG)を燃やした熱によって電気を作る方法です。
- メリット
燃料を調節し発電量をコントロールしやすい、燃料(特に石炭)が比較的安価 - デメリット
大量の二酸化炭素を排出する、いずれ枯渇する有限資源のため持続可能とはいえない
【関連記事】火力発電の仕組みと特徴は?メリット・デメリット、環境への取組も
原子力
原子力発電は、核燃料であるウランを核分裂させ、その際に生じる熱でエネルギーを得る方法です。
- メリット
二酸化炭素の排出が少ない、少量の燃料でたくさんのエネルギーを得られる - デメリット
核燃料の処理に関する安全性への疑問、放射線物質・汚染水による環境面のリスクが高い
【関連記事】原子力発電とは?仕組みやメリット・デメリット、今後の課題も
再生可能エネルギー
再生可能エネルギーとは、太陽光や地熱・水力のような、自然界に存在する資源を利用して発電できるエネルギー源のことです。
主な再生可能エネルギーの太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスについてまとめました。
資源エネルギー庁の図によれば、以下の種類が「再生可能エネルギー」に当てはまります。
このように、それぞれのエネルギーにはメリット・デメリットがあるため、各国の事情に合わせて組み合わせてていくことが重要でしょう。
エネルギーミックスについて学んだところで、次は世界と日本のエネルギー事情についてチェックしてみましょう。
【関連記事】再生可能エネルギーとは?メリットやデメリット、日本・世界の現状、今後の課題も
世界のエネルギーミックスの現状
最初に、世界全体の電源構成についての推移を確認しておきましょう。
IEA(国際エネルギー機関)が2021年に発表したレポートの中では、1971年~2019年の電力構成の変化を紹介しています。
【グラフの見方】
Coal=石炭(青)
Oil=石油(黄緑)
Renewables=再生可能エネルギー(黄)
Natural Gas=天然ガス(緑)
Nuclear=原子力(薄青)
Other=その他(オレンジ)
全体的に石炭や石油のような化石燃料の割合が減少傾向にあります。その一方で注目したい点が、再生可能エネルギーの需要が増加していることです。
特に、のちほど説明するSDGsが採択された2015年以降、この傾向は顕著で、クリーンなエネルギーへの移行が始まっていることがわかります。
先進国のエネルギーの現状
これらを踏まえて、ここでは世界の主に先進国のエネルギー事情を紹介します。
先ほど「化石燃料が減り、再生エネルギーの割合が増えている」とお伝えしましたが、その傾向は先進国ほど顕著です。
以下の図は、資源エネルギー庁による「主要国の電力構成」を示したグラフです。
欧州やカナダを中心に、世界規模で再生エネルギーの割合が高いことが伺えます。一方で、燃料を燃やさなければならない、天然ガスや石炭に頼る国も目立ちます。
※天然ガスは化石燃料と比較するとクリーンではあるものの、採掘の際に温室効果ガスを発生させることや、発電の際に燃やすため二酸化炭素を増やしてしまうといった懸念点が残るエネルギー源です。
次に、「エネルギー自給率」について考えてみましょう。自国でエネルギーを生産できるかがこれからの社会では鍵となります。
ここで同庁の資料から「OECD35か国エネルギー自給率(2018年)」を示したグラフを紹介します。
【グラフの見方】
濃灰:石炭
薄茶:原油
オレンジ:天然ガス
水色:原子力
濃青:水力
緑:再生可能エネルギーなど
資源の豊かさは立地によって異なるため、原油産出国のノルウェーや、石炭が豊富なオーストラリアのように、資源が豊富な国もあれば、日本やルクセンブルグといったエネルギー自給に乏しい国もあります。
しかし、そのような条件にかかわらず、化石燃料などに頼らずにエネルギーを生産することが今後のポイントです。たとえば、1位のノルウェーは産油国のひとつですが、自国では水力発電に力を入れています。
再生エネルギー割合のうち、実に96%を水力に頼っており、国全体の発電量を十分に賄えているばかりでなく、輸出をおこなえるほどです。
このように、先進国では再生エネルギーの利用が進み、できるだけ環境に負担をかけない形で発電を行う取り組みが進んでいます。
開発途上国・地域のエネルギーの現状
一方で、そもそも発電の設備が整っていない国や地域では、深刻な問題も残されています。
たとえば、電力が十分に供給されないことによって、普段の暮らしの中で行える料理をはじめ、さまざまな習慣が制限され、さらには世帯での空気汚染などの影響が出ているということ。
以下は、IEAが発表した「アジア・アフリカ地域における、清潔な炊事環境にアクセスできる人の割合(棒グラフ)と、世帯の空気汚染による早期死者(点グラフ)の推計」です。
【グラフの見方】
左から、サブサハラアフリカ・インド・中国・その他アジアを示しています。
棒グラフ:濃青=清潔な炊事環境にアクセスできる人、薄青=アクセスできない人
右のグラフ(2018年)と左のグラフ(2010年)を比べると、ほとんどのアジア諸国で改善がみられる一方、サブラハラ・アフリカ地域では、人口の増加と比例して、清潔な環境にアクセスできない人も増えているのが現状。
つまり、暮らしに必要な電力供給の整備が不十分なのです。
開発途上国・地域では、電源構成の前段階である「電力を供給するためのインフラ整備」が直近の課題と言えるでしょう。
このように世界では、まだまだ不平等なが状況が残されたままになっています。
【関連記事】大気汚染とは?世界・日本の現状や原因、環境への影響、企業の取り組みとSDGsの関係
日本のエネルギーミックス事情と現状
それでは、次に日本のエネルギー事情はどのようになっているのか、深掘りしていきましょう。
日本の電源構成の推移
まず、日本がどのように電源構成の変化を遂げていったのかを見てみましょう。
資源エネルギー庁の図「日本の一次エネルギー供給構成の推移」では、年代ごとに以下のような変化が見られます。
第一次オイルショックが起こった1970年代から、化石燃料への依存度がほとんど変わっていません。
2010年時点では原子力が一時的に勢力を増していましたが、2011年の震災による原発事故をきっかけに、放射物質による健康・環境面を心配する声があがり、現在は縮小傾向にあります。
再生エネルギーはわずかに増えているものの、欧米諸国に比べるとまだまだ進んでいないのが現状です。
自国で生産できる再生エネルギーの割合が低いということは、どのようにエネルギーを調達しているのでしょうか。
日本におけるエネルギーミックスの課題
先ほど「世界のエネルギー事情」で示したように、日本のエネルギー自給率はOECD諸国の中で圧倒的に低く、その数値は11.8%です。
つまり、エネルギー源となる燃料のほとんどを、海外からの輸入に頼っています。
そのため日本の電力構成の中で最も大きな割合を占めるのが化石燃料。ではこれは、一体どこから来ているのでしょうか。
資源エネルギー庁のグラフ「日本の化石燃料の輸入先(2019年)」を見てみましょう。
左から原油(石油)、LNG(天然ガス)、一般炭(石炭)の輸入先と、その割合を表しています。
石油は中東諸国、天然ガスと石炭はオーストラリアからの輸入に頼っていることが分かります。
このように、世界では再生エネルギー利用へのかじを切り始めているにもかかわらず、日本ではいまだに化石燃料に頼り続けているのが現状です。
2019年に開かれた、気候変動・環境問題に関する議題を扱う国際会議「COP25」の期間中には、グレーテス国連事務総長が開会式で「各国の温室効果ガス排出を減らすためには、石炭中毒から脱さなければならない」と宣言しています。
しかしその翌日、日本の経済産業大臣が「石炭火力発電など化石燃料の発電所は選択肢として残していきたい」と会見で発言し、気候変動に取り組む国際NGO・CAN Internationalから「化石賞」が贈られた過去も。
エネルギーを自給できないということは、万が一の事態によって輸入が止まった際、困るのは私たちです。
加えて、化石燃料は有限資源なうえ、環境にも悪影響を及ぼします。この現状を早急に変えるためにも、エネルギーミックスの最適な組みあわせを考え直さなくてはなりません。
エネルギーミックスに関する日本政府の取り組み
世界と日本の現状がわかったところで、次は政府の取り組みに焦点を当てていきましょう。
化石章を贈られたりしてはいるものの、少しずつ、持続可能な社会に向けて歩みを進めていることがわかります。
特にここではエネルギーに関する指針となる「エネルギー基本計画」について詳しく見ていきます。
エネルギー基本計画
エネルギー基本計画とは、国がエネルギー需給について、中長期での基本方針を示すもの。
中期目標は2030年、長期目標では2050年を想定している計画で、電源構成の割合を軸に、エネルギー政策に関する取り決めを行なっています。
現在は「エネルギー基本法」にもとづき、3年ごとに方針を見直しています。
理想の組み合わせのキーワードは3E+S
これからのエネルギーミックスを決めるエネルギー基本計画において、重要なキーワードとなるのが「3E+S」です。
3E+Sとは、
- Energy Security(安定供給)
- Economical Efficiency(経済効果)
- Enviroment(環境)
- + Safety(安全性)
の4つを軸とする考え方のこと。
では、ひとつずつチェックしてみましょう。
安定した供給(Energy Security)
繰り返しになりますが、資源に乏しい日本では、ひとつの電力供給源に頼ってしまうと、万が一の事態によって電気がストップするリスクを抱えています。
そこで、複数ので力供給源を持つことで、いざという時に補えるよう、備えているのです。
たとえば、2011年に発生した東日本大震災で福島第一原発が停止し、電力不足が話題になりました。
しかしそれ以降、計画停電を行いつつも、現在まで電気の供給が途絶えることなく続いているのは、ほかの火力や再生エネルギー発電ができているからです。
このように、安定した供給の側面から、いくつかの電気供給源があれば、多くの人にとって暮らしに不便なく過ごすことができます。
経済の観点(Economical Efficiency)
エネルギーミックスを考える上で、コストの面も考慮する必要があります。
現在、日本の電力供給で約8割を占めているのが、火力発電です。電気事業連合によると、火力発電に使われる燃料費は、年々増加傾向にあり、2016年度時点では、その額なんと15兆円を超えてしまいました。
電力を作るコストが上昇すれば、電気供給を受ける私たちにも、電気代の増加といった形で影響が出てきます。
こうしたコストの削減のために、火力発電においては、燃料を効率よく燃やして使用する技術の開発が進んでいます。
また、かつてはコストが高いといわれてきた太陽光発電も、需要の高まりとともに安価に設置できるようになりました。
経済的な影響も踏まえて、適切なエネルギーミックスの構築が求められます。
環境への配慮(Enviroment)
環境に配慮した電気づくりは、日本はもちろん世界全体で、最も大切に考えなくてはならないポイントです。
なぜなら、地球はひとつであり、国や地域に関係なく、お互いに影響を受け合うからです。
世界規模では、国連で締結されたパリ協定によって、各国で二酸化炭素の排出量削減に目標値を定めるように働きかけています。
2015年に開かれた、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で締結されました。
このパリ協定では、地球温暖化を食い止めるために気温上昇を1.5度までに抑えなくてはならず、そのためには2050年までに温室効果ガスを実質ゼロにしなければならない、としています。
つまり、日本を含む世界における発電の現状を見ると、今の化石燃料に頼る状態をキープするのは現実的ではないのです。
少しでも二酸化炭素の排出を抑え、地球環境に配慮したエネルギー源の作り方を早急に見直す必要があります。
【関連記事】パリ協定(COP21)とは?目標やSDGsとの違い、企業の取り組みを解説
安全性(Safety)
人間を含むすべての生き物が安心して暮らせるように、安全性を重視することは欠かせない要素です。
電気をいつでも手軽に使える状態はうれしいものですが、いくら便利でも裏に事故や健康被害へのリスクが潜んでいては、とても安全とはいえませんよね。
ここでは、世界で長年議論が続いている原子力発電を例に、安全性について考えてみましょう。
日本でも大きな議論を呼んでいる原子力発電は、核燃料を分裂させる際に出る熱エネルギーを利用することから、少量の資源でたくさんの電力を得られる利点があります。
しかし、核分裂の際に出る放射線物質の管理・処理方法をどうするのかといった問題は、未だに解決策がありません。
実際に、世界では東欧ウクライナ・チェルノブイリでの事故や、日本で2011年に発生した原発事故のように、万が一の事態で放射線が大量に拡散されてしまう懸念があります。
事故が発生した場合の処理方法や、被害者への救済体制がきちんと練られていないのが現実です。これではとても「安全」とはいえませんよね。
そんな中、日本政府は、原子力発電所の再稼働を推し進めています。
こちらは、資源エネルギー庁による「日本の原子力発電所の現状(2018年)」です。
2018年時点、原子力発電は全体の3%未満にとどまっているものの、政府の方針では2030年度までに稼働比率を20~22%に伸ばそうとしているのが現状です。
たしかに二酸化炭素の排出量は少なくて済みますが、核燃料から出る物質の適切な処理や、環境への負担がほんとうに少ないのかについては議論の余地を残します。
放射線物質の処理方法として「海水に薄めて流す」という政府の発言が、世界中で問題視されていますが、エネルギー供給における安全性は、自分たちの国だけの問題ではなく、世界規模で考えなくてはならないポイントです。
このような状況を考えると、やはり鍵を握るのが「再生可能エネルギー」です。
今後は再生可能エネルギーの割合を増やす必要がある
電気は、必ず地球上の資源を使ってつくられています。
特に、多くの国が頼り続けている石油や石炭・天然ガスといった資源は、燃やすことで発生する二酸化炭素の排出が、気候変動に大きな負担をかけていると問題になっているのです。
JCCCA(全国地球温暖化防止活動推進センター)によると、世界で排出されている温室効果ガスのうち、実に4割程度がエネルギー転換の際に出ているとの報告があります。
さらに、2021年8月、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の報告書で「気候変動の原因が人間の活動であることは間違いない」とし、このままでは2040年までにパリ協定の約束である1.5度の気温上昇に達してしまう、と警鐘を鳴らしました。
世界全体で強い危機感が共有される中、いよいよ電力供給のあり方を見直し、二酸化炭素の排出を早急に止めなければならないフェーズまで、私たちはすでに到達してしまっています。
そこで、資源をむだにせず、出来る限り持続可能な形で電気を作り続けるのに「再生可能エネルギー」が重要なのです。
日本政府は再生可能エネルギーの普及率を上げるための取り組みとして2012年にFIT制度を導入し、急速に普及が進んできました。
FIT制度とは再生可能エネルギーによって発電された電気を取引する際、一定の価格で電力会社が買い取ることを政府が約束する制度です。よく混同されるFIP制度との違いをまとめました。
FIT制度とFIP制度の違い
<FIT制度とFIP制度の違い>(資源エネルギー庁のHPより)
【関連記事】
FIT制度(固定価格買取制度)とは?仕組みや期間、問題点、今後について
FIP制度とは?FIT制度との違い、導入される理由、メリット、デメリットを解説
最適なエネルギーミックスの組み合わせを実現するための課題
ここまで、世界では再生可能エネルギーを利用した発電方法が台頭しつつあることを見てきました。日本でも、少しずつではありますが、再生可能エネルギーの割合が増加しています。
2021年7月に行われた経済産業省の有識者会議では、次の「エネルギー基本計画」の素案が上がりました、
2030年までに火力の割合を減らし、再生可能エネルギーを同程度に進めていこうとする方針は、これまでの状況を考えれば画期的な進歩ではないでしょうか。
しかしそのためには、あと9年あまりで急速な変化が必要です。
そのためにも、自国でまかなえるエネルギーの自給率を増やし、環境と持続可能な社会のあり方に配慮した再生可能エネルギーを大幅に増やすといった取り組みが必要になってきます。
では次に、最適なエネルギーミックスの実現に向けて、日本政府がどのような取り組みを行なっているのかをご紹介します。
電気事業者による再⽣可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法
電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(再エネ特措法)は、再生可能エネルギー電気の普及を目的とした、電気事業者向けの法律です。
2020年に改正があり、2022年4月から新ルールが施行されます。
主な改定点は、以下のとおりです。
- FIP制度の導入:現行の固定買取(FIT)制度から、付加価値を付けたプレミアム制度へ
- 再生可能エネルギー導入の拡充に向けた制度新設:地方業者が負担していた地域間電線の系統増強費用を、賦課金方式へ
- 太陽光発電の適切な廃棄:廃棄費用の外部積み立てを義務化
エネルギーミックス実現に向けた企業の取り組み事例
持続可能な社会の実現に向けた、再生可能エネルギー推進の取り組みは、政府だけでなく企業も率先して取り掛かることが不可欠です。
そこで今回は、再生可能エネルギーに取り組む企業をピックアップしました。
【おうちの電気を見直して脱炭素!】しろくま電力(ぱわー)
しろくま電力は、グリーン電力の普及に努める株式会社afterFITの事業です。
二酸化炭素を出さない電力を提供!
しろくま電力が提供する電力は、二酸化炭素を出さない自然由来のエネルギー。ウェブサイトでは、詳細な供給電力の構成を示しています。
使用者がどのような電源から電気をもらっているのかが分かるようになっているため、選ぶ段階で参考にしやすい点がメリットです。
また、ウェブ上で料金シミュレーションができ、その場で申し込むことも可能。
従来の電力から乗換えることで、年間の二酸化炭素削減量や植林効果の目安も表示してくれるため、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
エネルギーミックスとSDGs目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」との関係
これまでお伝えしてきたエネルギーミックスの取り組みは、SDGsと深いかかわりを持っています。
SDGsとは、Sustainbale Development Goalsの略で「持続可能な開発目標」のことで、2015年に国連で採択され、2030年までを期限とする目標です。
17つの項目は、社会・経済・環境の3つを軸として定められ、これからの未来に向けた取り組みを推進しています。
【関連記事】SDGsとは|17の目標の意味や達成状況、日本の取組も
エネルギーミックスは、SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」と深いかかわりを持っています。
この目標が掲げられた背景には、
- エネルギー分野における温室効果ガス排出量が高い
- 二酸化炭素を含む温室効果ガスが、地球温暖化に悪影響を与えている
- 温暖化が引き起こす気候変動によって、さらに貧困層・難民が増える恐れがある
といった問題があり、特に地球温暖化は気候システムをも大きく変えてしまうと考えられています。
気候システムが変わることで長期間の干ばつや豪雨などの異常気象をもたらし、さまざまな国・地域の人々の生活に影響をもたらします。食べるものや住む場所を失い、貧困に陥る人々がさらに増えることは、想像に難くありません。
先進国に住む私たちも、この数年は特に自然災害の頻度が多くなり、各地で被害に遭うケースが増えていますよね。
どこに住んでいても、気候変動から目を背けてはなりません。困るのは、私たち自身なのです。
これ以上の事態を防ぐためには、今から再生可能エネルギーを増やし、すこしでも地球に負担をかけないための取り組みが求められています。
まとめ
今回は、エネルギーミックスについて、世界と日本の現状や取り組み、再生可能エネルギーの重要性についてご紹介しました。
普段の暮らしで、何気なく使っている人も多いかもしれませんが、電気も地球の資源を消費してつくられています。
どんな資源を使い、どのように作られているのかを意識するだけでも、これからの持続可能な社会の行く先を考えるきっかけになるのではないでしょうか。
また、最適な電源構成に向けて、再生可能エネルギーへ舵を切るには、企業や政府といった大きな組織の、スピーディーな判断と取り組みが求められます。
誰もが暮らしやすい未来に向けて、個人と組織が共に歩を進めていくことが大切なのです。
参考文献
JCCCA「4-4 日本の部門別二酸化炭素排出量(2019年度)」
電気事業連合会
NHK「「エネルギー基本計画」再生可能エネルギー割合36~38%に」
IEA「Access to clean cooking and premature deaths from household air pollution in sub-Saharan Africa and Asia, 2010-2018」
経済産業省 九州経済産業局「エネルギー安定供給:主要国の一次エネルギー自給率の推移」
日本原子力文化財団「1章 日本のエネルギー事情と原子力政策 日本のエネルギー政策 ~各電源の位置付けと特徴~」
TEPCO「エネルギーミックス」