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水素自動車とは?仕組みや将来性、普及しない理由、販売しているメーカーは?

「水素自動車」と聞くと、FCV(燃料電池自動車)のことと思う人もいるかもしれません。しかし、ここでテーマとなる水素自動車はFCVとは違ったものです。それでは、水素自動車とはどのようなものなのでしょうか?また、水素自動車を販売しているメーカーはあるのでしょうか?

今、注目されている水素自動車の仕組みやFCVとの違い、普及しない理由、メリット、デメリットなどを確認して、水素自動車の現在と将来について考えていきましょう!

目次

水素自動車とは

【イープル・ラリー・ベルギーでの水素エンジン仕様のGRヤリスのデモ走行】

水素自動車とは、「水素エンジン自動車」「水素内燃機関搭載自動車」とも呼ばれ、水素を燃料にエンジンを動かして走行する自動車のことです。現在日本の自動車のほとんどを占めるガソリン車と同様にエンジンを搭載していますが、燃料が水素なので、排気ガスのほとんどが水蒸気になります。

水素について簡単におさらい

まずは燃料となる水素について少し確認しておきましょう。水素は宇宙全体で見ると一番多く存在している元素です。地球上でも様々な姿でとても多く存在しています。

水素は他の物質と化合しやすい性質があるので、「水素」としては自然界から得ることはできません。つまり、エネルギーとして水素を使う場合、他の水素を含むものから水素を作り出す必要があるのです。

【水の電気分解】

水素の製造方法には

  • 改質法:化石燃料を燃焼させてガスにし、そのガスから水素を取り出す
  • 電解法:水を電気分解して水素を作り出す

と、大きく分けて2つあります。現在、工業用などで使われているほとんどの水素は化石燃料からの「改質法」によって製造されています。

しかし、せっかく燃焼するときにCO2を発生しない水素でも、製造過程でCO2を排出していたら全体的にみてクリーンなエネルギーとは言えません。そこで現在進められているのは、

  1. 水素製造に必要な電気を温室効果ガスを排出しない方法で発電する
  2. 送電ロスを減らすために水素製造設備の近くで発電する
  3. 「電解法」を使って水から水素を製造する

という取り組みです。

【福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)】

2020年には福島県浪江町に「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」が稼働を開始しました。福島水素エネルギー研究フィールドでは、太陽光で発電した電気から水素を作り出すことで、CO2の排出がほとんどない水素製造を中心とした、水素社会のためのインフラ整備の実証実験が行われています。

福島水素エネルギー研究フィールドでは、1日に

  • 一般家庭約150世帯の消費電力1ヶ月分
  • 燃料電池自動車(FCV)約560台の燃料充填

をまかなうことができる量の水素が製造できます。

【福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)の1日の発電量】

日本の水素社会構築計画

日本ではNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が1980年の創立以来、燃料電池技術水素のエネルギー利用技術の研究開発に取り組んできました。また、2011年の東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故は、日本の将来のエネルギー計画に大きな影響を与えました。

2014年4月、日本は「エネルギー基本計画」において、「水素社会」の実現に向けた取り組みを加速させることを発表しています。この年の6月には経済産業省が「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を策定、水素社会実現に向けて、取り組みの道筋を示しました。

このように40年以上前から日本は、水素を中心とした多様なエネルギーによる社会の構築を目指しています。その中でもエンジンとしての「水素内燃機関」と発電のための「水素ガスタービン」の開発は重要かつハードルの高いものでした。

「水素内燃機関」の開発については、水素自動車のエンジンとして後に詳しく紹介します。「水素ガスタービン」の開発は現在は実証実験段階で、2025年に商用化の予定です。

燃料に水素を使うメリットとは?

【水素利用の従来・現在・未来】

水素を燃料にするメリットは

  • 利用時にCO2を排出しない
  • さまざまなものから作れる※
  • さまざまな物質に変化できる(アンモニア・メタン・メタノールなど)
  • 電気よりも貯めておきやすい

などが挙げられます。これまで制御が難しく、一部の工業分野のみで燃料として使われるだけだった水素ですが、技術の進歩により製造・輸送・利用が現実的に社会全体で利用できる一歩手前まで来ています。

※様々なものから作れる

水素は生ゴミや家畜の糞などのさまざまなバイオマス資源から作ることができます。今までほとんど利用されず廃棄されていたものを資源として利用することで、ゴミ問題の解決や地域の環境改善に貢献できます。

【家畜のふん尿由来バイオマスからできる水素の量】

北海道の鹿追町で行われている家畜のふん尿から水素を作る実証実験では、牛1頭が1年で出すふん尿で、燃料電池自動車(FCV)が約10,000km走れる水素が製造できることがわかっています。

【さまざまなバイオマス】

【関連記事】水素エネルギーとは?メリットやデメリット、実用化に向けた課題と将来性、SDGsとの関係

水素自動車と燃料電池自動車(FCV・FCHV)との違い

燃料電池自動車(FCV・FCHV)とは、

  • Fuel Cell Vehicle(=燃料電池自動車)
  • Fuel Cell Hybrid Vehicle(=燃料電池複合型自動車):トヨタの生産する燃料電池自動車

のことです。燃料電池自動車は水素・メタノールなどの燃料で発電し、電動のモーターを動力にして走行します。

燃料電池自動車は、トヨタがすでに「MIRAI」の販売を開始しています。(以降はFCV=燃料電池自動車とします)

【TOYOTA:MIRAI(FCHV)】

一方、水素自動車は、これまでガソリンを燃料にして動かしていたエンジン(内燃機関)を、水素を燃料にして動かして走行します。電気自動車(以降EV)やFCVがモーターで静かに走行するのに対し、水素自動車はエンジンで走行するので、ガソリン車のような音や振動があります。(まだ日本では水素自動車は市販されていません)

揺れがなく静かに走行できる方が好みの人もいますが、車の好きな人の中には「エンジンの力強さ」「車の鼓動」を感じることが楽しみという人も少なくありません。EVも含め、FCV、水素自動車は今後、乗る人の好みや利用目的に合った自動車を選ぶ際の、多様な選択肢として社会を支えていくでしょう。

【TOYOYAの水素エンジン自動車】

【水素エンジンのイメージ動画】

水素自動車について基本的な点を確認したので、次は水素自動車がなぜ今、注目されているかに迫ってみましょう!*1)

水素自動車が注目されている理由

水素自動車はトヨタの開発した水素自動車のレース参加や、日本の「水素社会構想」により、急速に注目度が高まっています。その背後には、世界で自動車のEV化が進む中、数々の問題点が浮上し「EV化が難しい分野」「EV化が難しい地域」「EV一択にするリスク」が認識された影響もあります。

  • 電気の供給が止まった時、全車種EVの社会では混乱が甚大
  • EV急増のための電力供給に化石燃料で発電してはCO2削減効果が下がる
  • 長距離移動では途中何度も充電しなければならないEVは効率が悪い
  • EVの命ともいえるリチウムイオンバッテリーの材料価格の高騰
  • リチウムイオンバッテリーはリサイクルコストが高い

など、さまざまな理由から一度は「全車種EV化」を宣言した国や企業も「再生可能でクリーンなエネルギーで走るエンジンを搭載した自動車」の開発が重要だと気が付きました。日本は「全車種EV化」の流れに乗った国や企業から「EVの導入が遅れている」と非難された時期もありましたが、そのずっと以前から「水素社会」を目指して研究開発・実証実験を行ってきたため、ある意味「非難の嵐が去るのをじっと待った」時期とも言えます。もちろんEVが優れている分野や条件もあるため、導入台数も増やしていきますが、日本の国と企業の「水素社会実現」の信念は、揺るがず貫かれたのです。

【水素のサプライチェーン】

長年の努力がだんだんと結果を出し、水素自動車も、燃料となる水素のサプライチェーン(供給経路などのインフラ整備)も実用化一歩手前というところまで来ています。トヨタの燃料電池自動車「MIRAI」の市販化も、水素社会への移行の兆しを告げる明けの明星と言えるかもしれません。

【関連記事】EV車(電気自動車)のメリット・デメリット、選び方|国産・外国車種別おすすめ6選

【水素の製造から利用の流れ】

これまで化石燃料に依存してきた日本の社会構造を作り変えるのですから、そこには多くの課題解決や時間、費用、人々の理解が必要です。しかし、日本はこれまで水素社会のインフラ整備のための下準備を長年積み重ねて来ており、2030年以降、大きく「水素社会」への移行に動き出す予定です。

【水素燃料導入のロードマップ】

しかし「EV一択」に一度は進んだ国や企業が安易な選択をしたわけではありません。それほど水素は燃料として扱う際に制御が難しく、「水素エンジン」も「水素ガスタービン」もほとんどの国や企業にとって実現不可能、または実現までには途方もなく時間がかかると推測される「夢の技術」だったのです。

将来の日本はモビリティの多様性も豊かに

近年さまざまな分野で「多様性(ダイバーシティ)」が話題になっています。生物学的にも多様性はその集団のトラブルに対する耐性を強め、リスクへの対応の選択肢を増やします。

この事実が、生き物の集団だけにとどまらないことがわかってきました。例えば

  • エネルギーの多様性
  • 食物の多様性
  • モビリティの多様性
  • 職業の多様性
  • 学び方の多様性

など、さまざまな分野で多様性は相互に欠点を補いあい、全体としての効率向上やリスクへの耐性を強くします。私たちはこれからどんどん、モビリティを選ぶ際にも選択肢が増えていき、より自分の生活と目的に合ったモビリティと、より快適に過ごすことができるでしょう。

【関連記事】生物多様性とは?重要性や世界・日本の現状、保全の取り組み、私たちにできることも

【関連記事】遺伝的多様性とは?メリットと失われると困る理由、身近な事例を解説

【モビリティの多様性】

【多様なモビリティのそれぞれの特徴】

多様なモビリティは、それぞれの動力、それぞれのエネルギーに長所・短所があり、適材適所で活躍します。また、このようなモビリティの多様性は、社会の災害などのリスクへの耐性を強めることができます。

例えば社会が台風や地震などで電気の供給が一時的に止まっている間も、他のエネルギーを動力とするモビリティは利用できたり、燃料電池で発電して電気を供給できたりと、災害の影響を受けるモビリティの割合が減る可能性が増えます。

近い将来、多様なモビリティ社会の中心となる可能性の高い水素自動車。次の章では水素自動車のモビリティとしてのメリットを見ていきましょう。*2)

水素自動車のメリット

【水素エネルギーのメリット】

先ほど「燃料で水素を使うメリットとは?」で燃料としての水素のメリットは確認しましたが、ここでは自動車として「水素エンジン」で走行するメリットを考えてみましょう。多くの国や企業があまり現実的と見ていなかった水素自動車の開発ですが、水素自動車のメリットは困難な開発・巨額の投資に見合うものなのでしょうか?

カーボンニュートラルに貢献

【日本のCO2排出量】

2020年の記録では日本全体のCO2排出量の中で、自動車分野から排出されるCO2全体の15.5%です。つまり全体の6分の1以上のCO2が自動車の利用から排出されていることになります。

2050年カーボンニュートラルを達成するためには、この自動車分野の大幅なCO2排出削減が必要です。水素自動車が、まずは水素ステーションを各拠点に整備すれば導入しやすいトラックやバスから普及し、水素利用のためのインフラ整備が整っていくのと並行して一般にも普及していけば、EVやFCVと合わせて日本全体のCO2排出量削減に大きく貢献すると予想されています。

EVの得意でない分野を支える存在に

現在も注目されているEVですが、必ずしも全ての場所でEVが最適とは限りません。現段階でも日本ではEVの充電スポットの数は十分ではありませんし、集合住宅に住む人の多くは自宅の駐車場で家にいる間に充電することが難しいでしょう。

そのほかにも、EVには充電に時間がかかったり、大型車になるほど大きなバッテリーが必要になるなど、EVにも苦手な分野があります。この、EVの苦手な分野をカバーするのが水素や合成燃料で走るエンジンを搭載した自動車やFCVです。

【平均気温上昇2℃達成ケースのモビリティの多様性】

上のグラフはIEA※が2017年に発表した、世界のモビリティが地球の平均気温上昇を2℃に抑えるために、今後どのような構成になっていくかの予想を表しています。ガソリン車(G)は減っていきますが、

  • プラグインハイブリッド自動車(PHV)
  • ハイブリッド自動車(HV)
  • 天然ガス自動車(CNG・LPG)
  • クリーンディーゼル自動車(D)

など、バイオ燃料や合成燃料、水素などを燃料とするエンジンを搭載した自動車の割合はガソリン車も含めて2030年で91%、2040年でも84%と予想されています。これらの技術は今後だんだんと実証実験が進み、社会実装・市販化が進むと考えられます。

IEA

International Energy Agencyの略称で、「国際エネルギー機関」のこと。

水素充填時間、満タンまでおよそ3分!

【岩谷産業の水素ステーション有明の様子】

水素自動車への水素の充填に必要な時間は、満タンまで約3分です。だいたいガソリン車の給油と同じくらいの時間と考えていいでしょう。

EVは1回の急速充電で30分かけて、80%くらいまで充電できます。高速道路の充電スポットでの充電待ちの列があなたの前に1人なら30分待ち、2人なら1時間待ち、3人なら…と、充電と待ち時間のために思うように旅を進められないことがあります。

水素自動車なら、水素ステーションでの充填は資格を持った専門のスタッフが行います。あなたの前に何人か並んでいても、EVほどは足止めされないでしょう。

これまで培ってきた高いエンジン技術が生きる

日本の自動車産業は、これまで経済雇用を支えてきました。日本の自動車は海外でも高い技術と安全性などさまざまな面で評価され、輸出の主力品目の1つです。

【日本の自動車産業の輸出額と規模】

上のグラフを見ても、

  • 自動車の輸出は2020年では日本の輸出額の18.7%を占める13兆円
  • 出荷の総額は製造業の約20%を占める約60兆円
  • 雇用は全産業の約10%を占める約550万人

と、日本にとって非常に重要な産業だということがわかります。この自動車産業において、これまで日本が培ってきた高いエンジン技術は市場での強い競争力です。

水素自動車では、この高いエンジン技術をこれからも活かしていくことができます。同時にエンジン関連で働いている多くの人々の雇用を守ることにつながります。

エンジンに魅力を感じる車好きの人々に希望を与える

自動車はあなたにとってどのような存在でしょうか?世界には自動車が大好きな人が多く存在します。

自動車ファンにとって、自動車とは単に移動手段や荷物や人の運搬に便利なもの、という存在ではありません。古い時代から宝石が人々の心をつかんできたように、ボディのデザインやこだわりの内装にうっとりし、まるで生き物をめでるように、エンジンの音や振動を楽しむ人々は少なくありません。

このような自動車ファンの多くは、EV化が加速してエンジン自動車が消えていくかもしれないことを、環境のため仕方ないとはいえ残念に思っています。もちろんEVの静かな走りの方が快適に感じる人もいますが、水素自動車はエンジン自動車ファンに希望をもたらす存在です。

水素自動車にはたくさんのメリットがありますね!しかし、水素ならではのデメリットも存在します。

水素自動車のメリットに続いて、デメリットも確認しましょう!*3)

水素自動車のデメリット

水素エネルギー関連には高い技術が求められます。また、これまで化石燃料に依存してきた日本にとって、「水素社会」に生まれ変わるのは簡単なことではありません。

ここではガソリン車やEV、FCVなど他のモビリティに比べて、水素自動車のデメリットと考えられる点を考えてみましょう。

水素は燃焼の制御が難しい

冒頭でも述べた通り、水素自動車が燃料とする水素は、自然では水素単体では存在していません。なぜなら水素は非常に他の物質と化合しやすい性質があるからです。

この性質上、水素を燃料として扱う時、制御が非常に難しいという特徴があります。この水素の制御の難しさは、これまで水素エンジンの開発に立ちはだかっていた高い壁のひとつでした。

燃料電池自動車よりも燃料効率が悪い

直接燃料として水素でエンジンを動かす技術は、燃料電池技術でモーターを動かす技術よりも燃料効率が悪いと言われています。現在販売されているトヨタの「MIRAI」(FCV)には約5,000円で4〜5kgの水素を充填できます。

MIRAI( Gグレード)の航続距離は水素約5kgで850kmですが、現在レースに参戦しているトヨタの水素自動車は、後部座席いっぱいにタンクを積んで、航続距離が50kmほどです。

水素は将来もっと燃費のいいエネルギーに!

【大規模水素サプライチェーンの構築(国費負担額:上限3,000億円)】

現在は安いとは言えない水素の価格ですが、将来的にはもっと価格が下がります。水素のサプライチェーンは現在多くが実証実験段階で、2020年代後半にはそのほとんどが実用化される予定です。

2030年頃には外国で作った水素を大量に輸入できるようになり、2050年には化石燃料と同程度の価格までコスト低減される見通しです。水素自動車は気体の水素を燃料として使用している現段階では、航続距離に問題があります。

しかし、現在開発中の液体水素を燃料に使用するシステムが完成されれば、航続距離の問題も解決できると言われています。

【車載用液体水素システム】

水素ステーションの建設費が高い

水素自動車に必要な水素を供給する水素ステーション。現在、着々と増えつつありますが、2022年では設備費に3.5億円運営費に3,400万円かかると言われています。

エンジンの技術はガソリン車のエンジンから水素エンジンに応用できますが、供給システムはガソリンと水素では全く違います。

制御の難しい水素を扱う水素ステーションは建設費・維持費ともに高く、水素自動車への水素充填も資格を持った専門のスタッフが必要です。

【東京ガス豊洲水素ステーション】

インフラがまだ整っていない

これまで自動車のほとんどがガソリンかディーゼルだったので、ガソリン車やディーゼル車のためのインフラは利用者が困ることがないほどに整っています。一方、社会の水素インフラが整うのはもう少し先です。

水素関連のインフラは、これから2030年の水素大量輸入開始に向けて準備を急いでいますが、現状は水素ステーションの数などから考えても、ガソリン車に比べて圧倒的に(仮に一般販売が開始されたとして)水素自動車は利用者にとって不便なことが多いと考えられます。これは水素自動車が実用化されてしばらくも同じことが言えるでしょう。

水素自動車が求める非常に高い技術や高いコストは大きなデメリットですが、日本が水素自動車で世界の先駆けとなれるチャンスでもあります。世界が水素自動車の重要さを認識した今、水素エンジンの開発を多くの企業が宣言・計画しているので、日本も正念場にあると言えます。

次の章では、水素自動車の普及を妨げる可能性のある要因を探っていきましょう。*4)

水素自動車は日本で普及しない?

イメージ画像

水素自動車はまだ開発段階ですが、普及にあたって問題となりうる要因があります。少し先ほどの「水素自動車のデメリット」にも重なる部分がありますが、そのほか燃料の「水素」へのイメージなどから、「水素自動車は普及しない」と考える人もいます。

具体的には、どのような理由があるのでしょうか?

環境に悪いとの認識がある【グレー水素の存在】

せっかく走行時にほとんどCO2を発生しない水素自動車でも、燃料の水素を作る時やその輸送のためにたくさんのCO2をはじめとする温室効果ガスが発生してしまったら、効果は少なくなってしまいます。しかし、現在生産されている水素の多くが、製造時にCO2を排出する方法で作られています。

【グレー・ブルー・グリーンに分けられる水素】

水素は製造の方法によって、

  • グレー水素:化石燃料・天然ガスから作られCO2を排出
  • ブルー水素:化石燃料・天然ガスから作られ、発生したCO2を回収・貯留・利用して大気中に放出しない
  • グリーン水素:再生可能エネルギーで発電された電気で水の電気分解によって作られCO2を排出しない

と、大きく3つに分けられます。水素自動車のメリットを最大限に活かすためには、CO2の排出が少なく(またはゼロで)化石燃料に頼らない「グリーン水素」の製造設備の普及が重要です。

「ブルー水素」では大気中にCO2を放出しないので「グレー水素」よりは環境への影響が少なく、「グリーン水素」普及までの橋渡しとして重要な存在です。既存の「グレー水素」を製造する設備にCCU・CCUS※などの技術を導入して「ブルー水素」に変え、既存の設備を利用しつつ水素エネルギーの普及を支えるのです。

しかし「ブルー水素」は限りある資源である化石燃料を使うため、将来的にはより多くの「グリーン水素」で社会に必要な水素を製造することを目指します。

CCU・CCUS

産業や廃棄物処理などの際に発生するCO2を回収・貯留・有効活用するなどして、CO2を大気中に放出しない技術。

【関連記事】CCSとは?CCUSとの違い、デメリット・問題点、二酸化炭素回収・貯留の仕組みを解説

「水素は爆発しやすいので危険」と思っている人が多い

【ヒンデンブルグ号の爆発事故】

1937年の水素飛行船ヒンデンブルグ号の爆発事故などから、「水素は爆発しやすいので危険」と思っている人は日本だけでなく世界でも多く存在します。しかし、ヒンデンブルグ号の事故も、後の検証で飛行船の外皮で発生した静電気による水素への引火は確認されましたが、乗客・乗員の死傷の原因のほとんどが、推進用に搭載していたディーゼルエンジンによる火災によるものだったと判明しています。

実際に水素は低濃度でも爆発する危険は高く、爆発範囲が広いことも知られています。一方、水素は非常に軽いので、仮に漏れ出してもすぐに拡散して酸素など空気中の物質と化合します。

つまり、水素が漏れ出した場合も、閉鎖的な場所に溜まらなければ、あっという間に薄くなり、爆発する条件にはなりにくいと考えられます。水素も他のエネルギーや燃料同様に、安全に利用する技術が確立されています。つまり正しく使用すれば安全なのです。

それでは実際に水素自動車の開発に取り組む企業の事例を紹介します。現在、水素自動車はどこまで実用化に近づいているのでしょうか?*5)

水素自動車の開発に取り組む企業

2023年1月時点では、水素自動車の一般向けの販売をしている企業は、まだありません。しかし、実は過去に1車種、水素で走行できる自動車の生産がありました。

この章では、その過去の生産例と、最も水素自動車の開発の先頭を走る企業の2社を紹介します。

【BMW】Hydrogen 7

なんと、2005年から2007年にかけて、BMWは「水素でもガソリンでも走れる自動車:BMW Hydrogen 7」を限定生産しました。これは、ガソリンユニットに水素を送り込むシステムを追加したものです。水素でエンジンを動かす際には、エンジン内に噴射する手前で混合ガスを形成してエンジン内に噴射します。

(つまり完全な水素内燃機関ではないとも言えますが、水素を燃料としてエンジンで走行します。)

【BMWのHydrogen7】

Hydrogen7は水素とガソリンを切り替えて走行することができ、さらに燃料の水素は液体水素を採用しています。最大航続距離は20.4kmとされています。(水素での走行)

【Hydrogen7のエンジン】

BMWは、水素自動車を公道で試験走行する目的で製造したと言われています。この時代には水素が充填できる設備は非常に少ないことは容易に想像がつきますから、まさに「新時代のモビリティを切り開く」という世界へのBMWからのプロモーションだったと言えます。

【水素とガソリンの補給口】

2007年にすでに液体水素を燃料にして、ここまで水素自動車を完成させていたのですから、

  • BMWの水素自動車への関心の強さ
  • 水素自動車のプロジェクトが始動すれば、実用化が可能な位置にある

ことが推測できます。

【TOYOTA】水素エンジンカローラ

【TOYOTAの水素自動車ORC ROOKIE Corolla H2 Concept】

数々のレースに参戦し、その存在をアピールし続けているのがトヨタの水素エンジンカローラです。2022年12月にはタイで行われた25時間耐久レースにも参加しました。

【水素エンジン市販化までのロードマップ】

トヨタの水素エンジンカローラは、2021年6月の富士スピードウェイ(静岡県小山町)で行われたスーパー耐久24時間レースへの初出場から1年、2022年6月の同レースに出場し、完走しました。車両性能や燃費の向上、水素充填時間の短縮により、1年前よりも120周多い478周という記録でした。

上の図は、トヨタが発表した水素エンジンの市販化までを富士登山に例えたものです。このレースの予選後の時点で、トヨタの水素自動車は「富士登山に例えると4合目くらいまで」来ていることが明らかにされました。

【現在のレース用気体水素補給設備】

【TOYOTA 液体水素システムのメカニズム】

トヨタは水素エンジンカローラの航続距離向上への解決策として、液体水素を燃料として搭載する技術の開発に挑んでいます。液体水素搭載の水素自動車が完成すれば、航続距離はガソリン車に近いものになります。

さらに、液体水素の水素ステーションは気体の水素ステーションの約4分の1で済み、省スペースで運用できます。この発表から、水素ステーションが将来、気体・液体・合成燃料など多様化することなども考えられます。

トヨタの伊東直昭主査も

”液化の技術が成功しても、すべてが液体に置き換わることはないと思っています。

気体と液体でそれぞれいいところがあるので、たくさんの選択肢を提供できればと考えています。”

引用:TOYOTA『水素エンジン、市販見据えるトヨタの現在地 第2戦富士』(2022年6月)

と述べています。

トヨタの水素自動車の開発スピードはすさまじいものです。水素のインフラ整備の進み具合を伺いながら、今後も世の中に驚きをもたらす機会がやってくるでしょう。

BMWとトヨタの事例をふまえて、次の章では水素自動車の将来性を考えてみましょう!*6)

水素自動車の将来性

ここまで水素自動車についてさまざまな情報を紹介しましたが、それでも「本当に水素自動車の社会への普及は実現するの?」という疑問がまだ消えない人もいるかもしれません。世界の動向から、水素自動車の将来性を推測してみましょう!

イーロン・マスクが「燃料電池はたわごとだ」と公言!?

アメリカのEVメーカー、テスラのCEOイーロン・マスク氏が2013年、「fuel cells are so bullshit(燃料電池なんてばかげている)」と発言し、話題を呼びました。その次の年の2014年、FCVの「MIRAI」を発売したトヨタは、「Fueled by Bullsh*t(牛の糞から燃料)」というプロモーションでイーロン・マスク氏の発言を意識しつつ「bullshit(=牛の糞)からも作れる燃料(=エコ)」で水素の環境性能をアピールしました。

この時のプロモーションビデオの制作を担当したモーガン・スパーロック氏は、

 “Witnessing manure, something most of us view as being pretty disposable, being transformed into hydrogen fuel to power a car was pretty remarkable.  I think this short film is pretty compelling evidence of what could be possible in the years ahead.”

引用:TOYOTA『Fueled by Bullsh*t』(2015年4月)

 「私たちがほとんど、使い捨てと見なしている肥料(牛の糞)が、車に動力を供給する水素燃料に変換されるのは非常に注目に値しました。 この短編映画は、今後何年か後に、何が可能になるかについて、説得力のある証拠だと思います。」

とコメントしています。これは2015年にあったFCVについての出来事ですが、当時のアメリカでの水素エネルギーに対する印象がわかるエピソードです。

さて、この記事の執筆は2023年1月です。アメリカでの「牛の糞」のやりとりから8年後となった現在の、水素自動車の今後の展望を見ていきましょう。

ポルシェの「水素ガソリン」

テスラのイーロン・マスク氏は2021年6月に、テスラの新モデルの発表の際「どんなポルシェより速い」とTwitterに投稿して話題を呼びました。対するポルシェも2020年にEV「タイカン」を発売開始し、EV化を進めています。

しかし、ポルシェの顧客にはエンジン車のファンが多く、この顧客を守りつつ新たな市場を開拓するために「水素ガソリン(水素を利用した合成燃料)」の実用化に向けた開発を進めています。「水素ガソリン」は「eフューエル(fuel)」とも呼ばれ、水素と二酸化炭素(CO2)を合成した燃料です。

この「水素ガソリン」は最終的には1Lあたり2ドル前後のコストで落ち着くと予想されています。排気ガスの面では、「水素ガソリン」は現在の化石燃料と大差はありませんが、燃料の製造においてグリーン水素CCUSによるCO2の有効活用ができれば、新たに資源を採掘することなく製造ができるという点で環境性能に優れた燃料と言えます。

この「水素ガソリン」は、特別なシステムの変換や改造の必要なしに、既存のガソリン車のシステムで燃料として使用できます。給油システムにおいても、既存のガソリンスタンドで提供可能です。

【ポルシェの手がけるeフューエル製造プラント:チリ】

フェラーリ「10年後以降は水素自動車の可能性あり」

フェラーリのCEOベネデット・ビーニャ氏は水素エンジンの開発をいくつかのパートナーとともに始めていることを明らかにしています。フェラーリの水素エンジンの実用化は10年後以降としています。

BMWなどがトラック用水素エンジン開発開始

BMWは他の企業と協力して、トラック向け水素エンジンを開発することを公表しました。これと同時に、2030年までにドイツと周辺国に最大150か所の水素ステーションの建設を予定していることも明らかにしています。

EV化が進むヨーロッパですが、トラックなどの商用車分野ではEVの割合は0.5%にすぎません。EVトラックか、FCVトラックか、ヨーロッパでの将来の方向性は定まっておらず、その中に水素エンジントラックという新たな選択肢を投げかけた形です。

また、BMWはトヨタとも協力関係を結んでいます。Hydrogen7の経験と技術もあるBMWとしては、他社に先駆けて水素自動車の市販化を達成したい気持ちは強いでしょう。

水素ステーションの整備状況

水素自動車が実用化される前に、水素利用のためのインフラが整っていなければ、利用者にとって不便です。水素自動車の市販化はもう少し先ですが、FCVの販売台数がだんだんと伸びてきていることもあり、日本では2022年8月末時点で整備中の18か所を含めると水素ステーションの数は全国で178か所になりました。

水素自動車は液体水素が必要かもしれませんから、場合によってはインフラ整備もゼロからスタートという可能性もあります。とはいえ、「水素社会」は確実に近づいています。2021年の水素ステーション整備のための補正予算※は60億円、2022年の当初予算※は90億円でした。

補正予算

当初予算通りの執行が困難になったときに本予算の内容を変更するために組まれた予算。

当初予算

年度開始前に作成される1年間の予算。本予算・通常予算・原予算とも呼ばれる。

【2022年8月末での全国の水素ステーション】

出典:経済産業省『モビリティのカーボンニュートラル実現に向けた 水素燃料電池車の普及について』p.16(2022年9月)

世界の流れも「EV一択」から、多様性を尊重する方向に変わったことがわかりますね!世界も水素自動車の可能性に注目し始めた今、日本はさまざまな分野の水素技術で世界をリードするために開発の努力を続けています。

環境と経済の両立を叶える水素自動車は、あなたが思うよりも早く、身近な存在になるかもしれません。

最後に水素自動車とSDGsの関係を考えてみましょう。*7)

水素自動車とSDGsの関係

圧縮済みSDGs画像

今や社会人として必須の知識となったSDGsですが、

  • 水素自動車の実用化を目指すこととSDGs
  • 水素自動車が普及することとSDGs

は、さまざまな面でつながりがあります。SDGsのそれぞれの目標はお互いに補い合うような関係にあり、1つの目標の達成への進歩が、他の目標達成への取り組みへの助力になることもあります。

例えば目標9「産業と技術革新の基盤を作ろう」への進歩が雇用を生み出し、目標1「貧困をなくそう」の解決への進歩につながるように、それぞれの目標は複雑に関係しあっているのです。水素自動車の開発・実用化・普及の道にも同じことが言えます。

水素自動車は多くのSDGs目標達成に貢献

水素自動車が実用化されれば、SDGsの多くの目標に貢献します。特に大きく貢献すると思われる目標を挙げてみましょう。

SDGs目標7:「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」

「全ての人が安くて安全で現代的なエネルギーをずっと利用できるようにしよう」というのがSDGs目標7です。世界で水素が利用されるようになり、「グリーン水素」の製造量も増えれば、多くの場面で化石燃料にとってかわることができます。

水素自動車が実用化されれば、水素の利用量も増え、水素サプライチェーンの構築が世界規模で進んでいきます。はじめはコストが高くても、普及するに伴って下がっていき、結果として多くの人に化石燃料に変わるクリーンで再生可能なエネルギーを届けることにも貢献します。

SDGs目標8:働きがいも経済成長も

「みんなの生活を良くする安定した経済成長を進め、だれもが人間らしく生産的な仕事ができる社会を作ろう」というのがSDGs目標8です。水素自動車の実用化により、経済が活性化するだけでなく、これまでエンジン製造関連などで働いてきた人々の雇用も守られます。

また、水素ステーションで働く専門のスタッフなどの雇用創出も期待できます。

SDGs目標9:産業と技術革新の基盤を作ろう

「災害に強いインフラを整え、新しい技術を開発し、みんなに役立つ安定した産業化を進めよう」というのがSDGs目標9です。日本にとって「水素社会」の実現は持続可能な社会への移行「SX」※の大きな目標のひとつです。

水素自動車は、これまで化石燃料に依存してきた自動車を水素燃料に移行させることで、社会の水素インフラの整備・技術開発など、新たな産業の基盤を築く推進力となります。

Sustainability Transformation(サステナビリティ・トランスフォーメーション)の略。社会全体の持続可能性と、企業や政府機関のそれぞれの持続可能性を同時に考え、どちらにも貢献する経営へ移行すること。

SDGs目標13:気候変動に具体的な対策を

気候変動から地球を守るために、今すぐ行動を起こそう」というのがSDGs目標13です。水素自動車は温室効果ガスをほとんど排出しませんから、ガソリン車に代わって水素自動車が主流になれば、これまで排出されていた温室効果ガスの量は大幅に削減できます。

SDGs目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

「世界のすべての人がみんなで協力しあい、これらの目標を達成しよう」というのがSDGs目標17です。水素自動車の開発や水素サプライチェーンの構築において、国際的な協力や企業間の協力は欠かせません。

水素自動車が世界中で利用されるようになれば、このような協力関係の活性化につながります。

まとめ:近い将来の「水素社会」に備えよう!

今、自動車産業は大きな変革期に突入しています。2021年11月、イギリスをはじめとする世界24ヵ国が、ガソリン車などのエンジンを搭載した新車販売を主要市場で2035年、世界で2040年までに停止することを宣言しました。

日本でも、自動車の購入の際にEVを選択する人が増えてきました。しかし、日本は「全ての自動車をEVに移行する」ことは目指していません。

将来、日本に「多様なモビリティ社会」と「水素を中心とした多様なエネルギー社会」が来るのは間違いないでしょう。しかし、水素自動車の開発が成功・実用化・普及してエンジン関連の企業や労働者が持続可能な循環社会に残ることができるかは、まだ確定したわけではありません。

あなたは水素自動車について何を感じましたか?水素自動車の実現が楽しみになったなら、ぜひ将来やってくる「水素社会」について知識を深めてください。

望む人が多ければ、水素自動車実用化の大きな力になります。そしてこれからやってくる社会の姿に興味を持ち、変化に備えましょう!*8)

<参考・引用文献>
*1)水素自動車とは
TOYOTA『ルーキーレーシング、トヨタ タイ25時間耐久レースへの参戦を発表』(2022年12月)
日経XTECH『水素エンジン車:EV以外の選択肢、トヨタが市販表明』(2022年10月)
日経XTECH『トヨタなど5社、内燃機関でも炭素中立へ 新燃料と水素エンジン活用』(2021年11月)
日本経済新聞『豊田自工会会長「敵は炭素、内燃機関ではない」』(2021年9月)
NEDO『NEDO水素エネルギー白書』(2014年7月)
TOYOTA『H2OPE~水素社会と、これからのエネルギーの話』
TOYOTA『トヨタ、モータースポーツを通じた「水素エンジン」技術開発に挑戦』
環境省『「水素」ってどんなエネルギー?水素をエネルギーとして活用する意義とは?』
資源エネルギー庁『次世代エネルギー「水素」、そもそもどうやってつくる?』(2021年10月)
NEDO『福島水素エネルギー研究フィールド』
NEDO『NEDO 水素エネルギー白書』
日経XTECH『三菱重工、水素製造からガスタービン発電までを実証』(2022年2月)
環境省『家畜ふん尿由来水素を活用した水素サプライチェーン実証事業』
資源エネルギー庁『なっとく!再生可能エネルギー 再生可能エネルギーとは バイオマス発電』
環境省『まちで「水素」を見かけたら?』
経済産業省『令和2年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2021)第4節燃料アンモニアの導入拡大に向けた取組 1.燃料アンモニアの背景・概要』(2020年6月)
資源エネルギー庁『エンジン車でも脱炭素?グリーンな液体燃料「合成燃料」とは』(2021年7月)
水素エネルギーとは?メリットやデメリット、実用化に向けた課題と将来性、SDGsとの関係
FCV(燃料電池自動車)の特徴とメリット・デメリット、仕組み、課題と将来性を解説
TOYOTA『MIRAI 「好き」からはじまる未来。』
TOYOTA『ルーキーレーシング、トヨタ タイ25時間耐久レースへの参戦を発表』(2022年12月)

*2)水素自動車が注目されている理由
環境省『「水素」ってどんなエネルギー?水素をエネルギーとして活用する意義とは?』
EV車(電気自動車)のメリット・デメリット、選び方|国産・外国車種別おすすめ6選
環境省『水素社会実現を目指す官公庁の取り組み 国内外の動向』
経済産業省『水素・燃料電池戦略ロードマップ~水素社会実現に向けた産学官のアクションプラン~(全体)』p.1
生物多様性とは?重要性や世界・日本の現状、保全の取り組み、私たちにできることも
遺伝的多様性とは?メリットと失われると困る理由、身近な事例を解説
経済産業省『「ビヨンド・ゼロ」実現までのロードマップ 革新的環境イノベーション 水素への期待と課題』
資源エネルギー庁『自動車の“脱炭素化”のいま(前編)~日本の戦略は?電動車はどのくらい売れている?』(2022年10月)
*3)水素自動車のメリット
環境省『「水素」ってどんなエネルギー?水素をエネルギーとして活用する意義とは?』
経済産業省『モビリティのカーボンニュートラル実現に向けた 水素燃料電池車の普及について』p.12(2022年9月)
日本自動車工業会『世界生産・販売・保有・普及率・輸出』
資源エネルギー庁『エンジン車でも脱炭素?グリーンな液体燃料「合成燃料」とは』(2021年7月)
外務省『エネルギー安全保障 国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)の概要』(2021年9月)
資源エネルギー庁『2019年の今、「水素エネルギー」はどこまで広がっているの?』(2019年3月)
経済産業省『「大規模水素サプライチェーンの構築」プロジェクト 社会実行計画(概要)』(2021年5月)
TOYOTA『トヨタ自動車、スーパー耐久シリーズでの取り組みの進捗を発表』(2022年6月)
TOYOTA『車載用液体水素システム』
TOYOTA『MIRAI ミライを日常に。 水素ライフへの3つのステップ』
経済産業省『水素関連プロジェクトの研究開発・社会実装計画を策定しました』(2021年5月)
経済産業省『第4回 モビリティの構造変化と2030年以降に向けた自動車政策の方向性に関する検討会 参考資料』p.6(2022年4月)
*4)水素自動車のデメリット
Best MOTORing official 『〈ENG-Sub〉ついに乗ったぜ!! 水素エンジンカローラ【Hot-Version】2022』
資源エネルギー庁『2020年、水素エネルギーのいま~少しずつ見えてきた「水素社会」の姿』(2020年1月)
経済産業省『水素・燃料電池戦略ロードマップ~水素社会実現に向けた産学官のアクションプラン~(全体)』p.1
*5)水素自動車は日本で普及しない?
資源エネルギー庁『次世代エネルギー「水素」、そもそもどうやってつくる?』(2021年10月)
WIKIMEDIA COMMONS『Hindenburg burning』
環境省『職場の安全ガイド 水素』
NEDO『水素エネルギーナビ 5分でわかる水素エネルギー』
*6)水素自動車の開発に取り組む企業
WIKIMEDEDIA COMMONS『BMW Hydrogen 7 at TED 2007』
WIKIMEDIA COMMONS『Motor Hydrogen 7』
WIKIMEDIA COMMONS『Wasserstoffeinfüllstutzen eines BMW』
BMW『BMW Hydrogen 7』(2007年6月)
TOYOTA『「ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook」に異なる燃料を使用する3台で参戦』(2022年3月)
TOYOTA『水素エンジン、市販見据えるトヨタの現在地 第2戦富士』(2022年6月)

読売新聞『トヨタ、水素エンジン車で初の海外レース出場…豊田章男社長も交代ドライバーに』(2022年12月)
*7)水素自動車の将来性
環境省『脱炭素化にむけた水素サプライチェーン・プラットフォーム』
TOYOTA『Fueled by Bullsh*t』(2015年4月)
PORSCHE『Porsche strengthens commitment to industrial production of eFuels』(2022年4月)
日本経済新聞『ポルシェ開発トップ「エンジンも水素ガソリンで脱炭素」』(2021年9月)
PORSCHE『“Porsche is committed to a double-e path: e-mobility and e-fuels”』(2022年7月)
日本経済新聞『ポルシェ、水素で「ガソリン」脱炭素へ「コスト2ドル」挑む エンジン、EVと共存図る』(2021年4月)
日経ビジネス『フェラーリCEO「EVでソフト投資急増せず。水素エンジン開発も」』(2022年6月)
BMW『STEP INSIDE THE NEW BMW iX5 HYDROGEN.』
日経XTECH『BMW、水素燃料電池車「iX5 Hydrogen」の小規模生産を開始』(2022年12月
JETRO『BMWなどのコンソーシアム、トラック用水素エンジンの開発に着手』(2022年10月】
経済産業省『モビリティのカーボンニュートラル実現に向けた 水素燃料電池車の普及について』p.16(2022年9月)
*8)水素自動車とSDGsの関係・まとめ
経済産業省『SDGs』
SDGs7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の現状と取り組み事例、私たちにできること
SDGs8「働きがいも経済成長も」現状と日本企業の取り組み事例、私たちにできること
SDGs9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の取り組み事例と私たちにできること
SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)とは?企業が取り組むSX事例の紹介も
SDGs13「気候変動に具体的な対策を」の現状と私たちにできること、日本の取り組み事例
SDGs17「パートナーシップで目標を達成しよう」現状と日本の取り組み、私たちにできること
日本経済新聞『ガソリン新車販売停止、世界で40年までに 24カ国宣言』(2021年11月)