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乾田直播とは?メリット・デメリットと失敗事例・今後の動き

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乾田直播という革新的な稲作技術は、日本の農業が直面するさまざまな課題への解決策として期待されています。

コスト削減や省力化はもちろん、環境保全にも貢献する乾田直播。その実態と可能性について、最新の導入事例や実証実験の結果を紹介しながらわかりやすく解説します。

農業の未来に関心を持って、日本の食糧自給について考えてみましょう。

目次

乾田直播とは

【クボタの自動操舵付きトラクタとスガノ(マスカー)の播種機を用いた播種作業】

乾田直播とは、水を張らない乾いた田んぼに直接稲の種をまく革新的な栽培方法です。従来の移植栽培とは異なり、育苗や代かきが不要で、省力化と水資源の節約を実現します。

この技術は、労働力不足や気候変動に対応する新しい稲作のあり方として注目を集めています。

乾田直播栽培と混同されやすい

  • 陸稲
  • 湛水直播

との違いを確認してから、乾田直播について知識を深めていきましょう。

陸稲との違い

陸稲(りくとう・おかぼ)は、畑で栽培されるイネの一種で、水田を必要とせず乾燥した土地でも育つように適応した品種です。水稲と比べて乾燥に強く、主に水資源が限られる地域や山間部で栽培されています。

陸稲は収穫量や味が水稲より劣ることがありますが、水田を作る必要がないため、育成が容易です。

乾田直播と陸稲は、乾いた土地での栽培という点で共通していますが、乾田直播は主に水稲を対象としており、苗がある程度育った段階で水を入れることで水田環境を作ります。

一方、陸稲は畑での栽培に特化しており、水管理は自然降雨に頼る場合が多い傾向があります。

湛水直播との違い

【湛水直播での田植機+湛水直播機(多目的作業機)による播種】

湛水直播(たんすいちょくはん)は、水田に水を張った状態で直接種籾をまく方法です。この方法では、種まきの時期に雨が降っても影響を受けにくく、田んぼの水が保温効果を持つため、特に寒冷地での稲作に適しています。

湛水直播は、苗代を作らずに直接播種するため、育苗や移植作業が不要になり、省力化と低コスト化が期待できます。乾田直播と湛水直播は、どちらも水田に直接種をまく栽培方法ですが、以下の点で大きく異なります。

【乾田直播と湛水直播の違い】

乾田直播湛水直播
播種時の田んぼの状態畑状態の乾いた田んぼ水を張った状態の田んぼ
作業効率大型機械を使用でき、作業効率が高い水田に大型機を入れにくく、作業に時間がかかる
雑草管理雑草が生えやすいため、管理が難しい水による雑草抑制効果があり、管理がしやすい
苗の生育土壌の乾湿により苗の育ちが不安定になりやすい水の保温効果により、苗の生育が安定しやすい
適応する機構主に温暖な地域寒冷地にも適している

なぜ今、乾田直播?

乾田直播が注目されるようになった理由には、乾田直播には以下のような特徴があるためと考えられます。

  • 労働力不足への対応:育苗や移植作業が不要なため、大幅な省力化が可能
  • 水資源の有効活用:初期の水使用量が少なく、水資源の節約に貢献
  • コスト削減:育苗資材や移植機械のコストが削減でき、経営効率の向上につながる
  • 規模拡大の可能性:作業の効率化により、大規模経営への移行が容易になる
  • 気候変動への適応:乾田直播は干ばつなどの気象変動に対する耐性が高いとされている
  • スマート農業との親和性:GPS搭載の播種機やドローンを活用した管理など、先端技術との組み合わせが容易

これらの特徴により、乾田直播は持続可能な農業の実現に向けた重要な技術として位置づけられています。農林水産省も推進しており、今後さらなる技術革新と普及が期待されています。*1)

乾田直播の作業の流れ

乾田直播は、従来の稲作とは異なる革新的な栽培方法です。この章では、乾田直播の主要な作業段階について解説します。

①土壌診断

土壌診断は、通常11月から2月頃にかけて行います。主な手順は以下の通りです。

  1. 耕起前に圃場から土壌サンプルを採取
  2. 採取した土壌サンプルを分析し、土壌の養分状態を確認
  3. 土壌診断の結果に基づき、適切な施肥計画を設計
  4. リン酸とカリの減肥の可能性を検討
  5. (土壌の窒素無機化量を把握するために、未風乾土(生土)を30°Cで4週間室内培養する方法も)
  6. 前作や地力等の条件を考慮し、基肥一発型の緩行性肥料を含む肥料を選択

堆肥を使用する場合は、その成分も考慮に入れて施肥設計を行います。土壌診断の結果を継続的に記録・分析することで、長期的な土壌改善にも役立ちます。

②堆肥散布

堆肥散布は土壌改良と肥料効果を兼ねた重要な作業です。土壌診断の結果と堆肥成分を考慮して、適切な散布量を決定します。

堆肥の種類や品質によって効果が異なるため、適切な堆肥を選択することが重要です。

③耕起・整地作業

耕起・整地作業は、良好な播種床を作るための重要な工程です。この工程でのポイントとして、

  • 播種前にほ場を十分に乾かす
  • 高出力トラクタとプラウやチゼルプラウを組み合わせることで、高速作業が可能
  • 排水性を向上させるため、サブソイラーを使用
  • 大区画ほ場では、レーザー均平機を使用して田面の高低差を10cm以内に仕上げる

などが挙げられます。

④播種作業

【クボタのグレートプレーンズ 不耕起汎用ドリル】

播種作業は乾田直播の核心部分です。一般的にグレーンドリル(ドリルシーダー)※が使用され、種子を適切な深さと間隔で土中に埋め込みます。

播種深度の一定化は、均一な苗立ちを促進し、収量の安定化につながります。近年では、GPSガイダンスシステムを搭載した高精度播種機の導入も進んでおり、さらなる効率化と精密化が図られています。

播種作業は乾田直播の結果に大きく影響します。

  • 適切な播種深度は1〜2cm
  • 播種床は高い砕土率を確保し、トラクタのタイヤ跡が3〜5cm沈む程度の硬さにする

などがこの工程でのポイントとなります。

グレーンドリル(ドリルシーダー)

乾田直播栽培で使用される播種機の一種。種子を一定の深さと間隔で土中に埋め込む機能を持つ。高精度な播種が可能で、均一な苗立ちを促進する。

⑤鎮圧作業

【播種後は種子の乾燥と漏水を防ぐためにケンブリッジローラーで鎮圧】

播種後の鎮圧作業は、乾田直播特有の重要なステップです。ケンブリッジローラー※を使用し、播種後の土壌を適度に締め固めます。

この作業により、種子と土壌の接触が改善され、発芽率の向上と初期生育の安定化が期待できます。また、鎮圧は土壌水分の保持にも効果があり、乾燥による発芽不良のリスクを軽減します。

ケンブリッジローラー

乾田直播栽培で播種後の鎮圧作業に使用される農業機械。リング状の鉄製ローラーが連なった構造で、土壌を適度に締め固める効果がある。種子と土壌の接触を改善し、発芽率の向上と初期生育の安定化に寄与する。土壌水分の保持にも効果があり、乾燥による発芽不良のリスクを軽減する。

⑥水管理と除草

乾田直播では、播種後の水管理が極めて重要です。初期の乾燥状態から、適切なタイミングで入水を行い、水田環境へと移行させます。

この過程で、除草剤の散布も行われます。水管理と除草のタイミングは、雑草の発生状況や気象条件を考慮しながら慎重に決定する必要があります。

水管理

乾田直播栽培では、播種後から入水までの水管理が特に重要です。主な手順は以下の通りです。

  • 播種後は、イネの出芽が条状に揃うまで原則として乾田状態を維持
  • 降雨が少ない場合は、走水(フラッシング)を行い、土壌に適度な水分を供給(これにより、イネの出芽を促進)
  • 播種後にまとまった降雨があり、その後の乾燥で土壌表面が固くなった場合(クラスト化)も、走水を行う(これにより、イネの出芽を妨げる硬い土壌表面を軟らかくする)
  • イネの葉齢が1.5〜2葉になったら入水を開始
  • 入水初期は2〜3日に1回程度の給水とし、苗が水没しないよう浅水にする
  • イネの生長に合わせて徐々に水深を深くしていく

気象条件に応じた水管理により、適切な出芽数(1平方メートルあたり100本以上)を確保することが重要です。

【生育過程による水管理】

除草

乾田直播栽培では、雑草防除に除草剤による体系処理※が基本となります。入水前の乾田期には、主に3つの体系処理があり、それぞれの特徴を理解して適切に選択することが重要です。

  • 体系処理1:土壌処理剤 + 選択性除草剤①
  • 体系処理2:非選択性除草剤 + 選択性除草剤①
  • 体系処理3:選択性除草剤① + 選択性除草剤②

これらの体系の中から、圃場の雑草発生状況、作業体系、経済性を考慮して最適なものを選びます。

効果的な雑草防除のためには、圃場ごとの雑草の種類や発生状況を把握し、それに応じた除草剤の選択と適切な散布時期の決定が重要です。また、乾田直播では前作の影響を受けやすいため、輪作を含めた長期的な「圃場作り」の視点も欠かせません。

【乾田直播栽培の除草体系】

⑦収穫

収穫作業は以下の点に注意して行います。

  • 適期収穫を心がけ、籾の水分含有率や天候を考慮して収穫時期を決定
  • コンバインの調整を適切に行い、収穫ロスを最小限に抑える
  • 収穫後の乾燥調製作業も丁寧に行い、品質の維持に努める

乾田直播の作業体系は、従来の移植栽培とは大きく異なりますが、適切に実施することで労働力の削減と収量の安定化を同時に実現できると言われています。今後、さらなる技術革新と普及により、日本の稲作における重要な選択肢となることが期待されています。*2)

乾田直播のメリット

【クボタの食味・収量センサ付き7条刈りコンバインDR7130】

この章では、乾田直播の具体的なメリットについて見ていきましょう。

労働力の省力化

乾田直播は、育苗や移植作業が不要であるため、労働力の大幅な削減が可能です。特に、耕起作業を省略できる「V溝乾田直播技術」※を導入することで、さらに効率的な作業が実現します。

これにより、農家は他の作物の栽培や経営活動に時間を割けるようになります。

V溝乾田直播技術

耕起作業を省略し、V字型の溝を作って種をまく革新的な稲作方法。従来の乾田直播よりも省力化と低コスト化を実現する。専用の播種機を使用し、精密な播種が可能。水稲の初期生育が安定し、雑草抑制効果も高い。この技術は、大規模稲作経営や労働力不足に悩む農家に特に適している。

コスト削減

この栽培方法では、水管理や育苗にかかるコストを大幅に削減できます。水を張らないため、水資源の使用量が減り、灌漑設備の維持費も抑えられます。

また、機械化が進むことで人件費も削減され、全体的な経営費用が低下します。

環境への配慮と持続可能性

乾田直播は、水使用量の削減により環境負荷を軽減し、持続可能な農業を推進します。また、メタン排出量が少ないことから、気候変動対策にも寄与します。

こうした環境への配慮は、国際的な農業政策の中でも高く評価されています。

【 メタンが水田で発生するしくみ】

大規模経営への対応

この技術は、大規模経営にも適しており、広範囲での作業効率を向上させることができます。特に北海道などの広大な農地では、乾田直播による効率的な稲作が実践されています。大規模農家は、より多くの面積で稲作を行うことができ、生産性を高めることが可能です。

乾田直播は、省力化とコスト削減を両立しつつ、環境にも配慮した持続可能な農業技術として、多くの関心を集めています。今後も技術革新と普及が進むことで、日本のみならず世界中で重要な農業手法となることが期待されます。*3)

乾田直播のデメリット

乾田直播は多くの利点を持つ革新的な稲作技術ですが、導入にあたっては慎重な検討が必要です。この栽培方法には、従来の移植栽培とは異なる課題や制約があり、それらが普及の障壁となっている側面もあります。

収量の不安定性

乾田直播では、収穫量の年次変動が大きいという問題があります。特に、冷害年には成熟期に達しないケースも報告されており、安定した収量の確保が課題となっています。

この不安定性は、気象条件への依存度が高いことや、初期生育の遅れが影響していると考えられます。

雑草管理の困難さ

乾田直播栽培では、雑草との競合が大きな問題となります。水田に水を張らない期間が長いため、雑草の発生が助長されやすく、適切な除草剤の選択と散布タイミングが極めて重要です。

この雑草管理の難しさは、労力とコストの増加につながる可能性があります。

初期投資の必要性

乾田直播を導入する際には、専用の播種機や均平機などの新たな機械設備が必要となります。これらの初期投資は、特に小規模農家にとっては大きな負担となる可能性があります。また、既存の水田をより平坦に整備する必要もあり、これらの準備作業にかかるコストも無視できません。

技術習得の難しさ

乾田直播は従来の移植栽培とは異なる技術体系を必要とします。

  • 播種深度の調整
  • 適切な水管理
  • 肥培管理

など、新たな技術の習得が求められます。これらの技術を習得し、安定した栽培を行うまでには一定の期間と経験が必要となり、導入初期の失敗リスクも高くなります。

品種選択の制限

乾田直播に適した品種は限られており、従来の移植栽培で使用していた品種をそのまま利用できるとは限りません。耐倒伏性や初期生育の良さなど、乾田直播に適した特性を持つ品種の選択が必要となり、これが栽培の柔軟性を制限する要因となっています。

乾田直播のデメリットは、技術的な課題から経済的な問題まで多岐にわたります。しかし、これらの課題に対して、研究機関や先進的な農家による取り組みが続けられており、改善の余地は大きいと考えられます。

乾田直播の導入を検討する際には、これらのデメリットを十分に理解し、自身の経営状況や地域の特性に照らし合わせて慎重に判断することが重要です。*4)

乾田直播の導入事例

【ISEKIの播種機】

乾田直播は、さまざまな地域でその特性を活かした栽培方法として導入されています。実際に行われている取り組み事例を紹介します。

基本的な導入事例:滋賀県フクハラファーム

滋賀県のフクハラファームでは、乾田直播を実施しています。この地域の土壌は細粒質で、水の浸透が少ないため、乾田直播に適しています。

フクハラファームでは、耕起作業を省略し、土壌の均平化を徹底することで、効率的な栽培を実現しています。この手法により、労働時間の大幅な削減と生産費の低減が達成されています。

【フクハラファームのスマート農業への取り組み】

また、フクハラファームでは、乾田直播と相性の良いスマート農業の技術を積極的に取り入れています。

先進的な事例:宮城県石巻地域

宮城県石巻地域では、震災後の復興事業に伴い、麦・大豆の汎用機械を用いた乾田直播が急速に普及しました。令和5年度には栽培面積が1,012haに達し、県内でも大きな割合を占めています。

この地域では、高速播種鎮圧体系※を採用し、省力化と環境負荷の低減を実現しています。

高速播種鎮圧体系

乾田直播栽培における効率的な作業方法で、高速で種をまく播種作業と、播種後の土壌を締め固める鎮圧作業を同時に行う。専用の機械を使用し、作業時間の短縮と均一な苗立ちを実現する。この技術は、大規模経営や労働力不足に対応するため、特に東北地方などで普及が進んでいる。

【県全体と石巻地域の水稲直播栽培面積の推移】

有限会社サンダーファーム牛田の例

【播種作業(播種当日)】

例えば石巻市桃生サンダーファーム牛田では、以下のように取り組んでいます。

  • 水稲、麦、大豆の2年3作体系のローテーションを基本とし、そばや露地ねぎも栽培
  • 水稲乾田直播栽培の経験が豊富で、技術的に確立している
  • 直播栽培面積が移植栽培面積を上回るなど、積極的に直播栽培を経営に取り入れている
  • 大区画ほ場を活用し、スケールメリットを生かした生産コストの低減と作業効率化
  • 作物の生育状況や天候に応じて臨機応変に対応し、適期作業を心がけることで品質と収量を向上

このような効率的な栽培技術と柔軟な経営戦略により、生産性の高い農業経営を実現しています。

個性的な事例:北海道空知型輪作体系

【北海道妹背牛町 (株)辻村農場の主な農機具】

※左上 : レーザーレベラー
右上 : プラウ
左下 : モミサブロー
右下 : パワーハロー+グレンドリル

北海道では、水稲の乾田直播とてん菜※を組み合わせた新たな輪作体系が構築されています。この取り組みは、JAいわみざわてん菜研究会を中心に進められ、土地利用の効率化と収益性の向上を図っています。

てん菜

北海道を中心に栽培されるビート科の作物。砂糖の原料として重要で、主に白糖生産に使用される。寒冷地での栽培に適し、輪作体系において水稲との組み合わせが注目されている。別名、サトウダイコンとも呼ばれる。

このような輪作体系は、地域特有の気候条件に適応した持続可能な農業モデルとして注目されています。いわみざわ地域は、稲作を中心とした穀倉地帯として知られていますが、近年、

  • 転作田における連作障害による減収問題
  • 経営の安定化の必要性
  • 効率的な輪作体系の確立

などの課題に直面しており、これらに対応するため、以下のような取り組みを行いました。

水稲の乾田直播栽培の導入

  • 育苗コストの削減(水稲面積の約3割に導入で費用削減効果が期待できる)
  • 機械の共同利用による機械費用の低減

新たな輪作体系の確立

  • てん菜を輪作作物として導入
  • 地域の土壌特性を活かした栽培方法の採用

【従来の輪作体系】

【新たな輪作体系】

これらの取り組みにより、経営の安定化が図られ、てん菜の作付戸数および作付面積が大幅に増加しました。結果として、いわみざわ地域は新たな輪作体系を確立し、従来の課題解決に向けて前進しています。

スマート農業との融合:石川県とオプティムの協業

【オプティムのドローン搭載型播種機】

石川県では、株式会社オプティムと協力してドローンを活用した乾田直播技術が開発されました。RTK測位※による精密な飛行経路設定が可能で、省力化と低コスト化を実現しています。

RTK測位

Real Time Kinematic(リアルタイムキネマティック)の略称で、高精度な衛星測位システムの一つ。固定局からの補正情報をリアルタイムで移動局に送信し、数センチメートル単位の精度で位置を特定する。農業分野では、自動運転トラクターや精密農業に活用される。別名として、搬送波位相測位とも呼ばれる。

【ドローンによる籾の直播と生育の様子】

この技術は、初期病害虫や雑草防除においても効果的であり、ピンポイント防除技術として評価されています。

実証実験:アサヒバイオサイクルのビール酵母細胞壁の活用

【ビール酵母細胞壁由来の農業資材の植物活性メカニズム】

アサヒバイオサイクルは、2024年4月から節水型乾田直播栽培の実証試験を開始しました。この取り組みは、気候変動対策と低コストな米作りの確立を目指しています。

ビール酵母細胞壁由来の農業資材

アサヒバイオサイクルが開発したビール酵母細胞壁由来の農業資材は、持続可能な農業を実現する革新的な技術として注目を集めています。この資材は、ビール製造の副産物であるビール酵母細胞壁を活用し、植物の生育促進や免疫力向上を助けます。

最近の研究成果により、この資材の効果メカニズムが明らかになりつつあります。アサヒバイオサイクルの研究によると、ビール酵母細胞壁水熱反応物にRCS(活性炭素種)が存在することが発見されました。

RCSは植物に適度なストレスを与え、植物ホルモンの生成を促進することで、生育や免疫力の向上につながると考えられています。乾田直播栽培の現場でも、この農業資材は以下のような効果をもたらすと考えられています。

  • 初期生育の促進:乾田直播では課題となる初期生育で、この資材により発根が促進され、生育が改善される
  • 耐病性の向上:植物の免疫力を高めることで、乾田直播特有の病害リスクを軽減
  • 収量の安定化:植物の生育促進効果により、乾田直播での収量の安定化
  • 環境負荷の低減:化学肥料や農薬の使用量を抑え、乾田直播の環境面でのメリットをさらに高める

VA菌根菌資材との併用

また、ビール酵母細胞壁由来の農業資材とVA菌根菌資材※を併用することで、以下の効果が期待されています。

  • 米の収穫量増加
  • 品質向上
  • 農薬使用量の低減
VA菌根菌資材

植物の根と共生し、養分吸収を促進する農業用資材。水を節約しつつ作物の生育を向上させる。VA菌根菌はアーバスキュラー菌根菌(AM菌)とも呼ばれ、リン酸吸収の改善や耐乾燥性の向上などの効果がある。

【VA菌根菌資材とビール酵母細胞壁由来の農業資材を併用した相乗効果】

北海道での成功事例

アサヒバイオサイクルは、2020年に北海道・網走地区において、ビール酵母細胞壁を活用した資材を施肥した畑での米生産に成功しています。この地域は従来、低気温のため稲作に不適とされていました。

これらの事例は、それぞれの地域や条件に応じた独自の工夫と技術革新が見られます。乾田直播は、日本各地で多様な形で展開されており、その可能性は今後さらに広がることが期待されています。*5)

乾田直播の将来展望・今後の動き

ここでは、乾田直播の将来展望について考えてみましょう。

環境負荷の低減と持続可能性

【日本のメタン排出量の内訳(2021年)】

乾田直播は、従来の稲作に比べて温室効果ガスであるメタンの発生を大幅に抑制できるため、気候変動対策として有効です。特に、節水型乾田直播※では、水資源の使用量を削減しつつ、好気性環境を維持することでメタン排出を約9割抑制することが可能です。

この特性は、環境への配慮が求められる国際的な米市場においても競争力を高める要因となります。

節水型乾田直播

従来の乾田直播をさらに進化させた水稲栽培技術。播種後の入水時期を遅らせ、生育期間中の水管理を最小限に抑える。この方法により、水資源の大幅な節約とメタン排出量の削減を実現する。別名「超節水栽培」とも呼ばれ、気候変動対策と低コスト稲作の両立を目指す革新的な手法として注目されている。

スマート農業との融合

【クボタの乾田直播 高速汎用播種機】

近年では、スマート農業技術との融合が進んでおり、ドローンやセンサー技術を活用した精密農業が実現されています。これにより、作業の効率化や省力化が進み、大規模経営にも対応可能な体制が整いつつあります。

特にドローンによる乾田直播は、高速で正確な播種を可能にし、作業時間の大幅な短縮とコスト削減を実現しています。

グローバル市場への対応

乾田直播は、日本国内のみならず、水不足が深刻なグローバルサウス地域でも有効な技術として期待されています。日本の高品質米を低コストで輸出することが可能となり、新興国市場への進出も視野に入れた取り組みが進められています。

これにより、日本の農業技術が世界的な食料安全保障にも貢献することが期待されています。

新たなビジネスモデルの構築

アサヒバイオサイクルなどの企業は、乾田直播と自社のバイオ資材を組み合わせた新しいビジネスモデルを構築しています。この取り組みは、農薬使用量の低減や土壌改良を通じて、持続可能な農業を推進するものです。

こうした企業の参画によって、乾田直播はさらなる技術革新と普及が見込まれます。

乾田直播は、その多様な利点から持続可能な農業の未来を切り拓く重要な技術として位置づけられています。今後も技術革新と国際的な協力によって、その可能性はさらに広がっていくでしょう。*6)

乾田直播に関してよくある疑問

乾田直播は、従来の水稲栽培とは大きく異なるため、多くの農家や新規就農者の人には、さまざまな疑問や不安を抱えることも多いでしょう。ここでは、乾田直播に関する一般的な疑問に対して、実践的に回答していきます。

乾田直播の歴史は?

乾田直播は比較的新しい栽培技術で、日本では1980年代から本格的な研究と普及が始まりました。

この技術は、労働力不足や水資源の有効活用という課題に対応するために開発されました。特に、大規模農業が盛んな北海道や東北地方で早くから導入が進み、その後、全国的に広がりを見せています。

失敗することもある?

乾田直播にも失敗のリスクはあります。主な失敗の原因としては、

  • 不適切な水管理
  • 雑草の繁茂
  • 鳥害

などが挙げられます。失敗を防ぐためには、以下の点に注意が必要です。

  • 適切な播種深度の確保(2〜3cm程度)
  • 均平な圃場の準備
  • 適切な水管理(特に初期の生育段階)
  • 効果的な除草剤の使用
  • 鳥害対策(忌避剤の使用など)

これらに注意を払い、地域の農業改良普及センターや先進農家からアドバイスを得ることで、失敗のリスクを軽減できます。

栽培暦は?

乾田直播の栽培暦は地域や品種によって異なりますが、一般的な流れは以下の通りです。

  • 4月上旬〜中旬:播種
  • 5月上旬〜中旬:出芽・苗立ち
  • 5月下旬〜6月上旬:入水
  • 7月下旬〜8月上旬:出穂
  • 9月中旬〜下旬:収穫

具体的な作業時期は、地域の気候条件や選択した品種によって調整が必要です。地域の農業改良普及センターや先進農家の事例を参考にしながら、自身の圃場に適した栽培暦を作成しましょう。

播種量の目安は?

乾田直播の播種量は、一般的に10aあたり約6kgが目安となります。ただし、この量は品種や地域の条件によって調整が必要です。

播種量が多すぎると過密となり、倒伏のリスクが高まります。一方、少なすぎると雑草との競合に負けてしまう可能性があります。目標とする苗立ち数は、1m²あたり100〜200本(おおむね150本)です。播種機の精度や圃場条件、気象条件などを考慮しながら、適切な播種量を決定することが重要です。

コーティングって何?

コーティングとは、種子の表面に特殊な被覆を施す技術のことです。乾田直播では、鉄コーティングが広く用いられています。

鉄コーティングの主なメリットは以下の通りです。

  • 種子の比重が増すため、播種精度が向上する
  • 鳥害を軽減できる
  • 出芽・苗立ちが安定する

ただし、コーティング処理には専用の機械が必要であり、コストがかかる点に注意が必要です。また、コーティング種子は通常の種子よりも発芽に時間がかかるため、播種時期の調整が必要となります。

乾田直播で栽培した米は美味しいの?

乾田直播で栽培した米の食味は、適切な栽培管理を行えば、移植栽培のものと遜色ありません。乾田直播米の特徴として、以下の点が挙げられます。

  • タンパク質含有量が若干高くなる傾向がある
  • 粒張りが良好で、外観品質が優れる場合がある

食味を向上させるためには、適切な水管理と肥培管理が重要です。特に、登熟期※の水管理や窒素肥料の適切な施用が、食味に大きく影響します。

また、品種選択も重要で、食味の良い品種を選ぶことで、高品質な米の生産が可能です。

登熟期

稲の生育段階の一つで、出穂後から収穫までの期間を指す。この時期には、籾に澱粉が蓄積され、米粒が成熟していく。一般的に20〜30日程度続き、気温や日照などの環境条件が収量や品質に大きく影響する。別名「実入り期」とも呼ばれ、適切な水管理と肥培管理が重要となる。

乾田直播は、どんな人に向いている?

乾田直播は、以下のような方々に特に適していると言えます。

  • 大規模経営を目指す農家
  • 労働力不足に悩む農家
  • 水資源の節約を重視する農家
  • 環境保全型農業に興味がある農家
  • 新しい技術に挑戦したい意欲的な農家

乾田直播は、育苗や田植えの労力を省くことができるため、大規模経営や複合経営を行う農家にとって有効な栽培方法です。また、水管理の省力化や環境負荷の低減にも貢献するため、持続可能な農業を目指す農家にも適しています。

乾田直播の将来性は?

乾田直播は、今後ますます重要性を増す技術として期待されています。その理由として以下が挙げられます。

  • 労働力不足への対応
  • 水資源の有効活用
  • 温室効果ガス(メタン)排出量の削減
  • スマート農業との親和性

特に、気候変動への対応や持続可能な農業の実現という観点から、乾田直播の重要性は高まっています。また、ドローンやGPS技術を活用した精密農業との組み合わせにより、さらなる効率化と収量の安定化が期待されています。

乾田直播を始めるにあたって、注意すべきことは?

乾田直播を始める際は、以下の点に特に注意が必要です。

  • 圃場の選定と整備:均平で排水性の良い圃場を選ぶ
  • 適切な品種選択:耐倒伏性や初期生育の良い品種を選ぶ
  • 水管理技術の習得:特に初期の水管理が重要
  • 雑草対策:適切な除草剤の選択と使用時期の把握
  • 機械投資の検討:専用の播種機などの導入が必要

また、地域の気候条件や土壌条件に合わせた栽培技術の習得が不可欠です。初めて取り組む場合は、小規模な面積から始め、徐々に拡大していくことが推奨されます。

地域の農業改良普及センターや先進農家からのアドバイスを積極的に取り入れ、経験を積みながら技術を向上させていくことが重要です。

乾田直播とSDGs

【自然資本とSDGs】

乾田直播は、持続可能な農業を実現するための革新的な稲作技術として、SDGs(持続可能な開発目標)と深い関わりを持っています。SDGsは、地球環境や社会の持続可能性を確保するために設定された17の目標であり、「誰一人取り残さない」ことを基本理念としています。この理念は、乾田直播が目指す省力化や環境負荷の低減といった目的と共通しています。ここでは、乾田直播がSDGsの目標達成にどのように貢献できるかを具体的に解説します。

【スマート農業のSDGs達成への貢献】

SDGs目標2:飢餓をゼロに

乾田直播は、食料生産の効率化と安定供給を促進する技術です。省力化とコスト削減により、生産者の経済的負担を軽減し、より多くの米を安定的に供給することが可能となります。

特に、水資源が限られた地域でも効果的に稲作を行えるため、食料不足が懸念される地域での食料安全保障に貢献します。

SDGs目標6:安全な水とトイレを世界中に

乾田直播は、水使用量を大幅に削減できる技術です。従来の水田栽培では大量の水が必要ですが、乾田直播ではその必要がなく、水資源の節約につながります。

この技術は、水不足が深刻な地域で特に有効であり、安全な水の確保と持続可能な水管理に貢献します。

SDGs目標13:気候変動に具体的な対策を

乾田直播は、メタンガス排出量を大幅に削減できるため、気候変動対策としても有効です。通常の水田ではメタンが多く発生しますが、乾田直播ではその排出量が抑えられます。

この特性は、地球温暖化防止につながり、SDGs目標13である「気候変動に具体的な対策を」の達成に貢献します。また、省エネルギー化による二酸化炭素排出量の削減も期待できます。

SDGs目標15:陸の豊かさも守ろう

乾田直播は、土壌環境の改善にも寄与します。耕起作業を省略することで土壌構造が保持され、生物多様性が維持されやすくなります。また、化学肥料や農薬の使用量も抑えられるため、土壌汚染のリスクを低減し、健康な生態系の維持に貢献します。これらはSDGs目標15である「陸の豊かさも守ろう」の達成につながります。

乾田直播は、このように多角的な側面からSDGs達成への貢献が期待されており、その導入と普及は持続可能な社会実現への大きな一歩となります。*7)

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まとめ

【乾田直播導入による輪作体系モデルの実証(新潟県三条農業普及指導センター)】

乾田直播は、水を張らない乾いた田んぼに直接稲の種をまく革新的な栽培方法です。この技術は、

  • 労働力不足の解消
  • 水資源の節約
  • 環境負荷の低減
  • コスト削減

など、多くのメリットを持っています。

農林水産省は、乾田直播技術の普及と輸出促進を図っています。これは、日本の農業の国際競争力強化と環境配慮型農業の推進の双方で重要な意味を持ちます。

乾田直播の将来展望としては、

  • スマート農業技術との融合による効率化
  • 海外への技術移転による国際貢献

などが期待されます。しかし、その実現には技術の更なる改良や普及のための支援体制の強化が必要です。

グローバルな視点から見ると、乾田直播技術は水資源が限られた地域での持続可能な稲作を可能にし、食料安全保障に貢献すると期待されています。特に、アジアやアフリカの発展途上国にとっては、食料生産の安定化と環境保全の両立を図る重要な選択肢となり得ます。

農家でない一般人でも、乾田直播について知識を深めることは、持続可能な農業の未来を考える上で重要です。個人レベルでは、

  • 環境に配慮した農法で生産された米を選択する
  • 地域の農業政策に関心を持つ
  • 地産地消を心がける

などで、乾田直播をはじめ、日本の持続可能な農業を応援することができます。

自分の食生活が環境や農業にどのような影響を与えているか、持続可能な農業を支援するために、個人として何ができるか、普段の生活の中で考える機会を持ちましょう。あなたのより良い未来を意識した選択が、未来の農業と地球環境を支える力になるのです。*8)

<参考・引用文献>
*1)乾田直播とは
Kubota『乾田直播の効率性・収益性を大豆連作後のほ場で検証』(2024年7月)
農業・食品産業技術総合研究機構『乾田直播栽培技術マニュアル』(2021年3月)
農林水産省『自称「日本一働かない稲作農家」が行う乾田直播栽培の推進 株式会社辻村農場(妹背牛町)』(2021年10月)
大分県『「乾 田 直 播 」とは!?』
立野 喜代太,宮国 栄美,樋口 重利『乾田直播栽培における水稲収量の年次変動』(1977年6月)
深見 公一郎『暖地二毛作体系に対応した乾田直播技術』(2019年)
南石 晃明『農業生産法人が実証するスマート水田農業モデル―IT農機・圃場センサー・営農可視化・技能継承システムを融合した革新的大規模稲作営農技術体系の開発実証―』
九州沖縄農業研究センター『(研究成果)降雨後の土壌でも適期を逸さず播種できる「畝立て乾田直播機」- 九州における水稲乾田直播導入に貢献 -』(2023年3月)
JA全農『水稲直播技術』
YANMAR『営農情報 Point2. 田植えと直播の組み合わせで、「農繁期の作業を分散」し、規模拡大を実現』
信州大学『直播栽培の方式』
農業・食品産業技術総合研究機構『直播栽培最前線』
日本農業新聞『水稲直播栽培のポイント』(2024年2月)
農林水産省『2-⑥ 水稲の直播栽培』
荻原 均, 大下 泰生『乾田直播における限界播種深度とそれを規定しているイネ (Oryza sativa L.) の特性について』(2021年)
*2)乾田直播の作業の流れ
Kubota『水稲大区画ほ場で乾田直播による高精度高速作業 アグリロボトラクタと不耕起汎用ドリルによる実演会』(2023年6月)
Kubota『乾田直播の効率性・収益性を大豆連作後のほ場で検証』(2024年7月)
いしのまきグリーンな農業推進協議会『グリーンな栽培マニュアル(環境にやさしい水稲乾田直播栽培)』(2024年1月) 
ISEKI『乾田直播栽培のポイント』
農林水産省『不耕起乾田直播栽培』
農林水産省『①水稲 ア.乾田播種早期潅水直播』
農林水産省『米の直播技術等の現状』(2008年3月)
岡山県『水稲乾田直播栽培の特性と大規模稲作経営の課題』(1985年)
寺島 一男『土地利用型農業の総合研究 』
農林水産省『水稲の直播栽培』(2022年)
農林水産技術会議『麦用機械を利用して高速作業』
篠遠善哉,大谷隆二『黒ボク土水田におけるプラウ耕鎮圧体系乾田直播栽培による水稲の根系分布』(2020年)
森田 弘彦『水稲直播栽培 における 雑草防 除の 現状と問題点』
農業協同組合新聞『乾田直播栽培技術体系標準作業手順書「滋賀県湖東地域版」改訂版公開 農研機構』(2024年8月
農林水産省『プラウ耕・グレーンドリル播種による乾田直播水稲の除草体系』
*3)乾田直播のメリット
Kubota『乾田直播で移植・湛直以上の収量を確保 7条刈りコンバインDR7130による収穫実演会を開催』(2023年10月)
農業・食品産業技術総合研究機構『水田メタン発生抑制のための新たな水管理技術マニュアル』(2012年8月)
農林水産省『低コスト稲作の推進 1 直播栽培技術』
農林水産省『東北における水稲作関係資料』(2024年10月)
農林水産省『③.乾田直播技術導入による経営的効果と大規模営農モデル』
日経ESG『コメの栽培から牛のゲップまで メタン削減にビジネスチャンス アサヒグループはビール醸造の副産物を肥料に、酪農・畜産DXスタートアップはクレジットを創出』(2024年7月)
熊本県有機農業研究会『乾田直播で省力イネ作りに挑戦!』
JETRO『第 1 回「未来の米づくり」フォーラム‐乾田直播・節水灌漑(マイコス DDSR)による「超低コスト・低メタン輸出米」の可能性‐』(2024年6月)
YANMAR『営農情報 Point2. 田植えと直播の組み合わせで、「農繁期の作業を分散」し、規模拡大を実現』
ISEKI『乾田直播栽培のポイント』
*4)乾田直播のデメリット
農林水産省『稲作の現状とその課題について』(2024年9月)
岡山県『岡山県における水稲乾田直播栽培の減少継続要因と不耕起乾田直播栽培の位置付け』(2000年)
農業協同組合新聞『米の輸出促進に向け乾田直播や菌根菌で水稲栽培 官民タスクフォースが会合』(2024年6月)
日本農業研究所『北海道での直播による稲作経営の現状と課題』(2019年6月)
クボタ『強い農業経営を実現する営農新技術の提案』
*5)乾田直播の導入事例
ISEKI Amoni『乾田直播栽培やってみた』(2021年12月)
YANMAR『<アグリ・ブレイクスルー>米卸トップが語るこれからの稲作。製販一体の改革で主食用米の需要拡大を』(2015年10月)
農林水産技術会議『(有)フクハラファーム(滋賀県彦根市)』
次世代大規模稲作経営革新研究会『次世代大規模稲作経営の展望ー農匠ナビ1000プロジェクトが目指すスマート水田農業モデルー』(2015年11月)
農業・食品産業技術総合研究機構『水稲乾田直播・子実トウモロコシフォーラム2023』(2023年1月)
農文協『多様化する技術を活かして、イネと田んぼを農家・地域の元気の源泉に』(2020年3月)
FUKUHARA FARM『フクハラファームについて ABOUT』
福原 昭一,藤井 吉隆『大規模水田作経営の現状と課題』(2012年)
いしのまきグリーンな農業推進協議会『グリーンな栽培マニュアル(環境にやさしい水稲乾田直播栽培)』(2024年1月)
宮城県石巻農業改良普及センター『直播栽培情報』(2022年12月) 
JAいしのまき『乾田直播 今年も着手/低コスト高速作業 前年並み50ヘクタール』(2024年4月)
農業・食品産業技術総合研究機構『岩見沢市 有限会社新田農場―水稲乾田直播栽培の高単収・安定化と水田輪作の形成―』
農畜産業振興機構『水稲の乾田直播にてん菜を組み込んだ新たな空知型輪作体系の構築』(2020年5月)
農業・食品産業技術総合研究機構『北海道空知型4年4作の省力的水田輪作栽培体系技術』
農林水産省『無代かき栽培と田畑輪換にy掘る空知型輪作体系の実践』
OPTiM『石川県 農林総合研究センター 先端プロジェクト ドローンによる種まきで生産コストの削減とAI画像解析で直播栽培の高度化を実現』
アサヒバイオサイクル『ビール酵母細胞壁由来の農業資材の“植物活性メカニズム”解明へ ビール酵母細胞壁水熱反応物にRCS(活性炭素種)が存在することを発見、農業分野に応用』
アサヒバイオサイクル『農林水産省「国内産輸出用米などの栽培技術のマニュアル化 及び輸出可能性の検討・調査プロジェクト」に参画』
農林水産省『水稲直播栽培の現状について』(2008年3月)
農林水産省『Ⅳ 水稲直播栽培の拡大』
農業・食品産業技術総合研究機構『直播栽培技術』
土壌物理学会『岡山県南部地域の乾田直播少量播種栽培における貫入式土壌硬度計による苗立ち予測法の開発』(2016年)
ASAHI GROUP HOLDINGS『ビール酵母細胞壁で持続可能な農業の未来を切り拓く』(2024年10月)
農林水産省『水稲大規模経営体の育成に向けた低コスト生産技術導入』
日経ESG『アサヒ、コメの脱炭素で事業拡大狙う リスク低減へ食品会社が熱視線』(2024年8月)
日経ESG『コメの栽培から牛のゲップまで メタン削減にビジネスチャンス アサヒグループはビール醸造の副産物を肥料に、酪農・畜産DXスタートアップはクレジットを創出』(2024年7月)
*6)乾田直播の将来展望
農林水産省『水田で取り組む温室効果ガス削減』
ISEKI『乾田直播 高速汎用播種機で点播!』(2023年12月)
日本経済新聞『秋田県大潟村、コメどころで「乾田直播」 栽培の手間省く』(2024年9月)
やまふじ農園『マイコス米栽培の新たな展望:乾田不耕起播種と古き不耕起直播機の復活を強く切望する!!』(2024年8月)
北竜町ポータル『乾田直播栽培「えみまる」北竜町在住の高田幸喜さんが初挑戦!』(2022年5月)
Kubota『汎用利用が可能な グレーンドリルによる乾田直播を実証 熊本県熊本市 低コスト稲作』(2021年8月)
Kubota『乾田直播の効率性・収益性を大豆連作後のほ場で検証』(2024年7月)
農村ニュース『畝立て同時乾田直播機 23年農業技術10大ニュース』(2024年1月)
JAふくおか八女『持続可能な農業の実現へ!乾田直播』(2024年8月)
農業・食品産業技術総合研究機構『持続的農業の実現へ~新たな時代を切り開く技術革新をめざす~』(2022年7月)
奥野 竜平『福岡県南筑後地域の「省力・低コスト栽培研究会」による水稲乾田直播栽培導入の取り組み』(2018年)
環境省『3.C.1 灌漑水田(Rice Cultivation-Irrigated)(CH4)』
国際農研『東北タイの天水田稲作地帯における乾田直播栽培の適用性』(2001年)
*7)乾田直播とSDGs
農林水産省『みどりの食料システム戦略におけるスマート農業の果たす役割』(2022年2月)
農林水産省『スマート農業技術の社会実装に向けて』(2023年12月)
農林水産省『附属書 C:スマート農業能力と SDGs ターゲットの整合』
*8)まとめ
Kubota『乾田直播の効率性・収益性を大豆連作後のほ場で検証』(2024年7月)