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マイ箸はエコじゃない?メリット・デメリットや、持ち歩きにもおすすめ商品を紹介

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マイバッグやマイボトルなどエコ意識が高まる中、最近ではマイ箸も注目を集めています。

マイ箸を使い割り箸の使用率を下げることで、環境保護や、近年注目が高まっているSDGsの達成にも貢献できます。加えて、素材や種類も豊富なので、お気に入りのマイ箸を使うと食事が楽しくなることも魅力の一つです。

後半では補足としてマイ箸と環境の関係についても触れているので、興味のある方はぜひ目を通してみてください!

目次

マイ箸のメリット

まずはマイ箸を使うメリットを1つずつ見ていきましょう。

メリット①おしゃれなデザインが多い!

マイ箸にはシンプルな無地から、キャラクター柄、和柄まで多くのデザインがあります。お料理と一緒にお気に入りのマイ箸を一緒に写真に写せばSNS映えもしますし、多くの方にマイ箸の魅力を伝えることができるでしょう。

メリット②お店によってはお得なサービスも受けられる

マイ箸を持参することで、お店によっては割引してもらえたり、一品プレゼントなどお得なサービスを受けられたりするところもあります。

近年、割引を行なっている飲食店は増えており、例えばヒルトン成田のテラスレストランでは、2021年5月25日からマイ箸持参でカットケーキやパンの10%オフクーポンがもらえ、くら寿司では店内飲食に限り、1人につき10円値引きしてもらえます。

お財布にもやさしいこともマイ箸の魅力ですね。

さらに割引だけではなく、プラスアルファになるお店もあります。

滋賀県大津市にあるマドカフェは筆者お気に入りのお店ですが、こちらの特典はマイ箸(使い捨てや割り箸は対象外)持参でランチのセットドリンクが無料になります。

このように、普段訪れている飲食店でも、もしかしたらマイ箸持参の特典があるかもしれません。改めて調べてみて、マイ箸活用巡りをしてみても面白いでしょう。

続いては魅力たっぷりのマイ箸を購入する際に意識したいポイントをいくつか見ていきましょう。

マイ箸の選び方

マイ箸を選ぶ際に意識したいポイントは大きく分けて5つです。

  • 素材
  • 箸のサイズ
  • スプーンフォークとセットか、お箸のみか
  • 好みに合わせて

素材から選ぶ

素材の特徴を知ることもマイ箸を選ぶポイントです。

お箸の素材は主に、金属製、木や竹などの天然素材、プラスチック・樹脂製、シリコン製があります。それぞれ特徴もあるため、メリットや注意点をまとめました。

金属製

金属箸の特徴は、優れた耐久性と見た目の重厚感です。

金属の種類は錆びに強く頑丈なステンレス、軽量なチタンなどがあります。

落として割れたり錆びたりする心配もなく、長期的に使えるというメリットがあります。また、金属そのものの色や質感を楽しむことができ、かっこよさを演出できるところも魅力です。

注意点としては素材によっては熱伝導が良く、熱いものを無意識に口に運んだ際のやけどには注意したいところです。

天然素材

続いて天然素材です。天然素材の種類は竹製、木製があります。

素材の特徴は、軽量で指への負担が少ないこと、そして天然素材ならではの温かみが感じられるところです。和食だけではなく中華や洋食など、幅広いジャンルの料理に合わせられるメリットもあります。

注意点としては、長時間水につけておくと変色やカビの原因になってしまうところです。

しっかりと乾燥させれば長く使えますが、管理に自信がないな、という方は、塗装などでコーティングされている商品を選ぶことをおすすめします。

プラスチック、樹脂製

プラスチック、樹脂製の特徴は、安価で手軽、そして軽量であることです。しかし、洗えば何度も使えますが、傷や衝撃に弱いというデメリットがあります

シリコン製

シリコン製の特徴は滑らな手触りです。さらに、つるつるとした麺も楽に拾い上げられるところがシリコン製の良さでしょう。また、汚れが付着しにくく変色しないという点から、お手入れが簡単というのも魅力です。

デメリットとしては、ゴムのような質感があることと、高温料理で菜箸として使う場合、溶ける恐れがあることです。ただ、お弁当を食べる目的であればそれほど心配する必要はありません。

お箸のサイズから選ぶ

続いてお箸のサイズです。自分の指のサイズに合わせてお箸を選ぶと、より一層食事を楽しめます。

農林水産省では、自分の手に合うお箸の選び方を次のように示しています。

引用元:農林水産省

自然に手を広げ、図中に示した親指から人差し指までの「あた」と呼ばれる距離に1.5を掛けた長さが、使いやすいお箸の長さとされています(※1)。

例えば、親指から人差し指までの距離が14cmの場合、14×1.5で21cmがおすすめサイズになります。

一般的には女性で21.5cm前後、男女兼用で22cm、男性で23cm前後とされています。ただ、これはあくまで一つの目安なので、人によって手のサイズやしっくりとくる感じが異なるため、使いやすいと思ったものを選んでみてくださいね。

お箸のみか、カトラリーセットか、食スタイルから選ぶ

お箸のみか、カトラリーとセットになっているかも意識してみましょう。

お箸とスプーン、フォークの3点セットになっているものもあれば、お箸とスプーンだけの2点セットもあります。食事のスタイルに合わせて選びましょう。

好みに合わせて選ぶ

ここまでの4つは機能性を意識した選び方でした。これらに加えて直感的に心を動かされた商品を選ぶのも、長く使い続けられるポイントです。

好きな色、好きなデザインのマイ箸を持ち歩き、お気に入りのカフェやレストランでサッと取り出し使っている姿を想像してワクワクしたら、そのマイ箸を選んでみましょう。

ここまでは、マイ箸の選び方を紹介しました。次は、それぞれのポイントを踏まえ、おすすめのマイ箸を5点紹介します。

おすすめマイ箸5選

今回ご紹介するマイ箸は、持ち運びさに特化したものや、洗いやすいもの、耐久性に優れたものなど、多様なライフスタイルに合わせて選んでみました。マイ箸選びの参考にしてみてくださいね。

【折りたたみ式だからコンパクト!持ち運びするならこれ】小森樹脂箸 携帯用 組み立て式 

引用元:小森樹脂

「かさばるのが苦手」「シンプルなマイ箸がいい!」そんな方におすすめなのは小森樹脂から販売されている組み立て式のマイ箸です。ケース自体がポケットに入ってしまうほどコンパクトなので、かばんが小さめの方にもおすすめです。

商品の特徴1「折りたたみだから持ち運びやすい」

「小森樹脂箸 携帯用」の一番の特徴は、コンパクト収納だからかさばらず場所を取らないことです。組み立てた際のお箸の長さは21cm、折りたたむと縦125×横41×高さ13mmのケースに収まるようになっています。

商品の特徴2「煮沸消毒可能で衛生的!」

口に入れるものだからこそ衛生面は気にしたいところです。小森樹脂箸は、スチーム消毒や煮沸消毒ができるので清潔な状態を保てます

食べ終わった後、ケースに余分な汚れを残したくないという方は、お箸の箸先部分だけを離してお弁当箱に入れ、持ち手の部分だけお箸ケースに収納する使い方もできます。

注意点やデメリットは?

携帯箸という特性上、食事前と後にお箸を組み立てたり切り離したりする必要があるため、その作業があることが面倒に感じる方もいるかもしれません。とはいえ、複雑な作業ではないため、筆者はそこまで気になりませんでした。

商品情報

品名携帯箸セット
エンジ/ブラック
素材フタ・本体・箸持ち手:メタクリル樹脂
箸先:SPS樹脂
プッシュボタン:ポリアセタール
ジョイント:アルミニウム
サイズケース:125×41×H13mm
箸:21cm
生産国日本

【原料は竹。使い終わったら土に還る。環境にやさしいマイ箸】BALISMバンブーカトラリーセット 

引用元:BALISM

「エコな商品を揃えたい」「天然素材が好き」「できるだけ軽量なお箸を探している」そんな方におすすめなのが、BALISMから発売されている「バンブーカトラリーセット 」です。

日常から出る使い捨てカトラリーゴミを減らす目的で作られた、環境にやさしい商品になります。

商品の特徴1:原料は100%竹。生分解性があり環境にやさしい

バンブーカトラリーの原料は100%竹を使用しており、天然素材で作られています。自然の質感を感じられるほか、素材自体に抗菌性があり安心して使い続けることができます。

衛生面にも配慮されており、カトラリーの表面は人体に無害な植物由来のコート材が塗られているため、変色やカビの発生を気にせず使えます。

お手入れも通常通り洗って乾かすだけと手間もかからず、とても簡単です。また、生分解性作用があるので、使い終わったら土に埋めると分解されるため、ゴミになりません。

商品の特徴2:軽くて持ち歩きやすい

バンブーカトラリーセットは収納ポーチに入れた状態でもわずか約42gと軽量で、お弁当を毎日持ち歩いている方にぴったりです。

金属製やプラスチック製のマイ箸とは違い、竹という素材ゆえにカトラリー同士がぶつかりあう音が気にならないのも魅力の一つです。また、収納袋もコットンなので、お弁当箱やカバンに入れてもかさばらず持ち歩きやすくなっています。

注意点やデメリットは?

食べ終わった後の汚れが、コットン素材の収納ポーチにつきやすい点です。そのため、カトラリーにソース等が付いている場合は、軽く拭き取ってから収納することをおすすめします。とはいえ、収納ポーチに汚れが付いてしまってった場合は洗うことができるので安心です。

商品情報

品名バンブーカトラリーセット「BCS-03」
素材〈スプーン、フォーク、箸〉竹
〈収納ポーチ〉コットン
サイズ〈スプーン、フォーク〉幅30〜35x長さ200×厚み7mm 
〈箸〉長さ22.5cm 
〈収納ポーチ〉幅60×長さ250mm

【軽量なのに強度抜群!錆びないチタン製!】Boundless Voyage キャンピングチタン箸

引用元:amazon

「スタイリッシュでカッコいいお箸を探している」「耐久性がよくて長持ちするものがいい」そんな方におすすめなのが、Boundless Voyageのキャンピングチタン箸です。チタン製のお箸の一番の特徴は軽くて丈夫、そして錆びないため耐久性に優れているところも魅力です。

こちらの商品は2膳1セットになっているため、カップルやご夫婦、友人とおそろいで使えます。

商品の特徴1「耐久性抜群でアウトドアやキャンプにぴったり!」

キャンピングチタン箸の特徴は、収納袋付きでその名のとおりアウトドアやキャンプ、山歩きなどあらゆるシーンで使いやすい点です。

また、お箸の長さが23cmと長めになっているため、菜箸としても大活躍。お箸の先端部分には滑り止め加工も施してあり、鍋物や焼肉などに最適です。

商品の特徴2「スタイリッシュな見た目は男女問わず人気!」

「カッコいい見た目のマイ箸を探している!」という方にチタン素材はおすすめです。マットな色合いと、少しざらっとした質感がスタイリッシュで性別問わず人気があります。

キャンプ好きの筆者も、これまであらゆるマイ箸やマイカップを見てきましたが、かっこよさと耐久性の面ではチタン製が群を抜いていると感じます。

注意点、デメリットは?

デメリットとしては、お箸のサイズが23cmと長く、普段21cmサイズのお箸を使っている方や手が小さめの方は、最初は違和感を覚えるかもしれません。しかしその分、バーベキューの網など熱いものを扱う際には長さがあるととても便利です。

商品情報

品名Boundless Voyage キャンピングチタン箸 角箸 丸箸 アウトドア箸 収納袋付き・2膳セット
素材チタン(中空構造)
サイズ全長約230mm±5mm
生産国約15g

【スプーンもセットでコンパクトなものが欲しい方におすすめ!】サーモス スプーン・ハシセット

引用元:サーモス

「お箸のほかにスプーンもセットになっているものがいい、それでいてコンパクトなものを探している」方に一押しのマイ箸が、サーモスから登場しているスプーン・ハシセットです。

商品の特徴1「お箸とスプーンのコンビネーション」

ランチタイムにスープを飲みたい、お弁当箱にスープジャーを使っている、そんなとき、「お箸のほかにもう一種類、スプーンがあったらいいな」と思うことはありませんか。

筆者もスープジャーを愛用しており、オートミールやスープなどを持ち歩くことが多いのですが、「フォークまでは不要だけどスプーンが付いていたらいいな」と思うことはよくあります。

サーモスから発売されているスプーン・ハシセットはまさにその2点コンビ。スプーンとお箸はケースに重なるように収納でき、コンパクトなのも嬉しいポイントです。

商品の特徴2「スプーン・ハシ・ケースは全て食洗機対応」

お箸とスプーンのほか、ケースまで食洗機に対応しているのでお手入れがしやすく清潔に保てます。さらにケース内にはお箸が移動しないようにシリコンストッパーが付いており、取り外して洗えるため汚れの付着を防げます。

注意点・デメリットは?

食洗機対応可能というメリットがある一方で、洗っている途中で箸どめのシリコンストッパーが外れてしまう恐れがあるので、紛失しないように注意しましょう。

使いやすさは人それぞれですが、コンパクト設計なゆえに、お箸の長さは18cmと短めです。普段、それよりも長めのお箸を使っている方は違和感を覚えるかもしれないので、購入を検討する際にサイズ感を確認するといいかもしれません。

商品情報

品名スプーン・ハシセット CPE-001
素材シリコン/ポリエステル
本体寸法(cm)幅18.5×4.5×3
重量 100g

【おしゃれなデザインでランチタイムが楽しくなる】HAKOYAの木製お箸

「せっかく持ち歩くなら、おしゃれで可愛くて人とあまりかぶらないものがいい!」そんな方におすすめなのが、HAKOYAの木製お箸です。

HAKOYAはお弁当箱・ランチボックスの企画、製造を行なっているお弁当ブランドで、日本のお弁当文化を世界へ広く発信しています。

そんなHAKOYAの商品の中でも筆者いちおしの種類が、柔らかな印象を感じさせる「桜木目」というマイ箸です。

商品の特徴1「飽きのこない2種類の和柄」

桜木目シリーズは、左の白と右の生成りの2種類があります。どちらも木目調のデザインに温かみを感じられ、おしゃれで飽きのこないシンプルなデザインです。

毎日のランチタイムはもちろん、行楽や遠足、運動会、お花見、紅葉狩り、ピクニック、アウトドア、などさまざまなシーンで大活躍。スライド式なので子どもにも開け閉めしやすい設計が特徴です。また、落ち着いた柄は母の日や父の日、敬老の日のプレゼントにもぴったりです。

商品の特徴2「ひとつひとつが手作業の塗り製品」

HAKOYAの製品は、職人によって一つひとつ丁寧に塗装されて仕上げられています。木目調の和柄も手作業による塗りが施されており、商品ごとに塗りムラがあることも魅力の一つです。

商品情報

品名白/生成り
素材箸箱・ABS樹脂
箸・天然木
サイズ<ケース>195x27x13mm
<箸>18cm
生産国日本
注意点電子レンジ/食洗機 非対応

合わせて選びたい!マイ箸袋2選

マイ箸と合わせて選びたい箸袋です。ここからはお箸を包むマイ箸袋を2種類紹介します。

【選べる7デザイン!綿100%で日本製】和柄の箸袋

引用元:楽天

「マイ箸を持ち歩くならおしゃれで使いやすい箸袋にしたい」そんな方におすすめなのが、7つのデザインから選べる和柄の箸袋です。可愛い小花柄から落ち着いた藍染まで豊富なラインナップが魅力的。

使い方は、お箸を入れてくるっと巻き紐で閉じるだけなので、ストレスなく使えます。

商品の特徴 プラケース付きで汚れにくい

箸袋の内部には箸先を保護するプラケースが付いています。お箸を使い終わった後の汚れが付きにくく、清潔に保てます。

また、箸袋は広げると長さ29cmなので、23cmのお箸も包めます。

商品情報

サイズ23cmまでのお箸まで包めます
小花/ベージュ、小花/赤、矢羽/青、矢羽/赤、藍染/かすり、藍染/縞、ブラウン
素材綿100%
生産国日本
注意点食洗機 非対応

【付属キャップが箸置きに!落ち着いたカラーだからシーンを選ばない】HAKOYAの麻箸袋

引用元:楽天

お弁当ブランドのHAKOYAからもおしゃれな箸袋が登場しています。

こちらの箸袋の素材は麻。無地のシンプルなデザインは、年齢性別問わず使えます。箸袋の長さは30cmあり、23cmのお箸も問題なく包めます。

商品の特徴 箸キャップが箸おきにもなる!

HAKOYAの箸袋に付属されている箸キャップは箸先の保護や汚れを防ぐだけではなく、箸置きとしても使えます。また、箸キャップは開閉式になっているので、内部洗浄もでき衛生的に保てます。

商品情報

サイズ袋底約300×170mm
ベージュ/ブラウン/エンジ/ネイビー/モスグリーン
素材袋:麻
箸キャップ:ポリプロピレン
生産国日本
注意点食洗機 非対応

以上が、マイ箸袋の紹介でした。マイ箸袋は、一つ持っておくだけで重宝する、とても便利なアイテムです。ぜひお気に入りのものを探してみてくださいね。

最後に補足として、マイ箸を使用する理由をまとめています。なぜマイ箸を使うことが環境に良いのかを知ることも大切なので、興味のある方は目を通してみてください。

【補足】なぜマイ箸を使うの?

マイ箸を日常的に使うことで、

  • 割り箸使用削減による環境への配慮
  • SDGsの目標達成

に貢献します。

これは、割り箸が与える環境への影響が関係します。

割り箸が与える環境への影響

現在、日本国内で使われている割り箸は、国内生産のものと輸入品の2通りあり、どちらも環境と密接に関係しています。

まずは国内生産された割り箸と環境の関係を見ていきましょう。

国内生産の割り箸と環境の関係

国内で生産される割り箸は、間伐材(植林をした森林が健全に成長するために、間引きされた木材)や建築用丸太の端材を原料にしており、木材資源の活用につながります

健全な木が伐採されることなく資源の有効活用に務めていることから、2001年に施工されたグリーン購入法(※2)において環境にやさしい箸としても認められているのです。

しかし現在、国内生産されている割り箸は全体消費量のわずか3%ほど。

グリーン購入法とは

消費活動において、環境負荷が少ない製品やサービスを優先的に購入すること。

なぜ国産割り箸は少ないのか

国産割り箸が普及していない理由として、輸入割り箸の参入により国内工場の減少があります。

割り箸の国内生産量と工場数の変化を、グラフで確認してみましょう。

グラフを見ると、平成元年の国内生産量は115億膳、平成5年時点で工場数は359箇所となっています。

ところが安価な輸入割り箸の増加によって国内の生産量は激減し、平成21年には工場数が99まで減り、割り箸生産に関わる労働者の人口も減少しました(※3)。

その一方で、普及率が高まった輸入割り箸はどのような特徴があるのでしょうか。環境との関係も見ていきましょう。

輸入割り箸と環境の関係

輸入割り箸は間伐材や端材を原料とせず、自然林の健全な木を切り倒して作られていることが特徴です。

林野庁によると、日本の割り箸消費量は年間194億膳に及びますが(※4)、現在普及する97%は中国で生産されています。(※4)

中国では、割り箸の原料として竹製と木製の2種類を使用していますが、そのうち80%(※5)は木製の割り箸です。

これは日本の割り箸の輸入が増えるほど、森林伐採が進むことも意味しています。このまま森林伐採が進むと、環境にも影響を及ぼすのです。

森林伐採が引き起こす環境問題

中国の木製割り箸は、黒龍江省や吉林省、内モンゴルあたりの森林が伐採され、中国北方で生産されます(※6)。

これらの森林伐採が行われたことによって、生態系と災害に関する問題を引き起こしました。

生態系に関する問題

現在、IUCN(国際自然保護連合)が発表している絶滅の恐れのある野生動物を載せたレッドリスト(※7)には、38,500種以上の野生動物が指定されています。

IUCNでは絶滅危惧種の追加を行った2019年7月、人為的な自然破壊によってかつてないほどのペースで、生き物が絶滅の瀬戸際に追いやられていると警鐘を鳴らしました。(※8)

また、自然破壊により移動を余儀なくされた動物たちも、新たな住処が見つからない場合、生き抜くことができず個体数が減ってしまいます。さらに、花粉を運ぶ昆虫や虫がいなくなってしまうと、植物は命をつなぐことができなくなります。

災害問題

過剰な森林伐採は災害による被害を悪化させます。

1998年に中国で発生した大規模な洪水では、長江、松花江、嫩江(東北地 域)流域が被害に遭いました。被害人口は2,5億人以上と言われており、そのうち4千人以上が命を落としています。(※9)

そこで被害が大きくなった原因のひとつとして、森林伐採による土壌の保水力低下が挙げられました(※10)。

森林には下記のような役割があります。

  • 土壌に浸透した雨をスポンジのように吸収し、川へ流す働き
  • 降雨量によって流量を調整したり、中小規模の洪水を緩和する役割(※11)

しかし、森林伐採によって土壌の保水力が低下したことで大災害につながってしまうのです。

これまでにお伝えした国産割り箸の激減、生態系への影響、災害被害の悪化から割り箸の抱える課題が見えてきたのではないでしょうか。

このような課題に対して、日本ではどのような対策が行われているのかを見ていきます。

政府も「マイ箸」の利用を推奨している

日本政府は対策の一環として、マイ箸の利用を推奨しています。

環境省は、2017年から3Rを促進する「Re-Style」プロジェクトの一貫として「選ぼう!3Rキャンペーン」を開始。

まず、3Rとは何かを整理していきましょう。

Reduce(リデュース):必要ないものは買わない、もらわない

(例)エコバッグやマイボトル、マイ箸を持参する

Reuse(リユース):できる限り繰り返し使う

(例)詰め替えタイプのものを選ぶ、人とシェアする

(Recycle)リサイクル:ゴミを新たな資源として再利用する

(例)廃棄物の分別を徹底し、再利用につなげる、再利用して作られた製品を選ぶ

マイ箸を持つことは3Rの中のリデュースにつながります

さらに3Rを意識して買い物をすると、廃棄物を減らすことができ環境保護にもつながります。

そして、こちらのキャンペーンを推進することは、SDGsの目標達成にもつながるのです。

マイ箸とSDGsの関係

まずは、マイ箸がどの目標達成に関係しているのかを確認する前に、SDGsとは何かをおさらいしましょう。

圧縮済みSDGs画像

SDGsとは、2015年9月に国連で採択された持続可能な開発目標で、17の目標」と「169のターゲット」から成り立っており、経済、社会、環境の調和を目指しています。

SDGsでは、暴力、格差の拡大、環境問題など広い範囲の問題に取り組むもので、それぞれの問題を解決することで、他の目標達成にも関わっていくという特徴があります。

例えば大量生産・大量消費の経済活動を見直すことで、資源枯渇などの環境問題を解決するきっかけとなります。

それでは、3Rを意識しマイ箸を使うことで、具体的にどの目標に関わっていくのか見ていきましょう。

目標12「つくる責任 つかう責任」

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この目標は、生産者も消費者も、地球の環境と人々の健康を守れるよう責任ある行動をとろうというものです。

これまでの経済は、大量生産、大量消費、大量廃棄が一般的でした。割り箸も使い捨てであったことから、世界の森林が伐採され、天然資源は急速に減少してゆきました。

私たちがマイ箸を普及することで資源消費は抑えられ、繰り返し使い続けることで廃棄物も減ります。

目標15「陸の豊かさも守ろう」

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この目標は陸の豊かさを守り、砂漠化を防ぐことで、自然環境と多様な生物が生きられるようにしようというものです。

割り箸の消費量が減ると、世界の森林伐採のペースも緩やかになり、動物たちの住処も失われることがなくなります。仮にマイ箸文化が浸透し割り箸利用がなくなった場合、木造2階立ての住宅で、年間約2万軒(※13)あたりの木材量を削減できます。

このような理由から、マイ箸を使うことで地球を持続可能なものにしていくことができるのです。

まとめ

今回の記事では、マイ箸を使うメリットと、選ぶ際のポイント、おすすめのマイ箸と箸袋もそれぞれ紹介しました。

マイ箸はデザイン性が高いだけはでなく、環境保護のきっかけとなり、SDGsへの貢献度も高いアイテムです。そして、マイ箸を使用することで私たちの食事時間を、より楽しく快適にしてくれるでしょう。

ぜひこの機会に、マイ箸を使い始めてみませんか。

<参考文献>
※1農林水産省 お箸のはなし(1)
※2 環境省
※3 森林・林業学習館
※4 森林・林業学習館 割り箸(割箸)とその現状
※5 アジア四季報
※6 アジア四季報
※7 UCN レッドリスト
※8 AFPBBNews
※9 中国における森林保護・造成の動向 – 農林中金総合研究所
※10これからの環境と 私たちの行動 – 島根県
※11 林野庁 水を育む森林のはなし
※12 環境省 Re-Style 選ぼう!3Rキャンペーン 
※13 地球村 環境情報 地球は今