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自家消費型太陽光発電とは?メリット・デメリット、企業が導入する方法も紹介

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近年、二酸化炭素の排出量を減らすことができるほか、蓄電池を使用すれば非常用の電源に使えるなどのメリットにより、自家消費型太陽光発電への期待が高まっています。

この記事では、自家消費型太陽光発電の種類やメリット・デメリット、企業が導入する際の方法、補助金や税制優遇制度、SDGsとの関係について解説します。

目次

自家消費型太陽光発電とは

自家消費型太陽光発電とは、工場や店舗などの屋根にソーラーパネルを設置して、そこで発電した電気を自社の設備で使用する太陽光発電です。太陽が出ている時間に発電するので、日中の電気使用量が多い施設に向いています。

蓄電池なしでも設置できる?

蓄電池とは、電気を蓄えて必要なときに利用できる機器のことです。先述の通り、太陽光発電は太陽が出ているときにしか発電できないため、夜間や悪天候の日は電気を利用できません。災害時に停電になった場合も同じです。その際、蓄電池があれば日中にためておいた電気を使うことができます。

日中のみ電気を使うのであれば、蓄電池がなくても問題ありません。しかし、それ以外で太陽光発電による電気を使用したい場合は、蓄電池も併せて導入する必要があります。

自家消費型太陽光発電は今後拡大する見込み

実際に太陽光発電はどのくらい導入されているのでしょうか。次のグラフは、事業用太陽光の新規導入容量を年度ごとに表しています。

(引用元:第79回調達価格等算定委員会「太陽光発電の現状と自立化・主力化に向けた課題」2022年11月1日一般社団法人太陽光発電協会)

2021年度に導入された事業用太陽光の容量・出力は、約3.7ギガワットと、前年度比で25%減少しています。これは太陽光発電全体の数字ですが、このうち自家消費型については「ギガワット規模の普及には至っていないが、今後拡大していく見込み」と報告されています。※[1]現在、自家消費型太陽光発電は一般に広く利用されているわけではありませんが、将来的には伸びていくと考えられます。

事業用太陽光とは

容量(出力)10キロワット未満を住宅用太陽光と呼ぶのに対して、10キロワット以上を事業用太陽光と言う。

続いては、自家消費型太陽光発電の種類について見ていきましょう。

自家消費型太陽光発電の種類

自家消費型太陽光発電には、自家で消費する電力の割合に応じて「全量自家消費型」と「余剰売電型」の2種類があります。

全量自家消費型

全量自家消費型は、発電した電力をすべて自社設備に使用するタイプの太陽光発電です。使いきれなかった電力があっても、電力会社に売ること(余剰売電)はしません。電力が足りなければ、電力会社から購入します。

余剰売電型

余剰売電型は、自社設備では使い切れなかった電力を電力会社に売るタイプの太陽光発電です。電気を売るためには、①事業計画認定(FIT・FIP認定)の申請、②電力会社に特定契約を申し込むなどの手続きが必要です。詳しくは「FIT・FIP制度ガイドブック2023年度版」に掲載されています。

FIT・FIP制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)とは

FIT制度…再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度。2012年に導入。

FIP制度…再生可能エネルギー発電事業者が卸売市場などで売電するとき、その価格に対して一定の補助額を上乗せする制度。2022年から開始。

【関連記事】

FIT制度(固定価格買取制度)とは?仕組みや期間、問題点、今後について

FIP制度とは?FIT制度との違い、メリット&デメリット、導入される理由を解説

ただし、発電設備のうち、容量・出力10~50キロワット未満の場合のみ、電力を買い取ってもらうためには次の2つの要件をいずれも満たしている必要があります。

■容量・出力10~50キロワット未満の発電設備の買取要件

  • 発電設備の設置場所で少なくとも30%の自家消費を実施すること
  • 災害時に自立運転を行い、給電用コンセントを一般に使用できるようにすること

このように、容量・出力10~50キロワット未満の発電設備の場合は、発電した電力をすべて売ることはできません。多く余剰が出たとしても、30%の自家消費をすることが必須です。

実際にいくらで買い取りされているのか、参考までに、2023年度の価格を見てみましょう。

■2023年度以降の価格表(調達価格1kWhあたり)

発電設備50kW以上発電設備10kW以上50kW未満
2023年度の買取価格9.5円10円
調達期間/交付期間20年間
(引用元:経済産業省資源エネルギー庁 なっとく!再生可能エネルギー「FIT・FIP制度」)

2023年度の買取価格は9.5~10円、調達期間/交付期間は20年間です。調達期間/交付期間とは、売電開始から買い取りが終了するまでの期間を言います。

余剰売電型を選択する際には、要件を満たしていることや必要な手続きがあることを覚えておきましょう。

なぜ自家消費型太陽光発電の導入が推奨されているのか

近年、国は自家消費型太陽光発電の導入を推奨しています。それには主に2つの理由があります。

脱炭素社会の実現

自家消費型太陽光発電の導入が推奨されている理由の一つには、脱炭素社会の実現に向けて二酸化炭素の排出量が少ない太陽光発電を普及させる必要があることが挙げられます。第6次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーの比率を36~38%にするという目標が掲げられました。政府はこれを実現していくために、民間企業による自家消費型太陽光発電を促進していく方針です。また並行して、日本は2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を実現すると宣言しています。この流れを受け、企業は地球温暖化の問題に取り組むことが期待されています。

エネルギー自給率の向上

もう一つは、再生可能エネルギーである太陽光発電の導入により、エネルギー自給率が向上することです。日本のエネルギー自給率は13%(2021年)と低く、石油や石炭、天然ガスなどの供給を他国に依存しています。そのため、自国でエネルギーを産出できることはエネルギーセキュリティーのためにも重要です。また、昨今の原油価格高騰に見られるように、電気を安定的な価格で調達することは企業にとって大きな問題になっています。自家消費型太陽光発電を利用して自社で電気を自給することで、世の中の情勢に影響を受けにくいエネルギー供給が可能になります。

自家消費型太陽光発電のメリット

続いては、自家消費型太陽光発電のメリットを見ていきましょう。

二酸化炭素排出の削減による企業価値の向上

1つ目のメリットは、太陽光発電が太陽光エネルギーを電力に変換する過程で、ほとんど二酸化炭素を排出しないことです。世界では、脱炭素社会への取り組みが企業を評価する大きな指標になりつつあります。その中で、環境や社会に配慮した企業へ投資するESG投資への関心も高まってきました。企業が事業活動の中で自家消費型太陽光発電を進めれば、外部へのアピールになるほか、企業価値の向上にもつながります。

非常用の電源として使える

2つ目は、自立運転機能などを備えた太陽光発電設備があれば、非常用の電源として使えることです。災害などにより停電した場合、通常の業務が滞ることが考えられます。こうしたときに太陽光発電を行っていれば、日中に必要最低限の電力は確保できます。さらに、蓄電池を併用すれば、夜間でも電気の供給が可能です。企業経営におけるリスク管理になるでしょう。

電気料金を削減できる

3つ目は、これまで支払っていた電気料金を削減できる可能性があることです。先述したように、近年、天然ガスや石炭の燃料価格が高騰していることから、電気代も上昇しています。電力を安定した価格で確保できなければ、企業経営にも大きく影響します。自家消費型太陽光発電ならば、電気代を抑えられるほか、余った電力があれば売電して収入を得ることも可能です。

自家消費型太陽光発電のデメリット・注意点

自家消費型太陽光発電はメリットがある一方で、デメリットや注意点もあります。

導入・メンテナンス費用がかかる

1つ目は、導入する際に太陽光発電設備や設置工事などの費用がかかることです。次のグラフは、設備費用や工事費用などを合わせた事業用太陽光発電のシステムの費用を規模別に示しています。

■事業用太陽光発電のシステム費用の規模別の推移

(引用元:経済産業省「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」令和5年2月8日(水)調達価格等算定委員会)

2022年に設置された太陽光発電設備のうち、容量・出力10キロワット以上の設備にかかったシステムの費用の平均は23.6万円/kW(中央値は23.0万円/kW)でした。内訳はソーラーパネルが約43%、工事費が約31%を占めています。2012年からの推移を見てみると大幅に下がっていることから、以前より導入しやすくなったと言えるでしょう。

またシステム費用の他に、土地造成費や接続費、運転維持費が必要です。これらの費用をまとめたのが次の表です。

■2022年の事業用太陽光発電(地上設置/屋根設置)の「土地造成費」「接続費」「運転維持費」の中央値

 土地造成費(万円/kW)接続費(万円/kW)運転維持費(万円/kW)
全体中央値0.591.150.43
件数2.1232,12328.879
(引用元:経済産業省「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」令和5年2月8日(水)調達価格等算定委員会)

上記は、容量・出力10~2,000キロワット以上の太陽光発電設備に関わる「土地造成費」「接続費」「運転維持費」の全体の中央値です。そのため、容量・出力のキロワット数によって中央値は異なります。例えば50キロワットの場合、土地造成費は0.38万円/kW=19万円、接続費は0.41万円/kW=20.5万円、運転維持費は0.41万円/kW=20.5万円になる計算です。※[2]

システム費用が低下しているとはいえ、全体にかかる金額は決して安くありません。導入する際には、慎重に検討する必要があるでしょう。

敷地の広さによって発電量に限りがある

2つ目は、太陽光発電設備を設置する場所の広さにより容量・出力の上限が決まるため、想定した発電量が得られない可能性があることです。設備機器は、新しく土地や建物を取得しない限り、今ある自社の屋根や遊休地などに置くことになりますが、ソーラーパネルを何枚設置できるかによって、発電できる最大量が決まります。十分な面積を確保できない場合は、自家消費型太陽光発電のメリットは得られません。また、日照時間や日射量なども発電量に影響するので、検討する際は自治体や専門の事業者などに相談すると良いでしょう。

自家消費型太陽光発電の導入の仕方

太陽光発電設備を自社で導入する場合、ある程度の費用がかかるのはこれまで述べた通りです。しかし、敷地を自社で用意して、設備費用を第三者に負担してもらう方法や、リースもできます。具体的に3つの導入方法を見ていきましょう。

自社所有モデル

自社所有モデルとは、①自社の敷地内に、②自社が所有する太陽光発電設備を設置し、③自社内で発電して、④発電した電気を自社内で使用するモデルを言います。すべてを自社で行うことで、電気料金を削減できるのがメリットです。ただし、太陽光発電設備の導入・メンテナンス費用がかかることや、敷地内の広さによっては十分な発電量が得られない場合もあります。

オンサイトPPAモデル

オンサイトPPAモデルとは、①自社の敷地内(オンサイト)に、②第三者が所有する太陽光発電設備を設置し、③第三者が発電して、④発電した電気を自社が購入するモデルを言います。この場合、太陽光発電設備の導入・メンテナンス費用がかからないのがメリットです。一方で、電気を購入する費用が必要であることと、敷地の広さによっては十分な発電量が得られない場合があります。

PPAとは

Power Purchase Agreementの略で、「電力購入契約」という意味。

【関連記事】PPA(Power Purchase Agreement:電力販売契約))モデルとは?メリット・デメリットも

リースモデル

リースモデルとは、①自社の敷地内に、②リース業者が太陽光設備を設置し、③リース会社が発電して、④発電した電気を自社内で使用するモデルを言います。負担するのは、リース会社に支払う月々のリース料金です。リース会社は太陽光発電設備を設置し、維持管理を行います。自社内で使いきれなかった電気は電力会社へ売ることができる一方、発電できなくてもリース料を支払う必要があります。

以上3つの導入方法について費用の有無をまとめると、次のようになります。

 自社所有モデルオンサイトPPAモデルリースモデル
導入・メンテナンス費用かかるかからないかからない
電気料金かからないかかる(リース料金)

太陽光発電設備の導入・メンテナンス費用を準備するのは難しい場合でも、オンサイトPPAモデルやリースモデルなら初期費用なしで始めることができます。

設備導入の際の留意点

企業が太陽光発電設備を導入する際は、ここまで解説してきた事項もまとめて次の点に留意が必要です。

  1. 工場の屋上や遊休地など、ソーラーパネルを設置するための広いスペースを確保する必要がある。
  2. 太陽が出ていないときには発電できないので、悪天候の日や夜間は電力会社から電気を購入する。
  3. ソーラーパネルに汚れが付いていると発電量が下がるため、定期点検が必要である。(自社モデル・オンサイトPPAモデルの場合)※[3]

太陽という自然を利用したエネルギーであることやソーラーパネルの設置場所、保守の費用をあらかじめ想定しておきましょう。

自家消費型太陽光発電に関してよくある疑問

自家消費型太陽光発電について解説してきましたが、実際に導入する際に知っておきたいポイントが2つあります。「補助金や税制優遇制度」と「ソーラーパネルの廃棄」です。

補助金や税制優遇制度はある?

太陽光発電の設備を導入する場合、さまざまな補助金制度が利用できます。補助金を利用するためには、それぞれに定められた条件を満たした上で申請する必要があります。

【補助金】ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業

この事業は、自家消費型太陽光・蓄電池の導入を支援することを目指しています。業務用施設・産業用施設などへの自家消費型の太陽光発電設備・蓄電池(車載型蓄電池を含む)に対して補助を行います。※蓄電池(V2H充放電設備含む)導入は必須。

太陽光発電設備と蓄電池の補助額は次の通りです。

■太陽光発電設備の補助額

  • PPA/リースの場合は、5万円/kW
  • 購入する場合は、4万円/kW

■蓄電池

  • 定額(上限:補助対象経費の1/3)

※実施期間:令和3年度~令和7年度

条件や申請方法などの詳しい内容はこちらから

【補助金】新たな手法による再エネ導入・価格低減促進事業

この事業は、自家消費型の再生可能エネルギーの導入や価格低減を促進する目的で行われている事業です。次の①~③について支援を行います。

  1. 太陽光発電を搭載したカーポートの導入を行う事業者に対し経費の一部を補助(補助率1/3)
  2. 営農地・ため池・廃棄物処分場を活用した太陽光発電の設備の導入を支援(補助率1/2)
  3. 地域の特性に応じた再エネ熱利用の計画策定・設備等導入支援を行う(計画策定3/4、上限1,000円、設備等導入:1/3、1/2)

※実施期間:①③令和3年度~令和7年度、②令和4年度~令和7年度

条件や申請方法などの詳しい内容はこちらから

【補助金】平時の省CO2と災害時避難施設を両立する新手法による建物間融通モデル創出事業

この事業では、民間企業がPPAモデルを利用して二酸化炭素を削減するほか、災害時の避難拠点をつくる場合、計画策定(3/4:上限1,000円)や設備の導入(設備等導入1/2、2/3)を支援します。

※実施期間:令和5年~令和7年

条件や申請方法などの詳しい内容はこちらから

【補助金】省CO₂型設備更新支援A.標準事業、B.大規模電化・燃料転換事業、C.中小企業事業

A.標準事業、B.大規模電化・燃料転換事業は、二酸化炭素の排出量が50トン以上の工場または事業場に対し設備の導入費用を補助します。C.中小企業事業は、中小企業などの設備導入費用を補助する事業です。

■補助金の補助率

  • A.標準事業:1/3以内(上限1億円、複数年度の場合は合計)
  • B.大規模電化・燃料転換事業:1/3以内(上限5億円、複数年度の場合は合計、また年度当たりの上限は3億円)
  • C.中小企業:年間CO2削減量×法定耐用年数× 7,700円/tCO2(円)

※募集期間:令和5年5月15日(月)~令和5年6月15日(木)12時

条件や申請方法などの詳しい内容はこちらから

【税制優遇制度】中小企業経営強化税制

次に、自家消費型太陽光発電を導入する際に利用できる税制優遇制度について確認していきましょう。中小企業経営強化税制とは、中小企業者や青色申告をしている個人事業主が新しく設備を取得または製作、建設した場合に、特別償却または税額控除が認められる制度です。

■中小企業経営強化税制

  • 即時償却:取得価額の全額を即時償却することができる
  • 税額控除:設備取得価額の7%相当額(または10%)を控除できる[4]
  • 対象要件:機械装置160万円以上、など

※2025年3月31日まで[5]

詳しくは「中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き(令和5年度税制改正対応版)」を参照してください。

ソーラーパネルの廃棄はどうすればいい?

太陽光発電設備を自社で設置した場合、ソーラーパネルが故障したり寿命を迎えたりした際には、業者に依頼して廃棄する必要があります。ソーラーパネルには鉛やセレンなどの有害物質を含む製品もあります。そのため、廃棄する際には産業廃棄物として処分しなければなりません。まずは、廃棄に必要な額を項目別に見ていきましょう

太陽光発電設備の廃棄費用と内訳

経済産業省が事業者に対して行ったアンケート調査によると、廃棄費用の試算結果は次のとおりです。

■太陽光発電設備の廃棄費用(40業者の中央値)

(引用元:経済産業省「太陽光発電設備の廃棄等費⽤積⽴制度について」令和3年9⽉17⽇資源エネルギー庁)

廃棄費用の合計(中央値)は、コンクリート基礎の場合、1キロワットあたり1.37万円、スクリュー基礎1.06万円です。これを50キロワットの太陽光発電設備に当てはめてみると、コンクリート基礎が68.5万円、スクリュー基礎が53万円になります。廃棄する時期は、購入して数十年後になるのが一般的ですが、廃棄費用をあらかじめ見積もっておく必要があるでしょう。

廃棄等費⽤積⽴制度

余剰売電型の自家消費型太陽光発電を行う企業のうち、FIT認定を受けている場合は「太陽光発電設備廃棄費用積立制度」により、廃棄費用を積み立てる必要があります。制度の概要は次の通りです。

(引用元:経済産業省資源エネルギー庁「廃棄費用積立制度について」)

廃棄にかかる費用は、買い取り費用から差し引いて外部に積み立てます。解体積立基準額は、認定年度ごとに次のように決められています。

(引用元:経済産業省「太陽光発電設備の廃棄等費⽤積⽴制度について」令和3年9⽉17⽇資源エネルギー庁)

例えば、2021年度に認定を受けた50キロワットの太陽光発電設備の場合、解体等積立基準額は0.66円/kWhです。年間の発電量を50,000キロワットアワー(kWh)とした場合、年間の積立金額は、0.66円×50,000=33.000円になります。積立期間はFIT交付期間の10年前から始まるので、総積立額は33,000円×10年=330,000円と試算できます。FIT認定を受ける場合は、積立開始時期を見込んだ予算計画が必要です。

自家消費型太陽光発電とSDGs

最後に、自家消費型太陽光発電とSDGsの関係について確認していきます。自家消費型太陽光発電は、目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」に関係があります。

目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」

目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」は、2030年までに世界全体の再生可能エネルギーの割合を増やすことや、クリーンエネルギー技術への投資を促進することを目標に掲げています。

自家消費型太陽光発電は、自然エネルギーである太陽光を利用した電力です。自社の敷地に設備を導入することで、二酸化炭素の排出が少ないクリーンエネルギーに転換できます。企業が自家消費型太陽光発電を導入することで、エネルギー調達の分野でSDGsに貢献できます。

【関連記事】SDGs7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の現状と取り組み事例、私たちにできること

まとめ

自家消費型太陽光発電は、工場や店舗の屋根などにソーラーパネルを設置して発電した電気を自社で使用することです。発電した電力をすべて自家で消費する「全量自家消費型」と余った電力を売る「余剰売電型」の2つの種類があります。自家消費型太陽光発電のメリットは、二酸化炭素の排出を削減できることや非常用の電源になること、電気料金を削減できることです。一方、導入・メンテナンス費用がかかることや、敷地の広さによって発電量に限界があるなどのデメリットがあります。

導入する方法は、自社で設備を負担する「自社所有モデル」のほか、導入・メンテナンス費用がかからない「オンサイトPPAモデル」や「リースモデル」があります。後者の2つは、初期費用ゼロでも導入できるのが魅力です。また、太陽光設備を導入する際の補助金や税制優遇制度もあるので、積極的に活用しましょう。自家消費型太陽光発電は、SDGsの目標7と関係があります。自社のSDGsへの取り組みとして地球環境に貢献できます。


※[1]第79回調達価格等算定委員会「太陽光発電の現状と自立化・主力化に向けた課題」2022年11月1日一般社団法人太陽光発電協会
 ※[2] 経済産業省「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」令和5年2月8日(水)調達価格等算定委員会
※[3]環境省 「再エネ スタート」はじめてみませんか 再エネ活用 「再生可能エネルギー導入方法 自家消費型太陽光発電とは
 ※[4]中小企業庁「中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き(令和5年度税制改正対応版)
 ※[5] 国税庁「No.5434 中小企業経営強化税制(中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除)

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