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株式会社テルミック|女性が活躍する新しい鉄工所。製造業の常識を覆す取り組みとは

株式会社テルミック

株式会社テルミック  石井さん 中野さん インタビュー

◆会社概要

株式会社テルミックは1990年に創業した、愛知県刈谷市に本社を構える金属部品加工を主力とする企業です。

金型用部品や治具部品、精密部品などの加工を、一貫生産方式で提供しています。お客様の図面やデータに基づき、小ロット多品種の製造加工を得意としています。インサイドセールスやIoTなど先進的な取り組みも目立っており、加工から納品までの効率的な業務体制を構築することで、柔軟かつ高品質な製品提供を実現しています。

また、女性が働きやすい職場環境の整備にも注力しており、従業員の約7割が女性。SDGsに向けた取り組みとして、再生可能エネルギーの活用や産業廃棄物のリサイクルを推進し、環境負荷の軽減にも力を入れています。

introduction

近年、製造業界においてもサスティナビリティや環境への配慮が重要視されている中、金属部品加工業界でも持続可能な取り組みが求められています。

愛知県刈谷市に本社を構える株式会社テルミックは、治具・工具や加工部品などの多種多様な製造加工で高い技術力を誇る企業です。創業以来、独自の効率的な生産体制を強みに、お客様の要望に応じた高品質な製品を提供してきました。さらに、インサイドセールスやIoT技術を駆使することで、業務効率化と生産性の向上を追求しています。

今回、株式会社テルミックの品質管理へのこだわりやSDGsの取り組み、多様な人材が活躍する職場環境について詳しくお話を伺いました。

小ロット多品種の金属部品加工。フラットな職場環境が魅力

–まずはテルミックについて、会社概要や提供しているサービスを教えてください。

石井さん:

当社は愛知県刈谷市に本社を構え、1990年に創業しました。35年目を迎え金属部品加工を主力とした事業を展開しています。私たちは、小ロット多品種の加工を一貫生産方式で行っており、お客様からいただいた図面やデータに従い、製品を加工、検査し、納品するまでを完結させる体制を整えています。

また、当社は金型用部品や治工具部品、精密部品の加工などを行っており、樹脂やアクリル、ゴム加工といった非金属部品の取り扱いもあります。

–テルミックの部品加工サービスの特徴や強みは何ですか。

中野さん:

テルミックの部品加工サービスの強みは、何と言っても迅速な対応力と一貫生産体制です。

当社はインサイドセールスにより、営業が常に社内に常駐している為、お客様からの問い合わせに迅速に対応できることが特徴です。お客様からの要望に対して、すぐに回答を出し、必要な調整をスピーディーに行うことで、お客様に信頼されるサービスを提供しています。特に、小ロットや多品種の注文に対してもフレキシブルに対応できる体制を整えており、この柔軟性が大きな強みとなっています。

–石井さんと中野さんがテルミックに入社された経緯を教えてください。

石井さん:

私は2017年にテルミックに入社しました。もともと食品メーカーで働いていましたが、その後、仕事を探している時に知人からテルミックを紹介されました。最初は女性が多く働いている製造業という点に驚き、製造業といえば、男性社会のイメージが強かったので、若い女性たちが活き活きと働いている姿に惹かれて面接を受けました。実際に入社してみると、従業員同士仲が良く、上司や役員とも気軽に話せるフラットな職場環境があり、様々な新しい事にもチャレンジができやりがいを感じています。

中野さん:

私は2019年にテルミックに入社しました。それまで12年間、信用金庫で働いていたのですが、友人に「すごく面白い会社があるから見学に行ってみないか」と誘われたのがきっかけです。会社見学に行った際、製造業でありながら若い女性社員がデュアルモニター二台を使い活き活きと働いている姿を見て、この会社は他とは違うと感じました。入社してからは、財務経理部門で働きつつ、広報も兼任するようになり、多様な経験を積ませてもらっています。職場の風通しがよく、新しい取り組みを提案する環境が整っているのが、テルミックの大きな魅力だと思っています。

「不良品ゼロ」を目指す。テルミックの加工技術やこだわりとは?

–製造業が掲げるテーマのひとつでもある、「不良品」についても伺います。「不良品ゼロ」を達成するために製造プロセスで特にこだわっている点はありますか。

石井さん:

当社では不良品ゼロを目指すために、厳しい検査体制を敷いて二重、三重の検査を行っております。

特に、海外協力工場で加工された製品については、協力工場での検査に加え、子会社においても再度検査を行い、日本に届いた後も必要に応じて追加検査を行っています。

また、不良が発生した際には、不良の原因分析を徹底することで問題点を特定し、次につなげる取り組みを行っています。

男女共に働きやすい環境づくりを整備し、社員の反応も好評

–製造業でありながら女性が数多く活躍されていると伺っていますが、どのような理由が挙げられますか。

石井さん:

テルミックでは従業員の約7割が女性であるという点が特徴です。製造業では珍しいことですが、当社では女性が働きやすい環境を整えています。例えば、服装や髪色、ネイルが自由であり、若い女性にとって働きやすい職場づくりに努めています。

また、営業職もインサイドセールスを取り入れているため、出張や外回りが少なく、社内で仕事が完結する点も女性が活躍できる要因だと考えています。さらに、育児休暇の取得率も100%で、特に第3子以上の出産にはお祝い金として100万円が支給されるなど、手厚いサポートがあります。

このように、育児と仕事を両立しやすい環境が整っていることがポイントだと思います。

–実際に働いている社員の方の反応はどうでしょうか。

中野さん:

社員の反応はとても良いですね。特に家族を大切にする会社の姿勢が、社員にも好評です。例えば、夏には子供向けの夏まつりやバーベキューイベントを開催し、家族やお友達が参加できる機会を提供しています。社員旅行では社員の家族も参加可能です。家族と一緒にリラックスした時間を過ごせるなど、社員の家族も会社の一員として大切にされる文化が、働きやすさにつながっているのだと思います。

–女性の活躍を推進する上で課題だと感じていることや、どのようにして乗り越えたかを教えてください。

中野さん:

女性の活躍を推進する上で、当初は産休や育休制度が整っていなかったため、その基盤を構築することが大きな課題でした。私が入社した当時は、産休や育休の該当者が少なく、実際に取得経験者も二名ほどでした。従業員の年齢が上がり、結婚や出産を迎える社員が増えてくることが予想されたため制度を整備し、育児休業後の復職支援や、復帰後の研修制度などを導入しました。

こうした制度を充実させることで、産休・育休の取得率が100%となり、社員が安心して休暇を取ることができる環境が整っています。また、復職後の研修やサポート体制を充実させることで、育休から復帰する際にスムーズに業務に戻ることができ、従業員が長く働ける要因の一つになっています。

先進的なDXの取り組みを実践。具体的な取り組みやその理由とは

–製造業の中でもインサイドセールスやIoTなどの先進的な取り組みが目立ちます。どのような経緯で導入されたのでしょうか。

石井さん:

インサイドセールスは2008年頃から導入しており、業界でも早い段階で取り組んできました。当時、リーマンショックの影響によりさまざまな改革を進める中で、内勤営業やシステムの導入が進みました。さらに、最近ではIoTを活用し、製造プロセスのデジタル化を進めています。これにより、データの分析や業務効率化が図られ、レスポンスの向上につながっています。

DXの取り組みも会社全体で進められております。IoTの導入により、工場内の設備や製造工程をデータで管理し、トラブルを未然に防ぐ取り組みが実現しています。最終的にはお客様に対して、より高品質なサービスを提供することができるようになりました。

–ここからはサスティナビリティやダイバーシティの取り組み内容を教えてください。

中野さん:

テルミックでは、サスティナビリティやダイバーシティの推進に非常に力を入れています。先ほど女性の活躍についてお話しましたが、他にも例えば、私たちの工場では再生可能エネルギーの利用を進めており、2030年までに全事業所で再生可能エネルギー100%の目標を掲げています。また、産業廃棄物ゼロに向けた取り組みも進行中で、リサイクル率を向上させる活動を続けています。

環境配慮や女性活躍の推進。SDGsに力を入れる理由とは?

–御社はSDGsにも力を入れています。注力するようになったきっかけなどはあるのでしょうか。

石井さん:

テルミックがSDGsの取り組みに本格的に力を入れ始めたのは、2021年6月にSDGs宣言したことがきっかけです。元々、環境や社会貢献に対する取り組みは行っていましたが、目標を明確にし、外部からも評価されるようになりました。

取り組む最初のステップとして、太陽光パネルの導入や、再生可能エネルギーの利用、産業廃棄物のリサイクルといった環境負荷を減らす活動を強化してきました。第三者機関からも高評価を受けたことが、大きな推進力になりました。

SDGsへの取り組みを進めることで、従業員やステークホルダーからも企業としての信頼度が高まり、さらなる成長につながると感じています。私たちはこれからも、2030年の目標達成に向けて持続可能な取り組みを加速させていく予定です。

今後のテルミックの展望。事業目標やサスティナビリティで強化していく領域は?

–株式会社テルミックとしての今後の展望や計画について教えてください。

石井さん:

今後もさらなる成長を目指しており、3年後には年間売上100億円を達成することを目標にしています。この目標を実現するために、現在様々な設備投資を進め、DX化を加速させ、業務効率化を図っております。

また、3Dプリンターを導入し、BtoBだけでなく、BtoC向けの新たなビジネスにもチャレンジする予定です。これからも新しいアイデアを取り入れていきます。

–サスティナビリティ関連で、今後強化していきたい領域があれば教えてください。

中野さん:

今後、サスティナビリティに関しては、再生可能エネルギーの利用やリサイクル活動の強化をさらに進めていきたいと考えています。特に、私たちは樹脂やプラスチック製のパレットを紙や段ボールに切り替え、環境負荷の低減に努めていますが、今後はこれらの材料を粉砕して再利用する取り組みを模索しています。また、ペットボトルなどのプラスチック製品を再利用するプロジェクトも進行中で、リユースやリサイクルの取り組みを一層強化していく予定です。

さらに、CO2排出量の削減にも力を入れており、製造過程でのエネルギー効率化や、産業廃棄物の削減を進めていくことで、環境に優しい企業としての責任を果たしていきたいと考えています。2030年までの目標達成に向けて、持続可能な社会づくりに貢献できるよう、これからも全社一丸となって取り組んでいきます。

–製造業における女性活躍やSDGsの取り組みに関して、興味深いお話をいただきありがとうございました。

関連リンク

株式会社 テルミック公式サイト:https://www.tel-mic.co.jp/

公式YouTubeチャンネル「テル★ラジ」:https://www.youtube.com/channel/UCpABr9QkE-OCP-FgW3PwBYA