オーストラリアのStandard Procedureは、人々の健康と自然環境の両方を守るために生まれた日焼け止めです。
この記事では、サンゴ礁の保全、廃棄物削減、再生可能エネルギーの導入といったStandard Procedureが行っているエコ活動の事例についてご紹介します。
日焼け止めがもたらす環境破壊、紫外線による健康リスク、オーストラリアにおける日焼け止めの重要性も併せて解説するので、日焼け止めを使いながら自然と共存する方法について多方面から考えてみましょう。
日焼け止めによる環境問題とは?
みなさんは、2021年にハワイ州が導入したサンスクリーン法を覚えていますか?
従来の紫外線にはオキシベンゾンやオクチノキサートといった紫外線吸収成分が使用されていましたが、サンゴ礁の白化を促進させるという問題点がありました。
鮮やかな色が魅力のサンゴ礁ですが、白化してしまうと産卵はできても受精できないなどの生殖面におけるデメリットが発生します。
サンゴ礁には約4,000種類もの魚が生息していると言われており、サンゴ礁の中や周辺には未発見の生物がいる可能性も指摘され続けてきました。
サンゴ礁の白化が進むと、サンゴ礁の個体数が減少するのはもちろん、サンゴ礁を住みかとする多くの生物たちにも影響を及ぼすため、エコシステム崩壊に繋がると考えられています。
ハワイ州が施行したサンスクリーン法は、オキシベンゾンやオクチノキサートを使った日焼け止めを禁止するための法律です。
そして、世界有数のサンゴ礁の生息地・グレートバリアリーフを持つオーストラリアでも、日焼け止めによる環境問題は深刻化しています。
ハワイ同様に日焼け止めに関する規定が設けられており、サンゴ礁や水生環境に配慮した成分を含むように取り決められています。
オーストラリアの紫外線は日本の約5倍!
環境問題と密接な繋がりがある日焼け止めですが、オーストラリアにおいて日焼け止め無しで生活するのは非常に困難です。
オーストラリアの紫外線量は実に日本の5倍とも言われており、世界で最も皮膚がんの罹患率が高い国として知られています。
2020年に行われた調査では、世界で皮膚がんの発生率が最も高かった国にオーストラリアがランクインしました。
オーストラリア人の3人に2人が70歳になる前に皮膚がんにかかるとされており、自身の健康を守る上で日焼け止めはなくてはならない存在となっているのです。
子どもにも徹底される紫外線対策へのスローガン・Slip-Slop-Slap!
皮膚がんを予防すべく、オーストラリア政府は1988年にSunSmart Programと呼ばれる紫外線対策をスタートしました。
国民に日焼け止めの塗布を促すためのプログラムで、開始された1988年から2011年の23年の間でビクトリア州にて43,000件以上の皮膚がんと1,400件の皮膚がんによる死亡を予防したとされています。
SunSmart Programでは子どもに対する紫外線教育も徹底しており、「Slip-Slop-Slap」という以下のような意味のスローガンが掲げられています。
- Slip – Slip on a long sleeved shirt!
- Slop – Slop on some sunblock!
- Slap – Slap on a hat that will shade your neck!
長袖のシャツを着て、日焼け止めを塗り、首を守るために帽子をかぶり、サングラスをかけて紫外線から身を守ろうという意味のスローガンです。
また、「No Hat, No Play(帽子をかぶらないなら遊べない)」といった言葉も学校や幼稚園などでは浸透しており、紫外線対策なしでは野外活動などにも参加できないといった決まりもあります。
紫外線対策が徹底しているオーストラリアにおいて、日焼け止めは生活する上で欠かせない存在です。
そのため、環境と自身の健康に優しい日焼け止めを選ぶことが大切だと考えられています。
Standard Procedureとは?
紫外線による健康被害が深刻なオーストラリアで高い支持を得ているのが、オーストラリア生まれのブランド・Standard Procedureです。
一般的なSPF50+やSPF30+の日焼け止めのほか、SPF15+の保湿剤、日除けハット、SPF50+のリップクリームなども販売しており、顧客がそれぞれのニーズに合わせて紫外線対策ができるようにしています。
Standard Procedureが行うエコ活動
紫外線による健康リスクが高いオーストラリアにおいて、日焼け止めは生活必需品です。
しかし、日焼け止めは環境への負荷が大きいことから、Standard Procedureでは自然との共存を目標に以下のような環境保全活動を行っています。
Reef friendlyな日焼け止め
Standard Procedureでは、サンゴ礁に優しい成分のみを採用しています。
オキシベンゾンやオクチノキサートの代わりにホモサラートやサリチル酸オクチルといった環境負荷の低い成分を使っており、持続可能性の高い日焼け止めの開発を継続しています。
また、単なる紫外線対策だけでなく、抗酸化物質、ビタミンA、B、Cなどを含む製品も豊富で、小さな子どもも安心して使える成分で出来ているところが特徴です。
100%再生可能エネルギーの工場
Standard Procedureの製品は、全てクイーンズランド州サンシャインコーストのビーチ周辺に位置する工場で製造されています。
工場はStandard Procedureの共同創設者・Zepha Jackson氏の両親の会社が保有しており、工場内の消費電力は全て再生可能エネルギーでまかなわれています。
リサイクルの促進
Standard Procedureでは、自社製品にリサイクル可能な容器を使用しています。
使用済みの容器はオーストラリア国内のリサイクル回収スポットで引き渡し可能となっており、廃棄物の削減に繋がるエコな素材が魅力です。
容器の中に入っている日焼け止めは水だけでは洗い落とすことが難しいため、Standard Procedureではボトルを半分に切って温水と石鹸で洗浄するよう推奨しています。
また、自社でも余った容器などのリサイクルを行っており、水路から廃棄物を除去するOcean Crusadersや、廃棄物を分別、洗浄、細断して他の製品に作り替えるDefy Designなどの地元企業とパートナー提携しています。
本来廃棄物となるはずだったものを循環させて有効活用することにより、廃棄物の削減とリサイクル率アップを実現しているのです。
環境保全に力を入れているビジネスとのコラボレーション
Standard Procedureでは、オーストラリア国内で環境保全に力を入れているビジネスとのコラボレーションを行っています。
代表的なものが、ニューサウスウェールズ州生まれのジェラートショップ・Messinaとの環境コラボ商品です。
Messinaはオーストラリア国内に30の店舗を構える有名店で、食品ロスや温室効果ガスの排出量削減、コンポスト化可能なパッケージの導入、リサイクル促進、森林保全といったさまざまな環境問題に対する活動を行うビジネスです。
Standard ProcedureはそんなMessinaとのコラボ商品として、SPF50+の香り付き日焼け止めを発売しました。
一般的なStandard Procedureの製品とは違い、マンゴー、パイナップル、バニラといったMessinaのジェラートを連想させる香りが特徴的です。
コラボ商品はStandard Procedureのオンラインショップのほか、Messinaの各店舗でも販売されており、ジェラートを買いに来た顧客が環境に優しい日焼け止めに興味を持つチャンスを作っています。
まとめ
紫外線対策に必要不可欠な日焼け止めは、自らの健康を守る上で非常に重要な存在です。
しかし、環境へ悪影響を及ぼす危険性もあることから、環境負荷が低い日焼け止めを見極めることが大切です。
Standard Procedureは多方面における環境保全に力を入れており、人々の健康を守りながら自然環境と共存する道を模索しています。
効果、使い心地、価格などを基準に選びがちな日焼け止めですが、サスティナブルな未来をつくるためにも環境への優しさを判断基準に加えてみるのはいかがでしょう?