SDGs12「つくる責任つかう責任」現状と取り組み、私たちにできること

真水は世界の水の3%、廃棄食品が食料支援の2倍、農薬や化学肥料を使う農業が温室効果ガス全体の22%、廃棄物処理の温室効果ガスは全体の8%。

今の生活を続けるには地球1.7個分の資源が必要です。

これまでわたしたちは生活を豊かなものにするために発展を続けてきました。
その結果地球に負担をかけ、危機的な状況に陥っています。

100年、200年先も地球と人間が良い関係を保てるよう、今からわたしたちは努力しなければなりません。

そのための道標として目標12「つくる責任 つかう責任」があります。

目標の内容を知り、わたしたちが今日からできることを考えていきましょう!

目次

目標12 「つくる責任つかう責任」とは?

目標12の「つくる責任 つかう責任」の目指す姿は「より少ないもので、より大きく、より上手に効果をあげる」という生産と消費のあり方です。

現在地球が抱えている環境や貧困などの課題を解決するために、

  • 少ない資源で効率よく生産 
  • 廃棄物の削減
  • ナチュラルなものを使うこと

が求められています。 

もう少し踏み込んで見ていきましょう!

目標12を構成する11個のターゲット

SDGs 目標12ターゲットは、1〜8の達成目標a〜cの実現方法とで表されています。 全ての人に健康と福祉だけだと、どの課題に対してどういう解決をしていったらいいのか分からないため、より具体的な目標が定められています。

「持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み」を実行しよう

開発途上国の開発状況や能力を勘案しつつ、持続可能な消費と生産に関する10年計画枠組み(10YFP)を実施し、先進国主導の下、全ての国々が対策を講じる。

“日本を始め、先進国が先導をきって行動を起こしていくんだね!”

※10年計画枠組み(10YFP)とは(引用※)
持続可能な消費と生産に関するプログラムの10年の枠組みのこと

限りある天然資源を、できるだけ使わずに済むようにしよう

2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。

 “天然資源を適切に利用して持続可能を目指そう!”

一人あたりの食品廃棄を半分に減らそう

2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、 収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食品ロスを減少させる。

“生産から消費までのすべての流れの中で食品ロスをなくしていくんだね!”

※サプライチェーン…商品や製品が消費者の手元に届くまでの、調達、製造、在庫管理、配送、販売、消費といった一連の流れを表した経営用語の1つ

化学物質や有害廃棄物の放出を大幅に減らそう

2020年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物質や全ての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する。

“人々の健康・地球環境を守るため、化学物質や廃棄物の適切な処理を目指そう!

※製品ライフサイクル…製品が製造されてから消費・再生されるまでを指す

廃棄物の発生を、3Rで大幅に減らそう

2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。

“リユース、リデュース、リサイクルの3Rを強化していくんだね!”

大企業は率先して、サステナブルな取り組みと発信を

特に大企業や多国籍企業などの企業に対し、持続可能な取り組みを導入し、持続可能性に関する情報を定期報告に盛り込むよう奨励する。

“企業は情報を定期的に報告して透明性を増さないとね!”

まずは国から、みんなのお手本となる買い物の仕方を

国内の政策や優先事項に従って持続可能な公共調達の慣行を促進する。

“環境や、労働・人権・福祉などの社会的側面に配慮した調達が、これまで以上に求められるんだね”

持続可能なライフスタイルがどんなものか、みんなで理解しよう

2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。

“地球環境に配慮した生活をひとりひとりが意識する必要があるね”

これらの取り組みを開発途上国が実践できるように支援しよう

開発途上国に対し、より持続可能な消費・生産形態の促進のための科学的・技術的能力の強化を支援する。

“物資の支援に加えて技術支援も必要だね。”

観光業の地域への貢献度を、見える化する手法を開発しよう

雇用創出、地方の文化振興・産品販促につながる持続可能な観光業に対して持続可能な開発がもたらす影響を測定する手法を開発・導入する。

“持続可能な開発の効果を測定するツールが必要ということだね”

無駄な消費につながる、非効率な補助金はなくしていこう

開発途上国の特別なニーズや状況を十分考慮し、貧困層やコミュニティを保護する形で開発に関する悪影響を最小限に留めつつ、税制改正や、有害な補助金が存在する場合はその環境 への影響を考慮してその段階的廃止などを通じ、各国の状況に応じて、市場のひずみを除去することで、浪費的な消費を奨励する化石燃料に対する非効率な補助金を合理化する。

“開発途上国の人々の生活を守りながら技術開発を進めていくんだね”

なぜ、目標12が必要なのか?

ではなぜ「つくる責任つかう責任」が必要なのでしょうか。

目標12が必要な理由

目標12の実現によって

  • 社会基本サービスの充実
  • 自然環境に配慮された働きがいのある仕事に就ける

などの恩恵を得られます。

そのためにもサプライチェーン全体を巻き込んでの取り組みが不可欠です。

企業の責任と消費者の責任

目標12の責任には「企業の責任」「消費者の責任」の2通りがあります。

地球上で使える資源やエネルギーは限りがあります。貴重な資源を維持しながら消費者は生活をしていく必要があるのです。

  • 企業の責任環境や資源を守りながら少ない資源で質の高いものを生み出す生産方法を確立
  • 消費者の責任…使う分だけを買う、使い切る、残さない、再利用する

地球上の資源には限りがあるため、企業・消費者どちらの立場からも責任を持つことが求められます。

とはいえ責任を持つってどういうこと?と悩む方も多いと思います。
そこで次では、これまでの経済の形から、今後求められる社会のあり方について確認します。

リニアエコノミーからサーキュラーエコノミーへの転換

まずは、これまでの経済体系を説明します。

18世紀後半産業革命以降の経済はリニア・エコノミー型でした。

リニアエコノミーとは、地球資源やエネルギーを無計画に大量に消費して製品を作り、使い終えたら廃棄するという直線かつ一方通行な経済体系のことです。

この結果、下記の問題を招きました。

  • 気候変動
  • 環境破壊
  • 資源枯渇
  • エネルギー不足

このままでは地球がパンクすることを危惧し、リニアエコノミーからの脱却を目指して廃棄物を減らすための3Rが進められてきました。

3Rとは

Reduce(リデュース):出るゴミを減らす

Reuse(リユース):繰り返し使う

Recycle(リサイクル):資源として生まれ変わらせる

上から順に優先順位が高く設定されています。

少しずつ定着してきた3Rですが、結局のところ最終的には廃棄物が出てしまいます。

そこで近年ではサーキュラーエコノミーという考え方が提唱されるようになりました。

ではもう少し詳しくサーキュラー・エコノミーについて見ていきましょう。

”サーキュラー・エコノミー”

サーキュラーエコノミーとは廃棄物を出さずに再利用し、円を描くように循環させることを目指す考え方です。

サーキュラーエコノミージャパン(※1)では次のように定義しています。

再生可能エネルギーに依存し、有害な化学物質の使用を最小化・追跡管理した上で、製品・部品・材料・資源の価値が可能な限り長期に渡って維持され、資源の使用と廃棄物の発生が最小限に抑えられる経済システム

引用:サーキュラーエコノミージャパン

つまり地球に残された貴重な資源を無駄遣いすることなく、同時に経済成長を目指すことがゴールとなります。

サーキュラーエコノミーで求められるのは、

製造側
廃棄物を出さないためのデザイン設計

消費者
製品の特性を理解し、廃棄せずに循環させる

※具体例

  • シェアリング
  • サブスクリプション
  • 生ゴミコンポスト
  • 成長により使わなくなった子供服を寄付 等

「つくる責任つかう責任」が循環型社会を目指す目標であることがわかりました。

とはいえ、そこまで資源はひっ迫しているのでしょうか。

ここからは天然資源に焦点を当てて現状と課題を探ります。

現状と課題 天然資源問題

現在の生活を続けていくと、地球の天然資源のほとんどは100年以内に尽きてしまいます。

もっとも短いもの残り13年です。

資源はいろいろな製品を作るために必要で、資源がなくなってしまうと飛行機や電車、車や家電製品を作ることも動かすこともできなくなります。

つまり、生活が不便になります。

各資源は地球の限られた場所でしか採掘ができません。

日本で見ると、これらの資源はほとんど輸入に頼っています。世界の資源が少なくなった場合、国の事情によっては輸出入が制限され、資源不足や値上がりが予想され経済面も左右されるでしょう。

資源不足は私たち自身の生活に大きく関わる問題なのです。

そうとはいえ、いきなり行動に責任を持ちましょう!と言われてもそもそも何が問題なのかを知らないと行動に移すことは難しいですよね。

目標12を達成する上で知っておきたいのは、生産と消費の裏で起きている現状です。

食べものや着るもの、身の回りのもの全ては、世界のどこかで誰かがつくったものです。

その商品はどんな人たちが、どのように作り、どう終わりを迎え、原料はどこから手に入れているのかを知ることから始まります。

食品ロスも課題 〜世界では毎年、約13億トンもの食料が捨てられている〜 

天然資源以外にも「食品ロス」が課題です。

「食品ロス」とは本来食べられたはずの食品を廃棄してしまう損失を指し、目標12キーワードです。

FAO(国際連合食糧農業機関)によると世界では年間約13億トンの食料が廃棄されています。これは世界の食料生産量の3分の1に当たる量です。(※2)

中でも日本の食品ロスの量は膨大で、消費者庁の報告では年間約612万トン(※3)が廃棄されているとのことです。この量は、毎日お茶碗1杯分の食料を食べずに捨てていることと同じです。

食品ロス削減が必要な理由は、

  • 食べ物が無駄になる
  • 環境負荷がかかる
  • 人口増加で食料危機に陥る

廃棄物を焼却する際に発生するCO2は温室効果を促し地球温暖化の原因となります。食品ロスによって発生するCO2の量は36億トン、世界のCO2排出量の8%を占めています。

地球温暖化の影響はエルニーニョ現象ラニーニャ現象を引き起こし気候変動を助長し、農作物が育たないなど私たちの生活に跳ね返ってきます。

また食品ロス人口増加による食糧危機を招きます。

2019年時点で世界の人口は約77億人、2050年には97億人に達すると予想されています。
このまま食品ロスを解消せずに進めば食品が世界中に行き渡らず貧困や飢餓に拍車がかかります。

食品ロスの原因

2017年度 農林水産省・環境省の報告(※4)によると、食品ロス外食産業から出るもの家庭から出るものの2パターンがあります。

食品ロス全体量612万トンの内訳発生原因を見ていきましょう。

外食産業から食品ロス 328万トン
  • 売れ残り
  • 仕込み過ぎ
  • 食べ残し
  • 期限切れ
  • 破損品、規格外品
  • 型通りにカットした分の残り(星形や花形にカットされた野菜の残りの部分)

家庭から食品ロス 284万トン
  • 野菜の皮の過剰除去
  • 賞味期限切れ
  • 消費期限切れ
  • 作りすぎによる食べ残し

他にも学校給食の食べ残しも少なくありません。

環境省(※5)によると児童・生徒1人あたり年間7.1kgの給食が廃棄されています。

独立行政法人日本スポーツ振興センターが実施した調査(※6)では、小・中学生の男女が学校給食を食べ残す理由は以下の結果となりました。

1位 嫌いなものがあるから

2位 量が多すぎるから

3位 給食時間が短いから

もちろんアレルギーなど体に合わない等の理由を除いて、食べ物の大切さを学ぶなど残さないための工夫が必要です。

食品ロス(フードロス)とは?世界や日本の現状・個人ができることまで

廃棄物の行方

出典:資源・リサイクル促進センター

食品ロスによる食品廃棄物の処理方法にも課題を残します。2014年に作成された農林水産省、環境省(※7)の報告によると食品廃棄物2,775万tは次のように処理されています。

※食品廃棄物とは…食品廃棄物(野菜くずなど、製品をつくる際に残ったもののうち、処理費用を支払って引き渡したもの)に有価物(大豆の搾りかすなど、製品をつくる際に残ったもののうち、売れるもの)を含めたもの

食品廃棄物2,775万tの処理方法
  • リサイクル 1,405万t
  • 減量(脱水、乾燥等)、エネルギー回収 270万t
  • 焼却・埋立 1,101万t

約60%はリサイクルされていますが、残りの約40%は埋立てられます。

ゴミの埋立場所は悪臭、メタンガスの発生による火災の恐れが懸念され、人里離れた場所に設置されています。しかし近年では場所がなくなっていることが問題です。

また、ゴミに有害物質が含まれる場合、土壌や地下水の汚染にもつながります。SDGs6の水問題解決のためにも、やはり廃棄物そのものを減らさなければなりません。。

さらには焼却にかかる費用も莫大です。

1日に200トンの焼却能力を持つ処理工場の建設は約130億円、100億を超える処理工場は日本に1.374施設存在しています。(※8)

廃棄物処理には経済的な負担もかかるのです。

SDGs6「安全な水とトイレを世界中に」の現状と取り組み事例、私たちにできること

解決策はあるの?

では、解決策はあるのでしょうか?

廃棄物を減らす

廃棄物にかかる経済的負担、環境汚染をなくすことは、廃棄物自体を減らすことが最善です。

それでもゴミは出てしまうものです。その場合は生ゴミであれば水分を絞り体積を減らしましょう。

水分を絞るだけでも10分の1に減り処理にかかる税金を安くする手段となります。

自宅でできるゴミを減らす方法にコンポストがあります。

コンポストとは、生ゴミや落ち葉などの有機物と土と混ぜて堆肥化するシステムのことです。

コンポストのメリット
  • キッチンの廃棄物を減らせる
  • 生ゴミを捨てるためのビニール袋が減る
  • 完成した堆肥は家庭菜園や花植えで使える
  • 家庭で完全無農薬・化学肥料なしの栽培ができる
  • 廃棄物を減らすことでCO2削減に貢献できる

食品廃棄物を減らすことは、経済を支え、環境保護につながります。

食品ロスの解決策

食品ロスを解決するには、「外食産業」「家庭」「学校給食」の各方面から見る必要があります。

学校給食の食品ロスを削減することに成功した事例を紹介します。

・事例1 10年間で食品ロス9%減「東京都足立区のおいしい給食」

東京都足立区では平成20年から「おいしい給食」を実施した結果(※9)、10年間で小中学校の給食残菜率が平均して9%減りました。

おいしい給食の基本理念は、味としておいしいはもちろん、自然の恵みや料理を作ってくれる人への感謝の気持ちを持ち、心を豊かにする給食です。

食材は地産地消、献立は食べたくなる献立を意識し発達に合わせたメニューの工夫、生きた教材としての学校給食を実現し、結果的に食品ロスへとつながりました。

・事例2 牛乳飲み残しほぼゼロに「牛と触れ合う機会を設けた取り組み」

都内の学校給食の栄養士が小学校に生きている牛一頭を連れてきて、子どもたちに搾乳させたり、牛乳1Lが牛の血液400Lから作られたものだと学んだ結果、牛乳の残渣はほぼゼロになりました。(※10)

食べ物は命をいただく、ということを教科書からではなく五感を使って学んだことが食品ロスにつながったのです。

賞味期限と消費期限を理解する

出典:産経新聞

食品ロスが増える原因に、

  • 賞味期限切れ
  • 消費期限切れ

を挙げましたが、この2つの言葉をおさらいしておきましょう。

農林水産省(※11)ではこの2つを次のように定義しています。

「賞味期限」おいしく食べることができる期限。袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のこと

「消費期限」期限を過ぎたら食べない方がいい期限。袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、この「年月日」まで、「安全に食べられる期限」のこと。

賞味期限も消費期限が共通しているのは開封前の状態での期限です。

消費期限は期限内に消費するのは言うまでもありませんが、賞味期限に関しては開封前の状態で期限を過ぎてしまってもすぐに食べられなくなるわけではありません。賞味期限は見た目で判断できない場合もあるため、においを嗅ぐなど注意が必要です。

重要なポイントは、買ったものの期限を把握しておくことです。いつまで食べられるかを明確にしておけば食品を無駄にすることはなくなりますね。

食材を買い過ぎず、買った食材は使い切る、食べきる

買ったものが期限切れになってしまう理由として、次のことが挙げられます。

  • 買ったことをそもそも忘れていた
  • まとめ買いによって食べられなかった
  • 作り過ぎてしまって途中でお腹がいっぱいになってしまった

上記の理由を解消するために必要な習慣を示してみましょう。

  • 買い物はなるべくその日食べきれる量を買う
  • 食べられる量を把握して調理する
  • 買い物をする前に冷蔵庫内や食品庫のストックを把握する癖をつける

家庭からの食品ロスだけでなく、外食する際にも「適切な量のみをオーダーする」という癖をつけておきましょう。

SDGs目標12と関連する指標「エコロジカル・フットプリント」

出典:WWF

ここまで見てきた天然資源・食品ロスなどによる地球への影響をわかりやすく指標化したものに、エコロジカル・フットプリントがあります。

これは「人間が地球をどれだけ踏みつけたかという足跡」に由来しています。

上記の図は、もし地球人口全体でその国と同様の生活をしたら地球が何個必要かを示しています。

特に便利な暮らしをしている先進国は指数が大きく、アメリカに至っては地球5個分が必要になる計算です。私たちが暮らす日本の指標も2.8個分の計算となります。

これまでの私たちは、生活の発展のために森林を伐採し農地を広げてきました。さらには人口が増えるたびに電気やガスなどのエネルギーが必要となり、食品ロスによる廃棄物処理が増え、CO2も増え温暖化を加速させてきました。

持続可能な地球にするためにもエコロジカル・フットプリントを減らさなければなりません。そのためにもCO2の削減が不可欠です。

BBCニュース(※12)によると、感染症蔓延により人々の移動が減った2020年はCO2排出が7%(20億トン以上)減少したと報告されました。とはいえ、SDGsを達成するには今後10年間で毎年20億トンのCO2削減が必要だと考えられており、具体的な対策を施す必要があります。

これは目標13「気候変動に具体的な対策を」でも取り上げられており、SDGs全体でも重要な目標です。

SDGs13「気候変動に具体的な対策を」の現状と取り組み、私たちにできること

SDGs目標12の達成に向けた取り組み事例/対策

ここでは目標12を達成するために世界と日本で行われている取り組みを紹介します。

 日本の団体/企業の取り組み事例

株式会社セブン&アイ・ホールディングスの取り組み

セブン&アイ・ホールディングスでは2019年5月に環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』を定めました。

具体的には、

  • CO2排出量削減…店舗に太陽光発電パネル取付、温暖化へ影響の少ない冷蔵ケースの導入、環境にやさしい車両を使う
  • プラスチック対策…環境にやさしい包装開発、リサイクル強化
  • 食品ロス、食品リサイクル対策…販売期限の近い商品の購入を促進するエシカルプロジェクト
  • 持続可能な調達フェアトレード商品の販売

2020年11月の報告(※13)によると、2013年のCO2排出量と比較し54%削減したと発表されました。今後もサプライチェーン全体で脱炭素を模索していく運びです。

安田産業グループの取り組み

安田産業グループでは、廃棄物ゼロに取り組んでいます。

具体的に言うと、

  • ペーパーレス化…インタラクティブホワイトボード導入で車内会議や打ち合わせの資料に紙を使わない
  • 水素自動車を導入…社用車にはガソリンではなく水素で作った自動車を使用、CO2排出をゼロにする
  • 祗園祭ゴミゼロ…祗園祭は兼ねてから廃棄物削減が課題でした。祭で使用される食器は使い捨てからリユース食器にシフト、デコステーションを設け分別作業を行い、燃やすゴミを半分まで減らすことに成功。

消費者庁公式クックパッドページ

出典:クックパッド

料理レシピサイト「クックパッド」では、消費者庁と連携して食品ロス削減レシピを掲載しています。

例えば、

  • 野菜の皮や茎を活用した野菜まるごとレシピ
  • 余った料理をアレンジしたリメイクレシピ

これまで捨てていた野菜の皮や茎をおいしく食べるレシピ冷蔵に残っている野菜を使って調理をする方法などを紹介しています。

また、賞味期限の愛称・通称コンテストや食品ロス削減スローガン&フォトコンテストを実施することでより自分ごととして考えてもらう取り組みを行なっています。

世界の団体/企業の取り組み事例

ファストファッション業界「H&Mグループ」

出典:H&M

H&Mではサスティナブルコットンランキング2020において世界第3位(※14)となりました。

サスティナブルコットンは、綿花栽培からオーガニックにこだわり、農薬による被害やCO2排出削減に有効な繊維です。またリサイクルされたコットンを再利用したものもサスティナブルコットンに含まれます。

H&Mグループで調達された全コットンの97%をサスティナブルコットンを占め、今後は100%を目標にしています。

ファストファッション業界は兼ねてから

  • 過剰在庫
  • 大量廃棄
  • 製造元である途上国の労働者への安すぎる賃金

などを課題としてきました。

たくさん作り、安く売る、という概念からサスティナブルに転換した大きなきっかきは2013年バングラデッシュで起きた商業ビル・ラナプラザ の崩落事故です。

死者、負傷者、行方不明者4,000人以上の犠牲者を出したラナプラザ 崩落事故は、大量生産大量消費をしていたファッション業界の裏側を浮き彫りにしました。

当時ラナプラザでは、

  • 健康状態に悪影響を及ぼす劣悪な労働条件
  • ずさんな安全管理対策
  • 労働組合なし
  • 強制労働

のもと労働者は働いていました。事故前日にはビルの至る箇所に亀裂が見つかり、ビル崩壊のおそれがあるとして現地警察も退去を求めていました。

ビルの危険性の高さから従業員は出勤を拒んでいましたが、利益重視のオーナーはそれを受け入れず、徹夜で労働を強いていたのです。

その結果、ビルは崩落しファッション業界史上最悪の事故となりました。

これを受け、世界のファストファッションブランドはコスト重視から環境重視、透明性重視となり、サスティナブルの概念が根付きました。

サステナブルファッションとは?おすすめブランドの紹介も

持続可能な消費と生産のために、私たちができることは?

「つくる責任つかう責任」の達成に向けて私たちにできることはあるのでしょうか。

マイバッグや容器の持参をする

ターゲット5に、「廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用」とあります。

マイバッグやマイボトルを持参することで使い捨てのショップ紙袋やビニール袋、ペットボトル、空き缶の廃棄物をなくすことができます。

自宅を出る前にミネラルウォーターやお茶をマイボトルに入れて出かけるだけで、ペットボトルの需要が減り生産にかかるコストを減らすことができます。

4Rを意識して生活する

先述したように、廃棄物を減らすために3R「リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)」が進められてきました。

近年では3つのRに加え、Refuse(リフューズ):不要なものは拒否するが加えられ、4Rが主流となっています。

例えば、コンビニで買い物をした際に使い捨てのスプーンや割り箸を断る、紙袋をもらわない、包装を断る、などがRefuseの行動のあり方です。

断るためにも、マイバッグや容器を持参するようにしましょう。

オーガニック製品の購入

オーガニックは食品ロスや廃棄物の削減に有効です。慣行栽培で育てられた野菜は農薬が散布され、最も栄養価の高い皮の部分が捨てられがちです。けれどもオーガニック野菜は皮ごとおいしく食べられるので廃棄物が減ります土壌もミネラルたっぷりなので、野菜の味も美味しく栄養価も高いというメリットがあります。

オーガニック製品であるかは、有機JAS認証マークで判断できます。

有機JAS認証
  • 種まき、または植えつけ前に、最低3年以上農薬を使っていない
  • 化学薬品や重金属が含まれない有機肥料を使用している
  • 環境を破壊することなく栽培している
  • 労働者の労働条件を厳守している
  • 環境整備、衛生管理の徹底
  • 1~5に関する管理計画の制定およびその実施

エシカル消費

エシカル消費を心がけることも大切です。

消費者庁ではエシカル消費を次のように定義します。(※15)

消費者それぞれが各自にとっての社会的課題の解決を考慮したり、そうした課題に取り組む事業者を応援しながら消費活動を行うこと

引用:消費者庁

消費者の倫理面がカギとなるのでSDGsの17のゴールの中でも特に目標12に関連する取り組みです。

私たちができるエシカル消費は次のような行動です。

  • 環境消費→環境に配慮したものを選択、グリーン購入(エコカー、LED)を心がける
  • 社会消費→フェアトレード、エシカルファッション(オーガニックコットン)を選ぶ
  • 地域消費→地産地消、農家を応援する

値札だけで判断せずにひとつの商品にお金を使うことで、

  • 誰かのためになる
  • 地球環境のためになる
  • 社会の役に立つ

などと考えることが、持続可能につながります。

エシカル消費とは?考え方やSDGsの関係・個人ができることも

まとめ

SDGs12は、世界の人々の暮らしを支える資源をひとりひとりの意識で守ろうという内容です。

世界人口は2030年には85億人、2050年には97億人に達するといわれています。

増え続ける人口の中、持続可能な社会を築くためには生産者と消費者が賢い行動を取ることが求められます。

  • 生産者…生産するプロセスでは廃棄物の発生は最小限に抑制する
  • 消費者…最小限の買い物、4Rを心がけた消費行動

さらにはつくった後とつかった後の責任もポイントです。

  • 生産者側…リサイクルやリユースで協力してもらう“呼び掛け”姿勢
  • 消費者側…提供された資源を最大限に活用する

「つくる責任、つかう責任」を考えるにあたり、私たちは今この瞬間からしかも自宅にいながら行動に移せます。

  • 冷蔵庫内にある食材で調理をする
  • 食べる分だけ作る
  • 皮ごと食べられるオーガニックフードを選ぶ

現在大量生産のために、農薬を多量に散布し、生産者の健康被害が見られることがあります。

生産時に散布された農薬化学肥料はめぐりめぐって地球温暖化につながります。

土壌に散布された農薬や化学肥料は地下水をたどりやがて海へと流れ着きます。

海のプランクトンが有害物質を食べた場合大量発生し海水温が上がり台風が頻繁に起こるなど気候変動につながります。

また、農薬を多量に使うことは私たちの健康も損なわれる可能性があります。

残留農薬によってめまいや吐き気、皮膚のかぶれといった農薬中毒の症状が現れるようになります。

残留農薬の影響を受けやすい小さな子どもはもちろん、大人も完全無農薬の食べ物やオーガニック認証の食べ物を選ぶことをおすすめします。

ナチュラルなものを使えば生産者・消費者どちらの健康も守られ、さらには土壌や水などの環境にも悪い影響を与えません。

キッチンから出るゴミを減らすことは、CO2削減にもなり、処理に使われる税金を社会サービスに変えられます。

ひとりひとりが行動することで、結果的に環境保護経済安定社会サービスの充実など返ってくる恩恵があります。

地球市民という責任を持つことが、SDGs全体を左右するきっかけとなるのです。

引用:10年計画枠組み(10YFP)

参考文献
※1 サーキュラーエコノミージャパン公式サイト 
※2 農林水産省「食品ロスの現状を知る」より
※3 消費者庁「食品について知る・学ぶ」
※4 政府広報オンライン
※5 環境省・環境再生・資源循環局 総務課 リサイクル推進室より 
※6 平成22年度の児童生徒の食事状況等調査報告書【食生活実態調査編 
※7 環境リサイクル学習ホームページ 
※8 株式会社オークス 生ゴミ問題 
※9 東京都足立区「おいしい給食」
※10 ヤフーニュース スーパーで牛乳欠品の裏で一人年間牛乳83本分の給食が廃棄 飲み残しを無くした学校栄養士の取り組みとは
※11 農林水産省 子どもの食育より 
※12 BBCニュースジャパン
※13  日本経済新聞 セブン、省エネコンビニの実験店 CO2排出54% 
※14 H&Mグループ、サステイナブル・コットンのランキングで第3位に 
※15 消費者庁 エシカル消費とは 

この記事の監修者
阪口 竜也 フロムファーイースト株式会社 代表取締役 / 一般社団法人beyond SDGs japan代表理事
ナチュラルコスメブランド「みんなでみらいを」を運営。2009年 Entrepreneur of the year 2009のセミファイナリスト受賞。2014年よりカンボジアで持続型の植林「森の叡智プロジェクト」を開始。2015年パリ開催のCOP21で日本政府が森の叡智プロジェクトを発表。2017年には、日本ではじめて開催された『第一回SDGsビジネスアワード』で大賞を受賞した。著書に、「世界は自分一人から変えられる」(2017年 大和書房)

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