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絶対的貧困とは?相対的貧困との違い、世界の現状、原因、解決策も

世界の貧困問題は、2015年時点で改善傾向にありました。

しかし、コロナ禍を経て2020年に再び増加に転じるなど、不穏な状況に傾きつつあります。

「貧困をなくす」ことは、SDGs(持続可能な開発目標)が掲げる最初の目標であり、すべての目標に通じる課題です。今、「絶対的貧困」とよばれる最貧困層の人々が、社会や経済情勢の影響を真っ向から受け、苦しんでいます。最新データをもとに、世界が直面している「絶対的貧困」の現状や課題、解決に向けた取り組みを解説していきます。

目次

絶対的貧困とは

絶対的貧困とは、一言で言うと人として最低限の生活が送れず、生きること自体が困難な状態のことです。家がない、着るものがない、食べ物や水がないなど、主に開発途上国の貧困問題を取り上げるときに使われます。

具体的な定義から確認していきましょう!

貧困の定義

貧困の定義は国や機関によって様々ですが、一般的には世界銀行が定める「一日に2.15ドル未満の生活」を送る人のことを絶対的貧困として定義しています。

この2.15ドルは国際貧困ラインと呼び、その時の情勢を鑑みて金額が設定されています。

2005年には1.25ドル、2015年には1.9ドルとなり、2022年9月に今の2.15ドルへと更新しました!

世界の混乱とともに増加に転じる

世界銀行は、これまでの貧困率(一日1.9ドル未満)の割合は2017年の9.2%から、2020年には7.9%にまで減少すると予測していました。しかし、最新データの報告では、2020年に最大で9.4%の水準へと悪化してしまうことが警告されています!

これは、2020年から続くコロナ禍をはじめ、紛争や異常気象の増加など世界的な混乱が大きな原因です。経済活動の低下がもたらした金融危機によって、貧困人口は2020年時点で7,000万人増加しました。さらに、2022年末の貧困者数は6億8,500万人に上ると試算されています。

世界銀行はこれまで、2030年における貧困率ゼロを目標としていましたが、目標達成は遠のいてしまったのが現状です。

絶対的貧困を簡単にまとめると

衣食住含め一日に2.15ドルで暮らす、ということを具体的にイメージするためにいくつか写真を並べてみました。

これらの写真は、ゴミ山の中からお金になりそうなものを探しているところです。

親が働けない家庭は、子どもが働いて一家を支えます。しかしほとんどの仕事は危険で少しのお金にしかならないものばかりです。

衛生環境の悪い水辺は病気や感染症のリスクが高く、下痢や嘔吐で命を落とす子どもが大勢います。

また、絶対的貧困の生活を送る人々が暮らす地域は、インフラが整備されていないことも多々あります。そのため、生活に必要なものはすべて自力で調達する必要があるのです。写真のように、女性や子どもが一日に何往復もして、暮らしに必要な物資を調達しています。

こちらの動画も参考にしてみてください!

>>貧困が子どもたちから奪うもの /日本ユニセフ協会

絶対的貧困と相対的貧困の違い

先進国では「絶対的貧困」に定義されるような貧困の形を目にすることはほとんどありません。その代わりに貧困の指標として使われるのが「相対的貧困」です。

相対的貧困の内容を確認

相対的貧困は、同じ国や地域の生活水準と比べて収入が少ない状態のことです。

たとえば、ある国の平均所得が300万円だった場合、その半分の150万に満たないと、相対的貧困といえます。

周囲が気づきにくい貧困の形であり、先進国の中でも日本は「相対的貧困率」が高い国となっています。

相対的貧困について詳しく知りたい方は、以下のリンクから確認してみてください。

世界の絶対的貧困の現状

出典:IMF

では、世界の絶対的貧困の現状を見ていきましょう。

絶対的貧困が集中する地域は、85%以上が南アジアやサブサハラ・アフリカなどの途上国です。(この地図上でみると、赤とオレンジの部分がそれにあたります)

絶対的貧困率ランキング2022

2022年時点における、世界の絶対的貧困率をランキングにすると以下のとおりです。

1位:ブルンジ共和国

東アフリカの内陸部に位置するブルンジ共和国が、2022年の統計においてワースト1位となっています。ブルンジ共和国では、政府による市民への厳しい弾圧と暴力などの民族対立が続いています。これにより、子どもを含む一般市民が、無差別な拷問や殺戮、性的暴力、児童売春の犠牲になっているのです。また、国土の荒廃が進み、農作物を生産することができず、食糧も援助に頼っています。

2位:南スーダン

画像:WFP

南スーダンは、「他国の支援がなければ、人口の約3分の2にあたる700万人以上が、深刻な食糧不足に陥る可能性がある」と警鐘を鳴らされている地域です。内戦が続き、160万人以上の人々が隣国のウガンダやケニアへ避難しています。内戦と極度の飢餓により、5歳未満の子ども130万人が急性栄養不良のリスクを抱えていると言われています。

3位:中央アフリカ共和国

中央アフリカ共和国では、政府軍と武装グループの衝突により、120万以上の人々が長期間にわたって避難生活を強いられています。安全な水が確保されておらず、屋外排泄が常態化するなど不衛生な環境に置かれているため、下痢や嘔吐による子どもの死亡が絶えません。加えて、児童婚や女性器切除(FGM)などの人権を無視した暴行が横行しています。

4位:コンゴ民主共和国

画像:UNICEF

コンゴ民主共和国は豊富な天然資源に恵まれていますが、それらを巡って紛争が絶えません。難民キャンプで暮らす1,300万人のうち780万人が子どもで、重度の栄養不良に苦しんでいます。また、新型コロナウイルスとともにエボラ出血熱も断続的に流行しており、人々の生活を脅かしています。

5位:ソマリア

20年以上内戦が激しく続くソマリアは、近年の気候変動によって大規模な干ばつが増え、慢性的な食糧不足に陥っています。水源が干上がっているため、人や家畜が餓死しており、重度の栄養失調状態にある子どもが140万人以上いるとされています。

6位から20位までは以下の通りです。

  • 6位 ニジェール
  • 7位 モザンビーク
  • 8位 マラウイ
  • 9位 チャド
  • 10位 マダガスカル
  • 11位 リベリア
  • 12位 シエラレオネ
  • 13位 イエメン
  • 14位 エリトリア
  • 15位 キリバス
  • 16位 ソロモン諸島
  • 17位 ジンバブエ
  • 18位 マリ
  • 19位 トーゴ
  • 20位 ガンビア

参考:IMF

では、なぜ極度の貧困状態に陥り、なかなか改善されないのでしょうか。原因を探っていきましょう。

絶対的貧困の原因

絶対的貧困に定義される最貧困層は、紛争や自然災害、景気などの影響をダイレクトに受けてしまいます。つまり、貧困の原因はさまざまな要因が複雑に絡み合っているとも言えます。ここでは、代表的な7つの原因を取り上げます。

絶対的貧困の原因①農村社会

極度の貧困に苦しんでいる人の7割は農村部で暮らす農民といわれています。

途上国の農村では、より多くの農産物を生産することで収入を継続的に得ることが重要視されています。そのため土地の特徴や天候条件に合わない生産活動を続けることを余儀なくされ、その結果、土地がやせ細ったり資源が枯渇していきました。さらに不適切な農地管理や紛争による維持困難によって資源が劣化し、さらに貧困へと追いやられてしまうのです。

参考:農業農村開発協力の新たな視点(農林水産省)(PDF)

絶対的貧困の原因②:紛争や内戦による混乱

宗教、人種、民族、政治など様々な理由で紛争が起きると、住む場所や電気、水道、ガスを供給する施設が破壊されてしまいます。これにより、人々は安全な場所を求めて国外に難民として逃れます。

しかし、避難したからといって安心して生活できるわけではありません。財産を失い、就労機会が得られなければ、生活に必要な物資は支援に頼るしかなくなります。限られた食糧を家族で分け合ったり、学校に通えなくなってしまった子どもが働きに出たりと、どんどん貧困に追いやられてしまうのです。

絶対的貧困の原因③:事故や病気

紛争や内戦が終わっても、国土のいたるところに地雷や不発弾が残っており、その爆発によって手足を失くしたり、家族を失ったりする事故が起きています。大人の働き手を失った家庭は、子どもが働くことになります。学校に行けず教育を受けられないで育った子どもは、大人になっても安定した仕事につけず、貧しい生活から抜け出すことができません。

絶対的貧困の原因④:国の対外的な借金

開発途上国が別の国から借金(対外債務)している額は、2018年時点で約7兆8,000万ドルにのぼります。対外債務の比率が国民総所得に対して大きくなるほど負担も大きくなります。そして紛争や感染症の拡大によって国が混乱すると返済が困難になるため、必要な医療費などの社会インフラを削ってそれにあてることがあります。結果、人々の生活はより苦しいものとなります。

重債務貧困国とは

国民全体の所得を合計しても、債務を返せない状態の国を「重債務貧困国」と呼びます。全世界で40か国が認定されており、そのうち36か国がアフリカの国々です。

絶対的貧困の原因⑤:富の一極集中

世界の上位1%の超富裕層が世界全体の個人資産37.8%を占めるといわれ、富の偏りによる格差が貧困の原因ともいわれています。

コロナ禍によって経済活動が制限される一方で、景気刺激策による株式の急騰を受け、格差は一段と広がったと指摘されています。

例えば、急激な経済成長を遂げた中国では、市場経済を重点的に促進した結果、都市部と農村部に大きな格差が生じています。北京には、「新富裕層(ニューリッチ)」と呼ばれる人たちが住む「現代城」という高層ビル群がある一方で、収入を得ようと地方から出てきた出稼ぎ労働者は「蟻族」「鼠族」などと呼ばれています。

世界情勢が傾くにつれて、低賃金労働者ほど雇用環境が悪化し、中等教育しか履修できなかった人の就業率も低くなっています。「鼠族」は、安定した職につけず、地下の極小住宅で共同生活を送るような人たちのことを指します。

絶対的貧困の原因⑥:異常気象

日本でもゲリラ豪富や大型の台風が毎年のように起きていますが、世界のいたるところで異常気象が発生しています。熱波や高温、干ばつによって砂漠化が進み、飲み水が確保できなかったり作物を作れなくなったり、牧畜ができなくなったりしています。安定して作物を育てることができなければ収入源が絶たれ、生活は苦しくなります。

また、雨が全く降らない地域がある一方で、台風(サイクロン、ハリケーン)によって住居を失い、都市に流れ込む人も大勢います。さらに近年、巨大地震も頻発しており、その後の復旧がなかなか進まず、貧困が拡大するケースもあります。

絶対的貧困の原因⑦:偏見と差別

偏見と差別も貧困を生み出します。肌色、宗教、性別、身分などの偏見によって仕事につけなかったり、悪い条件での仕事しかできなかったりします。たとえば、

  • インドのカースト制度
  • ミャンマー・ロヒンギャ民族の迫害
  • ルーマニア・ロマ族への差別

など、昔から続く偏見と差別によって、生まれながら貧困にさらされている人々もいます。

これまで、世界の絶対的貧困の現状と原因をみてきました。では、日本には絶対的貧困に苦しむ人たちはいるのでしょうか。

日本にも絶対的貧困はある?

途上国における絶対的貧困とは異なりますが、日本での絶対的貧困に近い状態であるといえるのがホームレス(路上生活者)です。

日本のホームレス(路上生活者)の現状

【全国のホームレス数の推移】

出典:THE BIG ISSUE

2022年の厚生労働省の調査によると、ホームレス数は3,448人で、15年前と比べると8割ほど減少しています。日本におけるホームレスが統計上で減少し続けているのは、行政による対策が進んだ結果ともいえます。

しかし2020年から横ばいとなっており、新型コロナウイルスによる雇用消失や格差拡大の影響が懸念されています。

それに加え、現在ホームレスの平均年齢は60代です。若い人と比べて体力や就労意欲が低いため、「このままの生活でいい」と現状維持を望む傾向が高いことも、ホームレスの減少数に歯止めをかけている理由の一つです。

ここまで、世界や日本の絶対的貧困の現状を見てきました。

続いては、絶対的貧困を撲滅するために行われている、世界的な取り組みを確認していきましょう。

絶対的貧困の解決策や対策

複雑な要因が絡み合う貧困問題を解決するためには、社会インフラやサービスの構築、それに対するアクセスの向上などの支援が必要です。内政不安が多い貧困国では、自国でこれらを改善していくのは難しく、国際的な援助が重要になります。

政府開発援助(ODA)による支援

国際的な援助の代表的な例として、政府開発援助(ODA)があります。

政府開発援助(ODA)とは「Official Development Assistance」の略称で、

  • 開発途上国の政府が援助国の政府に支援を要請
  • 政府間で援助案件を共有

というように、援助の内容が決められています。

ODAによる支援は、社会の安定化を促し、保健システムの構築や技術移転を進めることで直接的な貧困削減への取り組みといえます。

非政府組織(NGO)による援助

NGOは「Non-governmental Organization」の略称です。貧困や飢餓などの世界的な問題に対して、利益を目的とせずに取り組む民間の協力団体です。災害などの緊急時に、迅速に対応できるのが特徴です。政府による支援の手が行き届かない人たちに寄り添い、こぼれ落ちる人のないよう草の根レベルでの地道かつ重要な活動ができるのもNGOの大きな強みといえます。

アドボカシー(政府や社会に働きかける)による人道的な支援は、貧困問題の解決に大きく寄与しています。

絶対的貧困の解決に向けた日本の取り組み

ここからは、絶対的貧困の解決に向けた日本の具体的な取り組みをご紹介します。

日本の取り組み:アフリカ開発会議(TICAD)

出典:TICAD8

TICADとは、「Tokyo International Conference on African Development(アフリカ開発会議)」の略称で、アフリカの開発をテーマとした国際会議で、1993年から日本政府が主導し、国連をはじめ国連開発計画(UNDP)や世界銀行、アフリカ連合委員会(AUC)とともに開催しています。

2022年8月には、チュニジアで第8回アフリカ開発会議(TICAD8)が開催され、日本の岸田総理を含む20名の首脳級を含むアフリカ48か国が参加しました。

日本は「人への投資」と「成長の質」を重視

日本のアフリカに対する支援策の考え方は「共に成長するパートナー」として、「人」に注目したアプローチを進めていくと明言し、今後の施策として以下を掲げています。

  • グリーン投資:「アフリカ・グリーン成長イニシアティブ」を立ち上げ、官民合わせて40億ドルを投資する。
  • 開発金融:人々の生活を向上させるため、最大約50億ドルのアフリカ開発銀行との協調融資を実施する。
  • 保健、公衆衛生:人間の安全保障の理念に立脚し、感染症対策等支援のためグローバル・ファンドへ最大10.8億ドルを新規拠出する。
  • 人材育成:アフリカの未来を支える産業、保健・医療、教育、農業、司法・行政等の分野の30万人の人材育成。
  • 食料安全保障:人々の生活を守る強靱な社会を構築するため、アフリカ開発銀行との3億ドルの協調融資、20万人の農業分野の人材育成。

参考:TICAD8結果概要(PDF)

日本は、アフリカに対して「質の高い成長」を後押しするために、日本企業の持つ高い技術力やノウハウによって「質の高いインフラ」の整備を促進する考えです。

絶対的貧困の解決に向けた企業の取り組み

貧困の解決に向けた取り組みは、企業でも積極的に進められています。

【世界】Nestle(ネスレ)

スイスに本社を構える食品会社Nestle(ネスレ)は、コーヒー豆の栽培農家を守るために、世帯収入向上プロジェクト(Household Income Accelerator Project)を立ち上げました。

コーヒー豆農家は世界市場の原材料価格に大きな影響を受け、価格変動によって大きな打撃を受けることも多い事業です。豊作・不作に振り回されない事業計画の立案を手助けし、効率改善やコスト削減、作物の品質向上などを支援することで、不安定な経営から引き起こされる貧困問題の解決に取り組んでいます。

【日本】ユニクロ

ユニクロは2006年から服のリサイクル活動を始め、現在では「RE.UNIQLO」として回収した衣料を開発途上国などに寄贈しています。

さらには近年、難民に雇用機会を提供するプログラムを立ち上げました。自国から逃れた難民に、避難先で安心・安定した生活を送ってもらうことが目的です。語学トレーニングや店舗研修による環境づくりのサポートをすることが、ユニクロ社内にダイバーシティの理念を浸透させることにもつながっています。

【番外編】ケニアで生まれた電子マネーのイノベーション

出典:Google Play

他国からの援助に頼るだけではなく、技術支援のもと自国でイノベーションを起こした国もあります。

アフリカではプリペイド式の携帯電話が普及しており、事前にチャージした分だけ通話や通信ができるシステムが一般的です。そこに着目し、通信時間の換金や家族への送金、商品や公共料金の支払いができるサービス「M-PESA(エムペサ)」を、ケニアの通信会社「Safaricom」が開発しました。インフラが整備されていない一方で、携帯電話が広く普及したアフリカだからこそ生まれたイノベーションです。現在4,000万人以上が使用し、月間処理件数は10億件を超えるといわれています。

世界の貧困層では4人に3人が銀行口座を持っておらず、その理由として、

  • 口座開設に伴う費用がない
  • 字が読めないため手続き自体ができない
  • 銀行まで距離が遠い

ことにあります。

「M-Pesa」は、携帯からショートメッセージ(SMS)を送信することで、送金、預金・引き出し、支払いといった金融取引ができます。これによって、銀行口座がなくても、たとえば出稼ぎ労働者などが故郷の家族に簡単に送金できるようになりました。

絶対的貧困の解決に向けて私たちにできること

続いて、絶対的貧困を撲滅するために、私たちにできることも考えていきましょう。

貧困をなくすために重要なのは、問題を理解すること、自分にもできることは何かを考えることです。絶対的貧困の解決に向けて、私たちにできることをピックアップしてご紹介します。

私たちにできること①:寄付や募金

寄付や募金は、助けを必要とする人たちを救う直接的な支援であり、活動やプログラム整備の資金や人材育成にあてられます。私たちが最も手軽にできて有効な手段の一つなので、一度考えてみてはいかがでしょうか。

寄付や募金先の一例

>>【1日あたり150円の支援】チャイルド・スポンサーシップへ参加する

>>【ウクライナ緊急募金】UNICEF

私たちにできること②:ボランティア

コロナ禍での海外ボランティアは、以前と比べると難しくなっているかもしれません。とはいえ、現地に行かなくても、国内で貧困や難民問題を取り扱うボランティア活動やサークル、NGOはたくさんあります。興味があり、自分にもできることをやってみたい、という方は検討してみてください。

ボランティアを探す際には、以下のサイトが便利です。

>>activo

絶対的貧困とSDGsの関係

最後に、絶対的貧困とSDGsの関係を確認していきましょう。

SDGsって何?

SDGsは2015年に国連サミットで採択された、国際的な目標です。現在世界が抱えている課題の解決を目指して、17のゴール(目標)と169のターゲット(目標をより具体的にした解決すべき課題)が掲げられており、地球上の誰一人取り残さない(犠牲にしない・無視しない)ことを誓っています。

17あるSDGsの目標は、1、2、3…という順番が目標の重要性を表しているわけではありません。とはいえ、「誰一人取り残さない」世界をつくるために最初に掲げられている目標が「貧困をなくす」ことです。

特に目標1「貧困をなくそう」と関係

SDGs1「貧困をなくそう」は、絶対的貧困だけでなく相対的貧困も含めた、あらゆる貧困をなくすことを目標に掲げています。

詳しいターゲットは、こちらから確認できます。

その中で特に注目したいのが、気候変動に言及していることです。

本記事で貧困の原因にも取り上げたように、貧困問題は環境問題と密接につながっています。

気候変動に起因する災害は、社会的に脆弱な人たちをさらに貧困に追い込んでしまうため、被害にあったときの回復力を高め、強靭にしていくことを目指しているのです。

目標1について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。

そしてSDGsは、どれか一つの目標のみに取り組めばいいというものではありません。17個すべての目標を解決するために同時進行的に取り組みを進める必要があります。

とりわけ貧困に関する内容は、17個の目標のほとんどに関係しています。つまり、この貧困問題を解決しなければ、持続可能な社会の実現は難しいということになります。

ぜひこの記事をきっかけにSDGsの目標についても理解を深めてみてはいかがでしょうか。

まとめ:絶対的貧困の解消に国際的な支援の手を

貧困の解消は、自分ひとりの力だけでできるものではありません。しかし、問題を自分ごととして捉え、知ろうとする、できることをやってみるという小さな一歩が積み重なれば、国が動くほどのアクションにつながることもあります。それは、生きることが困難な生活を送る人たちが「もっと働く」などで現状を解決しようとするより、はるかに包括的で持続的だといえます。国際的な支援の手を届けるということは、私たち一人ひとりが行動を起こすことでもあるのです。

参考文献:
SDGs(持続可能な開発目標) 蟹江 憲史
SDGs入門 未来を変えるみんなのために 蟹江 憲史
地図とデータで見るSDGsの世界ハンドブック イヴェット・ヴェレほか
世界でいちばん素敵なSDGsの教室 小林 亮
貧困 目標1 (SDGsのきほん 未来のための17の目標 2)  渡邉 優ほか
参考資料:
COVID-19 to Add as Many as 150 Million Extreme Poor by 2021
貧困指標(JICA)
Global Multidimensional Poverty Index 2022
子どもの貧困対策(日本財団)
WORLD BANK
SDGsアクションプラン2022
The impact of the war in Ukraine and subsequent economic downturn on child poverty in Eastern Europe and Central Asia(UNICEF)
TICAD8結果概要
重債務貧困国(HIPC)
農村社会(日本貿易振興機構)
農業農村開発協力の新たな視点(農林水産省)