SDGs1「貧困をなくそう」の現状と取り組み事例、私たちにできること

目次

目標1「貧困をなくそう」とは?

世界には約7億人の貧困層の人々がいます。

貧困の背景には紛争や自然災害、経済的理由があります。

“貧困といってもアフリカ地域や貧しい発展途上国だけの話でしょ?”

実は日本の子供の7人に1人、高齢者の5人には1人が貧困状態にあるんです。

遠い国だけの問題ではなく、日本に住む私たちにとっても大きな問題のひとつです。

SDGs目標1「貧困をなくそう」ではこのように世界全体、あらゆる次元・形態にある貧困を終わらせることを目標としています。

貧困のない世界を実現するために、具体的にどのような目標や解決策があるのか一緒に考えていきましょう。

7個のターゲット

SDGs目標1「貧困をなくそう」では、さらに「具体的な目標」として7個のターゲットがあります。

貧困をなくそうだけだと、どの課題に対してどういう解決をしていったらいいのか分からないため、より具体的なターゲット(具体的な目標)が定義されています。

2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。

“1日125円で暮らしている極度の貧困はおよそ10億人ぐらいいるんだって!”

2030年までに各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、全ての年齢の男性、女性、子供の割合を半減させる。

“年齢・性別も関係なく全ての人が貧困から抜け出せるような仕組みを!”

各国において最低限の基準を含む適切な社会保障制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。

“困った時に頼れる制度があると安心だよね!”

2030年までに、貧困層および脆弱層をはじめ、全ての男性および女性が基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。

“貧困層の多くが金融サービスへのアクセスが出来ていない状態なんだって!”

2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靭性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の、経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。

“災害や異常気象によって家や職を失う人を減らしていこう!”

あらゆる次元での貧困撲滅のための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、様々な供給源からの多大な資源の動員を確保する。

“貧困層の人自身の手で暮らしていける仕組み作りを支援しよう!!”

各国、地域、および国際レベルで貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを設置し、貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援する。

“どこか1つの国だけでなく世界全体で取り組むのが大切だよね!”

知っているようで知らない貧困。リアルな貧困の現状とは?

SDGsが定義する「貧困」とは?貧困って何だろう?

上記7つのターゲットにあるように、「貧困」とは極度に貧しい暮らしをしている人々だけを指しているわけではありません。

  • 医療や学校などの基本的サービス(教育・水道・電気など)を受けられない人
  • 災害による不利益を受けている人
  • 教育を受けられず貧困に陥っている人
  • ジェンダーによって平等な権利を得られない人

なども含まれています。

また、経済水準の低い途上国のみならず、日本のように経済成長が著しい先進国にも貧困の問題は存在しています。

日本では、平均収入よりも低い収入で暮らす人々が6人に1人います。このように貧困とは、一定水準以下の暮らしを送る人々や、公正な権利や機会を得られない人々のことを指します。

では、貧困とは何かについて分かったので、次は世界のリアルな貧困の実情について見てみましょう。

世界の貧困の現状〜世界で約10人に1人は極度の貧困〜

出典:外務省

2015年の貧困率は41.1%で、ルワンダや南スーダンなどの国を含むサブサハラアフリカ地域(サハラ砂漠より南の地域)がトップになっています。

他の地域は中東・北アフリカとラテン・アメリカ・カリブが4〜5%台と高いものの、サブサハラアフリカに比べると10倍くらい離れており、アフリカと言ってもすべて絶対的貧困ではないのですね。

そして、ヨーロッパとアジア、太平洋の国々は1〜2%台と低い水準になっています。

「絶対的貧困」とは、生きていくために必要な食料や衣服などが確保できない、1日を約200円以下で生活する人々のことを指しています。

この極度の貧困状態にある人々は世界で約10人に1人(7億960万人)存在します。

世界の所得のレベル分け

医師で公衆衛生学者のハンス・ロスリングは、世界の所得水準を4つのレベルで捉えていくことを、著書の「Factfulness」で提唱しました。

貧しい国を「発展途上国」「先進国」と分けるのではなく、事実に基づいた正しい理解をすることが大切です。

・レベル1

1日2ドル(約210円)以下で暮らす人々のことを指します。
十分な衣服が身に纏えず、ストリートチルドレン不衛生な環境での生活をしています。
また移動は徒歩で電気や水道などのインフラの整備も遅れている地域が多いです。
世界の10億人がこのレベルに当てはまるとされ、主にマダガスカルレソトなどアフリカ地域の国々が該当します。

・レベル2

1日2ドル(約210円)〜8ドル(約860円)の取得がある人々のことを指します。
移動は自転車などを使用し、住居をもち布団やマットレスなどで眠るなど健康的で一般的な生活を送っている人々が該当します。
このレベルにあたる人は世界に30億人おり、バングラデシュ・中国などの東南アジアやナイジェリアなどの人々に多いレベルです。

レベル3


1日8ドル(約860円)〜32ドル(約3,400円)の所得で暮らしている人々のことを指します。
移動はバイクや車を使用し、電気や水道などの基本的インフラが整備されており不自由なく暮らせる水準にあたります。
世界では2番目に多い20億人がこのレベルで生活しており、エジプトパレスチナなどの中東地域の人々やフィリピンなどの国が該当します。

レベル4

1日32ドル(約3,400円)以上の所得がある人々のことを指します。
日常生活では道路に車が多く行き交い、十分な食事、教育や保険などの基本的サービスが受けられる生活水準のレベルです。
レベル1と同じくこの水準で生活している人は世界で10億人おり、アメリカスウェーデン、日本韓国などの一般的に「先進国」といわれる国々が多く該当します。

日本の貧困の現状〜日本の高齢者の5人に1人、子供の7人に1人が貧困状態〜

貧困とは無縁と思われがちな日本ですが、実情は

・高齢者の約5人に1人 (特に高齢単身女性の56.2%が貧困状態) 
・子供と大人の約7人に1人 (子供の貧困は世界で10番目の多さ)

が貧困状態と厳しいものとなっています。

日本のような経済的に発展している国で問題となるのが「相対的貧困」です。

相対的貧困」とは全世帯収入の平均水準を下回る収入で生活している世帯を指し、年収にすると約122万円以下の人たちが該当します。

また高齢者の相対的貧困では…

  • 年金と貯蓄では生活が出来ない
  • 介護・医療サービスが受けられない
  • 単身世帯の孤立化

など心身の健康が懸念される問題が生じています。

子供の相対的貧困では…

  • 家計を支えるために学生バイトをしなければならない
  • 習い事や塾に通えない
  • 旅行や遊びに制限がある

など周りの家庭との格差が生まれ、いわゆる「ふつうの暮らし」が出来ない子供たちが多くいるという状況です。

子どもの貧困とは?日本の現状や解決に向けて個人でできることも

貧困の問題点はなにか?解決策はあるの?

貧困の原因って?

人々が貧困に陥る原因にはどんなものがあるのでしょうか。

まずサブサハラアフリカ地域などの「絶対的貧困」の原因について考えていきましょう。

経済的事情

多くの絶対的貧困地域では、植民地時代から続くモノカルチャー経済が行われています。

しかしモノカルチャー経済は災害や国際価格の影響を受けやすく、安定した経済活動が行えないという問題点があります。

このことから、十分な経済活動が行えないと教育や医療の整備が出来ないため、学校に行けない子供・適切な医療が受けられない人々が続出してしまうのです。

紛争

貧困の最も大きな原因のひとつに「紛争」があります。

紛争の原因は、人種・宗教や武器の売買も絡む経済的要因など様々です。
紛争に巻き込まれて住む場所を失った人たちが、難民となって絶対的貧困へと陥ります。

またその影響から衣食住を保証してくれる武装組織に子供たちが戦闘員として加入するなど、子供たちの命を危険に晒すリスクもあります。

続いて日本の「相対的貧困」の原因となるものについて考えていきます。

5人に1人が相対的貧困の高齢者の原因とは?

退職金や給与の減少

年収推移のグラフ
出典:年収ラボ

バブル崩壊、リーマンショックなどを受けサラリーマンの平均年収は大幅に下がっています。
またこれだけでなく、ピークには約2,500万円だった退職金が今では約1,800万円にまで減っています。

年金と退職金だけでは生活するのが厳しいという高齢者が多いのが実情です。

単身世帯の貧困

高齢者世帯の中でも特に単身世帯の相対的貧困率が高くなっています。

  • 高齢単身世帯の月の支出額=約16万円
  • 厚生年金平均支給額=約14万円
  • 国民年金平均支給額=約5万円

このように単身世帯は1人あたりのコストが他の世帯よりも高くなり、年金のみで生活することは困難な状況にあります。

高齢単身世帯に次いで貧困率が高いのがひとり親と未婚子世帯です。

これは子供の貧困の大きな要因のひとつでもあります。

7人に1人が相対的貧困の子供の原因とは?

出典:nippon.com

ひとり親世帯の50.8%が貧困

相対的貧困の子供の半分近くがひとり親世帯です。

一般家庭の平均年収が約700万円なのに対し、母子家庭は約250万円と倍以上の収入格差があります。

ひとり親家庭の場合、夫婦2人で共働きしている家庭よりも収入が少ない上に、育児や家事のためフルタイムの仕事がしづらいなど多くの制限が生じてしまいます。

絶対的貧困で懸念されるリスク・問題点

子供が兵士として紛争に参加する

紛争が絶えない地域(コンゴ民主共和国・南スーダンなど)では、子供を誘拐し銃や武器を持たせて兵士として紛争に参加することを強要します。

このように強制的に兵士として働かされる場合の他にも、仕事がないため満足な食事取れない子供たちが、自分の生活を確保するために軍隊や組織に自ら志願して兵士になり紛争に参加することもあります。

感染症や病気のリスク

水道や井戸が整備されていない地域では、不衛生な水を使用したり飲むことで、下痢を引き起こし脱水症状で年間30万人の乳幼児が亡くなっています。

また他にも、マラリア麻疹のような感染症の蔓延も懸念されます。

しかし医療の提供体制も整っていないため、適切な治療が受けられず命を落とす子供たちが年間約180万人もいます。

相対的貧困で懸念されるリスク・問題点

自己肯定感の低下

日本のような相対的貧困の立場にある子供たちは、塾に通えないことによる学力の遅れ周りの家庭環境との格差などが問題です。

衣食住は満たされていても「心」が満たされていない、そんな周りとの差異を感じることで「自分は周りよりも劣っている」という気持ちが、一般家庭の子供よりも強く現れる傾向があります。

このような自己肯定感の低下は、子供たちの人格や性格の形成に悪影響を及ぼし将来の夢や進路にも前向きに取り組むことが出来なくなるリスクがあります。

進路選択への影響

生活保護を受けている世帯は一般的な家庭と比べると中卒率が7倍高校中退率は3.5倍と教育の機会を逃している子供たちが多くいることがわかります。

家計のために高校に進学せず就職する、アルバイトと勉強の両立が困難になり学校を辞めてしまうなど理由は様々です。

教育の機会を失うことは学力の低下を招き、将来の進路・就職選択の幅を狭めることになります。

「自分のやりたいことが出来ない」「なりたいものにお金がなくてなれない」まだ若い子供たちにとっては重すぎる負担です。

SDGs4「質の高い教育をみんなに」の現状と取り組み事例、私たちにできること

貧困問題の解決策は?

これら多くの貧困問題を解決するためにはどういった取り組みが必要なのでしょうか。

絶対的貧困が深刻な地域では、外国の援助に依存するだけでは問題の根本的解決には繋がりません。

現地の人たち自身が、仕事を持続的に生み出せるような仕組みを教えていく支援が必要です。

具体例としては

  • NGO団体による開発援助
  • 病院や学校などの基本サービスの整備
  • 寄付や募金

などが挙げられます。

続いて日本でも他人事ではない相対的貧困の解決策について見ていきます。

日本政府は深刻な子供の貧困の解消に向けて、

  1. 教育
  2. 経済
  3. 生活
  4. 就労

の4つの面から支援を行っています。

具体的には

  • 義務教育の就学援助
  • ひとり親家庭への児童扶養手当の支給、
  • 公的職業訓練

などが挙げられます。

その他にも貧困問題に取り組む企業や団体が多く存在しますので、次章でご紹介していきます。

貧困問題の取組事例・対策

日本の企業/団体の事例

おてらおやつクラブ

認定NPO法人おてらおやつクラブでは、全国1,605のお寺にお供えされた食べ物を「おさがり」として生活困窮世帯の子どもたちに送る活動を行っています。

お寺側から直接支援をするのではなく、貧困世帯に対する支援活動をすでに行っている団体と連携し仏教の教えに基づいた「おすそわけ」をしています。

子ども食堂

子ども食堂とは家庭で満足いく食事を取れない子どもたちや、家族と食事が取れず孤食になっている子どもを対象とした施設で、アットホームな空間で栄養のある食事を低価格、または無料で提供しています。

貧困状態にある子どもたち健康状態の促進に繋がるだけでなく、人と食事をとることで自分の居場所作りができるといったメリットがあります。

子ども食堂とは?日本の貧困の現状や開催事例も紹介

託児所や保育園の増加

現在日本の保育園の数は働く親の割合に比べて少ない状況です。

しかし、子どもを持つ親たちが、十分な収入を得られるように働く時間を確保することが大切です。

そのためには子どもを預けるための託児所・保育園が必要不可欠となります。

東京都の待機児童は2020年現在2,343人と減ってはいるものの、まだまだ託児所・保育園の拡充が必要です。

世界の企業/団体の事例

ワールドビジョン

引用:World Vision

1950年に設立された国際NGO団体です。

NGOとは利益を追求せずに、世界の人々の貧困や紛争による被害などに支援を行っていく民間の団体のことを指します。

ワールドビジョンが行っている活動は開発援助・緊急援助・アドボカシーの3つです。

アドボカシーとは政府や市民に対し、今起きている問題への関心を寄せるよう啓蒙活動を行ったり、具体的な政策提言書を示すなどの活動内容のことです。

現在まで中南米・アフリカ・アジアなど計32カ国で159の事業を行っています。

赤十字国際委員会(ICRC)

負傷した兵士の救護を皮切りにスタートした赤十字国際委員会は、1863年に設立され支援・保護・予防・連携の4つの柱を中心に活動を行っています。

具体的には紛争地域の食糧支援や職業訓練、また離れ離れになった家族への支援、医療支援などその活動内容は多岐にわたります。

また人の尊厳を確保する国際人道法に則り、無差別兵器使用の予防、捕虜や拘束された人の医療支援、国際人道法についての普及活動など被害を事前に防いでいくための啓蒙活動なども行っています。

セーブザチルドレン

1919年に設立され、全ての子どもたちが健やかに生きていくための権利を守る活動を行ってきた国際NGO団体です。

団体名にもあるように主に子どもたちの貧困や保護、教育などの活動の他に、防災支援や保健・栄養支援なども行っています。

またSDGsの人権に言及した2030アジェンダの中に含まれる「社会のすべての部分で満たされるように」という一説はセーブザチルドレンや市民社会らの働きかけにより追加されており、SDGsに関するアクテビティ集の発行なども積極的に取り組んでいる団体です。

貧困をなくすための対策

フェアトレード(公正取引)

日本では食品や日用品など比較的低価格で購入できる商品が数多く販売されています。

しかしその裏では「安さ」を実現するために人件費が削減され、適正な賃金が払われない人々や大量生産の際に使用する薬品による環境破壊といった弊害が生じています。

フェアトレードでは、労働者が安全かつ適正な賃金で労働をすること、また環境に害を与えない製品作りを目指しています。

これにより貧困はもちろんのこと、災害や公害などの影響による経済的ショックを減らしていくことができるのです。

基礎的サービスへの平等なアクセス権

世界の貧困層に当たる人々の多くが自分の銀行口座を持っておらず、お金を借りて生活をしてしまう上にビジネスの機会までも逃してしまっている状況です。

金融サービスへのアクセス権を持つことは、信頼性や起業、貯蓄にも繋がり貧困から抜け出すための大きな一歩となります。

そのためにも口座開設にかかる料金や手数料、交通費などの障壁を軽減し誰もが平等にサービスを受けられる仕組み作りが求められます。

強靱性を構築し、曝露・脆弱性を軽減

貧困を引きこおこす要因のひとつとして異常気象による、災害があげられます。

フィリピンやバングラデシュでは台風によって、人々が職を失い貧困層が増えてしまいました。

このような災害のリスクがある地域で、経済活動を行う人やそれによる資産が存在することを「曝露」と呼びます。

そしてその地域が災害によって受ける悪影響の高さを「脆弱性」と言います。

異常気象による貧困を生み出さないためにも曝露・脆弱性を軽減し、そこに住む人たちが災害への強靭性を構築していく支援が必要不可欠です。

具体例としては早期警告システム、保険契約、社会保障制度の充実などが挙げられます。

社会的保護の整備

日本のような先進国は比較的、社会的保護のサービスが充実している国といえます。

しかし、世界の7割近くの人々はこういった社会的保護制度を利用出来ていません。

貧困によって教育の機会の喪失飢餓を回避するためにも、社会的保護サービスの拡充が急がれます。

世界の労働者の環境改善のために作られた国際労働機関では「社会的保護の土台」と呼ばれるプログラムに取り組んでいます。

内容はアフリカや東南アジアを含む21の国々に対し、所得保障や就学などの社会的保護の拡充を図り、知識・知見の共有を行い労働環境の好転に繋げていくというものです。

このプログラムは2016年にスタートし、2020年までに1億3000万人の生活改善を目指し実行されてきましたが、2021年現在も社会的保護が行き渡っていない人々はいまだに多く存在します。

SDGs1.貧困をなくそうに活用できる「補助金・助成金」

 特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

これは就職困難者(高齢者・障がい者・母子家庭の母親)を雇用した場合、事業主に対して一定の助成金が払われる制度です。

日本の貧困層にあたる人の多くは高齢者やひとり親世帯です。

このような社会的少数派の人たちを期限なく雇用することで、生活の安定を図り貧困をなくすことに繋がります。

雇用する側もされる側も、お互いに利益が大きい制度のひとつです。

 トライアル雇用助成金

この制度は45歳以上の中高年齢の人、若年者、ひとり親家庭の親、ホームレス、障がい者などの対象者が、3カ月間の期限付きで雇用契約を結ぶ制度です。

3ヶ月間のトライアル終了後、正社員として雇用する企業が8割となっており、短期間の雇用でありながらその先の就労へと結びつけることが出来る可能性もあります。

貧困層の人の多くはパートやアルバイトなど非正規雇用で働く人が多く、安定した職に付けないのも事実です。

この制度を利用すれば、トライアル期間を設けることが出来るので自分に合った業務内容か判断でき長期的な就労へと移行出来る可能性が大きくなります。

貧困の現状を知ったうえで私たちにもできることとは?

 貧困の連鎖を断ち切る

ここまで貧困の現状について解説してきましたが、私たち自身の手で出来ることはあるのでしょうか。

1番に取り組むことは貧困の連鎖を断ち切るということです。

親から子供へ、学力格差から経済格差へと貧困は負のループで生まれていきます。

そこに教育の重要性インフラの整備職業訓練などの様々な要素を組み込むことで負のループを断ち切っていける可能性が生まれます。

具体的な活動を以下にご紹介していきます。

 支援団体への寄付・募金

身近なところから今すぐにできることは寄付や募金です。

1番良い手段は直接自分の手で寄付を行うことですが、なかなかそれは難しいという方も多いので支援団体を利用するのが良いでしょう。

日本には数多くの支援団体がありますが、残念なことにその中には寄付せずに自分たちのお金として使ってしまうという悪徳団体もあります。

そのため寄付や募金をする際には事前に支援団体の下調べを行い、これまでの活動実績報告の確認やどんな人が代表者を勤めているのかを確認する必要があります。

しっかりと認定を受け信頼性のおける団体であることを確認したら、寄付や募金を行いましょう。

【私たちにできること|目標2「飢餓をゼロに」】寄付先まとめ

 ボランティア活動

貧困で困っている人を直接的に支援できる方法がボランティア活動です。

海外での活動は「スタディツアー」「ボランティアプログラム」の二種類があります。

スタディツアーでは現地の子どもたちとの現地交流がメインになり、ボランティアプログラムはホームステイをしながら現地の教育支援、農業支援など多岐にわたる内容を行います。

また日本でのボランティア活動は子どもたちの居場所作り、学習支援、自立支援、災害時ボランティアなどが挙げられます。

 教育支援にも参加

絶対的貧困にあたる多くが学校に通えない子どもたちや、十分な教育を受けられずに親になった人たちです。

経済格差は子どもたちの学力格差にも大きな影響を及ぼします。

これは先進国における相対的貧困の人々にも当てはまります。

発展途上国における教員の育成や学校の整備、また日本のような先進国では学生などによる学習支援ボランティアへの参加を積極的に行っていく必要があります。

「質の高い教育」を平等に世界の子どもたちが受けられるようになれば、貧困へ抜け出すための大きな足掛かりとなります。

あなたの地域でも子どもたちの学習支援を行っている施設があるかもしれません。

1人の行動変容が子どもたちの未来を明るくしていくための一歩となります。

まとめ

今回は​SDGs1「貧困をなくそう」の問題点と解決策/事例、私にできることを紹介しました!

日本ではあまり馴染みのなさそうな貧困問題でしたが、実際に高齢者の5人に1人も、子供の7人に1人も、年収122万円以下の相対的貧困がある事実に驚いた方も少なくないのではないでしょうか?

世界の子供たちが武器を持ち自ら進んで兵士になったり、感染症や病気の脅威にさらされている実情もよくわかりました。

今この瞬間にも命を落としている子供たちがいるかもしれないと考えると、非常に胸が苦しくなりますね。

私たちにできることはまず、貧困の現状についてよく知ることから始まります。

自分たちが住んでいる国ではどんな経済的支援を行っているのか自分が買っている商品の生産地はどんな環境なのか、知識を得ることで行動に移せます。

このようにSDGs1も決して他人事ではなく、私たち一人ひとりが今後支援団体への寄付・募金ボランティア活動、教育支援をしていくことで、「貧困をなくそう」を実践していく人が一人でも増えていけば、日本も世界ももっとより良い社会になっていくことでしょう。

この記事の監修者
阪口 竜也 フロムファーイースト株式会社 代表取締役 / 一般社団法人beyond SDGs japan代表理事
ナチュラルコスメブランド「みんなでみらいを」を運営。2009年 Entrepreneur of the year 2009のセミファイナリスト受賞。2014年よりカンボジアで持続型の植林「森の叡智プロジェクト」を開始。2015年パリ開催のCOP21で日本政府が森の叡智プロジェクトを発表。2017年には、日本ではじめて開催された『第一回SDGsビジネスアワード』で大賞を受賞した。著書に、「世界は自分一人から変えられる」(2017年 大和書房)