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カフェから広がるエコ活動!コーヒー文化が根付くオーストラリアが取り組む環境保全とは?

オーストラリアのカフェ

紅茶のイメージを抱かれやすいオーストラリアですが、コーヒーの文化が強い国でもあります。

国内におけるカフェの数も多く、1日に3杯以上のコーヒーを飲む国民もいるほどです。

そんなコーヒー文化を持つオーストラリアでは、カフェを通してさまざまなエコ活動が行われています。

単にコーヒーを提供するだけでなく、環境への配慮にも力を入れているオーストラリアのカフェ。

今回は、そんなオーストラリアのカフェが実施するエコ活動の詳細についてご紹介していきます。

オーストラリアはコーヒー文化の国

オーストラリアは、コーヒー文化が根付いている国です。

日本におけるカフェの数は、人口1億2592万人程度に対して約7万軒とされています。

一方、日本のわずか5分の1の人口しかいないとされるオーストラリアでは、2万5,000軒を超えるカフェが立ち並んでいます。

特に、オーストラリアにおける朝のカフェの需要は非常に高く、早朝5時から開店しているカフェも珍しくありません。

日常的にカフェを利用する国民も多いことから、カフェにおけるエコ活動は環境保全に大きくな効果をもたらすと考えられています

最もポピュラーなエコ活動は代用ミルク!

日本のカフェでも、近年オーツミルクや豆乳などの代用ミルクが提供されています。

アレルギー対策として注目されやすい代用ミルクですが、実は牛乳よりも高い温室効果ガス削減効果があることはご存知でしょうか?

牛乳を作る場合、まずは乳牛を飼育しなければなりません。

乳牛の飼育には餌となる穀物が必要ですが、穀物の製造過程において温室効果ガスが排出されます。

さらに、乳牛には温室効果ガスの一種であるメタンガスを排出するという性質があり、牛乳を作るために多くの温室効果ガスが発生しているのです。

一方、サスティナブルミルクという名称で呼ばれることもある代用ミルクの製造では、牛乳の3分の1程度まで温室効果ガス排出を抑えられます。

地球温暖化をはじめとする環境保護に大きなメリットをもたらすことから、多くのオーストラリアのカフェでは代用ミルクが提供されています。

代用ミルクのバリエーションも豊富で、オーツミルクや豆乳以外にも、アーモンドミルク、ココナッツミルク、マカダミアミルクなど種類はさまざまです。

それぞれの代用ミルクごとに異なるフレーバーのコーヒーを味わえるため、利用客も自分が気に入る代用ミルクを見つけやすくなっています。

カフェがエコ活動を行う場合、コーヒーの味が美味しくなければ長期的に続けるのは困難です。

利用客の満足度と環境保全の両方を叶えるために、オーストラリアのカフェでは多彩な代用ミルクを取り扱っています。

オーストラリアが向き合う温室効果ガス削減プラン

自然保護への意識が高いオーストラリアは、2021年に「Australia’s Long-Term Emissions Reduction Plan(2050年温室効果ガス排出量実質ゼロの目標に向けて)」という計画を発表しました

計画の主な概要は、オーストラリア国内における温室効果ガスの排出量を85%削減し、実質ゼロに近づけるというものです。
また、2030年を目途に2005年よりも26~28%少ない温室効果ガスの排出量を目指す旨も発表しており、オーストラリアが温室効果ガス削減に強い関心と熱意を持っていることが分かります。

実際、オーストラリアの温室効果ガス排出量は、2005年から2021年までの16年間で約21%減少しました。

温室効果ガスの排出量ゼロという目標を掲げているオーストラリアでは、各企業や国民も環境保全への意識が高まりつつあります

特に、多くの国民が利用するカフェにおいては、代用ミルクをはじめとするあらゆる方法でのエコ活動が行われているのです。

代用ミルク以外の環境保全にはどんなものがあるの?

温室効果ガス削減に効果がある代用ミルクですが、その他にもさまざまなエコ活動がカフェで行われています。

ここでは、再生可能エネルギーの利用、ゴミの減量、野生動物保護など、オーストラリア国内のカフェが実施する環境保全について解説していきます。

①コンポスト化可能な材質のカップや蓋を提供する

2万5,000以上のカフェが集まるオーストラリアでは、通勤・通学中、ウォーキングやランニングの最中、仕事の休憩中などにカフェを訪れる人もたくさんいます。

テイクアウトでコーヒーを買う利用客も多いことから、膨大な量の使い捨てコーヒーカップを日々消費しなければなりません。

そのため、環境意識が高いカフェでは、コンポスト化可能な材質のコーヒーカップを導入する動きが進んでいます。

コーヒーカップはもちろん、蓋も紙などの素材になっており、使用後はコンポストに投入すると土中で分解されます。

コンポスト化されたコーヒーカップや蓋は、堆肥として再利用可能です。

ゴミを最小限に抑えると同時に、植物の発育を助ける堆肥も作り出せることから、コンポスト化OKなコーヒーカップや蓋を提供するカフェが増えています

②ソーラーパネルを屋根に設置する

オーストラリアを歩いていると、屋根の上にソーラーパネルを設置したカフェを見かけることがあります。

ソーラーパネルに集まった太陽光が電力を生み出すことから、温室効果ガスの排出をゼロにしながら発電ができます。
カフェで消費する電力の一部を再生可能エネルギーでまかなうことにより、地球温暖化の防止に貢献しているのです。

③売り上げの一部が寄付されるチョコレートを販売する

中型・大型店舗のカフェで目にするのが、チャリティーチョコレートです。

日本でも、ドリンクやフードの提供以外に、コーヒー豆、マグカップ、タンブラー、缶に入ったお菓子といった商品を販売する店舗はたくさんあります。

オーストラリアでも棚に商品を並べる店舗はありますが、環境保護に繋がるチャリティーチョコレートを取り扱っているカフェも存在します。

例えば、絶滅が危惧されているビルビーやカモノハシをはじめとする野生動物の形のチョコレートを購入すると、売り上げの一部が保護団体に寄付される仕組みです。

また、野生動物の専門病院が寄付先となっているコアラのチョコレートなどもあり、カフェで販売されているチャリティーチョコレートの種類は多種多様です。

コーヒーのお供に小さなチョコレートを購入する利用客も多く、カフェにチャリティーチョコレートを置くことが野生動物保護の促進に繋がります。

ちなみに、チャリティーチョコレートには、寄付先と寄付金額が記載されているのが一般的です。

もしオーストラリアのカフェでチャリティーチョコレートを見つけたら、自分が興味のある野生動物保護施設が寄付先となっているチョコレートを選んでみましょう。

④車以外の方法で来店すると割引が適用される

カフェの中には、来店方法によって料金の割引を行っている店舗もあります

自動車の排気ガスに含まれる二酸化炭素は、地球温暖化に悪影響を及ぼします。

そのため、オーストラリアの一部のカフェでは、徒歩、自転車、バスといった車以外の方法で訪れた利用客に5%前後の割引を適用しているのです。

車を使わないことで、地球温暖化の防止に繋がるのはもちろん、利用客も経済的なメリットを得られます。

割引分の料金をカフェ側が負担することにより、利用客に環境保護の意識を持ってもらおうと考えているのです。

⑤ココナッツの殻で作ったココナッツボウルを販売する

海に囲まれたオーストラリアのカフェでは、ココナッツボウルを販売しているカフェもたくさんあります。

ココナッツボウルの原料は、ココナッツミルク、ココナッツジュース、オイルなどを作る際に出たココナッツの殻です。

本来は廃棄処分になってしまう殻ですが、ボウルとして販売することでゴミの削減に繋がります

丈夫さも兼ね備えており、実用性の重視と環境保護の両方を実現する商品として人気を集めています。

まとめ

オーストラリアのカフェでは、さまざまな方法による環境保全が実施されています。

特に代用ミルクの導入は、利用客も手軽に貢献できるエコ活動です。

日本に約7万軒あるとされるカフェは、私たちにとっても身近な存在です。

温室効果ガスの排出量削減に貢献したい場合は、代用ミルクを提供しているカフェを積極的に利用してみましょう。

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