個人でできるSDGsの取り組みとして、「寄付付きの商品の購入、サービスを受ける」という方法があります。
私たちを取り巻く環境や社会、経済の課題を解決するためには、国や企業の努力だけでは改善されません。私たち個人が意識を変えて、取り組む必要があります。
その中でも日頃の消費活動の中で寄付付きの商品を買ったり、サービスを受けたりすることは個人でもかんたんに取り組めて、SDGsの達成に貢献することができます。
今では多くの会社が寄付付きの商品・サービスを提供しており、この記事では食品・日用品・コスメ・サービスの4つのカテゴリーに分けて具体例を紹介していきます!
私たち1人1人が、身近でかんたんにできることをみつけるお手伝いができればうれしいです。
目次
寄付付きの商品・食べ物5選
寄付付きの食品を販売している例を5つ紹介します。
こどものためのカレーシリーズ ~体にやさしいカレーを食べて途上国の子どもを支援~
株式会社キャニオンスパイスが販売している「こどものためのカレーシリーズ・かぞくのためのカレーシリーズ」は、2009年から売り上げの一部を開発途上国の子どもたちを支援するプロジェクト(NGOプラン・インターナショナル)に寄付しています。
このシリーズは、化学調味料を一切使用していない体にやさしい商品でもあるので、家族の健康を維持しつつ、寄付もできるうれしい取り組みですね。
寄付型自動販売機 ~ペットボトルの一部が寄付になる!~
寄付型自動販売機とは、飲み物の購入1本ごとに、その購入額の一部が指定の団体に寄付されるというもの。支援先は自動販売機によってさまざまで、画像のように団体によってラッピングが異なり、約47の支援先があります。
支援先例
- 国境なき医師団 医療を受けることのできない人々への援助
- 子どもの未来応援基金 子どもの学習支援
- アニマルドネーション 補助犬育成の援助
街中で寄付型自動販売機を見かけたら、優先して購入してみてはいかがでしょうか。
森永製菓チョコレート ~チョコレートを食べて、カカオの国の子ども支援~
森永製菓株式会社が、2008年から行っている「1チョコfor1スマイル」キャンペーン。
ガーナチョコレートなど商品の売り上げの一部を、カカオ生産国の子ども支援として寄付しています。毎年「特別月間」を設けており、森永チョコレートの対象商品1個につき1円を寄付するキャンペーンを実施しています。この期間は、バレンタイン前の1~2月が多いようです。
NGOプラン・インターナショナル、NGO・ACE(エース)を通して、ガーナやカメルーンの子どもを支援する以下のような取り組みを行っています。
- 児童労働をなくす取り組み
- 校舎と男女別トイレの建設
- 教室備品を支給して学習環境を改善する
チョコレートを食べて、チョコレートの生産国を支援するというのが、支援の関連性があって良いですね。
ヒトサラ ~レストランを予約するだけで20円の寄付になる!~
USEN-NEXT GROUPが運営する「ヒトサラ」というサイトでレストランを予約すると、1つの予約につき20円が寄付金となります。20円は開発途上国で1食分になり、ヒトサラ(一皿)の給食がTABLE FOR TWOを通じて子どもたちに届けられます。
TABLE FOR TWOは、「先進国と開発途上国の子どもたちが食事を分かち合う」というコンセプトで活動している団体です。「先進国で1食とるごとに、開発途上国に1食が贈られる」というプログラムを展開しています。
レストラン予約をする際に、普通のサイトからヒトサラに変えるだけで寄付ができるのは手軽ですよね。
レッドカップキャンペーン ~対象商品を買って途上国に学校給食を~
「レッドカップ」とは国連WFPが給食を入れる容器として使っている赤いカップのこと。レッドカップキャンペーンに賛同する企業が、赤いカップのマークが付いた商品を販売しており、対象商品を購入すると、その売り上げの一部が企業から寄付される仕組みです。
2011年にキャンペーンが始まり、累計60か国以上、1,500万人以上の子ども達に学校給食を届けてきました。
キャンペーン商品には、以下のようなものがあります。
- 加工食品
チキンラーメン(日清食品)、とんがりコーン(ハウス食品)など - 生鮮食品
ミネラルウォーター(アサヒ飲料)など - 日用品雑貨
ランドセル(株式会社グラム)など - その他
レッドカップのマークを見つけたら、優先して買ってみるのも良いかもしれませんね。
寄付付きの日用品5選
次に、寄付付きの日用品を販売している例を5つ紹介していきましょう。
ARTIDA OUD ~ブレスレットを買うだけで、最大1,100円の寄付になる!~
オンライン販売を主とするジュエリーブランド「ARTIDA OUD」は、寄付付きの商品を販売しています。
対象商品のブレスレットを買うと1,000円が寄付され、さらに商品写真をインスタグラムにアップすると追加で100円が寄付されるというプロジェクトを行っています。(支援先:NGOプラン・インターナショナル)
1つの商品を買うだけで、最大1,100円の寄付ができるのです。
ARTIDA OUDでは、2020年に「インドに学校を建てる“I am”ドネーションプロジェクト」を立ち上げ、特に子ども教育支援に寄付をしてきました。現在は、緊急的にコロナウイルス対策支援をしているそうです。
1つの商品を買うだけで、最大1,100円が寄付になるというのは、寄付金額としてはとても大きいですね。
シチズンクロスシー ~時計の売り上げの一部が途上国の女の子の支援になる~
レディスウォッチブランド「シチズンクロスシー」を購入すると、売り上げの一部が開発途上国の女の子を支援する活動に寄付されます。シチズン時計は、2013年からNGOプラン・インターナショナルの「Because I am a Girl」キャンペーンに賛同し、この活動を支援しています。
特に女性の問題に特化した支援を行っており、ネパールで月経についての知識を深める研修を行ったり、啓発イベントを開催したりしています。
女性向けのブランドが、女性に特化した支援を行っているというのも関連性がありますね。
オーガビッツ ~オーガニックコットンの商品を買って、農家に寄付を~
豊島株式会社のオーガニックコットンブランド「オーガビッツ」。「オーガニックコットンを通して、みんなで”ちょっと(bits)”ずつ地球環境に貢献しよう」というコンセプトで始まったブランドです。オーガニックコットンの普及により有機農地を広げ、環境汚染を改善していくことを目標としています。
オーガビッツを使用した商品にはオリジナルのタグが付いていて、このタグ1枚につき1円が、一般財団法人ピース・バイ・ピースコットンに寄付される仕組みです。インドのオーガニックコットン農家の支援などを行っています。
オーガニックコットンの商品を買うだけでも、地球環境に貢献していると言えますが、さらにオーガニックコットン農家にも寄付をすることができる仕組みは素晴らしいですね。
チャリティ年賀状 ~年賀状を買うだけで、国内の貧しい子どもを支援できる~
株式会社博報堂アイ・スタジオが主催している「チャリティー年賀状」。「全国学生デザインコンテスト」の入選作品を商品化し、年賀状として販売しています。
1枚購入すると、公益社団法人チャンス・フォー・チルドレンへ10円が寄付され、経済的な困難を抱える国内の子どもたちの教育支援にあてられます。
毎年買っている年賀状を、チャリティー年賀状に変えるだけでかんたんに子どもの支援をすることができますね。
mont-bell(モンベル) ~寄付付きTシャツを買って、自然保護活動を支援しよう!~
アウトドアブランドのモンベルが、ユニークな寄付付きTシャツを販売しています。
約25種類のデザインがあり、それぞれ支援先が異なります。アウトドアブランドのため、支援先は自然保護団体が多いようです。
アウトドア活動を楽しむ人は、自然環境にも関心が高いはずです。気に入ったデザインのTシャツを身に付けてアウトドアを楽しみ、それが環境保護にもつながる良い取り組みですね。
<支援先例>
- 認定NPO法人 ボルネオ保全トラスト・ジャパン
ボルネオの熱帯雨林を守り、動物と人が共に生きる社会づくりに取り組む - 日本一心プロジェクト
東日本大震災復興支援 - 日本自然保護協会
日本の自然保護や絶滅危惧種を守る - 鎮守の森のプロジェクト
災害からいのちを守る森をつくる - バードリサーチ
人と自然が共存するための鳥類調査を行う
寄付付きのコスメ5選
次に、寄付付きのコスメ商品を販売している例を5つ紹介しましょう。
sioris(シオリス) ~美容液を買うだけで植樹に寄付できる~
COSMOS ORGANIC認証(ヨーロッパのオーガニック認定機関)のある韓国発ヴィ―ガンスキンケアブランドsioris(シオリス)。
美容化粧水「マイファーストエッセナー」を購入すると、1本につき約100円(1/3本の植樹ができる金額)を「FOREST FOR LIFE」(韓国の土壌再生組織)に寄付しています。木を植えることで、CO2排出量削減のための土壌再生に取り組んでいます。
オーガニックコスメで自分も美しく、そして土壌再生にも貢献できるのはうれしいですよね。
エスティ・ローダー ~乳がんキャンペーンでチャリティコスメを買おう~
1992年に故エブリン H. ローダーが創設して以来、乳がんの早期発見と予防を目的に知識啓発や医療研究への寄付活動などを行う「乳がんキャンペーン」を毎年展開しているエスティ ・ローダーグループ。
毎年10月にキャンペーンを実施し、売り上げの一部が乳がんの医療研究の寄付になるチャリティコスメを販売しています。2020年のキャンペーンでは、リップや保湿クリーム、香水などを寄付付き商品として販売しました。
チャリティ商品は、ピンクリボンのイメージカラーであるピンクのものが多いです。商品としての見た目もかわいく、自分の美容のためにもなり、さらに女性のための寄付もできるのはうれしいですね。
LUSH(ラッシュ) ~全額寄付になる!チャリティポットコイン~
手作りのせっけんなどのコスメ商品を手掛ける株式会社ラッシュジャパンが、「全額寄付」という商品を販売しています。
固形タイプのボディローション「チャリティポットコイン」は、消費税を除く売り上げの全額が動物の権利擁護、人権擁護、環境の保護に取り組む草の根団体に寄付されます。植物性の原材料だけを配合するというこだわりもある商品です。
デザインにも意味があり、
- 肉球 → 動物の権利
- 手 → 人権
- 葉っぱ → 環境保護
を表しています。
2007年に『チャリティポット』を発売して以来、総額約6億円を助成・寄付してきた実績があります。(2021年1月時点)
支援先:(国内外の団体)
- 自然環境の保護活動
- 動物の権利擁護活動
- 人権擁護・人道支援・復興支援活動
Trilogy(トリロジー) ~オーガニックコスメを買って、子ども・女性の支援に!~
2002年から始まったニュージーランドのスキンケアブランド。ナチュラル&オーガニック認証を受けていて、ローズヒップオイルが一番の人気商品です。
トリロジーの商品は、
- 動物実験をしない
- 合成香料および合成色素・遺伝子組み換え植物・石油系原料・シリコンオイルとその誘導体を使用しない
などの基準を設けており、オーガニック認証も受けている安心・安全なスキンケアブランドです。
トリロジーでは一部の該当商品の売り上げから、2NZドル(日本円にして約160円前後)をケニア・タンザニアで活動する団体「So They Can」に寄付しています。子どもの教育や女性の自立支援として、貧困から抜け出せるよう長期的な支援を目指しています。
Spoon Spoon(スプーン・スプーン) ~エシカルコスメを使って、自分にも環境にも社会にもやさしく~
日本のエシカルコスメブランド「スプーン・スプーン」は、農薬や化学肥料を使わずに育てた植物を原料に使っています。
スプーン・スプーンの売り上げの一部は、公益社団法人国土緑化推進機構「緑の募金」に寄付され、日本の森林保護に使われます。また、障害者支援にも力を入れており、ハーブの生産や印刷の仕事の一部を福祉作業所で行っています。
スプーン・スプーンでは以下3つの「いいこと」を掲げています。
- 私にいいこと
- 環境にいいこと
- 社会にいいこと
原材料が安全なものを自分のために使うことが、環境や社会にも良いことにつながっているということです。
寄付付きのサービス5選
最後に、寄付付きのサービスの例を5つ紹介します。
GDO「ゴルフ菜園プロジェクト」 ~いつも通りにゴルフをするだけで途上国の菜園に寄付できる!~
株式会社ゴルフダイジェスト・オンラインが行っている「ゴルフ菜園プロジェクト」。
「GDOスコア管理」アプリをダウンロードしてゴルフをするだけで、開発途上国に菜園をつくるための農業支援をサポートすることができるという画期的なプロジェクトです。
利用者がバーディ、イーグル、ホールインワンなどの好プレーをアプリにカウントすると、「TABLE FOR TWO」を通じてアフリカなどの開発途上国に菜園をつくることに寄付できます。
- 1バーディ=10円
- 1イーグル=2バーディ換算
- 1アルバトロス、エース(ホールインワン)=3バーディ換算
- 1菜園=15万円
スコアの管理もできて、寄付もできるなんて一石二鳥のすごいアプリですよね。
石原果樹園 ~おいしいぶどうを食べて、途上国の子ども達の給食支援~
岡山県にあるぶどう、梨、柿などを生産している石原果樹園。
石原果樹園で果物狩り、果物発送をすると、国内災害や開発途上国に10円寄付されます。アジアやアフリカへの支援はTABLE FOR TWOを通して、子どもたちの給食になるという取り組みです。
石原果樹園のような地方の会社でも、団体を通じて社会貢献ができる仕組みが少しずつ広がっているんですね。
ハチドリ電力 ~自然エネルギー100%の電力を使って、好きな団体に寄付できる~
株式会社ボーダレス・ジャパンが運営する「ハチドリ電力」は、CO2ゼロの自然エネルギー100%の電力を販売する会社として、2020年4月からスタートしました。電気料金の1%がNPOなどの団体への寄付となり、この支援先は電気利用者が選ぶことができます。
活動団体は2020年4月時点で13団体あり、以下3つのカテゴリーから選ぶことができます。
- 活動テーマ
- 活動場所
- 応援コメント
「子どもの貧困・教育」や「自然環境の保護」、「出産・子育て」など、サイト上ではわかりやすいアイコンが付いているので、関心のある活動が選びやすくなっています。
自然電力に切り替えを検討している方は、さらに寄付もできるハチドリ電力も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
donedone(ドネドネ) ~モバイルサービスを利用するだけで毎月50円の寄付ができる~
ビッグローブ株式会社が、2021年7月から始めたモバイルサービスブランド「ドネドネ」。
月額2,480円(税込2,728円)で月間50GBを利用できるサービスで、環境保全や医療支援などの活動に月50円寄付する「ドネーションプログラム」が組み込まれています。ドネーションプログラムには5つの支援団体があり、月額利用料から50円を継続的に寄付することができます。
ドネドネは、「社会貢献やより良い未来を考えるためのきっかけをつくるモバイルサービスブランド」をコンセプトに掲げています。
若いタレントを起用したテレビCMも始まっており、今まで寄付や社会貢献に関心のなかった世代にも普及できそうな取り組みですね。
- 教育支援 「ワールド・ビジョン・ジャパン」
- 健康支援 「シェア=国際保健協力市民の会」
- 海洋保全 「エバーラスティング・ネイチャー」
- 環境保全 「オックスフォード大学 動物研究機関WildCRU」
- 医療支援 「JCCG日本小児がん研究グループ」
KURADASHI ~買い物をするだけで、フードロス削減になり寄付もできる!~
KURADASHIは、フードロス削減に取り組み、売り上げの一部を環境保護や動物保護などの社会貢献団体に寄付をする日本初・最大級の社会貢献型ショッピングサイトです。フードロス削減に賛同するメーカーから協賛価格で商品の提供を受け、最大97%OFFで販売しています。
利用方法は、KURADASHIのサイトで無料会員登録をして買い物をするだけ。
食品、飲料、日用品、美容、健康などさまざまな商品が揃っています。商品をクリックすると、どの団体にいくら寄付されるか、支援先と金額がわかりやすく表示されます。
普段のお買い物をKURADASHIに変えるだけで、フードロスの削減に協力でき、社会貢献団体に寄付をすることができますよ。まずは無料の会員登録をしてみてはいかがでしょうか。
- 環境保護支援
- 海外支援
- 社会福祉支援
- 災害対策支援
- 医療支援
- 動物保護支援
- 地方創生支援
- フードバンク支援
など約14団体
まとめ:手軽に取り入れられる寄付付き商品
売り上げの一部から寄付される商品を、以下のシチュエーション別に全部で20個紹介しました。
全て商品を買うだけ、サービスを利用するだけで寄付になります。とっても手軽にできるので、できそうなものを選んでみてはいかがでしょうか。
手軽に寄付ができる寄付付き商品やサービス、これからもっと浸透していきそうですね。