エシカルを始めよう!基本の説明・エシカル商品の紹介も

最近耳にする機会が増えた「エシカル」という言葉。

なんとなく意味は知っていても、具体的に日常生活に取り入れる方法がわからない方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、エシカルの意味や、生活のなかに取り入れるためのヒントを紹介します。エシカルを始めるために、エシカルに関する商品もピックアップしたのでぜひ目を通してみてください!

この記事の監修者
阪口 竜也 フロムファーイースト株式会社 代表取締役 / 一般社団法人beyond SDGs japan代表理事
ナチュラルコスメブランド「みんなでみらいを」を運営。2009年 Entrepreneur of the year 2009のセミファイナリスト受賞。2014年よりカンボジアで持続型の植林「森の叡智プロジェクト」を開始。2015年パリ開催のCOP21で日本政府が森の叡智プロジェクトを発表。2017年には、日本ではじめて開催された『第一回SDGsビジネスアワード』で大賞を受賞した。著書に、「世界は自分一人から変えられる」(2017年 大和書房)

エシカルとは

エシカル(ethical)とは、直訳すると「倫理的な・道徳的な」という意味になります。簡潔に言えば、「環境」「」「社会」にたいして思いやりを持つことがエシカルです。

現在、先進国の生活が豊かになった裏では、

  • 人権を無視した過酷な労働
  • 許容範囲を超えた森林伐採により、動物の住処を奪っている

など、さまざまな事態が世界中で起きています。

そのため、このような問題を解決するために、エシカルな消費行動、つまり「エシカル消費」に注目が集まりました。

エシカル消費に注目が集まる

エシカル消費に注目が集まるようになったのは、1997年、イギリスのブレア首相のスピーチがきっかけでした。

ブレア首相は「今後の外交は、発展途上国の犠牲の上に先進国の豊かさが成り立つものであってはならない」と語り、世界中で反響を呼びました。以降、イギリスを筆頭に世界中でエシカルの概念が広まっていったのです。

また、2001年のアメリカ同時多発テロや2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災などといった出来事を機に、人々の社会貢献意識が高まっていきます。そして次第に人々の価値観が変化し、エシカル消費に注目が集まったと考えられています。

フェアトレード

エシカル消費を考える上で欠かせないキーワードがフェアトレードです。

フェアトレードとは

途上国の生産者の生活を守るため、適正な価格で取引を行う貿易の仕組みを指します。

私たちが普段安く洋服や食べ物を購入できるのは、生産者・製造者にしっかり賃金が払われていない可能性があります。発展途上国の人々は一日中休まず働いたとしても、賃金は数十円~数百円ほど。これでは人間らしい生活を送ることはできません。

そこで途上国の人々の生活を保護することを目的に、1997年国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)が設立されました。

フェアトレード機構では、公正な取引が行われている製品にフェアトレードラベルを発行しています。

公正な取引かは、

  • 適正価格であるか
  • 安全な労働環境か
  • 児童労働はされていないか
  • 過度に農薬などが使われていないか

などの条件をクリアしているかによって判断されます。

現在ラベル推進組織は、世界30ヶ国以上に展開されており、フェアトレードは広く認知されつつあります。

日本でもエシカルの認知が高まりつつある

最近では、日本でもエシカルの認知が高まりつつあります。その理由は、メディアで頻繁に取り上げられるようになった「SDGs」が関係しているのです。

SDGsとエシカルの関わり

SDGsの概要を簡単に確認しましょう。

SDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。

2015年開催の国際サミットで、2016年から2030年までの15年の間に地球を保護、様々な貧困を解消し、すべての人が平和と豊かさを得られる社会を目指し設定されました。SDGsには17個の目標があり、エシカルは特に目標12「つくる責任 つかう責任」と関係しています。

目標12「つくる責任 つかう責任」と関係

SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」とは、モノづくりを生産から消費、廃棄までのすべての段階で持続可能な形態へ転換していくことがテーマです。持続可能な地球にするためには、環境に加えて人も保護する必要があり、エシカルを心がけることは貧困の解消にもつながります。

目標12「つくる責任 つかう責任」以外の目標も、地球を持続可能なものにするために世界中で協力して取り組む必要があります。SDGsの認識が高まるにつれて、エシカルにも注目が集まってきたのが背景にあるのです。

SDGs12「つくる責任つかう責任」現状と取り組み、私たちにできること

エシカルライフを取り入れるヒント

「エシカルについて大体理解できたけど、実際の生活に取り入れるためにはどうしたらいいの?」と悩む方も多いと思います。そこでこの章では、エシカルライフを送るためのヒントを見ていきましょう。

日常生活に取り入れやすいコスメやフード、ファッションなどについて紹介するので、ぜひ目を通してみてください。

エシカルコスメ

エシカルコスメを生活に取り入れてみましょう。

エシカルコスメとは、人や環境に優しい化粧品を指します。

それだけを聞くと、オーガニックコスメと同じでは?と思うかもしれませんが、定義が少し異なります。それぞれの定義は次の通りです。

オーガニックコスメ

化学成分を使用せず、自然由来もしくは植物性成分を使用している化粧品

エシカルコスメ

化学成分を使用せず、自然由来もしく植物性成分を使用している化粧品
               +
フェアトレードや労働搾取などに対して、売り上げの一部を寄付している化粧品

化学成分を使用していないオーガニックコスメに対し、エシカルコスメは消費者のみならず、製造している側にも配慮されています。

そしてエシカルコスメであるかは、フェアトレード認証ラベルやMSC認証ラベルで確認できます。

エシカルフード

食事にもエシカルを取り入れることができます。

エシカルフードとは、社会や環境に優しい食べ物を指します。実は私たちの食事にも環境破壊が潜んでいるのをご存知でしょうか?

例えば、普段食べているお肉を生産するために大量の水や穀物を消費しています。私たちがお肉を食べる頻度が増えるほど、畜産に必要な資源も増えるため、結果的に環境破壊につながってしまうのです。

地産地消やお肉を食べる頻度を減らしてみる

とはいえ、実際に取り入れるには簡単にどうしたらいいの?と思う方も多いと思いますが、私たちに身近なスーパーでエシカルを取り入れることができます。

例えば、商品に「〇〇県△△市の××さんが作りました」といった生産者の顔や名前が記載されている食材を購入するのは地産地消につながります。自分の住んでいる地域で生産された食材を買えば、運送する際のCo2排出が抑えられます。

また、お肉を食べる頻度を減らす「ミートフリーマンデー・オールジャパン(MFMAJ)」といった活動も存在しています。ほかにもお肉の代わりとして、大豆を繊維状にした大豆ミートを食べるのもおすすめです。後述するフェアトレードや、MSC認証のラベルが貼付されている食材を探してみるのも良いでしょう。

エシカルファッション

普段着ている洋服でもエシカルライフを取り入れることができます。

エシカルファッションとは、環境や人に配慮されたファッション製品。環境や人に配慮されているというのは、農薬を使わないオーガニックコットンや、栽培する農地や水を極力減らせるリネン(麻)を使っていたり、生産者の人々にもしっかり賃金が支払われていたりすることを指します。

エシカルファッションは、ファストファッションとは真逆な考え方と言えるでしょう。リーズナブルな価格で、素早く流行を取り入れるファストファッションに対し、生産者にしっかり対価を支払われた製品を、長く大切に使おうというのがエシカルファッションなのです。

普段の生活のどのような場面でエシカルを取り入れるのか分かったところで、判断する方法について見てきましょう。

エシカルか判断するには?

エシカル製品かどうかは「フェアトレードラベル」「FSC認証」「MSC認証」「エコマーク」などの認証ラベルで判断できます。認証ラベルがついている製品は、厳しい基準を通過している証拠です。ここでは、4つの認証ラベルにしぼって紹介するので、エシカル製品を購入する際はぜひチェックしてみてください。

フェアトレードラベル

先述したように、フェアトレードラベルを目印に商品を探してみましょう。

フェアトレードラベルは、国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)で決められた基準(社会的・環境的・経済的に持続可能な生産)を満たした製品に貼付されています。

貼付されていることで、開発途上国の生産者への適正価格の保証や、人権・環境に配慮した一定の基準が守られていることを示しています。フェアトレードラベルは、世界的に認知されたエシカルラベルの1つと言えるでしょう。

製品によっては、フェアトレードラベルに矢印が書かれており、認証原料と調達方法について確認ができます。水色と黄緑で彩られたラベルで、一目見てフェアトレード製品とわかるのもポイントです。

FSC認証

FSCとは、森林管理協会(Forest Stewardship Council)の略称。違法な伐採から森を守るために設立された非営利組織です。違法な伐採による森林破壊は地球温暖化の進行を速めるとともに、動物たちの住処を奪うことにもつながります。

FSC認証マークは、厳しい審査をクリアした木材から作られた製品でなければ取得できません。

最近では、大手製紙メーカー会社でもFSC認証の取得する動きが出ています。日々無意識のうちに消費しがちな紙製品ですが、FSC認証マークのある紙製品を使用することで、森林破壊や動物たちを守ることができるのです。

MSC認証

MSCとは、海洋管理協議会(Marine Stewardship Council)という海を守る非営利組織です。MSCが環境に配慮した漁業で獲られた水産物だと認めた製品のみ、MSC認証(海のエコラベル)をつけることができます。

MSC認証の認定基準は以下の3点です。

  • 資源の持続可能性
  • 漁業が生態系に与える影響
  • 漁業の管理システム

普段私たちが当たり前のように食べている魚介類は、 世界的な人口の増加や過剰な漁獲などによりここ数十年で急速に減少しています。

このままだと魚たちがいなくなることはもちろんのこと、漁業の人々の仕事すら無くなってしまう状況となるでしょう。魚を購入する際は、MSC認証の商品があるか確認してみてください。

エコマーク

こちらは、日本人にとって一番身近なエシカルかもしれません。エコマークは日本環境協会の登録商標で、

  • リサイクル
  • 再生可能なプラスチックを原料としているか
  • 有害な化学物質を使わない製造方法か
  • 長く使えるか
  • 焼却しても害はないか

など、商品の一生(ライフサイクル)を考えています。

現在、約5000の商品が厳しい審査を経てエコマークの認定を取得しています。学校や職場で使うノートやボールペン、パソコンなど至るところでエコマークを見つけることができるでしょう。普段使うアイテムをエコマーク商品から選んでみるのもおすすめです。

エシカルは具体的にどんな生活?

ここまで、エシカルライフを送るためのヒントやエシカル商品を選ぶ際に見分けるポイントについて紹介しました。

それでは実際にエシカルを生活に取り入れるためのおすすめの商品を紹介します。朝・昼・夜と時間帯に分けて紹介するので「自分はどの時間帯なら取り入れられそうかな?」と想像しながら読み進めてみてくださいね。

朝はエシカルな歯磨きからスタート!

バンブー歯ブラシで、朝の歯磨きからエシカルを取り入れてみましょう。普段私たちが使っている歯ブラシは、ほとんどがプラスチックで作られています。

それに対してバンブー歯ブラシは、名前の通り「」で作られているのが特徴です。定期的に交換する歯ブラシ選びを工夫すれば、結果的にプラスチックの削減につながります。

スウェーデンで製造されている「THE HUMBLE CO.」の歯ブラシは、持ち手が竹で作られており、見た目もスッキリとしたデザインとなっています。加えてブラシの部分は、ホワイト・パープル・イエロー・ブルー・ブラックの5色を展開。家族全員で使用する際も使い分けることができます。

フェアトレード産のコーヒーを持って出勤!

毎日飲むコーヒーをフェアトレード産にしてみませんか?フェアトレード産のコーヒーは、カフェや輸入食品店、オンラインショップなどで手に入れることができます。フェアトレード産のコーヒーには、認証ラベルが貼られているのでチェックしてみてくださいね。

また、コーヒーを入れる容器にもエシカルを取り入れてみましょう。

エコーヒーカップ」は、バンブーファイバーやトウモロコシ繊維などから作られており、繰り返し使用可能です。保温効果もあるので温かいコーヒーを職場や自宅で飲むことができます。見た目も可愛らしいので、朝のコーヒータイムが楽しみになること間違いなしです。

ホッと一息。エシカルおやつ

仕事の息抜きに食べるおやつでも、気軽にエシカルが取り入れられます。

コーヒーと同様、フェアトレードのチョコレートがたくさん販売されています。今回紹介する「ゲパ カカオニブ ダークチョコレート」に含まれている成分は、すべて有機栽培されたもの。

カカオ分70%の有機ダークチョコレートとカカオニブのサクサク食感がクセになります。なお、販売元であるゲパは、創業40年以来フェアトレードの先駆けとなっている企業です。フェアトレード産のチョコレートで、有意義なおやつ時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

オフィスの冷え対策に!

「夏の職場は冷房が効きすぎて体は冷える……」「上手に体温調節したい…..」そんな時に大活躍なのが「米ぬかカイロ」です。

株式会社山燕庵が製造している米ぬかカイロ「ぬくぬくのぬか」の原料は、米・米ぬか・塩・ハーブ類のみで、化学成分を一切使用していないのが特徴です。使い捨てカイロのようにゴミにならず、何度も使用できます。さらに、寒さ対策だけでなく冷やしておけば、暑い時期のクールダウンや、発熱した際の氷枕代わりとしても使えるのもポイントです。

エシカルに食器を洗う

食器を洗うアイテムにもエシカルを取り入れてみましょう。環境先進国・ドイツで作られた「e.スポンジワイプ BENGT&LOTTA 」は、スポンジや布巾など様々な用途で使用できます。e.スポンジワイプ BENGT&LOTTAの特徴は「速乾性」です。

絞ってそのまま置いておいても、翌日には乾いているため、水切りマットとしても使える優れたエシカルかつ便利な商品です。またスポンジワイプは、猫柄やカラフルなど可愛らしいデザインなので、家事のモチベーションも上がるでしょう。

エシカルなシャンプーですっきり

「仕事で疲れて帰ってきた後は、ゆっくりお風呂に入りたい……」実は普段使うシャンプーもエシカルに変えることができます。固形バーのシャンプー「エティーク」について詳しく説明します。

エティークの特徴

年間800億本廃棄されるシャンプーとコンディショナーのプラスティックボトルは、たったの9%しかリサイクルされていません。この現状を受けエティークは、容器のない固形バーを作り、2019年までの7年間で600万本のプラスティックボトルの削減を実現しました。2025年までに、5,000万本削減を目標にしています。

パッケージも環境に優しい

また、生分解性(微生物によって分解される物質のこと)で作られたパッケージは、土に還るのが特徴です。さらにインクに関しても、植物からとれるベジタブルインクを使用しています。たとえば、開けたパッケージに土とタネを入れて、植物を育てることもできるのです。

エシカルライフにおすすめの本

最後に、エシカルライフを送りたい方におすすめの本『はじめてのエシカル 人、自然、未来にやさしい暮らしかた』末吉里花著(山川出版社2016年刊)を紹介します。著者の末吉里花さんは、2015年に一般社団法人エシカル協会を立ち上げ、現在も代表理事を務めています。

TBS系テレビ番組『世界ふしぎ発見!』でミステリーハンターを務めていた末吉さん。その時に世界各地の子供たちが労働している姿や過酷な労働環境を目の当たりにし、エシカルについて考えるようになったそうです。

当著書は、エシカルに知識がない方にもわかりやすく説明されています。また、本の最後には「エシカルショッピング・ガイド」といったエシカル商品を取り扱うお店の紹介ページがあるので、自分の生活にエシカルを取り入れたい方におすすめの一冊です。

エシカルライフを始めてみましょう

この記事では、

  • エシカルの意味やエシカルライフを始めるためのヒント
  • エシカル製品の判断方法
  • 自分の生活習慣にエシカルを取り入れる方法

を詳しく見てきました。

「エシカル」という言葉や定義を見ると、生活に取り入れるのはハードルが高そう……と思うかもしれません。しかし実際にエシカル商品を知れば、気軽に始められるエシカルがたくさんあります。

無理はせず、自分の取り入れやすいことからエシカルライフを始めてみませんか?

※参考文献
世界のエシカルブランドと中国におけるエシカル動向に関する考察
“この買い物が社会貢献に!”広がる「エシカル消費」
認証ラベルについて
みつけよう。森を守るマーク。
MSC「海のエコラベル」とは
エコマークにようこそ! for キッズ