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地球の限界が分かるプラネタリーバウンダリーとは?SDGsとの関係も

「地球の資源は有限」ということは、最近では子供でも知っていることですが、実際にはどれくらい地球には資源があるのでしょうか?

地球の限界が分かるプラネタリーバウンダリーの10項目を知り、より良い豊かな未来のために、何か新しいことを始めてみませんか?SDGsとの関係などもわかりやすく解説します。

プラネタリーバウンダリーとは

プラネタリーバウンダリーとは、地球システムの安定的な状態を維持するために人間活動が守るべき境界線のことです。これは、地球環境が許容できる限界を項目ごとに定めたものです。人間活動がこれらの限界を超えると、不可逆的な変化を引き起こし、地球の生態系が崩壊する可能性を警示しています。

プラネタリー・バウンダリーは、2009年にストックホルム大学のスティーブン・ロックストローム教授らによって提唱されました。当時は9つの項目でしたが、2022年には新たに化学物質が追加され、10項目となりました。

プラネタリーバウンダリーと地球の循環バランス

地球は、大気・水圏・生物圏など様々なシステムが複雑に絡み合い、バランス良く循環している巨大な生命体です。人間活動がプラネタリーバウンダリーの示す境界線を超えると、地球の回復が追いつきません。その結果、将来の地球は生き物の住めない場所になってしまう可能性があるのです。

将来も地球が生命の豊かな場所であり続けるためには、このような大きな循環の中に私たち人間も暮らしており、この自然の循環の流れを乱さない暮らしを心がける必要があります。

【関連記事】ガイア理論とは?例を交えながらわかりやすく解説!

プラネタリーバウンダリーが注目されるようになった背景

人類の歴史において、人間は長い間、自然と共生する暮らしを営んできました。しかし、文明の発展、農業の拡大、産業革命などを経て、人間社会は大きな変化を遂げ、環境に大きな負荷をかけるようになりました。

特に、ここ200年ほどの人間の発展は劇的だったと言えます。その中で近年、プラネタリーバウンダリーが注目されるようになった背景には、以下の5つの要因が考えられます。

①文明の発展と階級社会の形成

古代文明においては、農業や灌漑技術の発展により、食糧生産量が増加し、人口が集中するようになりました。これは、都市の形成と階級社会の誕生を促し、人間が自然を支配する意識を芽生えさせました。

②農業の大規模化と森林伐採

中世以降、農業技術の進歩により、農地の面積が拡大しました。しかし、その一方で、森林伐採が進み、土壌の劣化や生物多様性の喪失が問題となりました。

③産業革命と化石燃料の利用

18世紀後半に起こった産業革命は、蒸気機関の発明をきっかけに、機械工業の発展を促しました。この過程で、大量の化石燃料が消費されるようになり、大気汚染や気候変動などの問題が発生しました。

④資本主義の台頭と物質的な豊かさの追求

19世紀以降、資本主義が台頭し、経済成長と物質的な豊かさが重視されるようになりました。この風潮は、大量生産、大量消費、使い捨て文化を生み出し、環境負荷をさらに増加させました。

⑤人口増加と都市化

20世紀以降、人口が爆発的に増加し、都市化が進みました。この影響で、資源の消費量増加や廃棄物の増加を招き、環境問題を悪化させました。

これらの要因によって、人間の活動は地球環境に深刻な影響を与えるようになりました。そして20世紀後半以降、地球温暖化や生物多様性の喪失など、環境問題が顕著化し、プラネタリーバウンダリーという概念が提唱されるようになったのです。*1)

プラネタリーバウンダリーの10項目

プラネタリーバウンダリーは現在、地球環境の保全と持続可能な未来を考える上で重要な指標となっています。これは、地球の生態系における安全な範囲を示すものであり、

  1. 気候変動
  2. 海洋の酸性化
  3. 新規化学物質
  4. 窒素
  5. リン
  6. 淡水の利用
  7. 土地の改変
  8. 生物多様性の損失
  9. 大気汚染
  10. オゾン層の破壊

の10項目に分けられてそれぞれの状況を分析し、今後の取り組みを検討する指標として活用されています。

それぞれの項目を確認していきましょう。

【プラネタリーバウンダリー】

①気候変動

気候変動は、地球の平均気温上昇と極端な気象現象の増加を指します。特に、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出が原因で、地球全体の気候バランスが変わりつつあります。

現在、気温上昇は産業革命前比で約1.2℃の増加を見ており、この傾向は続くと予想されます。

②海洋の酸性化

海洋の酸性化は、大気中の二酸化炭素が海水に溶解することで海水が酸性化する現象です。これにより、サンゴ礁の減少や貝類の生存率の低下が引き起こされています。

海洋生態系にとって深刻な影響を及ぼしており、持続可能な海の環境を脅かしています。

③新規化学物質

新規化学物質とは、人間が製造した化学物質で、自然界には存在しないものを指します。

これらの化学物質は、新しい製品や技術の開発に伴って登場し、環境に長期間残り、生態系に未知の影響を与えるおそれがあります。

新規化学物質には、例えば

  • 人工的な農薬
  • 医薬品
  • 化粧品成分
  • プラスチック添加剤

などが含まれます。これらの化学物質は、製造や使用、廃棄の過程で環境中に放出されることによって自然界に混入します。現在、多くの化学物質が規制の対象となっているものの、新しい化合物の影響は完全には解明されていません。

④窒素

窒素は農業における肥料として広く使用されています。しかし、過剰な窒素は水質汚染の原因となります。特に、窒素が豊富な排水が川や湖に流れ込むことで、水生生物に悪影響を及ぼし、生態系のバランスを崩すことがあります。

⑤リン

リンもまた重要な肥料成分ですが、窒素と同様に過剰な利用が環境問題を引き起こしています。リンの流出は水域の富栄養化を引き起こし、水質悪化や酸素不足を引き起こすことがあります。

⑥淡水の利用

淡水資源の過剰な利用は、河川や湖の水位低下を引き起こし、水不足を悪化させます。特に農業、工業、都市開発が進む地域で深刻な問題となっており、持続可能な水資源管理が求められています。

⑦土地の改変

土地の改変は、自然の状態から人間の活動によって土地が変化することを指します。これには森林伐採や都市拡大が含まれ、生態系の破壊や生物多様性の減少を引き起こしています。

⑧生物多様性の損失

生物多様性の損失は、種の絶滅や生物群集の破壊を意味します。生息地の破壊、環境汚染、気候変動などが原因で、多くの種が絶滅の危機に瀕しています。

⑨大気汚染

大気汚染は、有害物質が大気中に放出されることにより、人々の健康や環境に悪影響を及ぼします。特に都市部では、交通機関や工場からの排出が問題となっています。

⑩オゾン層の破壊

オゾン層の破壊は、クロロフルオロカーボン(CFCs)※などの化学物質によって、オゾン層が薄くなる現象です。これにより、地表に到達する紫外線の量が増加し、皮膚がんや目の病気のリスクが高まります。

※クロロフルオロカーボン(CFCs)

有機化合物の一種であり、塩素、フッ素、炭素から構成されている。かつて冷蔵庫やエアコンなどの冷媒や気圧容器の製造に広く使用されていたが、大気中で分解する際にオゾン層を破壊することが判明し、環境への悪影響が指摘されている。

プラネタリーバウンダリーは、地球環境の現状を客観的に評価し、持続可能な社会を構築するための重要な指標です。しかし現在、未測定の大気汚染の項目を含めるとしたら8つの項目が限界を超えており、地球環境は危機的な状況に直面しています。

私たちは、個々人の意識改革と行動変革を通して、持続可能な社会の実現に向けて努力していく必要があります。*2)

プラネタリーバウンダリーが限界を超えないようにするための取り組み

【日本の目指す水素をエネルギー利用する未来の都市】

地球環境は現在、多くの面でその持続可能な限界に近づいています。プラネタリーバウンダリーの項目はすべて、地球の生命維持システムにとって重要な要素です。

これらの問題に対処するために、多くの国際的な取り組みが進行中です。プラネタリーバウンダリーが限界を超えないようにするための取り組みを、それぞれ具体的に紹介します。

【プラネタリー・バウンダリーとソーシャル・バウンダリー】

① 気候変動

【シナリオごとの2050年までの温室効果ガス排出量推計と排出ギャップ、気温上昇予測】

気候変動は地球全体に影響を及ぼす深刻な問題です。この課題に対処するために、再生可能エネルギーへの転換が世界中で推進されています。

太陽光や風力などの再生可能エネルギー源を活用することで、化石燃料による温室効果ガスの排出を削減し、地球温暖化の進行を抑制する取り組みが進められています。国際的な枠組みとしては、パリ協定が締結※され、世界各国が気候変動への対策を共に進めています。

※パリ協定

2015年に採択されたパリ協定は、地球温暖化対策のための国際的な枠組み。各加盟国は、地球温暖化を1.5度未満に抑えることを目指し、温室効果ガスの削減目標の設定や透明性の向上、対策の国際協力などに取り組むことが確認された。

【関連記事】パリ協定(COP21)とは?目標と参加国・地球温暖化の課題と日本の取り組み事例を簡単解説

② 海洋の酸性化

【人間を含む多様な生物とサンゴ礁との関わり】

海洋の酸性化は海洋生物や生態系に深刻な影響を与えています。海洋の酸性化の主な原因は、大気中の二酸化炭素(CO2)の増加です。

この問題に対処するためには、大気中の二酸化炭素量を適正にするとともに、海洋保護区の設置や持続可能な漁業管理が重要です。海洋保護区は海洋生物の生息地を保護し、生態系のバランスを維持する役割を果たしています。

また、持続可能な漁業管理は過剰漁獲を防ぎ、海洋資源の持続可能な利用を促進します。

③ 新規化学物質

先ほども触れましたが、新規化学物質は、具体的な例を挙げると、

  • 化学農薬の残留
  • 医薬品の排出
  • プラスチック製品からの微小プラスチック粒子の放出
  • 化粧品の微細プラスチックビーズの排出

などのことです。このような、もともと自然の中には存在しなかった物質による環境への影響を軽減しなければなりません。そのためには、それぞれの物質の環境への安全性を評価する取り組みが重要です。すでに環境への影響が確認されているものについては、国際的な機関や省庁が化学物質のリスク評価を行い、安全な使用基準を策定しています。

また、代替物質の開発や環境への影響を最小限に抑える技術の研究が進められています。

④ 窒素

【食に関わる窒素フローと窒素フットプリント】

窒素の過剰放出は地球環境に悪影響を及ぼす要因の1つです。窒素循環を適切に管理するために、持続可能な農業や排出規制が重要です。

そこで、持続可能な農業を目指し、化学肥料の利用をできる限り減らしたり、有機肥料や植物の持つアレロパシー※の活用したりして、窒素の過剰放出を抑制し、地球環境への負荷を軽減する取り組みが進められています。近年では有機栽培や自然栽培への注目も高まっています。

また、温室効果ガス排出規制により、工業プロセスや交通における窒素酸化物の排出量を削減し、大気汚染や酸性雨の問題を解決する取り組みも進められています。

※アレロパシー

植物が分泌する化学物質によりほかの植物や虫に作用を与える効果のこと。化学物質に頼らない害虫除去や雑草の抑制など、農業分野で近年注目されている。

【関連記事】アレロパシーとは?強い植物や効果、雑草対策になる植物一覧を紹介

⑤ リン

【湖沼における全窒素及び全燐(リン)の環境基準達成状況の推移】

リンの持続可能な管理を目指すために、資源のリサイクルや効率的な利用が重要です。

リサイクル技術により、排出されたリンを再利用することで、環境への負荷を軽減し、資源の有効活用を促進します。さらに、リンの効率的な利用方法を研究し、リン排出量を最小限に抑える取り組みが進められています。

⑥ 淡水の利用

【水循環の仕組み】

淡水は地球上の貴重な資源であり、持続可能な利用が重要な課題です。水資源の管理と保護を強化するために、水資源の循環を考慮した淡水の利用を推進する必要があります。

水の循環を促進するために、森林保護湿地の保全が行われています。また、効率的な灌漑技術や水資源の再生利用により、淡水の持続可能な供給を確保する取り組みが進められています。

【関連記事】干潟とは?仕組みや役割、生息する生き物、守るための取り組みも

⑦ 土地の改変

【世界の乾燥地域の分布】

土地の改変は生態系や生物多様性に影響を与える重要な要素です。持続可能な土地利用を推進するために、

  • 森林伐採防止
  • 森林再生
  • 持続可能な農業
  • 砂漠化防止(適切な土地利用、植生復元、防風林の植)
  • 土地再生(土壌改良、植生回復、水資源の管理)

などの、土地の保全と再生への取り組みが重要です。このような取り組みは、土地の生産性を向上させると同時に、生物多様性の保全にも貢献しています。

⑧ 生物多様性の損失

【1500年以降に絶滅した生物種】

生物多様性の損失は地球上の生態系に深刻な影響を与えています。生物多様性を保全するために、自然保護区の設置や絶滅危惧種の保護が重要です。

自然保護区は生物の生息地を保護し、生態系のバランスを維持する役割を果たしています。また、絶滅危惧種の保護には、繁殖プログラムや違法取引の取り締まりなどが行われています。

⑨ 大気汚染

【私たちの暮らしと大気汚染】

大気汚染は健康や環境に深刻な影響を与える問題です。大気品質の改善を図るために、汚染物質の排出源管理やクリーンエネルギーの導入が重要です。

大気汚染の原因となる排出源の管理には、工場や車両からの排出物を削減する規制や技術革新が行われています。また、クリーンエネルギーの導入により、温室効果ガス排出による大気汚染を軽減し、大気の環境を守る取り組みが推進されています。

⑩ オゾン層の破壊

【オゾン層とは】

オゾン層の破壊は地球環境に深刻な影響を及ぼす問題となっています。オゾン層は紫外線を吸収し、地球上の生物や環境を保護する重要な役割を果たしています。

しかし、人間活動によるオゾン破壊物質の排出により、オゾン層が薄くなり、紫外線が地球表面に過剰に届くことが懸念されています。その中でモントリオール議定書やキオト議定書など、国際的な枠組みに基づいて、オゾン破壊物質の削減や規制が進められています。

また、代替品の開発や環境に優しい技術の普及により、オゾン破壊物質の使用を減らす取り組みが推進されています。

ここで見てきた内容から、

  • 温室効果ガスの排出量削減
  • 持続可能な資源利用
  • 技術革新
  • 国際的な協力

が重要だということがわかります。省エネや節水、リサイクル、エシカルな消費など、私たちが普段の生活で実践できる貢献もあります。

私たち一人ひとりが意識し、できることから始めることが、将来もずっと生き物が豊かに住み続けることができる地球環境を実現するための、大きな力となります。*3)

プラネタリーバウンダリーとSDGs

【SDGsウエディングケーキモデル】

プラネタリーバウンダリーSDGsは、どちらも地球の持続可能な未来を目指すための重要な指標です。しかし、それぞれ異なる視点から地球環境の問題に取り組んでおり、互いに補完し合いながら、より良い未来の実現に向けて力を合わせています。

上の図は、SDGsを理解するための視覚的なイメージとして用いられる、SDGsウエディングケーキモデルです。このモデルでは、17のSDGsを3つの層に分け、最も基本的なニーズを表す「社会圏(人間の基本的ニーズ層)」、経済的な発展を促進する「経済圏(経済の発展層)」、そして地球環境の保護や持続可能な資源利用を考慮した「生物圏(生物・環境の保護層)」の3つの層が重ねられています。

プラネタリーバウンダリーとは、この生物と環境の保護層において、地球環境の持続可能な限界を超えないようにする概念です。

プラネタリーバウンダリーの役割と重要性

【農林水産省による多面的機能支払交付金とSDGs】

プラネタリーバウンダリーの概念が目指す自然資源の適切な管理は、SDGsの達成に欠かせない基盤となります。例えば、私たちの生活の基盤「食」を支える農業は、プラネタリーバウンダリーとSDGsのどちらにおいても重要な位置を占めています。

農業には今後、

  • 生物多様性の保護
  • 気候変動への対応
  • 資源の循環利用

など、さまざまな環境保全の取り組みが求められます。地域主体の取り組みを通じて、SDGsの実現とプラネタリーバウンダリー内での活動を両立する持続可能な農業モデルの確立が重要となってきます。

このような背景がある中で、農林水産省は多面的機能支払交付金※などの支援策を通じて、地域の共同活動により地域資源を保全し、SDGsの達成に貢献する一方で、プラネタリーバウンダリーの範囲内での持続可能な農業の実現を目指しています。

※多面的機能支払交付金

農林水産省が提供する支援金制度で、地域住民による共同活動を通じて、農用地、水路、農道などの地域資源の適切な保全管理や、農村環境の保全・向上などを支援することで、地域の活性化や持続可能な発展に貢献することを目的としている。

そして、SDGsが目指す社会は、地球環境の許容範囲であるプラネタリーバウンダリーを守りながら、人々が豊かに暮らせる社会です。これは、循環型社会※の実現によって達成することができます。

  • プラスチック資源の循環
  • エネルギーの循環利用
  • 循環型農業
  • 循環型林業
  • アグロフォレストリー

など、日本をはじめ世界でさまざまな取り組みが進められています。

プラネタリーバウンダリーの概念は、SDGsの目標達成に欠かせない知見を提供しています。私たち一人ひとりが、地球の限界を意識しながら、持続可能な社会の実現に向けて、できることから行動していくことが大切です。*4)

まとめ

【持続可能な地球実現に向けた複数の経路を支える自然が持つ多様な価値】

人類が地球上で繁栄してきたのは、自然が私たちにさまざまな恵みを与え続けてきたからです。プラネタリーバウンダリーは、この自然の恵みの限界を示すものです。

自然は単なる資源ではなく、生物多様性を育み、気候を調整し、水資源を供給するなど、私たちの生活を支える「生命維持システム」そのものなのです。つまり自然が持つ多様な価値こそが、持続可能な地球を実現する上で欠かせないのです。

地方と都市部の調和

プラネタリーバウンダリーの中で、人間社会を持続可能な姿で維持していくには、地方と都市部の調和が重要です。

地方は、自然資源の保護や再生可能エネルギーの活用、循環型農林水産業の展開など、環境負荷の小さい取り組みを主導することができます。一方、都市部では、省エネ型ライフスタイルの普及や資源循環の仕組みづくりなど、生活や経済活動の改革を進めていくことが求められます。

相互に連携しながら、地域の特性を活かしたアプローチを重ねることで、プラネタリーバウンダリーの範囲内で人間社会を持続可能なものに変えていくことができるのです。

真の豊かさを求めて

これまでの資本主義社会は、競争と効率性を追求することで経済的な豊かさを生み出してきました。しかしその一方で、格差や環境破壊といった問題も生み出してきたのが歴史の事実です。

私たちは、真実を学び、本当の幸福を追求する価値観に立ち返る必要があります。そのためには、自然の中で生きる喜びや、地域コミュニティとの絆の大切さなど、経済的指標以外の価値を見出していく必要があります。

この地球の価値をより深く理解し、持続可能で平和な未来のビジョンを持ち続けることが大切です。あなたにできることから始め、着実に前に進んでいきましょう。

<参考・引用文献>

*1)プラネタリーバウンダリーとは
ガイア理論とは?例を交えながらわかりやすく解説!
国立環境研究所『地球の限界 “プラネタリーバウンダリー” & 循環型社会~世界と日本の取り組みからみんなでできることを考える~』(2020年12月)
国立環境研究所『地球の限界 “プラネタリーバウンダリー”──窒素とリンの循環と化学肥料──』
資源エネルギー庁『【日本のエネルギー、150年の歴史①】日本の近代エネルギー産業は、文明開化と共に産声を上げた』(2018年5月)
資源エネルギー庁『【日本のエネルギー、150年の歴史②】国の屋台骨として、エネルギー産業は国家の管理下に』(2018年5月)
資源エネルギー庁『【日本のエネルギー、150年の歴史③】エネルギー革命の時代。主役は石炭から石油へ交代し、原子力発電やLPガスも』(2018年5月)
資源エネルギー庁『【日本のエネルギー、150年の歴史④】2度のオイルショックを経て、エネルギー政策の見直しが進む』(2018年5月)
資源エネルギー庁『【日本のエネルギー、150年の歴史⑤】「地球温暖化対策」と「電力・ガス自由化」が始まる』(2018年6月)
資源エネルギー庁『【日本のエネルギー、150年の歴史⑥】 震災と原発事故をのりこえ、エネルギーの未来に向けて』(2018年6月)
環境省『第1章 環境・経済・社会の現状と課題認識 第1節 環境面の現状と課題 1 地球の環境収容力の限界と地球環境問題(気候変動と生物多様性)の深刻化 巻末資料集』
HITACHI『地球環境の限界を示す「プラネタリーバウンダリー」が注目されている理由』(2022年8月)
*2)プラネタリーバウンダリーの10項目
環境省『令和5年版 環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書 第1章 気候変動と生物多様性の現状と国際的な動向』
環境省『環境・経済・社会の状況と環境政策の展開の方向について』(2023年1月)
環境省『令和5年版 環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書(要約)』(2023年6月)
農林水産省『農林水産分野における生物多様性保全・利用対策』(2024年1月)
国際農研『859. 9つのプラネタリーバウンダリーのうち6つが危険領域に』(2023年9月)
*3)プラネタリーバウンダリーが限界を超えないようにするための取り組み
環境省『水素社会 実現にむけた取り組み』
環境省『令和5年版 環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書 第1章 気候変動と生物多様性の現状と国際的な動向』
環境省『令和5年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 第2節 世界と我が国の気象災害と科学的知見から考察する気候変動』
パリ協定(COP21)とは?目標と参加国・地球温暖化の課題と日本の取り組み事例を簡単解説
国立環境研究所『海洋酸性化が日本の沿岸生態系に与える影響』(2015年5月)
農研機構『(研究成果) 食料生産~消費がもたらす窒素負荷の長期変遷- 窒素フットプリントから考える食の選択 -』(2019年9月)
アレロパシーとは?強い植物や効果、雑草対策になる植物一覧を紹介
環境展望台『富栄養化対策(発生源対応)』
環境省『平成25年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 第5節 人間社会と地球の循環システムが調和した社会を目指して』
干潟とは?仕組みや役割、生息する生き物、守るための取り組みも
環境省『人々の暮らしと砂漠化対処』
環境省『令和5年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 第4節 世界と我が国の生物多様性の現状と科学的知見から考察する生物多様性の損失』
環境省『大気汚染が引き起こす問題』
環境省『オゾン層を守ろう』
環境省『第六次環境基本計画に向けた基本的事項に関する検討会取りまとめ』(2023年4月)
環境省『生物多様性国家戦略 2023-2030~ネイチャーポジティブ実現に向けたロードマップ~ 』(2023年5月)
農林水産省『みどりの食料システム戦略の実現に向けて』(2022年12月)
農林水産省『農林水産省生物多様性戦略について』(2023年3月)
農林水産省『農林水産省気候変動適応計画の概要 【海面養殖業】』
環境省『7. 自然界における窒素の循環と地下水汚染』
日本経済新聞『脱炭素の次は「窒素」 排出急増も国際ルール策定は難題』(2024年2月)
環境省『2 窒素の循環等』
日本薬学会『リン資源の枯渇問題とリサイクルに関する技術開発の重要性』(2018年6月)
大竹 久夫『リン資源のバイオサイクル』(2010年1月)
環境省『砂漠化する地球 -その現状と日本の役割-』
環境省『令和4年度オゾン層等の監視結果に関する年次報告書について』(2024年3月)
環境省『1.オゾン層破壊の状況』
資源エネルギー庁『カーボンニュートラルに向けた産業政策“グリーン成長戦略”とは?』(2021年5月)
*4)プラネタリーバウンダリーとSDGs
農林水産省『SDGs(持続可能な開発目標)×多面的機能支払交付金』
農林水産省『SDGs(持続可能な開発目標)×多面的機能支払交付金』
農林水産省『SDGsと環境をめぐる課題と海外の動き』
農林水産省『○地球の限界(プラネタリー・バウンダリー)』
*5)まとめ
環境省『令和5年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 第4節 世界と我が国の生物多様性の現状と科学的知見から考察する生物多様性の損失』