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ロヒンギャ難民とは?歴史から考える問題と日本・世界の受け入れ状況を簡単に解説

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近年、国際社会ではロシアのウクライナ侵攻の状況が注目されています。ウクライナからの難民も多く、日本でも受け入れについて話題になっていますよね。しかし難民問題はウクライナだけではありません。今回取り上げるミャンマーからのロヒンギャ難民もまた、深刻な状況にあります。

本記事では、ロヒンギャ難民問題とは何か、なぜ問題となっているのか歴史的な背景、支援も含めた現在の状況についてわかりやすく解説していきます。私たちにできることについてもまとめているので、参考にしてみてください。

ロヒンギャとは

ロヒンギャとは、仏教徒のビルマ系民族が多数派を占めるミャンマーにおいて、西部ラカイン州を中心に暮らしているベンガル系少数民族のイスラム教徒です。言語もミャンマーで公用語となっているビルマ語ではなく、チッタゴン語(バングラデシュ・チッタゴン地方の方言)に近いロヒンギャ語を使用しています。

「ロヒンギャ」という言葉の語源は所説ありますが、15世紀〜18世紀にかけてこの地で栄えた仏教系のアラカン王国の首都ロハンに由来するとされています。当時は仏教徒とイスラム教徒が共存していました。

人口は、ミャンマーでは国民として認められていない(詳しくは後述)ので正確な数は分からないものの、国内には約60万人とも80万人とも言われ、バングラデシュにも100万人ほどが避難しているとされています。

職業的には農業で生計を立てている人が多く、中には交易を行う商人もいます。現在は移動の自由が少ないため、農業や日雇い以外の仕事に新しく就くのが難しい状況です。

ロヒンギャ難民問題とは?歴史を踏まえて解説

ここからは、ロヒンギャ難民問題について考えていきましょう。

ロヒンギャ難民問題とは、仏教徒のビルマ民族が多数を占めるミャンマーで、ムスリム※の少数民族であるロヒンギャが迫害され、多数の難民が発生している問題です。ロヒンギャはミャンマー国内に居住しているにもかかわらず、国民とは認められていない、いわゆる「無国籍」の状態にあります。

なぜミャンマーでロヒンギャが迫害されるようになってしまったのか、歴史を振り返りながら見ていきます。

※ムスリムとは

世界三大宗教の一つであるイスラーム(イスラム教)を信仰している人々のことをムスリムといいます。

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かつてはビルマ民族と共存していた

15世紀〜18世紀、仏教王朝のアラカン王国(現在のミャンマーのアラカン州にあった王朝)では、多数派の仏教徒とムスリムが共存していました。この王国では、王がイスラム商人と交易する際にムスリム名を名乗るほど、宗教に関しては寛容だったと言います。

しかし18世紀になると、アラカン王国は隣のビルマ王国の侵略を受けて滅亡し、ビルマ民族の支配下に入りました。これを機に少数派ムスリムはバングラデシュ側に逃げますが、19世紀に入りビルマ王国がイギリスの植民地となると、再びこの地に戻ってきます。

第二次世界大戦時には、ビルマ系仏教徒や少数派のイスラム教徒、キリスト教徒は、イギリスや旧日本軍に宗教の違いを利用されて代理的に争う立場となり、対立させられます。

第二次世界大戦の混乱期を経て、1948年にミャンマーは「ビルマ連邦」としてイギリスから独立。バングラデシュ側(当時は東パキスタン)からも食糧難に陥ったベンガル人が流入し、対立が深まっていきます。この時期にラカイン州に住むムスリム達は、自らを「ロヒンギャ」と名乗るようになりました。

ロヒンギャの中には、アラカン王国の頃からのムスリム居住者、イギリス領時代の移民、第二次世界大戦後の東パキスタンからの移民が含まれています

1982年にロヒンギャは無国籍となった

1950年代のビルマ連邦設立当初は、政府もロヒンギャへの配慮が見られました。ロヒンギャ出身の国会議員がいたり、ロヒンギャ語によるラジオ放送もあったりしました。

その中で1962年、ビルマ国軍によるクーデターが起こり、ネウィン独裁政権が始まります。74年にはビルマ連邦社会主義共和国として、社会主義国となりました。中央集権化のため「ビルマ民族」「上座部仏教」による国民のアイデンティティ付けが行われ、これらに該当しないロヒンギャを始めとする少数民族に対しては、排斥意識が高まっていきます。

1982年改正国籍法により、135の土着民族のみ「国民」とされ、ロヒンギャは除外されて無国籍状態となりました。政府の見解としては、ロヒンギャはバングラデシュからの不法移民であるとされ、現在に至るまでロヒンギャの存在は認められていません。

政府による迫害

国籍法以前にも、1978年にはネウィン政権により「ナガーミン作戦」が実施され、国籍を審査するという名目のもとロヒンギャから国民登録票を没収しました。この弾圧により約20万人がバングラデシュへ避難したものの、その多くはすぐにミャンマーに送還され、外国人として扱われるようになりました。

1988年にネウィン政権が倒れた後、民主制や軍事クーデターが繰り返される中でも、ロヒンギャに対する抑圧は続きます。

1991年から92年にかけて、国軍はロヒンギャに対して処刑、暴行、性暴力、強制労働、結婚の制限、土地の押収、家屋破壊などを行う軍事作戦を決行しました。この時も25万人以上がバングラデシュへ逃れましたが、多くはバングラ・ミャンマー間の合意により強制送還されてしまいます。この対応には世界的に疑問視する声が多く投げかけられました。

そして2012年にはラカイン州の仏教徒とロヒンギャが衝突し、数百人が犠牲となりました。約14万人のロヒンギャが家をなくし、現在までミャンマー国内の避難民キャンプに隔離されています。

2016年には、ついにロヒンギャ武装勢力がミャンマー警察組織への攻撃を行いました。しかし2017年、武装勢力への報復として、国軍はロヒンギャに対して史上最大の掃討作戦を開始。6,700人以上が殺害され、約75万人がバングラデシュへ避難しました。

多くがバングラデシュへ避難している

歴史をざっと辿ってみた通り、ミャンマーがイギリス領から独立してからロヒンギャは長期にわたって迫害され続けており、多くはラカイン州に接する隣国バングラデシュへ避難しています。

バングラデシュは、ロヒンギャと同じくバングラ系民族の国でイスラム教徒が大半を占めています。言語的にもロヒンギャ語はチッタゴン語に近く、文化的にも近いものがあるのです。

しかしバングラデシュは、難民条約を批准していません。そのためバングラデシュに流入したロヒンギャは、正式に難民としての地位は与えられておらず、扱いはその時に応じて判断するとしています。バングラデシュも厳しい財政のため、増え続ける難民対応に疲弊し、できるだけ早くロヒンギャ難民の帰還を進めたいという本音もあります。総じてロヒンギャ難民はあまり歓迎されないものとなっていると言えます。

アウンサンスーチー氏のロヒンギャ対応

また、ミャンマーと言えば、1990年にミャンマーの民主化を主導したことでノーベル平和賞を受賞したアウンサンスーチー氏が有名です。彼女は、ミャンマーの人道危機ともいえるロヒンギャ問題に対してどのような対応をとっていたのでしょうか。

結果を見れば、スーチー氏が主導者として政権を握っていた時期もロヒンギャに対する迫害は減少していません。原因として、

  • 国軍の影響が大きすぎること
  • 世論が少数民族の排斥に傾き過ぎていること

が考えられるでしょう。

たびたび国軍のクーデターが起こっていることを見れば、軍を政治で統制しきれていないことが分かります。また、約5,000万人程の人口に対して兵士が約40万人おり、人口の約0.8%を占めていることも関係します。これは米国(0.4%)や中国(0.1%)と比較しても多く、軍の影響力、発言力の大きさを物語っているのです。

そして歴史を見ても分かる通り、世論が少数民族の排斥に大きく傾いています。皮肉なことに、スーチー氏によって進められた民主化により言論の自由が広がると、より排斥意識が高いヘイトスピーチも増えてしまいました。こうなると政治も少数民族問題に消極的にならざるを得ません。

スーチー氏に事情がありつつも、ロヒンギャの中では彼女に失望した人が多いのも事実です。

ロヒンギャ難民の現状

ロヒンギャ難民問題の歴史や背景を詳しく見てきました。ここからは、現在のロヒンギャ難民がどのような状況になっているのか、数の推移や難民の暮らしぶりについて解説していきます。

難民数は増加傾向にある

ミャンマー国内での迫害が行われるようになってから、難民数は右肩上がりに増え続けています。2017年の掃討作戦後に急激に増加し、現在も毎日のように難民がバングラデシュにたどり着いているのです。

以下は、国連難民高等弁務官事務所UNHCRがまとめた、2017年の世界的な難民の移動を示した表です。

出典:Global Trends 2017より ~ 2017年、家を追われた人の数は6,850万人を記録しました | 国連UNHCR協会

ミャンマーからバングラデシュへの難民が世界的に見てもかなり多いことが分かります。

ロヒンギャ難民受け入れ国の状況

繰り返しになりますが、ロヒンギャの受け入れは、地理的にも民族・宗教的にも近いことからバングラデシュが多くを担っています。コックスバザールでは、現在100万人ほどのロヒンギャ難民が34カ所のキャンプで生活しています。

難民の受け入れに関して、バングラデシュ側も最初は友好的な対応をとっていましたが、数が増えるにつれて国民も反感を持つようになってきました。

  • 支援のための車が多く行き来するために渋滞が起きる
  • 難民キャンプのために森林を切り開く
  • 大量の支援物資の必要から物価が上昇して生活に支障が出る

などがあり、ロヒンギャと地元住民との緊張が高まる事態も発生しています。治安の悪化もあり、難民キャンプ周辺には当初は無かったフェンスが設置されている場所もあります。

また、バングラデシュはモンスーン期の豪雨による自然災害が多く、洪水や土砂災害がたびたび発生します。簡易な住宅が立ち並ぶ難民キャンプでも影響を受けやすくなっており、安全確保の面や生活の立て直しなどが今後の課題です。

このような背景もあり、難民キャンプの人口過密対策として、2020年以降はベンガル湾のバシャンチャール島に建設された収容施設への移送も行われています。

バングラデシュの他には、パキスタン、タイ、マレーシア、インドネシアなどの周辺諸国がロヒンギャの受け入れを行っています。また、日本にも約300人ほどのロヒンギャが難民として避難してきており、群馬県館林市には在日ビルマロヒンギャ協会があります。

いずれにしても、ミャンマーでのロヒンギャへの対応が改善されていないので帰還のめどが立たず、難民生活が長期化しているのが現状です。

では、難民は実際どのような生活をしているのでしょうか。バングラデシュの難民キャンプでの生活のようすを見てみましょう。

難民生活の現状

バングラデシュでは、財政事情や地元住民との関係悪化からロヒンギャの人々にバングラデシュに定住してほしくないため、就労が許されていません。そのためロヒンギャは、食事など生活に必要なものも援助に頼るしかないのが現状です。将来の見通しが立たず、不安や不満から暴力的な行為を起こす人もおり、結果的にキャンプの治安が悪化し、地元住民に疎まれるという悪循環に陥っています。

教育に関しても、国際機関やNGOなどの支援により初等教育は整備されているものの、中等・高等教育はまだ手が回らない状況にあります。難民の52%が18歳未満の子どもであることを鑑みると、貧困対策、治安維持のためにも教育の欠如は今後の課題となるでしょう。

また、人口が密集しているため感染症対策も必要となります。日本の厚生労働省による調査によれば、キャンプでジフテリア、デング熱などが増加しています。近年では新型コロナウイルスによる影響も大きく、人口の増加とともに衛生面での整備も急がれます。

ミャンマー国内のロヒンギャの現在

冒頭でもお伝えしたように、ミャンマー国内には約60万人〜80万人ほどのロヒンギャが暮らしていると言われています。主にラカイン州の村や避難民キャンプで暮らしているものの隔離されているため、他の地域に避難したロヒンギャと同様、就労できずに教育・医療へアクセスできずにいます。

これは、2012年に仏教徒とロヒンギャの衝突が起こった際に、ロヒンギャの「保護」を名目としてミャンマー政府が隔離政策をとったことがきっかけで始まりました。域外への移動が禁じられ、子どもたちは教育を受けられずに栄養不足や不衛生な環境に苦しんでいます。

ロヒンギャ難民に対する世界の対応

こうした非人道的なロヒンギャへの仕打ちに対して、国際社会ではどのような対応をしているのでしょうか。

NGO・国際機関による支援

子どもの支援を行っている国際機関UNICEF(ユニセフ)では、ロヒンギャに対して以下の支援を行っています。

  • 子どもの急性栄養不良の治療
  • 医療品・医療物資・保健サービスの提供
  • 安全な水・トイレの整備
  • 衛生教育
  • 初等教育

難民の支援を行っている国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)では、

  • 仮設住宅の補強・整備
  • 水・衛生環境の整備
  • 教育支援

などを行っています。2017年の緊急時には援助物資を空輸し、子どもや高齢者、乳幼児を抱えた女性などに対しては専門の保護チームが支援にあたっています。

NGOの国境なき医師団では、現地に病院を設置して医療支援を行い、2021年には72万件の外来診療を行いました。また、危険が伴う自宅出産が多い難民キャンプにおいて、妊娠・出産や家族計画に関する相談などを行う「性と生殖に関する健康(SRH)プロジェクト」も展開し、健康教育にも力を入れています。

各国の反応

このような支援が進められる中、ロヒンギャ難民問題に対する世界各国はどのような反応となっているのでしょうか。

2017年の大規模な迫害後、国際社会では真相究明が進められ、国際司法裁判所は2020年にミャンマーに対し「ジェノサイド(集団殺害)につながる迫害行為の防止」を命じる暫定措置を決定しました。しかし国際的な非難があっても、ミャンマー国内での状況は変わらないため、ロヒンギャの帰還は進まず、避難民が増えるばかりです。

また、ミャンマー政府がロヒンギャという単語を使用せず存在しないものとして扱っているため、周辺国でも国家間の関係を重視して公式にはロヒンギャという言葉を使わない選択をする国も多くあります。日本でも、ミャンマー国内にいるロヒンギャは「ラカイン州のムスリム」などと表現しています。

ロヒンギャ難民に対する日本の対応

ロヒンギャに対する日本の対応も見ていきましょう。

日本政府の対応

日本政府は、2016年のロヒンギャ武装勢力による襲撃を「強く非難」し、人道的な状況や治安については「深刻な懸念」を伝えています。

令和2年度には無償資金協力にてWFP、UNICEFと連携して、「紛争の影響を受けた少数民族地域における国内避難民及び周辺コミュニティのための栄養改善計画」「保健、水、衛生及び教育支援計画」に計約10億円を投入。

バングラデシュに対しても、WFP、UNICEFと連携してロヒンギャ関連の支援に計約15億円を投入し、ロヒンギャ流入地域の給水システム整備、食糧支援を行っています。他にもJICAによる技術支援で給水支援を行っています。

とはいえ、日本はミャンマー政府と親密な関係を継続していきたいとの思惑もあるため、2017年に行われた国連総会において、ロヒンギャの迫害を非難する決議に対して棄権しました。また、ミャンマーへのODAに関しても、2021年以降新規案件の停止をしたものの、これまでの事業については継続するなど曖昧な対応をとっていることもあり、各国から非難を浴びています。

日本のNGOの対応

その中でNGO団体は積極的な活動を展開しています。

世界各国の難民支援を行っているNGOであるAAR Japan「難民を助ける会」は、衛生環境の整備や、バングラデシュ内で女性や児童への暴力や児童婚の問題に取り組み「ウーマン・フレンドリー・スペース(女性にやさしい空間)」 を運営しています。

また、在日のロヒンギャに対しても生活支援や、就学・就労支援、日常生活の困りごとの相談などを請け負っています。

ロヒンギャ難民問題に対して私たちにできること

ロヒンギャ難民問題について詳しく見てきました。では、彼らに対して、私たちにできることはあるのでしょうか。

事実を知り、世論として訴えていく

私たちにできることは、正しい事実を知り、関心を持ち続けることです。SNSなどではデマも流れる可能性があるため、正しい情報を見極め、人道的な観点からロヒンギャの人たちが置かれている状況はおかしいのでは?という疑問を世論として投げかけることが大切です。小さなことですが、個人個人が少し意識するだけでも世論が動き状況が大きく変わることもあります。

寄付

次に挙げるのがロヒンギャを支援する団体へ寄付することです。2023年3月にはバングラデシュ内のキャンプで火災が発生し、現在、より多くの支援が必要な状況です。

「ロヒンギャ難民に対する世界の対応」「日本の対応」の項でも取り上げた以下のような団体が寄付を随時受け付けています。参考にしてみてください。

ロヒンギャ難民とSDGs目標10「人や国の不平等をなくそう」との関連

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最後に、ロヒンギャとSDGsの関係について確認しておきましょう。

ロヒンギャの難民問題はSDGsの目標10「人や国の不平等をなくそう」と関連があります。この目標では、民族や宗教などに関わらず、すべての人が社会的・経済的・政治的に取り残されないようにすることが定められています。ロヒンギャは民族や宗教を理由に住んでいた国から見捨てられ、避難生活を強いられています。彼らがなるべく早く住んでいた土地に戻り、脅威を感じないで生活できるように、私たちも注目していきましょう。

まとめ

ロヒンギャ難民問題についてまとめました。

ロヒンギャはミャンマー西部に住んでいる少数民族であり、宗教や民族の違いから国籍を奪われ、迫害されています。歴史的な背景やミャンマーの政治も安定していないこともあり、解決は一筋縄ではいきません。また、ロヒンギャ難民を受け入れているバングラデシュでは数が多すぎて限界を迎えつつあります。

私たちもロヒンギャ難民問題を解決するために、寄付や、事実を知ること、注目し続けることなど、日本にいてもできることが多くあります。ロヒンギャの人たちが早く平和に暮らせるようになることを願っています。

【関連記事】難民キャンプ問題とは?世界・日本の支援・取り組み事例、SDGsの関係

<参考資料>
ミャンマー基礎データ|外務省
(ODA) ミャンマー 無償資金協力 | 外務省
(ODA) バングラデシュ 無償資金協力 | 外務省
ロヒンギャ難民 緊急募金 | 日本ユニセフ協会
今知ってほしい、ロヒンギャ難民についての5つの事実 | 国連UNHCR協会
ロヒンギャ難民問題―世界で最も迫害された少数民族 | AAR Japan解説コーナー
ロヒンギャ問題について考えよう|ワールドビジョン
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