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社会貢献とは?企業の取組事例や個人ができる取り組みも

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社会貢献とは何か、深く考えたことはありますか?

社会貢献は、企業や個人が、よりよい社会のために行う活動です。近年、持続可能な社会づくりの重要性への認識が広がり、社会貢献への注目が高まっています。

このような背景があり、企業の社会的責任を果たすための活動や、個人のボランティア活動などが活発化しています。今後さらに重要になっていく社会貢献の意味や種類、メリット、そして企業や個人ができることについて、わかりやすく解説します。

社会貢献とは

社会貢献とは、個人や企業が自らの資源や能力を活かし、社会全体の福祉や環境の改善に貢献する行動や活動のことです。

一般的には、

  • ボランティア活動
  • 慈善活動
  • 寄付
  • 環境保護活動
  • 教育支援活動
  • 福祉支援活動
  • 災害支援活動

などが、例として挙げられます。

私たち人間は社会性の生き物※です。遥か昔から、集団を作って協力し合い生活してきました。社会が良くなれば、私たちの生活も良くなります。

社会性の生き物

他の個体との関係や群れの中での生活が重要な生物のこと。社会性の生き物は、個体同士が協力し合い、コミュニケーションをとりながら生活することで、生存や繁殖の成功を図っている。例えば、ハチやアリのような昆虫、哺乳類ではライオンやオオカミ、そして人間も代表的な社会性生物。

現代では、インターネットの普及により、世界中の人々とつながることができるようになりました。つまり私たちは、家族地域といった小さな単位の集団の一員であり、世界といった大きな単位の集団の一員でもあるのです。

社会貢献を考える上で、このことを理解しておくことは重要です。つまり、社会貢献とは、社会全体でより良い未来を目指して、さまざまな集団の単位で協力することとも考えることができます。

ボランティアとの違い

ボランティアは、報酬を目的とせず、自発的に社会のために時間やスキルを提供する活動です。一方、社会貢献はボランティア活動を含むより広範な概念であり、金銭的な寄付や企業の社会的責任活動など、ボランティア以外の形態も含まれます。

ボランティアは社会貢献の一環として位置づけられることが多く、個々人の能力や時間を用いて具体的な支援を行う点が特徴と言えます。

CSRとの違い

CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)は、企業がその経済活動を通じて社会に対して責任を果たすという考え方です。これは企業が

  • 環境保護
  • 人権尊重
  • 公正な労働環境の提供

など、経済的利益だけでなく社会的責任も重視することを意味します。

CSRは企業が主体となるものであり、社会貢献はその一環として行われることもあります。とはいえ、CSRは企業ガバナンスや法令遵守といった広範な活動を含む概念です。つまり、CSRは社会貢献が重要な位置を占めるものの、企業が社会の中で果たす役割や責任に焦点を当てていると言えます。

CSVとの違い

CSV(Creating Shared Value=共有価値の創造)は、企業が自らのビジネス戦略と結びつけて社会的な課題の解決を図ることで、社会と企業の双方に価値を生み出すという考え方です。

CSVは社会問題の解決が企業の収益向上に直結するという点で、CSRとは異なります。社会貢献はCSVの一環として取り組まれることもあります。しかし、CSVは企業のコアビジネスを通じて、社会的な価値を生み出すことを重視します。

社会貢献は人間の生存戦略

社会貢献は、個人や組織が自らの資源や能力を活かして社会全体の福祉や環境の改善に貢献する行動や活動のことです。人間社会においては、個人や企業が協力し合い、コミュニケーションをとりながら、それぞれが違った役割を果たすことで、社会全体で直接的・間接的に補い合い、福祉や環境の改善につなげていくことが重要です。

これは、ハチやアリのような社会性昆虫の巣が繁栄する仕組みに似ています。例えば、アリの巣では、働きアリや兵アリ、女王アリが協力して機能していますが、それぞれが少しずつ違った個性を持っています。

私たちの普段の生活においても、例えば道路や鉄道、消防や警察など、個人や小規模の集団では実現が難しい大規模なインフラを、普段の生活で当たり前に利用できます。これは、私たちが大規模な集団として力強く機能している賜物なのです。

このように、社会貢献は単なる慈善活動にとどまらず、私たちの社会にとって重要なものです。今後、さらに持続可能な社会の構築が進むにつれ、企業や個人の活動と社会貢献は密接につながるようになるでしょう。

次の章では企業が実施する社会貢献の種類と具体事例を見ていきましょう。*1)

企業が実施する社会貢献の種類と具体事例

企業の社会貢献とは、企業が収益を追求するだけではなく、社会や地域住民などに貢献していく活動のことです。

  • 環境保護
  • 人権擁護
  • 教育・文化・スポーツの振興
  • 地域社会の活性化

など、さまざまな分野で行われており、企業の社会的責任(CSR)を果たす上で重要な役割を果たしています。

環境保護

環境問題への取り組みは、企業の社会貢献の代表的な分野です。具体的には、

  • 省エネ・省資源化
  • 廃棄物削減
  • 環境配慮型製品の開発・販売

などが挙げられます。

【環境保護】例:トヨタ

トヨタは、環境負荷の低減に取り組んでおり、その一環として、環境保護活動を積極的に実施しています。

  • 環境に配慮した車両の開発・製造
  • 環境に配慮した工場の運営
  • 環境教育の推進
  • 環境保全活動への支援
  • 廃棄物の削減やリサイクル

など、さまざまなアプローチで環境保護を行い、社会に貢献しています。

【生物多様性を身近に感じるための「トヨタの森」でのプログラム】

トヨタは2050年までに、事業活動による温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指しています。また、2030年までに、電気自動車の販売台数を、新車販売台数の50%以上にすることを目指しています。

人権擁護

人権尊重は、企業の社会的責任の中でも、近年注目を集めている分野です。具体的には、

  • 労働者の人権尊重
  • 人種差別や性差別などの差別禁止
  • 消費者の権利保護

などが挙げられます。

【人権擁護】例:ユニリーバ

ユニリーバは、人権擁護による社会貢献に力を入れています。

  • バリューチェーン全体の生活水準の向上
  • インクルーシビティ※による雇用機会の創出
  • 未来の働き方・雇用に備えた従業員の育成
  • 若者が雇用に備えたスキルを身につけるための支援

など、より公平で多様性の受け入れられる社会を構築することを目指しています。

インクルーシビティ

多様な人々が、その違いを認められて、平等に受け入れられる状態。インクルーシブな社会では、人種、性別、性的指向、障害、宗教、年齢、出身地など、さまざまな違いを持つ人々が、平等に権利や機会を享受することができる。

【公平性、多様性、包括性】

ユニリーバは、社内においても、すべての従業員が多様なバックグラウンドや個性を活かして、活躍できる職場づくりに取り組んでいます。ダイバーシティ&インクルージョンを経営の根幹に据え、社会全体としても、

  • 性別
  • 人種
  • 民族
  • 宗教
  • 障がいの有無
  • 性的指向
  • 性自認

など、あらゆる違いを受け入れられ、尊重され、活躍できる環境づくりを目指しています。

地域社会への貢献

地域社会への貢献は、企業が地域に根ざした事業活動を行う上で欠かせません。具体的には、

  • 地域の環境保全
  • 文化・スポーツの振興
  • 教育・福祉の支援

などが挙げられます。

【地域社会への貢献】例:イオン

【イオンの自治体との包括連携協定】

イオンは、「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」という基本理念のもと、地域社会への貢献に積極的に取り組んでいます。イオンは、地域の活性化に貢献するため、地域の産品や観光の振興地域コミュニティの支援などの活動を行なっています。

具体的には、

  • 「ご当地WAON」※の発行
  • 地域の観光振興に取り組むNPO団体への寄付
  • 地域のコミュニティの活性化につながるイベントの開催
  • 地域の学校や団体への支援

などです。

【地域の災害時に備えたイオンのバルーンシェルター】

また、全国のショッピングセンターに、災害時に避難スペースとして利用できる緊急避難用大型テント「バルーンシェルター」の配備も進めています。

資金提供

企業の社会貢献の一環として、資金提供は重要な取り組みの1つです。企業は、慈善団体や非営利団体に対して資金援助を行うことで、社会課題の解決や地域社会の活性化などに貢献します。

資金提供の形態としては、以下のようなものがあります。

  • 寄付:企業が現金や資産、設備などを直接寄付することで、慈善団体や社会福祉団体の活動を支援
  • 基金設立:企業が独自の基金を設立し、その運営や資金提供を通じて、特定の社会問題や地域課題に対する支援を行う
  • 社会投資:社会的影響投資(SRI)や社会的責任投資(SRI)と呼ばれる形態で、企業が社会的な価値や環境への配慮を重視して投資を行う

【資金提供・寄付】例:パナソニック

パナソニックは社会課題の解決に貢献することを目的に、さまざまな寄付活動を行っています。その中でも、電気がない地域へのソーラーランタン寄贈は、パナソニックの寄付活動の代表的な取り組みの1つです。

ソーラーランタンは、太陽光で充電できるランタンで、夜間や電気が通っていない場所にも明かりを提供することができます。このソーラーランタン寄贈は、電気がない地域の人々の生活を大きく改善しています。夜間でも安全に活動できるようになり、教育や仕事の機会が拡大するなど、さまざまな効果をもたらしています。

【パナソニックが寄贈するソーラーランタン】

【電気がない地域での夜間の診療に活躍するソーラーランタン】

このほかにも、「無電化ソリューションプロジェクト」として、無電化地域に太陽光発電・蓄電システムを寄贈するとともに、地域住民への学習の機会の提供や、電気を活用した地場産業モデルの開発などを実施しています。

【資金提供・基金設立】例:ソフトバンク

ソフトバンクは、社会課題の解決に貢献することを目的に、さまざまな基金を設立しています。ソフトバンクの運営する数ある基金の中でも「つながる募金」は、ソフトバンクの事業の特徴を活かした募金プラットフォームです。

【ソフトバンクの募金プラットフォーム「つながる募金」】

ソフトバンクの「つながる募金」は、携帯電話の利用料金の支払いと一緒に継続的な寄付ができるアプリケーションです。専用のアプリケーションをインストールして、対象となるポスターやチラシなどにかざすだけで、継続的に寄付することができます。また、各非営利団体のWEBサイトから寄付することも可能です。

【「つながる募金」のサービス内容】

「つながる募金」で寄付した金額は、選択した非営利団体に直接送られます。そのため、寄付したい非営利団体を自分で選ぶことができます。

ソフトバンクは、今後も対象団体を拡大し、より多くの人が利用できる環境づくりに取り組む方針です。

【「つながる募金」寄付先の例:海底で産後を復活させる活動】

【資金提供・社会投資】例:楽天

楽天は、ファイナンシャルインクルージョン※の実現に向けて、さまざまな取り組みを実施しています。その中でも、「LGBT住宅ローン」は、LGBTQ+カップル※が住宅購入の際に直面する課題を解決する、画期的な取り組みと言えるでしょう。

ファイナンシャルインクルージョン

金融サービスへの包括的なアクセスを促進し、経済的な包摂を推進する取り組み。銀行口座の普及、マイクロファイナンス、デジタル決済技術の利用促進などが含まれる。

【関連記事】マイクロファイナンスとは?仕組み・問題点と日本企業の取り組み事例を解説

LGBTQ+

レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシュアル(B)、トランスジェンダー(T)、クィア(Q)など、性的指向や性自認に関連する多様な性的マイノリティを包括する用語。プラス記号(+)は、これに含まれない他の性的マイノリティや性自認の多様性を表す。

【関連記事】LGBTQ+とは?簡単にわかりやすく解説!種類と日本の現状・問題点・取り組み事例

LGBTQ+カップルは、日本では、法的な婚姻関係を結ぶことができません。そのため、住宅ローンを組む際には、パートナーシップ証明書などの公的書類の提示が求められます。しかし、パートナーシップ証明書を発行する自治体もまだわずかです。

この課題を解決するため、楽天銀行は「LGBT住宅ローン」として、パートナーシップを公認する公的書類の提示が不要なLGBT住宅ローンを提供しています。このローンでは、同性パートナーと生計を同一にしている場合、2人分の収入や勤続年数を合算して審査するため、住宅ローンの審査に通る可能性が高まります。

また、楽天カードでは、同性パートナーを家族カードの対象としています。さらに、楽天生命保険では、死亡保険金の受取人に同性パートナーを指定することができるとともに、楽天損害保険においても、一部の商品において同性パートナーを補償の対象としています。

*2)

企業が社会貢献を行うメリット

このように、企業が積極的に社会貢献に取り組む理由として、企業の社会的責任を果たすと同時に、会社側にもメリットがあることが挙げられます。この章では企業が社会貢献を行うメリットを確認していきましょう。

企業イメージの向上

企業が社会貢献を行うことで、社会的責任を果たす姿勢や、社会に貢献する姿勢が評価され、企業イメージが向上します。

消費者は、社会貢献活動を行っている企業を好意的に捉え、その商品やサービスを選ぶ傾向があります。これは、自分の購買行動を通じて社会貢献をしたいと考える消費者が増加しているからです。

投資家の獲得

企業が社会貢献を行うことで、投資家からの信頼獲得や、投資意欲の向上が期待できます。近年、投資家は、ますます企業の社会的責任や、社会に貢献する姿勢を重視する傾向にあります。そのため、社会貢献活動を行う企業は、投資家からの評価が高まり、投資の獲得につながる可能性があります。

優秀な人材の獲得

近年、若年層を中心に、社会貢献に積極的な企業で働きたいという意識が高まっています。そのため、社会貢献活動を行う企業は、優秀な人材を獲得する機会が多くなる可能性があります。

社員のモチベーション向上

社員は、社会貢献活動を通じて、社会に貢献しているという実感を得ることができます。そのため、社会貢献活動を行う企業は、社員のモチベーション向上につながり、生産性の向上離職率の低下などにつながる可能性があります。

ビジネスチャンスの創出

社会貢献活動を通じて、新たなビジネスチャンスを創出することも可能です。社会問題を解決するための製品やサービスを開発することで、新たな市場を開拓することができます。これは、企業の持続的な成長を支える重要な要素となります。

リスクの軽減

企業は環境問題や消費者問題などの社会問題に取り組むことで、自社の事業や活動が社会に与える影響を軽減することができます。また、従業員のコンプライアンスの意識を高めることで、法令違反などのリスクを軽減することができます。

社会貢献は、企業の業績ブランドイメージの向上が期待できます。企業が社会的責任を果たす姿勢を示すことで、投資家や顧客からの信頼獲得にもつながります。

これらのメリットを通じて、企業が社会貢献を行うことで、単なる事前活動を超え、経済的・社会的な側面で多くの利益を獲得することができるのです。

次の章では、企業が社会貢献を始める際のポイントを解説します。*3)

企業が社会貢献を始める際のポイント

企業が社会貢献を始める際には、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。適切な計画と実行が伴わなければ、予期せぬリスクに直面し、思ったような効果が得られない可能性もあります。

そればかりか、

  • 企業イメージの低下
  • 費用対効果の悪化
  • 社員のモチベーションの低下

などを招いてしまう恐れもあります。このようなリスクを回避するためには、社会貢献活動を計画的に進めることが重要です。

自社の強みや事業内容を活かした活動から始める

企業が社会貢献を始める際には、自社の強みや事業内容を活かした活動から始めることが大切です。自社の強みや事業内容を活かした活動であれば、

  • 活動の成果を上げやすい
  • 社員のモチベーションを高めやすい
  • 費用対効果を高めやすい

といったメリットがあります。自社の強みや事業内容を活かすことで、企業は社会貢献活動を成功させやすくなり、企業の成長や持続的な発展につなげることができます。

社会的ニーズのマッチング

社会のニーズを的確に把握することも重要です。自社の強みを理解し、自社のビジネスと社会的課題との関連性を見つけることで、効果的かつ効率的な社会貢献を行うことができます。

明確な目標設定と計画

社会貢献活動を始める前に、達成したい具体的な目標を設定し、それを実現するための計画を策定することが必要です。目標はSMART(具体的で、測定可能で、達成可能で、関連性があり、時間的な制限がある)の条件を満たすように設定しましょう。

ステークホルダーとのコミュニケーション

社会貢献活動を進めるにあたり、従業員、顧客、地域社会などのステークホルダーとの綿密なコミュニケーションが不可欠です。彼らの意見を取り入れ、透明性を持って活動内容を共有することで、理解支持を得ることができます。

持続可能性の確保

社会貢献は一過性のものでなく、長期的な視点で持続可能であることが求められます。そのためには、活動が経済的、社会的、環境的にバランスの取れたものであることを確認し、継続的な評価改善が必要です。

これらのポイントを踏まえ、社会貢献活動を戦略的に展開することで、企業は社会的価値と経済的価値の両方を高めることができるでしょう。実際に、環境保護に力を入れる企業、地域社会との連携を深める取り組みを行う企業など、多種多様なアプローチがあります。

それぞれの企業が自身の特性に合った形で社会貢献を実践することが、成功への鍵となります。

次の章では、個人ができる社会貢献を確認しましょう。*4)

個人ができる社会貢献

【立ち直りを助ける社会のチカラ 社会貢献活動】

社会貢献は、単に大企業や団体の役割に限られるものではありません。私たちひとりひとりが、日常生活の中で無理なく取り組める小さな行動が積み重なることで、社会に大きな変化を生み出します。なぜなら、社会貢献は共感を呼び、人々の意識を高め、より良い社会を築くための連帯感を生むからです。

また、個人が社会貢献に関わることで、自己実現満足感を感じることができ、心豊かな生活への一歩にもつながります。

【社会貢献とは】

地域の清掃活動への参加

地域の公園や海岸の清掃活動に参加することは、地道な作業ですが、直接的に環境美化に貢献します。取り組む際には、適切な装備(手袋やゴミ袋など)を用意し、安全に注意しながら活動しましょう。

このような活動は地域社会の結束を強め、自然環境の保全といった効果のほか、参加者の環境意識の向上にもつながります。

フードバンクへの食品寄付

食品ロスの削減と、食べ物が不足している人々への支援を目的としたフードバンクへの寄付も、社会貢献の一環です。寄付する際は、食品の賞味期限や保存状態に注意しましょう。

この取り組みは、食品の有効活用を促し、食糧問題への意識を高めることができます。

ボランティア活動

ボランティア活動には、

  • 災害支援
  • 児童支援
  • 高齢者の見守り

など、さまざまな形があります。活動に参加する際は、自分のスキルや時間的余裕を考慮し、無理のない範囲で貢献することが大切です。

ボランティア活動は、直接的な支援のみならず、参加者の社会的スキルの向上や人間関係の構築にもなります。

エシカルな消費活動

  • エコバッグの使用
  • リサイクル可能な製品の選択
  • 節水・節電など
  • 環境に配慮した製品の購入

などの、環境や社会問題に配慮した消費活動(=エシカル※な消費活動)も社会貢献の一つです。あなたの日常生活での正しい選択が、環境への影響を減らし、持続可能な社会の実現に貢献します。

エシカル

倫理的・道徳的な観点から行動すること。社会や環境への影響を考慮し、倫理的な原則に基づいて事業活動を行うこと。

【関連記事】エシカルとは?エシカル消費の始め方暮らしへの取り入れ方・おすすめ商品の紹介

オンラインでの社会貢献

近年注目されているのは、オンラインを通じた社会貢献です。例えば、クラウドファンディングへの参加や、オンラインでの言語翻訳ボランティアなどがあります。

これらの活動は、インターネットが普及した現代ならではの手軽さがあり、世界中の人々と協力して社会問題に取り組むことが可能です。

社会貢献は、自分にできる範囲で始めることが大切です。それぞれの取り組みが、個人の成長と社会の発展を同時に促進することを忘れずに、日々の生活の中で実践してみてください。*5)

社会貢献とSDGs

企業や個人が社会貢献を行う際に、SDGsへの理解を深めることは、目標達成する意識を高め、具体的な行動へと結びつけるために不可欠です。社会貢献活動がSDGsの目標と連携することで、世界的な課題解決に直結する力となり得るのです。

社会貢献は全てのSDGs目標の達成に関係があると言っても過言ではありませんが、特に深く関係するSDGs目標を確認してみましょう。

SDGs目標1:貧困をなくそう

SDGs目標1「貧困をなくそう」との関連が深い社会貢献活動として、地域社会での食品支援や、途上国への寄付などが挙げられます。これらは直接的に貧困層の支援となり、彼らの生活条件の改善に寄与します。

SDGs目標4:質の高い教育をみんなに

教育の機会が不足している地域での学校建設支援奨学金の提供、ボランティアによる学習支援などが、教育の機会均等に貢献します。教育へのアクセスを拡大することで、SDGs目標4「質の高い教育をみんなに」の達成へとつながります。

SDGs目標13:気候変動に具体的な対策を

社会貢献には、

  • 節電や節水
  • リサイクルの推進
  • 植樹活動

など、地球温暖化の防止に貢献する活動があります。これらは温室効果ガスの削減や生態系の保全に役立ち、SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」の実現に不可欠です。

SDGs目標14:海の豊かさを守ろう

海岸清掃や、持続可能な漁業への支援など、海洋環境の保護に関わる活動も社会貢献の一環です。海洋生物の生息環境を守ることで、SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」に貢献します。

このように、社会貢献とSDGsは密接に関連しており、個人や企業がSDGsへの理解を深め、それに基づいた行動をとることが、目標達成への大きな力となります。大規模・小規模に関わらず、それぞれの活動が、より良い世界の実現につながることを忘れずに、私たちひとりひとりが行動を起こしていきましょう。*6)

>>各目標に関して詳しい記事はこちらから

まとめ

社会貢献は、私たちの生活を豊かにし、持続可能な社会を築く上で欠かせない行動です。個人の善意や企業の責任ある行動が、世界的な課題解決に直接的な影響を与えることを再認識しましょう。

SDGsの目標達成に向けても、社会貢献はより一層、重要性を増しています。将来的には、社会貢献のあり方はさらに具体性と戦略性を強化していくと考えられます。

技術の進歩や情報の共有が容易になることで、個人の小さな行動も世界中に広がる影響力を持つようになります。今後、企業は事業の規模に関わらず、社会貢献を経営戦略の一部として位置づけ、持続可能性と経済的成長を両立させるモデルを構築することが求められる可能性があります。

私たちひとりひとりも、日常生活の中で社会問題の解決に意識を向け、地域や世界のためにプラスとなる行動を積極的に取り入れるべきです。

企業と個人が協力し合い、それぞれの立場から社会貢献を推進することが、SDGs目標の達成、持続可能な地球環境と人間社会の実現に向けた大きな力となるでしょう。今日からでも、あなたのできることを見つけ、まずは小さなことから取り組んでみてください。

私たちひとりひとりの正しい理解と責任ある行動の積み重ねが、世界を変える力になります。より良い未来のために、社会貢献の輪を広げましょう!

<参考・引用文献>
*1)社会貢献とは
法務省『社会貢献活動とは』
経済産業省『価値創造経営、開示・対話、企業会計、CSR(企業の社会的責任)について』
中小企業庁『「CSR」で会社が変わる、社会が変わる』
*2)企業が実施する社会貢献の種類と具体事例
TOYOTA『社会貢献』
TOYOTA『社会貢献活動』(2022年)
TOYOTA『森には、いのちの物語がある』
Unilever『公平性、多様性、包括性』
Unilever『責任あるビジネスと企業行動原則』
Unilever『地球と社会』
Unilever『公平性、多様性、包括性 戦略と目標』
AEON『社会の取り組み』
AEON『包括連携協定 自治体との包括連携協定』
Panasonic『100 THOUSAND SOLAR LANTERNS PROJECT』
Panasonic『100 THOUSAND SOLAR LANTERNS PROJECT』
Panasonic Group『「貧困の解消」を目指して~NPO/NGOサポートファンド 20年の歩みを糧に』(2023年5月)
Panasonic Group『災害支援』
日本経済新聞『パナソニック、創業100周年を機に社会貢献活動として「無電化ソリューションプロジェクト」を開始』(2018年4月)
SoftSoftBank『つながる募金』
ソフトバンクニュース『美しいサンゴの海を未来につなぐ。沖縄県恩納村で取り組むサンゴの苗の植え付け活動』
SoftBank『社会貢献活動』
マイクロファイナンスとは?仕組み・問題点と日本企業の取り組み事例を解説
LGBTQ+とは?簡単にわかりやすく解説!種類と日本の現状・問題点・取り組み事例
Rakuten『楽天銀行住宅ローンはLGBTのかたを応援しています』
Rakuten『持続可能なFinTechサービス』
Rakuten『楽天、社会起業家と取り組む社会課題解決プログラム「Rakuten Social Accelerator」のDemo Dayを初開催』(2019年1月)
*3)企業が社会貢献を行うメリット
中小企業庁『「CSR」で会社が変わる、社会が変わる』
中小企業庁『CSR(企業の社会的責任)と人権』(2018年)
中小企業庁『「企業の社会的責任と人権」』(2010年)
中小企業庁『 2022年版 小規模企業白書 第1節 小規模事業者による地域課題の取組』
中小企業庁『第2節 地域課題の解決による地域活性化』
*4)企業が社会貢献を始める際のポイント
中小企業庁『一人ひとりから、はじめよう。CSR』
*5)個人ができる社会貢献
法務省『立ち直りを助ける社会のチカラ 社会貢献活動』
法務省『社会貢献活動とは』
エシカルとは?エシカル消費の始め方暮らしへの取り入れ方・おすすめ商品の紹介
*6)社会貢献とSDGs
経済産業省『SDGs』