【開催レポート】国連大学SDG大学連携プラットフォーム公開シンポジウム

国連大学SDG

Introduction

2022年3月30日(水)に約4時間に渡って開催された国連大学SDG大学連携プラットフォームの公開シンポジウム。SDG大学連携プラットフォームに加盟する31大学が4つの分科会に分かれ議論を重ねてきた成果が発表されました。

300名以上もの方がリアルタイムで視聴し、各セッションの終わりには質問が飛び交うなど、大変有意義で質の高いシンポジウムでした。

本記事では、当日の発表内容をご紹介します。「SDGs達成に向けてできることは何か?」を考えるきっかけとなる内容がたくさんありましたので、リアルタイムでの視聴が難しかった方も是非チェックしていただけますと幸いです。

国連大学SDG大学連携プラットフォームとは

「SDGs推進に積極的な大学が連携し、取組みの共有、国際社会で活躍できる人材育成、国内外への発信を通じて、日本の大学のSDGsの取組み及びステークホルダーとの関係強化と国際社会でのプレゼンス向上を図ることで、日本及び世界の持続可能な発展に貢献する」ことを目的に2020年設立。地域や文理、規模等の異なる31大学から形成される。

当日のプログラム

シンポジウムの冒頭では、SDG大学連携プラットフォーム・チェア、UNU-IASの山口しのぶ所長と文部科学省大⾂官房国際課の小林万里子課長より、シンポジウム開催の意義について挨拶がありました。

その後、「大学マネジメント」「SDGカリキュラム」「大学間等連携」「大学評価とアカウンタビリティ」の4つの分科会より研究成果が発表されました。

セッション1:SDGs推進における大学マネジメントの役割

セッション1では大学マネジメント分科会より、「大学マネジメント層がSDGs推進において目指すべきこと」について、各大学の事例を交えた発表が行われました。

セッションを通して提言されたのが、「SDGs推進によって大学構成員の意識・行動変容を図ること」「マネジメント層に求められる役割を果たすこと」の2つ。

大学におけるSDGsの推進には、

  • 全ての構成員を巻き込んだ組織的な取り組みが必要不可欠であること
  • 全学的な組織の整備、ビジョンの策定、予算措置、プログラムの策定から実施
  • 学内でのグッドプラクティスの共有、発信

など、マネジメント層に求められる役割を果たすことの重要性が述べられました。

総括では、「大学のアイデンティティに沿ったSDGsを追求することで、規模に関係なくどの大学でも必ずできることがある」という力強いメッセージとともに、「SDGsの推進をきっかけに新たな社会連携や大学を構成する教員、職員、学生との横断的な連携に繋げて欲しい」という未来への期待を込めたあたたかい言葉が発信されました。

セッション1の発表の様子

セッション2:大学横断型SDGオンライン授業プロジェクト「国連SDGs入門」の開発

セッション2は、SDGカリキュラム分科会による「大学横断型SDGオンライン授業プロジェクト『国連SDGs入門』の開発」についての発表でした。

国連SDGs入門とは、SDGカリキュラム分科会に参加する12大学を中心に、大学横断型で開発を進めてきたオンライン授業のことです。

「SDGsの達成に向けてどのようなアクションをとるべきか」を学生が主体的に考えられるような内容を目指して作られており、発表の中で講義のプレビュー動画も放映。

講義動画の紹介の様子

総括では「SDGs入門が開発できたことは、『不可能を可能にする』という意味で良い例ができたのではないかと思う。今まで経験したことがないような大学間での連携が実現できたことは大変有意義だった。これからは、この努力や熱意をどのように学生に伝えるかを考えながら実践に移していきたい」と、今回のプロジェクト全体を通した感想が述べられました。

セッション2の発表の様子

セッション3:大学発の連携「日本らしいSDGsのありかた」

セッション3は大学間連携分科会より、『大学発の連携「日本らしいSDGsのありかた」』について発表が行われました。

特に印象的だったのが「日本らしいSDGsのありかた」に関する各大学の事例発表の中で行われた、九州産業大学と金沢大学の学生による発表です。

「難しく考えるのではなく、楽しみながらSDGsへの理解を深めることが大切」といった、学生ならではのリアルな声が発信されました。

まずは多様性を受け入れることが日本らしいSDGsへの理解を深めるスタートになること、さらに多種多様な学生が参画できるようなプログラムを作っていくことが重要であるという点に関して、教員目線、学生目線の両方から考えさせられる有意義な内容でした。

金沢大学 国際学類 広江琉花さんによる発表の様子

セッション4:大学評価におけるTHEインパクトランキングの 意義と課題

セッション4は、大学評価とアカウンタビリティ分科会による「THEインパクトランキングと日本の大学について〜世界の大学との⽐較」というテーマでの発表でした。

THEインパクトランキングにフォーカスし、概要とともに今後大学のあり方ミッションにどのような影響を与えるか、説明がありました。

また、THEインパクトランキングで上位にランクインしている筑波大学と北海道大学の取り組み事例の紹介もあり、非常に分かりやすい内容でした。

各大学による取り組み事例発表の様子

今後、THEインパクトランキングという指標が大学選びの一つの選択肢となり得る点に触れたうえで、大学として研究成果の集約と発信に力を入れる必要があることについて言及。

これらの一連の取り組みが、社会と価値を共有するきっかけとなっていくという今後の未来像も共有され、THEインパクトランキングへの理解が深まりました。

シンポジウムを振り返って 

今回のシンポジウムでは、各大学におけるSDGs推進事例が数多く紹介されました。同じSDGsというテーマでも、それぞれの大学の特徴が出ており、改めて「大学の多様性」を感じる良い機会になったのではないかと思います。

今回のシンポジウムをスタートとして、「SDGsの達成に向けて自分に何ができるだろう?」と考え、まずは身近なできることから行動に移していくことが大切なのではないかと感じました。

当日の振り返りは、国連大学のホームページでも掲載予定です。