株式会社東急パワーサプライ|再生可能エネルギー由来の電力で新たな風を!環境に優しいまちづくりに込めた想い

株式会社東急パワーサプライ 佐藤さんインタビュー

佐藤 優哉

1988年6月6日 茨城県水戸市生まれ。2011年3月、慶應義塾大学卒業後、東京電力株式会社に入社。2016年の電力自由化後の2017年6月より東急パワーサプライに入社。電力・ガス事業の契約事務業務の立ち上げに参画。2021年より新規事業の企画担当に着任、特に環境・政策関連の業務を担当。

introduction

よりおトクに、より楽しく、次々と、「新しい生活体験」の提供をスローガンに、再生可能エネルギーの供給に取り組んでいる株式会社東急パワーサプライ。SDGs達成につながる様々な事業を展開している同社のエネルギーを通じた社会意義や環境貢献について、そして世田谷区と連携した脱炭素によるスマートなまちづくりへの思いをお聞きしました。

新しい生活体験の提供を目指して、日本初に挑戦

本日はどうぞよろしくお願いします。早速ですが、東急パワーサプライについてお聞かせください。

佐藤さん:

東急パワーサプライは、2015年に設立され、東急株式会社と東北電力株式会社が出資する比較的新しい会社です。2016年から「東急でんき」を、2018年から都市ガスサービスの販売を開始し、「東急でんき&ガス」へと進化しました。

現在はどのような方にエネルギーサービスを提供しているのですか。

佐藤さん:

個人宅から法人・公共施設に至るまで、様々なお客様にエネルギーを届ける事業を展開しております。例えばSHIBUYA109渋谷店などで導入実績があり、効率的な電力供給や環境に配慮したエネルギーの供給で、法人・個人問わずご好評をいただいています。

電力小売自由化を契機に生まれた会社なので、これまでにない生活サービスの提供を目指したいと思っています。弊社のスローガンにもある、「よりオトクで、より楽しい、新しい生活体験」をお届けできるよう、新たな取り組みにも挑戦しているんですよ。

例えばどのような取り組みが挙げられますか? 

佐藤さん:

現在は、『せたがや版RE100』として世田谷区全体で取り組んでいる、再生可能エネルギーの利用拡大施策に参画しています。具体的には、神奈川県三浦市にある太陽光発電施設「世田谷区みうら太陽光発電所」で作られた再生可能エネルギー由来の電力を、世田谷区内の東急バスのバス停・二子玉川ライズステーションマーケット・五島美術館の3か所に提供しています。

世田谷区みうら太陽光発電所

みうら太陽光発電所による電力の地産地消のイメージ図
再生可能エネルギーとは

地球環境の中に存在する太陽の光、風、水、植物や生物由来のバイオマス資源などを利用したエネルギーのことです。二酸化炭素の排出を抑え、自然由来のためくり返し資源を確保することができることから、持続可能なエネルギー源として注目されています。

「世田谷区みうら太陽光発電所」の事業では、年間で一般家庭約160世帯分に相当する、約245トンの二酸化炭素を削減しています。再生可能エネルギーを地産地消できている事例として、高い評価をいただいています。

ぜひ詳しく教えてください。

日本初!バス停留所を再生可能エネルギーでライトアップ

東急バスや二子玉川ライズの事例では、太陽光で発電された電気を供給しているのですね。

佐藤さん:

そうですね。東急バスの例では、こちらは日本で初めて(※)、50か所のバス停留所においてCO2フリーを実現しています。

※東急バス、東急パワーサプライの合同による取り組み事例調査の結果   

少し難しい話になるのですが、こちらの事例では、世田谷区が保有する「みうら太陽光発電所」由来の電力を中心に、非化石証書の組み合わせることで実質再生可能エネルギー100%を達成しています。

非化石証書とはどのようなものでしょうか。

佐藤さん:

再生可能エネルギーなど、石油・石炭といった化石燃料を使わずに発電した電気を非化石電源と言います。非化石電源の価値を、電気そのものの価値と、CO2を排出しないため環境負荷が少ないという価値に切り分けて、環境面の価値に対して値段をつけて売買できるようにしたのが「非化石証書」という仕組みです。

環境価値とは、CO2を排出しなかったご褒美のような感じでしょうか。

佐藤さん:

難しいですよね(笑)。

電気にはカタチがないので、送電線を通ってくる間に化石電源も非化石電源も混ざってしまうのですが、この「非化石証書」を購入することで、化石電源で発電した電力も含め環境負荷のない電気を使用したとみなすことができる売買制度が、2018年度からスタートしています。まだまだ非化石電源で生み出される電力が少なく、その普及を後押しするために発足した制度ですね。

私たちも、再生可能エネルギーの発電所由来の「非化石証書」を購入することで実質的に再生可能エネルギー100%を実現しているんですよ。

なるほど。使った電力と同じ量の「非化石証書」を購入することで、非化石電源由来の電力として扱うことができるイメージですね。

佐藤さん:

そうですね。もう1つの事例としては、2019年に東急世田谷線は「日本初の二酸化炭素排出量ゼロの都市型通勤電車」として運行を開始したのですが、その運行に協力しています。 具体的には三軒茶屋駅から下高井戸駅までを結ぶ約5km・10駅の区間の運行において、全ての時間帯で再生可能エネルギーのみで動いています。

(※)2019年当時の東急(株)、東北電力(株)、(株)東急パワーサプライの3社合同による取り組み事例調査の結果。現在は国の非FIT非化石トラッキング実証実験の開始にあわせ、トラッキング属性情報付非FIT非化石証書を使用している。

ぜひそちらの事例についても教えてください。

日本初!100%再生可能エネルギーで動く普段使いの電車

佐藤さん:

再生可能エネルギーの利用拡大や普及は、当社のみでなく、東急グループ全体の方針でもあります。地域の皆様に、再生可能エネルギーについて身近に感じていただくためには、お客さまが毎日利用する電車が再エネ100%になることが分り易いのではないか、というところで検討が始まりました。

それで東急世田谷線に着目したのですね。

佐藤さん:

そうですね。世田谷区は東急グループのサービスを利用してくださっている方も多く、関わりが大きいエリアですから。地域に貢献したいという気持ちや、私たちの環境に対するメッセージの伝わりやすさ、路線の長さ、電力需要などを複合的に考慮して決定しました。

馴染みのある電車で環境に関する取り組みが行われたら、確かに興味がわきますね。

水力と地熱からできた電気で二酸化炭素排出量をゼロに

電車の運行に使われている再生可能エネルギーは、どのように確保なさっているのですか。

佐藤さん:

東北電力グループで作っている、水力と地熱由来の電気を使っています。

水力と地熱を使って発電しているため、CO2の排出量もゼロなのですね。

佐藤さん:

そうですね。きちんと再生可能エネルギーで電車が運行されていることも証明するようにしています。世田谷線の電力使用量実績と、水力・地熱発電所の発電電力量実績を確認して、全時間帯において使った電力は全て再生可能エネルギーであることを公表しているんですよ。

※「温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度」に基づき、メニュー別排出係数(0k g-CO2/ kWh)として、経済産業省及び環境省が電気事業者からの報告を集計し、毎年7月頃にウェブサイトで公表。

徹底されていますね。 東急世田谷線の取り組みによって、どのくらいのCO2を削減できているのでしょうか?

佐藤さん:

東急世田谷線では、1年間で東京ドーム約0.5個分となる1,269t-CO2の二酸化炭素を排出していました。これが再生可能エネルギー100%になったため、二酸化炭素排出量はゼロになったんです。

※2018年度世田谷線電力使用実績(2,166千kWh)を基に、二酸化炭素の密度(647,324㎥)を算出、標準状態:0°C・1気圧で計算。東京ドームの容積は1,240,000㎥

電車は自動車よりも二酸化炭素排出量は少ない印象でしたが、1年に換算すると東京ドーム半分くらいもの量が排出されているなんて、驚きました。

脱炭素社会について身近に感じてもらいたい

東急世田谷線や東急バス、二子玉川ライズ、五島美術館など、幅広い年齢層の方が利用する施設でCO2排出量ゼロを実現しているのには理由があるのですか。

佐藤さん:

そうですね。私たちは、再生可能エネルギーを供給する社会的意義と同じくらい、脱炭素社会の必要性や実現へ向けた取り組みについて、「知っていただくこと」も重視しています。

再生可能エネルギーを身近に感じていただくために、東急世田谷線やバス停留所のステッカーや、二子玉川の大型ビジョンなど、様々な場所で再生可能エネルギーの働きについて情報を発信しています。

電気は目に見えるわけではないので、どのような経緯で作られているか知る機会は少ないですもんね。広告があれば、興味を持つきっかけになりそうです。

佐藤さん:

そう言っていただけると嬉しいですね。今回の例のような、公共施設や企業向けばかりでなく、EV・PHVといった電気自動車をお持ちの個人の方向けのおトクな電気料金プランも実現しています。今後も、環境に優しいスマートな社会の実現へ向けて新しいことにチャレンジしていきたいと思っています。

EV(Electric Vehicle)とは

バッテリーの電力のみで動く電気自動車、PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)は自宅や充電スタンドで充電できるハイブリッド車のことです。

今後も再生可能エネルギー由来の電力供給がどんどん広がっていくといいですね。本日は貴重なお話をありがとうございました!

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