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Treehuggerとは?オーストラリアの森林を守るために取り組む人々の活動例を見てみよう!

Treehuggerという言葉をご存知でしょうか?

2019年に発生した大規模な森林火災以降、オーストラリアではTreehuggerという概念が大きく広がっています。

Treehuggerは木々への尊重や保全活動に貢献する人々のことを指しており、個人でもできる取り組みが多い点が特徴です。

この記事では、Treehuggerの基本情報、由来、具体的な活動例の詳細について解説していきます。

団体に所属することなく手軽にはじめられるTreehuggerの取り組みも併せてご紹介するので、森林保全やサスティナブルな地球づくりに興味がある方はぜひ参考にしてくださいね。

Treehuggerとは?

Treehugger(ツリーハガー)とは、木々や植物を尊重し保全への意識を持つ人々のことを指す概念です。

木々は二酸化炭素を吸収するだけでなく、多くの野生動物の生息地も提供しており、地球の生態系を維持する上で必要不可欠な存在です。

しかし、森林伐採などの環境問題も深刻化していることから、Treehuggerは木々の重要性や保全への積極性を提唱するために活動しています。

Treehuggerの起源

Treehuggerという言葉の元になった出来事が起きたのは、1730年とされています。

インドのビシュノイ村にて宮殿建設を目的に森林伐採が行われる際、森を守るために村人約350人が木にしがみついて抵抗しました。

多くの村人が命を落とすこととなった悲惨な出来事として伝えられている一方で、木に抱きついて保護しようとする姿=Treehuggerとして定着することになりました。

オーストラリアで広がるTreehugger

2019年から2020年にかけて、オーストラリアでは大規模な森林火災が発生しました。

WWFが発表した報告書によると、大規模森林火災によってオーストラリアの国土のうち1,900万ヘクタール(東京ドーム400万個分以上)が焼失したとされています。

また、森林だけに限定すると1,260万ヘクタール(東京ドーム約270万個分)が森林火災の影響を受けており、約30億匹の哺乳類、爬虫類、鳥類、両性類を含む野生動物が被害に遭っています。

オーストラリアは広範囲の森林を失ったことで、木々の数が減少しているのはもちろん、生態系破壊のリスクにもさらされている状態です。

元々Treehuggerという概念が認知されていたオーストラリアですが、大規模森林火災をきっかけに以前よりも大きく注目されるようになりました。

Treehuggerの具体的な活動例とは?

オーストラリアのTreehuggerは、森林を守るためにさまざまな取り組みを進めています。

ここでは、森林保全に力を入れている団体が行っているTreehuggerとしての活動を見ていきましょう。

生態系の保護

Treehuggerの中には、森林の生態系を維持するために活動している団体も含まれています。

森林の生態系を保護する上で、外来種の存在は大きな脅威です。

Treehuggerの中には土地の再整備を行っている団体も多く、外来植物の特定及び除去や在来植物の個体数増加に貢献しています。

在来植物が増えることにより、オーストラリアの森林が本来の姿を取り戻せるのはもちろん、野生動物の生息地としての役割も果たします。

時間のかかる地道な作業ではあるものの、各エリアの森林の調査と再整備は生態系にとって大きなメリットのある活動です。

オーストラリアの森林に関する調査及び発表

Treehuggerと密接にかかわっている団体のひとつに、環境財団のPlanet Arkが挙げられます。

シドニーに本拠地を構えるPlanet Arkは1992年に設立された非営利環境団体で、National Tree Dayをはじめとするオーストラリアのさまざまな自然保護イベントを創出してきました。

持続可能性の高い未来づくりに力を入れていることから、Planet Arkでは国内の森林が置かれている現状や改善策に関する調査を実施しています。

例として、2019年から2020年にかけて発生した大規模森林火災、長期的な干ばつ、新型コロナウイルス感染症によるエコ活動への影響に対する調査がこれまでに行われており、生態系の再生や保護への解決策を見出すための糸口となっています。

講演会やセミナーの開催

環境問題=プラスチックごみ問題、野生動物の減少、気候変動といったイメージを持つ人々が多い一方で、Treehuggerについて知らないというオーストラリア国民もたくさんいます。

そこで、森林保全に力を入れている団体は環境に関する講演会やセミナーに演者として参加し、Treehuggerの概念や一般市民ができることについて啓発活動を行っています。

Treehuggerの活動は個人でも気軽にできる!

さまざまな団体がTreehuggerとして取り組みを進めていますが、実は個人でもできることはたくさんあります。

Treehuggerはあくまで森林への保全意識を持つための概念であり、小さなことでもTreehuggerとして自然環境に貢献できます。

ここでは、個人が手軽に行える取り組みについてチェックしていきましょう。

自然の中を散策する

Treehuggerを直訳すると「木をハグする人」ですが、活動する上で実際に木を抱きしめる必要はありません。

木々への慈しみや感謝の気持ちを抱くことが大切とされており、森の中や自然の多い公園を歩くだけでもTreehuggerの活動として認められています。

木々の種類、季節の移り変わり、木々を生息地とする野生動物などに着目することで、自然環境への保全意識を高められると考えられています。

National Tree DayにSNSへ投稿する

オーストラリアでは、毎年7月と12月にNational Tree Dayを設けています。

7月の最終日曜日をNational Tree Day、最終金曜日をSchools Tree Dayとしているほか、国内に世界最古の熱帯雨林を持つことから12月の第1日曜日をTropical Tree Dayとしています。

木々に関する啓発セミナーや植林などを行っており、Planet Arkによって1996年に始まりました。

しかし、「環境保全に興味はあるけど活動に参加するのはハードルが高い」「手軽に参加できる方法はないの?」という層も多かったことから、Planet ArkではSNSへの投稿することでNational Tree Dayの活動に貢献できるようにしました。

自宅、職場、学校などの近くの木の写真を撮って、「#HugaTreeforNTD(National Tree Day)」のタグ付けをすることでNational Tree Dayに対する世間の認知度を高められます。

自然環境を守る上でTreehuggerの概念を広めることは必要不可欠となっており、特に新型コロナウイルス感染症の影響でNational Tree Dayの活動が中止となった期間に多くの人々がSNSで参加しました。

ボランティア活動への参加

Treehuggerとしてより積極的な活動をしたい場合、ボランティアとして参加するという選択肢があります。

オーストラリアでは各州のさまざまな地域で森林保全活動を行っており、一般市民が気軽に自然保護に貢献できるシステムが構築されています。

尚、ボランティア活動の種類は非常に豊富で、以下は参加できる活動の主な例です。

・植林

・外来種の駆除

・森林区間のフェンスの修繕

・森林のゴミ拾い

・ニュースレターの発行

多彩な分野でのボランティアに応募できるため、自身の得意なジャンルで活躍しやすいところがメリットです。

また、定期的に参加するボランティア活動以外にも、National Tree Dayのような特定の日のみ応募可能なボランティアも多くなっています。

「ボランティアに毎週参加するのは難しい」「活動したいときだけ参加したい」といったニーズも満たしやすく、人々が自身の都合に合わせて無理なく活動できる点が特徴です。

まとめ

オーストラリアでも近年大きく注目されているTreehugger。

環境保全活動への参加=ハードルが高いと思われがちですが、1人1人が木々を尊重する概念・Treehuggerは人類が自然と共存するために必要不可欠です。

まずは自然あふれる公園に出掛けたり木々の中をウォーキングしたり、自分が手軽にできる取り組みからはじめてみてはいかがでしょう?