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ベジブロスとは?農薬の危険性や注意点、活用レシピも紹介!

ベジブロスとは?危険性や注意点と活用レシピも紹介!

近年、ベジタリアンヴィーガンといった菜食が活発になり、健康や環境・食の問題について注目が集まっています。その中で、次に目を向けたいのが「ベジブロス」です。

誰でも手軽に作れ、身体にも地球にもうれしいメリットを持ち合わせています。

しかし、デメリットが気になる方も多いと思います。

ここでは、ベジブロスの説明や注意点、これからの自炊に使えるレシピについてお伝えします。

ベジブロスとは

ベジブロスとは、野菜の実や皮・種などからとった出汁のことを指します。

ベジブロスという言葉は、英語のVeggie(野菜)とBroth(出汁)を掛け合わせた造語です。

栄養とうま味が詰まっている

ベジブロスの原料となる野菜や果物・穀物といった植物性由来の食べ物には、動物性由来の素材からは摂取できないビタミンCやEのような栄養素が豊富に含まれています。

実の部分だけでなく、皮・種をベジブロスとして時間をかけて出汁を取れば、栄養素が溶けだし、植物の持つ成分を余すことなく頂くことができるのです。

また野菜が持つうま味も同様で、動物性のスープストックでは味わえない滋味深いおいしさを楽しめます。

ベジブロスのメリット

ではここで、ベジブロスを取り入れるメリットについてご紹介します。

フィトケミカルが豊富に含まれている

ベジブロスの原料となる植物性食品には、フィトケミカル(ファイトケミカル)が豊富に含まれています。

フィトケミカル(Phytochemical)とは、自然界に存在する物質の総称で、基本的には植物の中に含まれる栄養素です。

近年は第7の栄養素としても注目を浴びており、

  • 抗炎症作用
  • 抗酸化作用
  • コレステロール値上昇を抑制
  • がんなどの病気を予防

など、さまざまな効果が期待されています。

フィトケミカルは、現時点で1万種類以上あるといわれています。そして、さまざまなフィトケミカルを組み合わせることで相乗効果が発揮され、わたしたちの身体にプラスに働く点も見逃せません。

万能でどんな料理にも合わせやすい

ベジブロスは、和洋折衷どんな料理にも合わせやすいことが特徴です。

くせがなく食べやすい味わいで、いつもの料理をぐっとランクアップさせてくれるため、自炊のお供に常備しておくと役立ちます。

食品ロスの削減

ベジブロスに使用するのは、野菜の皮や切れ端のような、普段の料理には使わない部分が大半です。いつもならゴミとして処理してしまう食材を無駄なく活用することができます。

毎日、日本では国民1人あたりにつきお茶碗1杯分の食品を捨てていると言われていますが、ベジブロスを作ることで野菜の栄養素を頂きつつ、ごみの量を減らすことにも繋がります。

ベジブロスに使った野菜の皮や種は、確かに最終的には捨てられてしまいます。しかし水分をよく切り乾燥させる、可能ならコンポストに使用するなどの工夫をすれば、食材を余すことなく頂けるうえ、ごみの量も減らすことができるのです。

ベジブロス作りを通して、フードロスなどの毎日の暮らしにまつわる社会問題に目を向けるきっかけにもなるかもしれませんよ。

ベジブロスのデメリット

次に、ベジブロスを取り入れる際のデメリットについても確認しておきましょう。

野菜くずの保管・処理が面倒

先ほどもお伝えしたように、ベジブロスを作る際に必要な野菜の皮や種は最後まで残るため、調理後は処理する必要があります。

またベジブロスを作り置きするには、ある程度の量が必要なため、一定量を溜めなければなりません。

野菜の切れ端はジップロックに入れて冷凍し、使い終わったら乾燥させて処理しやすい状態にしてから捨てるなどの工夫をしたほうがよいでしょう。

野菜くずを使ったベジブロスの材料と作り方

ここで、実際に野菜くずを使ったベジブロスのレシピについてご紹介します。

注意点や使用できる野菜の具体例は後ほど詳しく説明しますので、ぜひ最後まで読んでからチャレンジしてみて下さいね。

材料

1リットルのベジブロスを摂る場合

  • 野菜の皮や切れ端・種など(例:玉ねぎの皮、にんじん、セロリの茎や筋、かぼちゃの種など) 両手1杯ほど

    ※できれば数種類の野菜を組みあわせると、たくさんの栄養素・フィトケミカルを摂取できておすすめです。
  • 水 1.5リットル

作り方

鍋に野菜の皮・切れ端と水を入れ、弱〜中火でコトコト煮込みます。このとき強火にしてしまうと野菜の細胞が破壊されて栄養分が逃げ、エグ味の強いベジブロスになってしまうので注意しましょう。

十分に出汁が出たら、ザルで漉して完成です。粗熱を取ってから容器に入れ、冷蔵庫に入れて保存すれば3〜4日ほど使えます。

おすすめベジブロス活用レシピ3選

ベジブロスができたら、どのような料理に活用すればよいのでしょうか。今回は誰でも簡単にできるおすすめのレシピを3つ厳選しました。

なおここでは誰でも楽しめるように、菜食ベースのレシピで紹介しています。お好みで肉や魚介類を加えてもよいでしょう。

レシピ①シンプルだけど滋味深い、野菜と豆のスープ

スープ類は、あたためても冷たくてもおいしく食べられる万能料理のひとつです。

ここでは、シンプルな野菜と豆のスープをご紹介します。

<材料>2人分
  • 玉ねぎ 1個
  • にんじん、ブロッコリーなどの根菜 2カップ(400ml)程度
  • レンズ豆、ひよこ豆などの豆類(乾燥なら一度茹でてから使用) 1カップ
  • ベジブロス 500ml
  • 塩 適量
  • ローリエ 1枚
  • 粗びき黒こしょう 適量
  • エクストラヴァージンオリーブオイル 適量
<作り方>
  1. 野菜をひと口サイズに切ります。切り方はお好みですが、玉ねぎは薄くスライスに、根菜類は1cm角ほどにカットすると、早く火が通り食べ応えもあるスープになります。
  2. 鍋にベジブロスと野菜、豆を入れ、塩少々とローリエを入れて弱火で15分程度煮込みます。このとき塩は控えめに入れましょう。
  3. 野菜がやわらかくなったら塩こしょうで味を調整し、器に移します。最後に上からエキストラヴァージンオリーブオイルを軽くたらして完成です。

最後にオイルをかけることによって香りがプラスされ、ベジブロスのスープにコクが生まれます。野菜や豆の種類・組みあわせによって食感と味に違いが出るので、いくつか試してみてお気に入りのスープを見つけるのも楽しいですね。

レシピ②食べ応え十分!豆乳リゾット

フライパンひとつでごはんを炊いて作るリゾット
(筆者提供。具がレシピとは異なります)

フライパンひとつでごはんを炊いて作るリゾットは、クリーミーな豆乳仕立てにしてみました。にんにくを入れてパンチを効かせてきのこも加えた、一皿で満足できる料理です。

<材料>2人分

 ■リゾット

  • 米(できれば洗わないほうがよい)1合
  • オリーブオイル 大さじ2
  • ベジブロス 600ml

 ■具

  • にんにく 2かけ
  • たまねぎ 1個
  • ほうれん草 1株
  • きのこ(マイタケやエノキ、しめじなど)1/2パック
  • ヴィーガンバター(普通のバターでも可) 20g
  • 豆乳 150ml
  • 塩 適量
  • 粗びき黒こしょう 適量
  • パセリ 適量
<作り方>

■下準備

野菜を用意します。にんにくはみじん切り、たまねぎは薄くスライスします。ほうれん草は一度さっと茹でてから水を切り、3cm程度にカットしておきましょう。

  1. リゾットを炊きます。鍋にオリーブオイルを入れ、米を軽く炒めます。この時、同時にベジブロスを別の鍋であたためておきましょう。
  2. 米が白くなってきたら、あたためたベジブロスをお玉で少しずつ入れます。ふたをせず20分ほど炊いたらOKです。
  3. 具を用意します。別のフライパンにヴィーガンバターを入れ、にんにくを炒めます。香りがしてきたら玉ねぎを入れてさらに炒めます。
  4. 玉ねぎがしんなりしてきたらきのこを加え、塩を入れて水分を出しつつさらに炒めます。全体的に火が通ってしんなりしてきたら豆乳を入れ、沸騰する前に火を切ります。塩こしょうで味を調えます。
  5. リゾットの鍋に具を投入し、全体が混ざったらお皿に移してパセリ・黒こしょうを振りかけて完成です。

一見難しそうに見えるリゾットですが、手順を覚えればとても簡単です。好みでパルメザンチーズをかけたり、パセリをディルのような別のハーブに替えると、また違った味わいを楽しめます。

レシピ③いつもの出汁に加えるだけ!お味噌汁

最後にご紹介するのは味噌汁です。日本人なら誰でも馴染みのある味噌汁にもベジブロスは活躍します。

いつもの出汁に少し加えるだけで深みが増し、栄養たっぷりの一品に。

<材料>2人分
  • 好みの野菜、豆腐、きのこ、海藻など 適量
  • 昆布出汁(または水+粉末だし) 300ml
  • ベジブロス 100ml
  • 味噌 適量
<作り方>
  1. 出汁とベジブロスをあわせて弱中火にかけ、好みの具を入れて弱火で煮込みます。
  2. 具がやわらかくなったら弱火にし、味噌で味を調えて完成です。

ベジブロスはくせのない味わいだからこそ、さまざまな出汁と一緒に料理するのもおすすめです。

味噌汁なら毎日の自炊でもすぐに作れ、手軽にベジブロスを取り入れやすいのではないでしょうか。

ベジブロスに関するよくある質問

ここまでベジブロスに関する基本的な情報をお伝えしてきましたが、最後にベジブロスに関する疑問についてお答えします。

残留農薬は危険ですか?

作物に散布させる農薬が野菜・果実の中に残留する「残留農薬」を懸念する人は少なくないでしょう。

現在、農薬の多くは水か専用洗剤で洗えば落ちるとされていますが、米やアブラナ科の野菜をはじめ、多くの作物に利用されているネオニコチノイド系農薬は洗っても落ちません

そのため、野菜の皮や切れ端を利用する際は、無農薬や有機(オーガニック)の野菜を選ぶのが無難です。

普段からオーガニックの作物を選べば、ベジブロスだけでなく自炊で口にする食材にも化学農薬・肥料が含まれないので安心して食べられます。

ベジブロスの注意点

野菜の皮や切れ端に落ちにくい農薬が使われている場合があるので、無農薬やオーガニックの野菜を選ぶ

冷凍保存できますか?

できれば一度にたくさん作って保存したいベジブロス。実は冷凍保存も可能です。

ただし容器の種類によっては、回答に不便なこともあります。そこでおすすめは、製氷機の器に入れて凍らせ、小分けにしてジップロックに保存する方法です。状態にもよりますが1カ月程は持ち、必要なときに少量ずつ使えて便利なので、ぜひ実践してみて下さい。

ベジブロスはまずい?本当に美味しいの?

野菜の皮や切れ端を使うなんて、本当においしいの?と思う人もいるかもしれません。しかし結論からいうと、ベジブロスはとてもおいしく頂けます。

ベジブロスを作る前に、野菜や果物を切るときには必ず水洗いし、土や汚れを落としてから使うのも、雑味を減らすための大切なポイントです。

どんな野菜でもいい?向いてる野菜は?

ベジブロスを作るには、基本的にどんな野菜でも大丈夫です。特に以下のような野菜・果物は、ベジブロスに向いています。

  • 玉ねぎ
  • にんじん
  • ブロッコリー
  • キャベツ
  • りんご
  • かぶ・ビーツ
  • トマト
  • セロリ
  • かぼちゃ
  • きのこ など

ただし、キャベツやブロッコリーといったアブラナ科の野菜は、入れすぎると独特な味わいになってしまうので注意が必要です。

またでんぷんを多く含むいも類は粘度が出やすいため、ほどほどにするのが無難でしょう。

フィトケミカルを効率よく摂取するには、できるだけ多くの野菜で作るのがポイントです。

もし使う料理が決まっている場合は、はじめからローリエやセージのようなハーブ類を入れて作っておくのもおすすめです。

まとめ

今回はベジブロスについて、基本の知識から実際の作り方・レシピまで幅広くご紹介しました。

健康な身体を保ち、日々の暮らしを楽しく過ごすためにもベジブロスを取り入れ、野菜や果物が持つ豊かな味わいと栄養を余すことなくいただきましょう。

<参考リスト>
ベジブロスのご紹介 – 一般社団法人ホールフード協会
Phytochemical – an overview | ScienceDirect Topics
ファイトケミカル | 成分情報 | わかさの秘密
Vol.06 魔法の野菜だし ベジブロスを始めよう – 一般社団法人ホールフード協会
食品ロスについて知る・学ぶ | 消費者庁
200人のネオニコチノイド系農薬の尿調査でわかってきたこと 一社)農民連食品分析センター 八田純人|デトックス・ジャパン