#17の目標

SDGs13「気候変動に具体的な対策を」の日本や世界の具体的な取り組みを紹介!

SDGs13「気候変動に具体的な対策を」日本や世界の取組事例を紹介

「地球温暖化の時代は終わり地球が沸騰する時代に突入した」

2023年は各地で最高気温を更新し、地球沸騰化という言葉が国連の事務総長によって発言され話題となりましたね。
気候変動は他人事ではなく、私たちの生活のすぐそばにあります。

そのため、地球温暖化をはじめとする気候変動に具体的な対策を講じる必要があります。

SDGs13「気候変動に具体的な対策を」を達成するために、日本や世界はどのような取り組みを行なっているか、この記事で解説していきます!

SDGs13「気候変動に具体的な対策を」とは?簡単に紹介

SDGs13「気候変動に具体的な対策を」とは、言葉の通り地球温暖化や台風、大雨などの気候変動に対策を打つことを目指しています。

「気候変動に具体的な対策を」の対策には、「緩和」と「適応」があり、IPCC第5次評価報告書 特設ページには以下のように書かれています。

  • 緩和→気候変動を抑えるための対策
  • 適応→すでに起こっている自然災害などの防止や軽減

出典:JCCCA  IPCC第5次評価報告書特設ページ 緩和・適応とは

ここで、SDGs13のターゲットを確認してみましょう。

SDGs13のターゲット

目標13「気候変動に具体的な対策を」は5つのターゲットから構成されています。

「13.1」のように数字で示されるものは項目の達成目標、「13.a」のようにアルファベットで示されているものは実現のための方法です。理解を深めるためにも、1度目を通してみましょう

 ターゲット
13.1すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応力を強化する。
13.2気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。
13.3気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。
13.a重要な緩和行動の実施とその実施における透明性確保に関する開発途上国のニーズに対応するため、2020年までにあらゆる供給源から年間1,000億ドルを共同で動員するという、UNFCCCの先進締約国によるコミットメントを実施するとともに、可能な限り速やかに資本を投入して緑の気候基金を本格始動させる。
13.b後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において、女性や青年、地方及び社会的に疎外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上するメカニズムを推進する。
*国連気候変動枠組条約(UNFCCC)が、気候変動への世界的対応について交渉を行う基本的な国際的、政府間対話の場であると認識している。

SDGs13の達成に向けた世界の企業・団体の取り組み事例

ここでは地球温暖化などの気候変動を食い止めるために、日本の企業や団体が行っている取り組みを紹介します。

日本航空株式会社(JAL)

JAL

JALグループでは2020年6月に「2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指す」という目標を定め、次のような取り組みを行っています。

バイオジェット燃料の活用と国産バイオジェット燃料の開発と導入

バイオジェット燃料は、家庭から出るゴミや木材、使用済みの食用油、藻類などが原料になっています。原油からできた燃料とバイオジェット燃料を混ぜて使用することでCO2排出量が25%削減出来ます。

省エネ機材への移行

省エネ機材へ移行することで低騒音になり、CO2排出量を約15~25%削減することが出来ます。

日々の運航での取り組み

エコ・フライトの取り組み、定期的なエンジン内部の洗浄で燃費の向上に取り組んでいます。また、機体や修理部品の洗浄の際に大量の水を使用することで、汚水が排出されます。その水を自社の処理施設に集め、水をリサイクルしています。さらにコンテナの軽量化で積載重量を削減し、消費燃料を抑える工夫をしています。

CO2排出量取引への対応

航空以外の業態で抑制されたCO2排出量を購入し、地球全体でCO2排出量を削減する取り組みを行っています。また、搭乗する航空機から排出されるCO2をオフセット出来る選択肢として「JALカーボンオフセット」を導入しています。

出典:JAL サステナビリティ

東日本電信電話株式会社(NTT東日本)

NTT東日本グループでは、「NTT東日本グループ環境目標2030」を掲げ、人と地球が調和する未来を目指しています。

デジタルコンテンツ化でCO2排出量の削減

東日本電信電話株式会社(NTT東日本)
引用元:NTTグループ

インターネットを利用することで、移動にかかるガソリンの削減、電車の利用を控えることができ、CO2の排出量を削減出来ます。また、本を作ったりする工場の電気、出来上がった本を配送する車のCO2を削減することも出来ます。

グリーンNTT

創エネ活動として、太陽光発電システムを利用した自然エネルギーの発電・利用を促進しています。

業務量車両のの100%EV化(電気自動車)

車両から排出されるCO2を低減するため、EV化とカーシェアリングの推進をしています。

カーシェアリングの提供

カーシェアリングサービス「ノッテッテ」として、NTTで保有している約8,000台の業務車両を社員が利用しない休日に提供し、CO2削減に貢献しています。

出典:NTT東日本 人と地球のコミュニケーション

シェアリングエコノミーとは?サービス一覧や5つの領域と将来性を簡単に解説シェアリングエコノミーとは?メリット・デメリット、分野別サービス事例や課題を解説

日本マクドナルド株式会社

日本マクドナルドでは、店舗と物流の両面において省エネ活動に取り組んでいます。

店舗での省エネ

・定期的な機械のメンテナンス

マクドナルドの店舗では定期的に機械をメンテナンスをすることで、無駄なエネルギーを使用しないようにしています。

・照明類や機器の電源はドットシールで

店舗内の電力抑制のために、店舗の照明類や機器の電源はドットシール(丸シール)でON/OFFを管理しています。

・LED照明の導入とデマンド監視装置

店舗内の照明はLED照明を導入。リアルタイムで電力を監視するデマンド監視装置で無駄な電力使用を抑えています。

物流での省エネ

・配送スケジュールと納品体制の見直しを実施

配送によるCO2排出量を削減するために、関西地区では読売新聞グループ本社と連携し、食塩と夕刊の共同輸送をしています。食塩を共同輸送することで年間約230台の走行台数を減らすことができ、約1トンのCO2排出量の削減に繋がっています。

・環境負荷の少ないモーダルシフト

愛知県ではトラックによる陸上輸送から鉄道輸送に切り替えています。

出典:マクドナルド 私たちの責任 エネルギー対策

佐川急便株式会社

佐川急便では、CO2排出量削減や3R 推進活動、生物多様性の保全、次世代への環境教育などに取り組んでいます。

脱炭素社会へ向けて

・環境対応車の導入

CO2排出量削減のため、CNG(天然ガス)トラックや、ハイブリットトラック、電気自動車といった「環境対応車」を導入しています。環境適応者の保有は年々増加しています。

・サービスセンターの設置

全国にサービスセンターを設置することで、トラックを使わず、台車や自転車、電動自転車を使用し、「環境にやさしい集配」に取り組んでいます。サービスセンターを活用することで全センター合計で車両1,500台分のCO2の排出を抑えることにつながっています。

モーダルシフトの推進

電車の画像

トラックによる長距離貨物輸送を、CO2排出量が少ない列車や船の輸送に切り替える「モーダルシフト」で、CO2排出量がトラックの11分の1になります。

日本貨物鉄道と共同開発した特急コンテナ列車「スーパーレールカーゴ」による貨物輸送では、1日の合計積載量は10トントラック56台分に相当し、年間1万4,000トンのCO2削減を見込んでいます。

出典:佐川急便 環境への取り組み 脱炭素社会の実現に向けて

企業の取り組みの中には、NTTのインターネットのように、私たちが参加出来ることもあります。

これからの企業ビジョンとしてSDGsへの取り組みは重要なものとなります。アルバイトや仕事を探す際にSDGsへの取り組みをチェックしてみるのも大切です。

また、全国の地方公共団体で取り組んでいる事例がわかるサイトをまとめているのでぜひご覧になってみてください。

内閣府 官民連携の事例

JCCCA 地域の取り組み事例

環境省 「現在、最も力を入れている地域の地球温暖化対策・施策」

他にも企業や自治体の取組事例知りたい方は、インタビュー記事もご覧ください。

株式会社プロトソリューション|シェアサイクルで交通渋滞解消や二酸化炭素削減を目指す 【SDGs未来都市】鳥取県日南町役場 農林課様|森林資源を軸に持続可能なまちづくりを

SDGs13の達成に向けた世界の企業や団体の動向

気候変動は国と経済の安全を脅かす重要な課題とし、イギリスでは2019年に「2050年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにする」という目標を発表しています。世界をリードするイギリスはどのような対策に取り組んでいるのでしょうか。

また、地球環境に関心の高いフィンランドデンマークの取り組みをご紹介します。

イギリス

小さなころから環境問題を学校で学んでいるため、若い世代の環境問題への意識がとても高いのです。

2019年に、ロンドンにゼロ・ウェイストをコンセプトとしたレストラン「Silo London」がオープンしました。ゼロ・ウェイストとは、「ゴミを出さない」を意味します。

  • 店内で出た余った食べ残しはコンポスト機械で堆肥に
  • 食材の梱包に使わない
  • ジャムなどの空き瓶は飲料用グラスに使用する
  • 店内インテリアは地元デザイナーによってアップサイクルされたもの

など、「Silo London」は「食料の生産・消費・再生産」のループで、無駄のないレストランを目指しています。

フィンランド

地球環境に関心の高いフィンランドでは、加盟しているEUの2050年までにカーボンニュートラルにする目標より15年も早い、2035年までにカーボンニュートラルにする目標を掲げています。

2019年に、フィンランドの首都ヘルシンキ市がサスティナブルな情報を発信するための「Think Sustainably」を立ち上げています。このサイトでは環境への配慮を一定基準満たしたレストランやカフェ、ホテル、イベントなどを紹介してくれます。

  • 施設で使用される電力は、太陽エネルギーや水、風力エネルギーを利用
  • 使い捨て食器は使用しない
  • 食品廃棄が出ない工夫

など、施設には17もの安全保全基準が設けられています。

また、自分の移動にかかるCO2排出量を教えてくれる「ルートプランナー」というのがあります。車・公共機関・徒歩などどの交通手段を選んだかでCO2の排出量が可視化されるシステムは楽しみながら、CO2排出量が少ない方法を選ぶことが出来ます。

デンマーク

北欧は持続可能な社会づくりへの意識も高く、再生可能エネルギーや資源のリサイクルがライフスタイルとして浸透しています。

デンマークの街並み
引用元:UN17Village

デンマークでは、「UN17Village」という持続可能な街を作るという取り組みがあります。「UN17Village」はコペンハーゲン南部にあり、広さ35,000平方メートルで5つの建物に800人以上が暮らせるエコ・ビレッジが完成予定です。

特徴は

循環する街づくりを目指しています。

また、デンマークには、すでに風力発電などを用い、ドーム型のエコ住宅を集めたエコ・ビレッジ「トーラップ」や、障害者と健常者と共存できる「ヘルサ」など、いくつかのエコ・ビレッジがすでに作られ、人々が自然や多様性を重視した生活をしています。

SDGs13の達成に向けた世界の企業・団体の取り組み事例

このように、世界では先進的な取り組みがいくつも進められています。その中で、世界の企業はどのような対策を実施しているのでしょうか?

SPARK(リトアニア)

SPARK(リトアニア)
出典:SPARK

気候変動の原因のひとつとして、移動や輸送に使われる化石燃料を燃焼することで排出される二酸化炭素です。

自動車業界では、石油由来であるガソリンを使用しない移動手段として、EVをはじめ、電気自動車の開発・販売に力を入れる企業が増えています。

日本でも認知度が高まりつつある電気自動車ですが、世界ではすでに電気自動車のレンタル・カーシェアリングといったサービスも普及しはじめているところ。

今回は、北欧バルト三国・リトアニアで人気上昇中のサービスを紹介します。

SPARK(スパーク)は、リトアニア初の電気自動車シェアリングサービスを提供しています。2016年にはじまって以来、今では首都ヴィリニュスを中心に、全国の主要な町で気軽に利用できるサービスにまで成長。

2019年には周辺国(ルーマニアなど)にも進出し、欧州で電気自動車シェアリングの輪を広げています。

電気自動車が充電されている様子

SPARKで貸し出している車は、すべてEV電源100%で稼働する自動車です。

メーカーは、フォルクスワーゲンや日産・ヒュンダイなどさまざまですが、どれも1時間以内~数週間とフレキシブルな期間で使える点が魅力。

ひとつのアプリ内で近くの車を予約し、移動距離の確認やチャージステーションの検索・支払いまで一括管理できます。

ほとんどの人にとって、暮らしの中で車が必須なリトアニアでは、すでにEV車の普及に関する整備や優遇が進行中。

電気自動車の専用レーンを走行して交通渋滞を回避したり、公共の駐車場が無料になったりと、使う側にとっても特典が多いのです。

リトアニアの画像
出典:LRT

とはいえガソリン車がまだまだ大きな割合を占めているのは事実です。それでも、車を持っていない若者や旅行者を中心に、電気自動車を選択する人が増え、需要が拡大しています。

またSPARKは、さらなるEV車の普及につなげるため、チャージステーションの開設にも力を入れ、より多くの利用者が気軽に電気自動車に乗れるよう努力しています。

Atomosfair(ドイツ)

Atomosfair(ドイツ)
出典:atomosfair

次にご紹介するのは、気候変動を考える上で欠かせない、二酸化炭素を減らす取り組みを行なっている団体です。

先ほどのSPARKは自動車にまつわる企業でしたが、最も多く二酸化炭素を排出する乗り物が「飛行機」です。

Atomosfairでは、特に旅行やビジネス・家族の都合といった理由で、どうしても飛行機に乗らなければならい人に、ぜひ知ってほしい取り組みを行なっています。

Atomosfair(アトモスフェアー)は、ドイツの環境省がリサーチプロジェクトの一環で立ち上げた非営利団体です。

2004年の設立以降、気候変動への解決につながる「二酸化炭素排出の削減」を掲げ、余剰な二酸化炭素排出量をお金で購入・寄付するカーボンオフセットの仕組みを行なっています。

また、ケニアやインド・ネパールといった開発途上国を中心に、農業や普段の暮らしに必要な電力を賄うための再生可能エネルギー発電所を設置する活動も行っています。

Atomosfairでは、飛行機の搭乗による二酸化炭素の排出量を可視化し、過剰排出した二酸化炭素をお金で支払う「カーボンオフセット」の仕組みを提供しています。

カーボンオフセットについて

カーボンオフセットのイメージ画像
出典:環境省

同社のレポート によると、2050年の1.5度目標を達成するためには、1人あたり年間1,500㎏の二酸化炭素排出量に抑える必要があります。

しかし、1度飛行機に乗るだけで、多くの場合は年間目標を一気に超えてしまうのです。

そこでatomosfairでは「そもそも二酸化炭素排出を避ける」ことを前提にしつつも、万が一飛行機に乗る場合はオフセットをするように求めています。

同団体が用意するカーボンオフセットのページでは、

  • 搭乗するフライトにあわせてカーボンオフセット
  • 定期的な寄付
  • 応援したいプロジェクト・団体を指定して寄付
  • atomosfairへ直接寄付

と、さまざまな方法でカーボンオフセットを呼びかけています。

たとえば、搭乗するフライトにあわせてカーボンオフセットを行いたい場合、経路や搭乗クラス・飛行機のタイプを選択するだけで、自動的に推定二酸化炭素排出量を数値化。カーボンオフセットに必要な量と金額を表示します。

例として、日本と欧州の直行便で最も近いといわれている、ポーランド(ワルシャワ)~日本(成田)のフライトに、エコノミークラスで搭乗した場合の二酸化炭素量排出を入力してみました。

ポーランド(ワルシャワ)~日本(成田)のフライトに、エコノミークラスで搭乗した場合の二酸化炭素量排出

この場合「Your climate impact(推定の二酸化炭素排出量)」は、2,312㎏、オフセットに必要な金額は54ユーロ(約7,020円)でした。

図の中のの棒グラフでは、さまざまなシミュレーションを基にした二酸化炭素排出量を確認できます。

上から順に、

  • 搭乗予定のフライト(赤)
  • 南アフリカ・エチオピアの国民が輩出している、平均的な二酸化炭素の量(青)
  • 1台の普通車が12,000㎞走行した場合に出す二酸化炭素の量(青)
  • 気候変動を食い止めるために、年間で1人当たりが出せる二酸化炭素の許容量(緑)

搭乗クラスや距離にもよりますが、1度でも飛行機に乗れば、その年に出してもOKな二酸化炭素量を優に超えてしまうことが分かります。

また、ここでエチオピアの例が示すように、実は開発途上国に住む人の多くは、ほとんど二酸化炭素を排出していないことにも気づかされるのです。

このカーボンオフセット・シミュレーションを通して、いかに飛行機移動が特別な手段なのかを可視化でき、気候変動を食い止めるためにできるだけ「飛行機に乗らない」という選択肢をとる人が増えれば、地球へのインパクトは随分変わってくるのではないでしょうか。

デルタ航空(アメリカ)

先の例では「飛行機に乗らないことが、二酸化炭素排出量を防ぐ手段になり得る」と示しましたが、当の航空会社が行っている取り組みを見逃すわけにはいきません。

世界を繋ぐ大切な手段でもある航空業界も、持続可能な未来へ向けて努力をはじめています。

ではここで、アメリカの航空会社・デルタ航空に着目してみましょう。

デルタ航空は、アメリカの航空会社。日本はもちろん、世界じゅうに空路を持つグローバルな航空会社のひとつです。

飛行機の画像

2020年3月、デルタ航空は航空業界ではじめて、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を宣言しました。

10年後の2030年までに1億ドルもの資金を投じ、

  • より二酸化炭素を排出しないシステムの開発
  • 空気を汚さない技術の開発
  • 機内サービスで使用する容器やアメニティの素材を環境にやさしいものにする

などの計画を発表しています。

また、カーボンニュートラルへの取り組み方法として、カーボンオフセット以外にも、中期目標として「2030年までに使用燃料の10%を化石燃料から持続可能な燃料へと切り替える」と掲げています。

とはいえ、取り組みはまだはじまったばかり、これからの動きに注目したところですね。

Plastic Free July(オーストラリア)

これまで、主に乗り物に関する取り組みを紹介してきましたが、実は気候変動の大きな引き金になっている「石油」は、プラスチック製品の生産に多く使用されています。

プラスチックは土や水の中で分解されるのに100年以上かかるため、海・陸の生態系に悪影響を与えている点も深刻な問題です。

まずはとにかく、プラスチックの生産・使用を削減することが求められる中、ひとりひとりの取り組みで世界を変えようとする動きが出てきています。

Plastic Free July(プラスチック・フリー・ジュライ)は、オーストラリアを拠点に活動する、2011年設立の非営利団体です。

同団体では毎年7月、できるだけプラスチック製品を使用しない「Plastic Free July」というキャンペーンを展開しています。

目標はゼロでなくても大丈夫。何かペナルティがあるわけでもありません。

本当に誰でも気軽に参加できるプロジェクトなのです。

同団体のレポートによると、2020年の参加者は3億2,600万人で、なんと推定9億kgもの使い捨てプラスチックを使わずに済みました。

ひとりひとりの活動は小さいかもしれませんが、世界規模に換算すると大きな数値としてあらわれることが分かります。

このキャンペーンは様々な国のメディアに注目され、企業や政府といった組織への強いメッセージにもなりました。

アクションに参加すると、期間中に行われる世界各地で行われるさまざまなイベントに参加でき、新たな学びを得られることも。

ウェブサイト内では下の画像のように、プラスチックを減らすためのヒントをカテゴリー別に掲載し、いつでも気軽にプラごみをなくす取組を実践できます。

大事なのは、ひとりひとりがプラスチックの削減にチャレンジし「意外といける」という意識を持つこと。

キャンペーンが終わったあとも、プラスチックを使わない生活を継続するための、大切なきっかけづくりになっています。

年ごとに参加者が増えている様子からも、こうした非営利団体だけでなく企業や自治体が率先してプラスチックの使用を避ける動きは、今後はさらに強く求められるはずです。

まとめ

ここでは、SDGs13に取り組む企業や団体の取り組みを紹介しました。

地球温暖化対策というと、とても難しく大きなことのように感じますが、日々の生活習慣の中でも私たちにできることはあります。
自分にできることを積み重ねたり、SDGsに取り組む企業を応援するなどして、SDGs13を達成しましょう。