2015年に国連によって採択された持続可能な開発のための目標であるSDGs。
テレビでも取り上げられる機会が増えたことで、興味を持ち始めた方も多いと思います。
そこで今回は、学生さん向けやビジネス活用など目的向けにおすすめのSDGs本を紹介します。
まずは簡単にSDGsについておさらいしましょう!
SDGs(エスディージーズ)とは?
SDGsとは、2015年に国連によって採択された世界共通の目標です。
「誰ひとり取り残さない」という強い信念のもと、世界が抱える、
- 環境
- 社会
- 経済
に関する課題の解決を目指します。そのために17個の目標と169個のターゲットが掲げられていることも特徴です。
外務省では、SDGs目標達成に向けての取り組み事例を動画にまとめています。大枠を理解するのに役立つので、ぜひ目を通してみてください。
ここからはSDGsを詳しく知るためにおすすめの書籍を紹介していきます。
【大人向け】入門書編
まずは入門書から見ていきましょう。
未来を変える目標 SDGsアイデアブック Think the Earth著 紀伊國屋書店 出版
SDGsを楽しく学びたいという方におすすめの一冊です。
【おすすめポイント①】アイディア・写真・イラストが豊富
17個の目標の説明はもちろん、世界で実践されている達成に向けたアイディアが、写真やイラストとともにまとめられているので、子どもから大人まで世代問わずSDGsを学べます。
本書を読むことで、
- SDGsがどのような世界を目指しているかがわかる
- ひとつのアクションがどの目標に貢献するのか一目で理解できる
ようになり、読み終えた頃にはSDGsについて誰かに話したくなるはずです。
【おすすめポイント②】専門家のコラムも掲載
環境問題の専門家、金融の専門家、テクノロジーの専門家のコラムが掲載されており、さまざまな視点からSDGsについて理解を深められます。
【大人向け】ビジネスにつながる書籍
ここでは、SDGsとビジネスを結びつけるために参考になる本をご紹介します。
60分でわかる! SDGs 超入門 バウンド著 技術評論社出版
こちらはビジネスの観点からSDGsを学びたい人におすすめの一冊です。
- SDGsの基本
- 企業がSDGsに取り組む意義
- SDGsとビジネスの両立事例
をわかりやすく解説しているため、例えば「来週の会議までにSDGsについてまとめておいて」といった急な仕事が舞い込んできた時に強い味方となります。
また、SDGs目標達成のための投資や経営についても説明されており、SDGsとビジネスをうまくリンクさせる方法を知りたい場合にもおすすめです。(※1)
【おすすめポイント】図解とイラストでわかりやすい
目標ごとに、
- 目標の説明
- グラフ
- 図
- イラスト
で説明されているため、文章ばかりの本が苦手、という方でもSDGsの全体像を掴みやすい構成になっています。
SDGsが生み出す未来のビジネス (できるビジネス)水野 雅弘著 原 裕著 インプレス出版
「SDGsが生み出す未来のビジネス」は、
- SDGsをビジネスとして学びたい
- 既に展開しているビジネスの中にSDGsの要素を加えたい
- SDGsの事業を始めたい
と考えている方におすすめの、ビジネスに特化したSDGs入門・実践本です。
【おすすめポイント】SDGs実践例が豊富
本書では、SDGsをビジネスに取り入れた企業の事例を紹介しており、専門用語の解説付きでかゆいところに手が届く内容です。
また、事業に取り入れやすいように、マーケティングの4PとSDGsの5P(People、Planet、Peace、Prosperity、Partnership)の要素が盛り込まれているのも特徴です。(※2)
書籍レビューには、
SDGsにおけるビジネスマーケティングについてもかなりの割合で考察されていますが、この発想が従来のただただ儲けを追求するマーケティングとは異なった切り口であるため、新しい発想を欲している人には刺激になります
amazonレビューより
とあるように、事業の発想転換をしたいという人にもおすすめの一冊です。
【学生向け】入門編におすすめの書籍
続いて学生向けおすすめ書籍を3冊ご紹介します。
読みやすいので中学生の方にもおすすめです!
SDGsをゼロから学びたい人へ!「国谷裕子と考えるSDGsがわかる本」
- 本を読むことが苦手、でもSDGsについて学びたい
- SDGsに関して知識ゼロでも読める本を探している
- 子どもと一緒にSDGsを勉強したい
という方におすすめしたい一冊が「国谷裕子と考えるSDGsがわかる本」です。
中高生向けに書かれた本ですが、「他人事ではなく、自分たちの課題として、考えられるようになってもらう」ことを方針としているため、噛み砕いた表現が多く、小学生が読んでもSDGsが分かる内容になっています。この本を読めば17の目標を詳しく知ることができ、どう行動すればいいのかを理解できるでしょう。(※3)
【おすすめポイント①】難しい言葉が使われていない
SDGsでは「自分ごと化」することが大切であるのに、
- 貧困
- ジェンダー
- 気候変動
- 環境問題
などが頻繁に使われるため、一見難しく感じてしまい、理解するのに時間がかかってしまうこともあります。その点本書では、難しい言葉を極力使わず丁寧に説明されており、さらに私たちの生活にどのような影響があるのかまで解説されています。
【おすすめポイント②】SDGsの取材活動を続けきた国谷裕子さんが監修
SDGsがわかる本のを監修している国谷裕子さんは、日本のキャスターであり、FAO(国連食糧農業機関)の日本担当親善大使。
NHK総合「クローズアップ現代」のキャスターを務められた後、SDGsを多くの人に理解してもらえるよう、新聞雑誌、講演、取材など精力的に活動しています。(※4)
【おすすめポイント③】オールカラー、大型本で読みやすい
SDGsを初めて勉強する場合、読みやすいかどうかを重視される方も少なくないでしょう。
こちらの本では、
- グラフやイラスト、写真がすべてオールカラーで見やすい
- 大型本で文字が大きく、ふりがな付き
と、本に苦手意識を持っていたり、読書をする時間が取れない、という多忙の方でも最後まで読み終えられる内容です。
こどもSDGs(エスディージーズ) なぜSDGsが必要なのかがわかる本 バウンド著 カンゼン出版
なぜSDGsを達成することが必要なのか、私たちの生活とどうつながっているのかをわかりやすく丁寧に解説した一冊です。
【おすすめポイント①】子どもから大人まで理解促進につながる
本書では、「このままでは地球があぶない!」と注意喚起をした上で、地球を救うための行動を具体的に示しています。
この本を読むことで、
- SDGsの必要性
- 生活とSDGsのつながり
- 家にいてもできること
がわかります。
子ども向けではありますが、SDGsについて網羅した内容となっているので、初めて知る人にとって読みやすく、かつ実践的な内容です。
【おすすめポイント②】書籍の売り上げの一部が支援となる
「こどもSDGs(エスディージーズ) なぜSDGsが必要なのかがわかる本」では、売り上げの一部が「一般社団法人こども食堂支援機構」を通じて全国のこども食堂支援に送られています。(※5)
【補足】
著者の秋山さんは、一般社団法人 こども食堂支援機構を立ち上げた方。企業から食品の寄付やフードロスを集め全国のこども食堂に100万食以上を提供しています。(※5)
地球環境についてアクションを起こすきっかけとなる「グレタと立ち上がろう 気候変動の世界を救うための18章」ヴァレンティナ・ジャンネッラ著 岩崎書店出版
SDGsをより実践的に考えたい方におすすめなのが、持続可能な未来を創るための行動を促す「グレタと立ち上がろう 気候変動の世界を救うための18章」です。
気候変動の最悪の事態を防ぐには、私たちひとりひとりが勇気を持って行動すること、と訴えるスウェーデンの環境活動家・グレタ・トゥーンベリさん。本書では、そんなグレタさんが、気候変動やエネルギー、生物多様性などの問題に対し問題提起をし、どう行動すべきかを解説しています。
【おすすめポイント】どのページからでも読める
目次は、
- 化石燃料
- クリーンで再生可能なエネルギー
- 飲み水
- 廃棄とリサイクル
と項目が分けられており、各項目が簡潔にまとめられているため、どの章からでも読み始められます。(※7)
SDGsには、
などのテーマがあるため、それぞれの目標を具体的にどう考えていけば良いのかが分かるようになります。
気候変動をストップさせるためのアクションを知り、今日からできることを始めてみてはいかがでしょうか。
SDGsライターのおすすめはこの1冊!
最後に筆者がおすすめしたい1冊を紹介します。
SDGsを身近なところから自然に取り入れられる方法を知りたい、という方に特に読んで欲しい一冊です。
はじめてのエシカル――人、自然、未来にやさしい暮らしかた 末吉里花著 山川出版社
SDGsのキーワードのひとつに「エシカル」があります。
エシカルとは、直訳すると「倫理的な」という意味で、この本では、「私にいい、世界にいい」と表現されています。
エシカルを身に付けることで、私たちにも良くて、地球環境、社会にも良いことを意識でき、SDGsの達成につながる行動を起こせるようになります。
【おすすめポイント】エシカル初心者の方におすすめ
はじめてのエシカル、という書籍名からわかるように、
- エシカルをまったく知らないという方
- エシカルに興味があるけど、どう取り入れたらいいかわからない
という方におすすめの本です。
また、環境問題についてもわかりやすく説明されているので、難しい本が苦手という方にも読みやすい内容となっています。
まとめ
今回は、SDGs入門書から、ビジネス向けのSDGs実践書まで幅広く取り上げました。
SDGsを学ぶことは、未来を切り開く力、課題を解決する力にもなります。
ぜひSDGs本を読み進めていただき、まずは身近なところから実践してみませんか。
<参考文献>
※1 紀伊国屋書店
※2 インプレスブックス
※3 ぶんけい
※4 朝日新聞DIGITAL
※5 講演依頼.com
※6 KANZEN公式ページ
※7 紀伊国屋書店