海洋汚染とは?原因や問題、現状、環境問題への対策、人間に与える影響、私たちにできることも

海は、雨を降らせたり気温や気候をコントロールしてくれたりと、地球に住む私たちにとってはなくてはならない存在です。特に島国である日本は「食」の部分でも古代から恩恵を受けてきたことは言うまでもありません。

さらには地球上に住む生物を重さで表わした時、その約90%が海の生き物であり「命の宝庫」とも言えます。

しかしその海が、「海洋汚染」で大きく変わろうしています。ゴミで汚染されたり、生き物が住めないほど水が汚れたりしているビーチも少なくありません。今「きれいな海」が少しづつ消えようとしているのです。

そこでこの記事では、海洋汚染の定義や現状、影響などを詳しく見ていきます。さらには海洋汚染を防止するための国や企業の取り組み、今日からできる個人のアクションなどもご紹介します!

海洋汚染とは

「海洋汚染」という言葉は一般的になりつつありますが、具体的なイメージが湧きにくいと思います。実際にどのような状態を海洋汚染といい、なぜ海が汚染されるのでしょうか。ここでは海洋汚染の明確な定義や、海洋汚染の原因4つをご紹介します。

国連海洋法条約による定義

海洋汚染は、「国連海洋法条約(海洋法に関する国際連合条約)」で以下のように定義されています。

「海洋環境の汚染」とは、人間による海洋環境(三角江を含む。)への物質又はエネルギーの直接的又は間接的な導入であって、生物資源及び海洋生物に対する害、人の健康に対する危険、海洋活動(漁獲及びその他の適法な海洋の利用を含む。)に対する障害、海水の水質を利用に適さなくすること並びに快適性の減殺のような有害な結果をもたらし又はもたらすおそれのあるものをいう。

引用元:海洋法に関する国際連合条約

つまり、「人間の行為によって海洋生物、水質、人などに有害な影響をもたらしてしまうこと」が海洋汚染とされています。

「国連海洋法条約(海洋法に関する国際連合条約)」

海洋に関する権利や義務などを規定しています。1982年に採択され、日本は1996年に合意しました。今では約150カ国が締結している世界的な条約です。

海洋汚染の原因

海洋汚染の原因は、国連海洋法条約の定義で、「陸からの汚染」「船舶からの汚染」「海底及びその下の天然資源の探査又は開発に使用される施設及び機器からの汚染」「投棄による汚染」「大気からの汚染」の6つに分けられています。※1

陸からの汚染

工業排水や生活排水などが原因となり、有害な物質が陸から海に流れ込んでしまうこと。

船舶からの汚染

船舶の損傷や事故により油などの有害物質が海に流出してしまうこと。

海底及びその下の天然資源の探査又は開発に使用される施設及び機器からの汚染

海底には石油・天然ガスなど多くの資源があり、世界中で日々採掘が行われています。例えば、鉱石採掘の際に金属が海に溶け出してしまったり、採掘に使用される重機から排出されるCO2による汚染です。

投棄による汚染

海に流れ出るゴミによる汚染を指します。

海洋環境において運用される他の施設及び機器からの汚染

  • 海の近くにある施設
  • 河川に隣接する施設

など、有害物質が漏れ出す事故等があった際に、海に影響を与える施設からの汚染です。

大気からの汚染

大気中にある汚染物質が雨となり、海に達することで引き起こされる汚染です。

次ではさらに踏み込んで、この6つの中でも特に注目したい「陸からの汚染」「船舶からの汚染」「投棄による汚染」について見ていきます。

陸からの汚染

先述したように、陸からの汚染は工業排水と生活排水によるものです。1つずつ詳しく見ていきましょう。

工業排水

工業製品や食品、衣類などを作る工場では大量の水を使用します。その際に排出されるのが工業排水です。日常生活では使用しないような化学物質や、有毒物質が含まれている場合もあるため、基本的にはしっかりと処理されてから排水されます。しかし、誤って海に流れ出すと大きな問題に。実際に日本でも、工業排水によって引き起こされた海洋汚染が大問題になりました。

例えば、「水俣病」です。化学メーカー「チッソ」の水俣工場で、メチル水銀を含む有害物質を水俣湾に流してしまいました。その結果、魚が水銀に汚染され、それを食べた人も水銀中毒に。神経系に障害が起こり、手足や脳の麻痺症状に生涯悩まされたり、重い場合には死に至るケースも見られるなど、2,000人以上が苦しみました。さらに、水俣湾のある不知火海の海底には水銀を含んだヘドロが蓄積。厚みが4メートルになる部分もあり、取り除くには多くの時間と労力を要しました。

他にも、新潟での「新潟水俣病」、富山での「イタイイタイ病」など、工業排水で多くの問題を起こした日本ですが、現在は「水質汚濁防止法」に基づき、厳密に排水基準が定められています。(有害物質に関しては27項目の基準が設けられ、排出するすべての事業場に基準が適用。※2)

このような徹底した管理があり、現在の日本では工業排水による大きな海洋汚染は極めて少なくなりました。また、工業排水の処理技術も発展しているため、有害な物質が流れ出してしまう可能性は今後も非常に少ないと考えられます。

一方、世界では工業排水基準が設置されていない国や、基準があっても守られていない国があるなど、工業排水による海洋汚染問題は未だ解決されていません

生活排水

生活排水とは日常生活で出される排水のことです。トイレからの排水を除いた、台所やお風呂、洗濯などから出される排水は「生活雑排水」がこれにあたります。

令和2年現在、先進国である日本では下水道普及率は80%で、生活排水がそのまま川や海へ流されるケースは多くありません。しかし途上国では、下水道普及率5%に満たない国や地域も存在しています(インドネシア、ベトナム、フィリピン)。※3 特にこの3国は、安全な水にアクセスできる割合は90%と非常に高くなりつつありますが※4、排水環境の整備率は未だに低く、そのギャップが問題になっています。

船舶からの汚染

船舶から海への有害物質の流入も、海洋汚染の主な原因です。

船舶からの汚染物質で最も多いのは「油」です。令和2年、日本での油による海洋汚染は286件報告されており、そのうちの約60%は船舶が原因です。※5 世界で見ても、船舶からの油での汚染は深刻な問題になっています。

とはいえ、意図的に船から油が流されているわけではありません。なぜなら日本では、船からの油の排出は「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律」によって規制されているからです。世界でもMARPOL(マルポール)条約という船舶による海洋汚染を防止するための条約があり、油をはじめとした規制物質の投棄や排出を禁止しています。

それでも船舶からの油による海洋汚染が減らないのは、船や機械の破損、座礁事故などの意図しないところにありました。次項では、実際に起こった船舶事故による海洋汚染を例に見ていきましょう。

事故による流出

事故による流出で近年最も有名なのが、モーリシャス沖での座礁事故です。

2020年7月、インド洋の島国モーリシャスで、日本企業が関わる貨物船が座礁しました。沖に近づきすぎて動けなくなってしまい、サルベージ船が到着する前に破損。1,000トンもの油が流出し、日本でも日々ニュースで大きく取り上げられました。

貨物船が座礁した場所は、ラムサール湿地として指定されたサンゴ礁が広がる海洋保護区と、マングローブ林など貴重な自然が広がる自然保護区です。約1,000トン以上の重油が国際的に貴重な海洋資源を汚染してしまい、亀や鳥類も油まみれになりました。発生から一年経った2021年11月現在では重油は回収されましたが、サンゴなどの海洋環境や、そこに住む人々に大きな衝撃と多大な負担を与えたことは言うまでもありません。

船舶事故による油流出は意図しないところとはいえど、発生しないための対策が求められます。

投棄(海ごみ)による汚染|特にプラスチックが問題に

続いては、投棄による汚染について見ていきましょう。

世界の海には、「太平洋ゴミベルト」と言われる、最もゴミが漂っている海域が存在します。ここには投棄されたゴミが海流によって世界中から流れ着いています。

その面積は日本の数倍とも言われ、これらは全て人間が投棄したゴミであり、海洋汚染の大きな原因となっています。そして、太平洋ゴミベルトのほとんどを占めるのは「プラスチックゴミ」です。

ここでは、日々深刻化する海のプラスチックゴミの現状を見ていきます。

プラスチックゴミの状況

海岸に、ペットボトルやプラ容器が散乱している光景を目にしたことがある人は多いと思います。実は今、世界中の海岸や海中にプラスチックゴミが散乱し、魚やそれを食べる人間にも大きな悪影響を及ぼしています。現状のままだと、2050年にはプラスチックゴミは魚の数を上回ると言われるほどの事態です。

もう少し踏み込むと、プラスチックゴミは海洋ごみの中で約65%を占めています。世界では合計1億500万トン以上あると推測されており、さらには毎年約800万トンものプラスチックゴミが海に流出しています。※6

プラスチックは分解に数百、数千年かかるため、一度海に流出すれば半永久的に漂い続け、蓄積されていきます。さらに問題なのは「マイクロプラスチック」です。

マイクロプラスチック問題

プラスチックは紫外線に長時間晒されると強度を失っていきます。強度を失ったプラスチックが砂浜に打ち上げられると、風雨で砂と擦れ合い、細かく砕けてしまうのです。

細かく砕け、直径5ミリ以下になったプラスチックはマイクロプラスチックと呼ばれます。

マイクロプラスチックは魚が餌と間違えて誤食してしまうケースがあり、食欲不振や消化器官を傷つけるなどの影響を及ぼすとされているのです。

また、マイクロプラスチックを体内に含んだまま水揚げされて市場に出回れば、私たちの体内にも侵入する恐れもあります。

では一体、なぜこれほどまでのプラスチックゴミが海に流出しているのでしょうか。

ゴミのほとんどは街からやってくる

実は、海洋プラスチックごみの7~8割は陸から来ていると言われています。※6

道端のゴミが風や雨により川や水路に流れ出し、最終的に海に辿り着くためです。

具体的に海洋ごみにつながる主な原因は「投棄・ポイ捨て」「漏えい」の二種類あります。

投棄・ポイ捨て

家庭ごみ(袋のまま投棄)
飲食後のビニール袋やペットボトル(車の渋滞場所や駐車場・川岸や歩道)
たばこの吸殻

漏えい(取りこぼしたゴミや意図せず流出してしまったゴミ)

ゴミ集積所で溢れたゴミくず
自動販売機の隣のゴミ箱に入りきらないペットボトル 
農地で使用する肥料カプセル
農業用のビニールハウス

このように、私たちは知らず知らずのうちに海洋汚染の原因を生み出してしまっているのです。

海洋汚染による影響

では、海洋汚染はどのような影響を及ぼすのでしょうか。ここでは、特に影響がある「生態系」「水質」に関して確認していきましょう。

生態系

魚の数や種類は年々減少傾向にあります。

持続可能な水準にある水産資源の割合は、1974年には90%でしたが、2015年には67%へと減少しています。※7

これは海洋汚染によって、

  • 魚が油で窒息死
  • ウミガメの産卵場所が減少
  • 餌とビニールを魚が間違えて食べてしまう

などの事態が多発していることも大きな原因の一つです。

実際に世界の水産資源の現状を見てみると、余裕を持って漁獲できる資源は全体のたったの2割ほどになっています。

このままでは魚が減り続け、絶滅する種が増える事態も避けられません。一つの種が減少すれば、その魚を餌にしていた魚も減少し、生態系のバランスは崩れていきます。特に島国であり古代から水産資源の恩恵を受けてきた日本では、漁業や食卓にも大きな打撃を受けることになるのです。

水質の低下

海洋汚染は海の水質低下も引き起こします。海や川には「自浄化作用」というものがあり、水質を綺麗に保つ仕組みが備わっていますが、海洋汚染が進むことで、その作用でも対処しきれなくなるのです。実際に海洋汚染の影響で水質が低下すると、

  • 赤潮・アオコの発生
    工業・生活排水による水中のリンや窒素の増加が原因で、プランクトンが大量発生
  • 汚濁・悪臭
    微生物が分解できない量の有機物(生活排水・自然界由来)が流れ込み、水中酸素が不足
  • 公害
    工業排水による海洋汚染が原因で引き起こされた「水俣病」・「イタイイタイ病」に代表される生活に及ぶ害。

といった悪影響を引き起こしてしまうのです。

「海洋汚染」は決して「海が汚染される」というだけではなく、他の環境問題や生態系、私たちの生活にも大きな打撃を与える問題と言えるでしょう。

海洋汚染の現状|グラフを交えて世界と日本の状況を確認

続いては、海洋汚染の現状を見ていきましょう。実際の数字やデータをもとに世界と日本の海洋汚染の現状をお伝えします。

世界

世界的に問題になっているのが、先述したマイクロプラスチックの広がりです。

図からもわかるように、世界中のあらゆる地域でマイクロプラスチックが確認されており、北極や南極でも観測されています。マイクロプラスチックは5mm以下の極小のプラスチックのため、一度海に流れ出すと回収が困難です。そのため世界中に広まり、漂い続けてしまうのです。

マイクロプラスチックの原因となる海洋プラスチックゴミの排出が最も多いのは東・東南アジアというデータもありますが、多い少ないに関わらず各国がプラスチックゴミを排出しているのは間違いありません。※8

日本

日本から海へ流れ出すプラスチックゴミは年間6万トンです。※10

これは、ジャンボジェット機150機分に相当します。毎年この量が海に流出することで、日本の海の生き物にも影響が出ています。東京農工大学の調査では、東京湾で獲れたカタクチイワシ64匹のうち51匹の胃からプラスチックが検出されました。さらに、東京湾7地点それぞれで獲れた21個のムール貝、全てにマイクロプラスチックが取り込まれていたという調査結果も出ています。※11

プラスチックゴミやマイクロプラスチックは日本近海に広く分布しているため、国内の海や湾で同じような状況が起こっていると考えられます。

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プラスチックゴミ問題は分別方法に課題がある?海への影響や現状・SDGsとの関連性

海洋汚染を防ぐための国の取り組み

海洋汚染が進む一方で、世界では様々な対策や改善への取り組みがされています。

ここでは、どのような対策や取り組みが進められているのかを見ていきましょう。

SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」

まず代表的なものとしてSDGsが挙げられます。

SDGsとは、人類が地球で住み続けていくために定められた、環境・社会・経済に関する17の世界共通目標です。「Sustinable Development GoalS(持続可能な開発目標)」の略称で、2030年までの達成を目標としています。

海洋汚染に関する目標は14.海の豊かさを守ろうが挙げられます。これは、「持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用すること」を掲げた目標で、達成に向け、より具体的な方法(ターゲット)が10個設定されています。

その中でも、

14.1 2025年までに、海洋堆積物や富栄養化を含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する。

が海洋汚染と特に関わりを持ち、世界で足並みを揃えて対策を講じることが求められているのです。

環境省「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」

環境省は、2019年に海洋プラスチックごみで「新たな汚染を生み出さない」ことを目的に「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」を策定しました。

これは、ポイ捨て、不法投棄の防止や海洋ごみの回収、制度の整備など「プラスチックゴミの海への流出をいかに抑えるか」に焦点が当てられた内容です。さらに政府だけではなく企業や団体、個人と協力して発信を行うなど、様々なアクションが盛り込まれています。例えば、

  • 海ごみゼロウィーク」を設け、全国一斉清掃アクションを行う
    (5/30~6/8頃、8/18~26頃)
     2020年は全国約1,500カ所で約43万人が参加
  • プラスチックスマート」キャンペーンの展開
     企業や団体、個人が海洋ごみ削減アクションを連携して行うことが目的。
     ・個人のアイディアや取り組みのSNS上でのシェアの呼びかけ
     ・自治体・NGO・企業・研究機関などからの取り組みの募集
  • 「海洋生分解性プラスチック開発・導入普及ロードマップ」を策定
     国・企業が連携し、海洋生分解性プラスチックの開発・導入・普及が目的 

といった活動に加え、

  • ペットボトルの100%有効利用を目指し自販機に専用リサイクルボックスを設置する取り組みの支援
  • 漁具や農具のプラスチックの適正管理の徹底を自治体を通して推進

などのアクションを行っています。また、途上国に対しても廃棄物処理の技術構築や制度構築の支援を行ったりと、国内だけではなく海外にも目を向けた政策があるのも特徴です。

2021年現在も引き続き行われている環境省「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」。今後もさらに展開されていくことが期待されます。

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企業の取り組み

海洋汚染の解決を目指すには、国はもちろん企業の取り組みも不可欠です。ここでは、具体的な企業の取り組みを紹介します。

【容器の2030年ビジョン】コカ・コーラ 

世界的な飲料ブランド「コカ・コーラ」。コカ・コーラボトラーズジャパンでは「容器の2030年ビジョン」を掲げ、海洋プラスチックを含む世界のプラスチック汚染問題に取り組んでいます。そのために、2030年までにコカ・コーラが達成する目標を掲げ、実際に商品やリサイクルの過程で実践しています。

コカ・コーラボトラーズジャパンが掲げる目標

2030年までの「ボトルtoボトル」を90%にする

これは使用済みのペットボトルをリサイクルし、新しいペットボトルにするものです。2021現在、100%リサイクルペットボトルになっているのはコカ・コーラとセブン&アイの共同企画商品「一(はじめ)」シリーズの緑茶・ほうじ茶や「いろはす」などが挙げられます。

ペットボトルの素材を、100%サスティナブルに

2030年までに、すべての製品のペットボトル原料をリサイクルペットボトルや植物樹脂由来にすると発表。新たに石油からペットボトルを作る、という選択肢をせず、素材を循環させる取り組みを進めています。

自社だけではなく他社容器も回収

国内で販売した自社製品の量と回収した容器の量を同じにすることを目指しており、ペットボトル、缶、瓶などの回収に力を入れています。

例えば、コカ・コーラの自動販売機の隣にある「容器回収ボックス」は、リサイクル専用のボックスとして全国に設置されています。さらに、「進撃の巨人」とコラボした「巨人型容器回収ボックス」を設置するなど、ユニークな取り組みも!

これらの目標が達成されれば、石油由来原料からできる新しいプラスチックを年間3万トン削減できる見込みとしています。私たちも積極的に容器のリサイクルをしたり、リサイクルボトルの商品を購入したりすることでこの目標を応援できます。

【サスティナブルシーフードの推進】イオングループ

「海洋汚染によって減少している水産資源を未来に残したい」

そのような想いからイオングループは「サスティナブルシーフード」の推進に取り組んでいます。

サスティナブルシーフードとは、海洋環境や生態系に配慮した漁業を行い、管理されている水産資源です。イオングループのプライベートブランド、トップバリュの鮮魚コーナーに行くと、海のエコラベルと呼ばれる「MSC」「ASC」認証のラベルがついた商品が並んでいます。これが、サスティナブルシーフードの証である認証マークです。

トップバリュでは、このような海の生態系・環境を守りながら獲れた水産資源を豊富に扱うことで、海洋汚染やそれによる水産資源の減少の解決にアプローチしています。

お刺身や鮭の切り身など、日常の食卓も取り入れやすい「サスティナブルシーフード」の選択。わたしたち消費者が購入することで、未来の水産資源を守る行動につながるだけではなく、環境保全を行う業者をも応援することができます

企業の取り組みをインタビューしています。ぜひご覧ください。

株式会社カミーノ|サステナブルが当たり前の社会に。半永久的に使えるエコ素材の開発に込めた想い

海洋汚染を防ぐために私たちにできること

海洋汚染を防ぐために、最もすぐに始められるのが、プラスチックゴミを出さないことです。ここでは、環境に配慮したアイテムや制度を活用しながら、海洋プラスチックを増やさないために個人が出来ることを紹介します。

【カフェでも割引も!】Myボトル、Myタンブラーを持ち歩く

エコなアクションとしてはよく言われるMyボトルやMyタンブラーの使用海洋汚染の原因であるプラスチックを削減できるだけでなく、割引にもつながるサービスも展開されているため、家計にやさしいといった特徴があります。

例えば、毎日ペットボトル飲料を購入していた方が週に3日間だけMyボトルを使用したとします。これにより一年で156本のペットボトルを削減でき、さらに、約15,600円の節約(ペットボトル一本100円として計算)にもなります。

これが、100人、1000人、1万人と実行する人数が増えたら、膨大な数のプラスチックごみが減らせるでしょう。

また、スターバックスやタリーズコーヒー、ローソンなど大手カフェチェーン店やコンビニ等では、Myタンブラーの持参で割引も。ぜひ活用してみてください。

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エコだけじゃない!家事が楽になる「詰め替え」を選ぶ

シャンプーやハンドソープなど毎回プラチックボトル入りのものを購入するのではなく、詰め替えにするだけでも海洋プラスチックごみは削減できます。

ただ、詰め替え作業は面倒という理由からボトルのまま購入する方も多いのではないでしょうか。いくらエコと言っても、自分自身にストレスがある行動は長く続きません。そんな時は「詰め替えがいらない」詰め替えパックや、容器の素材がプラスチックではなくフィルムのものを選んでみてはいかがでしょうか。

例えば、花王の詰め替え商品「ラクラクecoパック」という自立型の詰め替えパックは、そのままつり下げての使用や、中身を入れ替えずに「スマートホルダー」にセットしての使用などもOK。

煩わしい詰め替え作業がなくなるので、忙しい中でもストレスフリーにエコなアクションができるのです。このような商品を活用すれば自分自身も楽になりますし、海洋プラスチックゴミの削減にも貢献できます。積極的に活用していきましょう!

海洋プラスチックが材料のファッションアイテムに触れてみる

海洋プラスチックを材料としたファッションアイテムや小物が販売されています。海のゴミといわれる海洋プラスチックが、色鮮やかで洗練されたアクセサリー、時計、サングラスなどに生まれ変わっているのです。このような商品を購入したり、プレゼントしたりすることで海洋汚染に関して考えるきっかけにもなります。

さらに「購入金額の一部を海洋汚染に取り組む団体へ寄付」などを行っている商品も多数。実際に、海洋マイクロプラスチックを使用したアクセサリーを販売している「カエルデザインwithリハス」では、環境NGO団体や海洋ごみの調査・清掃活動を行っている一般社団法人JEANに売上の一部が寄付されます。海洋プラスチック削減に貢献できるだけではなく、現状を改善しようと取り組んでいる方々の力になることもできるのです。

そして、このような商品を身につけるとビジネスや友人同士の話題になるかもしれません。こうして「世界には海洋プラスチック問題がある」という事実を認識する人が増えることも、今後の海洋汚染を防止するためには非常に大切なのです。

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まとめ

この記事では、海洋汚染の定義から原因、影響、国の取り組みをご紹介してきました。深刻な現状の一方、企業のホームページを見れば、ほとんどの企業で「SDGsへの取り組み」というページがあるなど、国や企業での環境・海洋汚染改善への取り組みはますます増えてきています

しかし、問題が大きすぎて個人では取り組めることがないのでは、と感じる方もいると思います。とはいえ、海洋汚染が進んだのは人間一人一人の行動の積み重ねです。これは個人の行動で環境は良くも悪くも変える事が出来るということではないでしょうか。

これからは、個人が海洋汚染を防止する行動を積み重ねていくことが重要です。美しくきれいな海を守っていくために、国・企業・個人が協力し合って海洋汚染防止へのアクションを少しづつ行っていきましょう。

参考文献・参考サイト
※1)海洋法に関する国際連合条約
※2)環境省 一般排水基準
※3)汚水処理の 途上国における開発課題
※4)下水道分野の国際展開に関する現状分析と課題
※5)令和2年の海洋汚染の現状について
※6)今さら聞けない海洋ごみ問題 | 増え続ける海洋ごみ
※7)川延昌弘著「未来をつくる道具 わたしたちのSDGs」ナツメ社
※8)令和2年版 環境・循環型社会・生物多様性白書 状況第1部第1章第3節 海洋プラスチックごみ汚染・生物多様性の損失
※9)水野雅弘・原裕著「SDGsが生み出す未来のビジネス」インプレスブック
※10)海洋プラスチック問題について 環境省
※11)令和元年度 第一回 国産水産物流通促進・消費拡大総合対策事業 マイクロプラスチックと魚介類~正しい知識でリスクを確認し、魚食文化を守る~

この記事の監修者
阪口 竜也 フロムファーイースト株式会社 代表取締役 / 一般社団法人beyond SDGs japan代表理事
ナチュラルコスメブランド「みんなでみらいを」を運営。2009年 Entrepreneur of the year 2009のセミファイナリスト受賞。2014年よりカンボジアで持続型の植林「森の叡智プロジェクト」を開始。2015年パリ開催のCOP21で日本政府が森の叡智プロジェクトを発表。2017年には、日本ではじめて開催された『第一回SDGsビジネスアワード』で大賞を受賞した。著書に、「世界は自分一人から変えられる」(2017年 大和書房)