【個人ができること5選】目標1 「貧困をなくそう」

目標1「貧困をなくそう」は、「極度に貧しい暮らしをしている人をなくす」や「それぞれの国で貧しいとされる人たちを減らす」などのターゲットで構成されているように、主に「貧しさからの脱却」を目指した内容です。

貧困というと問題が大きすぎて国や企業が取り組むものという印象を持つ方も多いと思います。

確かに直接的に私たち個人ができることは少ないかもしれません。しかし、全ての人々が協力して課題解決に努力しなければ、2030年までに貧困をなくすことは難しいでしょう。

そこでこの記事では、貧困をなくすために個人ができることを紹介していきます!

目次

【まずは理解から】貧困について現状を知る

どんなアクションを起こすにしても、まずは貧困についての現状を知り、理解を深める必要があります

とはいえ、何から調べたらいいのか見当もつかないという人も少なくないでしょう。この章では貧困について調べる際のポイントを簡単に紹介していきます。

貧困を理解するうえで必要なキーワードとポイント

貧困について理解を深めるために大切なキーワードは、

  • 絶対的貧困
  • 相対的貧困

です。

どちらも日本を含め世界中で広がっており、根深い問題として注目を集めています。

絶対的貧困は、南アジアやアフリカ地域などの発展途上国で見られる貧困の形で、これらの地域で何が起きているかについて調べると、世界の現状を知ることができます。

一方、相対的貧困は日本やアメリカのような先進国の間で広がっている貧困の形です。理解を深めるには、

  • ひとり親世帯
  • 子どもの貧困

について調べてみましょう。特に「子どもの貧困」は相対的貧困の中でも特に注目されている話題で、この問題を解決しようと様々な団体が取り組みを行っています。

貧困を調べるうえでオススメのサイト

「絶対的貧困」と「相対的貧困」のどちらも様々な問題が複雑に絡み合っているので、全体像を調べるのもなかなか苦労します。

調べる際のポイントとして、実際に現地に赴いて支援活動を行っている団体のHPをチェックしてみましょう。そういった団体は支援活動と同時に、問題意識を広めるための啓蒙活動も行っていることが多いので、貧困の原因や課題について分かりやすく紹介しているケースがほとんどです。

ここでは、貧困について調べるうえで筆者のオススメのサイトを紹介していきます。

絶対的貧困について調べるならユニセフの公式サイト

絶対的貧困について調べる場合は「ユニセフ」の公式HPがおすすめです。

ユニセフは世界中の子どもたちの命と健康を守るために活動する国連機関であり、HPでは様々な活動報告や貧困に関するニュースを発表しています。

相対的貧困について調べるならChance for Children(チャンス・フォー・チルドレン)の公式サイト

相対的貧困でも特に「子どもの貧困」について調べるなら「Chance for Children(チャンス・フォー・チルドレン)」の公式HPをがおすすめです。

Chance for Childrenは日本の貧困家庭の子どもに支援を行っている団体で、ユニセフと同じく、活動報告やニュースを発表しています。

SDGs1「貧困をなくそう」の現状と取り組み事例、私たちにできること

【まずはほんの少しの行動から】募金をする

現状を知り、貧困への理解を深めたら次は行動を起こしましょう。ここでは最も手軽に始められるアクションのなかの1つ「募金」について紹介します。

募金の仕組み

募金についてアクションをおこす前に、まずは仕組みについて理解していきましょう。

どのように集められるか

一般的には支援団体が、市民や企業から募金を募っています。

募金を求めている機関や団体は、安定的な収入源を持っていない場合が多く、活動費を募金に頼っている場合も少なくありません。

どのように活用されるのか

これらの機関や団体は、集められた募金をもとに、被災した人たちへの福祉活動や貧困に苦しむ子どもたちへの支援を行うなど、社会に利益をもたらす活動を行っています。

募金する団体を選ぶ際の注意点

募金する団体を選ぶ際には、公式HPなどで活動報告を行っているなど、透明性がある所を選ぶようにするとよいでしょう。

募金の仕組みと注意点について理解を深めたら、次は筆者がオススメしたい支援団体を紹介します。

子ども兵問題の解決に向けて支援を行う団体「認定NPO法人 テラ・ルネッサンス」

テラ・ルネッサンスはアジア・アフリカで困窮状況にある人々を支援する、日本初の認定NPO法人です。「全ての生命が安心して生活できる社会(世界平和)の実現」を目的に2001年10月に設立されました。

防衛研究所によると、世界には約30万人が子ども兵士として戦闘に参加していると言われています。

テラ・ルネッサンスはそういった子どもたちを救うべく、

  • 地雷
  • 小型武器
  • 子ども兵
  • 平和教育

の4つの課題の解決に取り組んでいます。

寄付方法 クラブ会員として、月1,000円から支援できる

テラ・ルネッサンスへ寄付する方法は主に、

  • ファンクラブ会員になる
  • 単発での寄付

の2種類があります。

ファンクラブ会員になる

毎月1,000円〜の継続支援に申し込むことでファンクラブ会員となれます。公式サイトには、この支援により、

  • 毎月1,000円で1年間支援すると「現地人の1日分の給料を毎月提供することができる」
  • 毎月3,000円で1年間支援すると「ウガンダの元子ども兵1人に、社会復帰施設で1年間の給食を提供できる」
  • 毎月5,000円で1年間支援すると「カンボジアの貧困層の子どもたち120人の教育支援ができる」

と、支援金がどのように使われているのかがイメージできるよう、詳しい内容が記載されています。

単発での寄付

まずは、「1回募金してみたい」という方は、単発の寄付も受け付けています。

  • 5,000円の寄付で 「ウガンダの元子ども兵社会復帰センターで、500食分の給食を提供することができる  (※1日25人に給食を提供した場合、20日分に相当する)」
  • 10,000円の寄付で「今後で20人にマラリアの治療薬を提供することが可能」
  • 50,000円の寄付で「カンボジアで100人の子どもたちが1か月間学校で勉強することが可能」

とあり、こちらも具体的に使い道が示されているのもポイントです。

お金を寄付する以外にも、書き損じハガキを集めて送る、使用済み携帯電話を送るなど、さまざまな支援方法が用意されているので、詳しくは公式サイトをチェックしてみてください。

貧困家庭の子どもに学習支援を行う 「Learning for All」

Learning for Allは貧困家庭に生まれた子どもたちに、学習支援者居場所支援を届けるNPO法人です。

Learning for Allでは、

  1. 一人に寄り添う
  2. 仕組みを広げる
  3. 社会を動かす

の3つのアプローチから、貧困に苦しむ子供たちを救うために活動しています。

①一人に寄り添う

主に小学1年~高校3年生の子どもたちに、

  • 栄養バランスの整った夕食の提供や学習時間の確保などの健康に生活できる基盤作り
  • 学習遅滞を抱えた子供たちは大学生教師たちが寄り添って勉強を教える

など、安心して過ごせる居場所を提供する事業を行っています。

②仕組みを広げる

Learning for Allは現在の日本では、子どもの支援の「量」と「質」がともに足りていないのが現実だと述べています。

そこで、これまで培ってきた実践的なノウハウを積極的に全国の子ども支援団体や企業に提供することで、「地域協力型子ども包括支援」の全国展開を推進しています。

③社会を動かす

問題を真に解決するためには社会の仕組みを変えていく必要があるという考えのもと、子どもの貧困に関する啓発や人材育成、政策提言にも取り組んでいます。

安定した運営には寄付金が必要

Learning for Allの収益は、期限付きの助成金による収入が多くの割合を占めており、安定した運営を行うには寄付金が不可欠です。

寄付金は主に学生ボランティア教師の交通費や、授業で使う教材費などに使用されています。

寄付方法

寄付方法は、

  • 毎月3,000円の寄付を行う「マンスリーサポーター」
  • 単発での寄付を行う「ワンポイントサポーター」

の2種類の方法で受け付けています。

一人一人の募金によってSDGsの達成を目指す

自分一人だけでは貧困の子どもたちを救うことは難しいかもしれませんが、少しの募金で間接的ではあるものの、役に立つことができます。

また、これらの寄付は税の優遇措置の対象にもなるので、ふるさと納税の選択肢として考えてみるのもいかがでしょうか。

もし、募金ではなく実際に行動して、貧困にあえぐ人の手助けをしたい方には次で説明する「ボランティア」もオススメです。

【現地に赴いて手助けをする】ボランティアをする

金銭面でのサポートだけでなく、実際に自身の手により支援したいという熱量を持っている方ならボランティアを行いましょう。

現在、先述したようなNPO・NGO法人は、「人材が足りない」ことを課題として挙げており、個人の協力が求められています。少し踏み込んで、人材不足問題について見ていきましょう。

NPO法人の人材不足問題

日本政策金融公庫総合研究所が2012年に発表した「NPO法人の経営状況に関する実態調査」のなかには、活動を行ううえで苦労している点を聞いたアンケートがあり、

  • 「職員・ボランティアの育成」が37.3%
  • 「職員・ボランティアの確保」が35.7%

という結果となっています。

貧困支援には、マンツーマンでの子どもの学習支援や、海外の貧困現場で根本的な自立支援を行うなど、多くの人がさまざまな形で携わらなければいけません。そのためには「世界で起こっている貧困を救いたい」という志をもった人手が必要なのです。

NGO法人の人材不足問題

日本国際交流センターが早稲田大学グローバル・ヘルス研究所に委託をした研究「国際保健をめぐる政策決定プロセスにおける日本の NGOの役割と課題」ではNGO担当者へのインタビューを通して、NGOの課題を提示しています。2

その報告書によると、

  • NGOの活動に必要な人材があまりにも少なく、限られた資金がそこに集中している
  • 若い人材が専門性を高めていける仕組みが整っていない

などが人材面に関する問題が指摘されています。

簡単なことから専門性のあることまで、様々な人材が求められている

とはいえ、すべてのボランティアが専門性を求めているわけではありません。事務作業やイベントの手伝いなど、専門スキルがなくても行える活動はたくさんあります。

どんな些細なことでも力になれるので「困っている人を助けたい」という思いを持っている人は、ボランティアにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

募金・ボランティアは継続性に課題がある

これまで紹介してきた、募金やボランティアは個人が取り組みやすいアクションではありますが、課題として「継続性がない」ことが挙げられます。

募金やボランティアはどうしても支援者が、金銭や時間を割く必要があり、長期的な支援を行うことは容易ではありません。社会福祉協議会ボランティアセンター がまとめた「東日本大震災ボランティア活動者数の推移」によると、実際に東日本大震災の際も、災害が起こった2011年に集まったボランティアは95万人超でしたが、その後年々と減り続け、3年後の2014年には8万人にまで減ってしまいました。

今後国や自治体は、個人が参加しやすい環境を整えると同時に、継続できる仕組みを考えていくことが必要があるでしょう。そして、個人もできるだけ長期的な視点から支援を続けていくよう意識すると良いかもしれません。

とはいえ、「長期的」となるとハードルが上がってしまう人も多いと思います。そこで次では、日頃の買い物から実践できるフェアトレード製品の購入について紹介します。

【支援者にもメリットがある制度】フェアトレード商品を購入する

フェアトレードとは、発展途上国の生産者の生活を支えるために、現地で作られた農作物を適正な価格で取引する貿易の形です。

このフェアトレードはヨーロッパを中心に世界に広がっていき、今では統一基準である「国際フェアトレード基準」設けられています。

これは、基準を満たしている満たしている製品には共通のラベルマークが貼付され、消費者である私たちでも一目で分かるような仕組みです。

フェアトレードによって生産者が受ける恩恵

フェアトレードジャパンの公式HPでは、実際にフェアトレードの恩恵をうけた生産者の声が紹介されています。

エチオピアのコーヒー生産者組合は、フェアトレードによる収入工場によって、

  • 現地に新しい学校の建設
  • さらなる生産環境への投資
  • 治療所の建設と運営が可能になった

と報告しています。

生産者によると、フェアトレードは労働者の収入向上だけでなく、市場の在り方や消費者のマインドを変え、民主的な社会を作っていく架け橋となると話しています。

フェアトレード商品であっても認証ラベルがはっていない場合も…

フェアトレード商品は、コーヒー豆やバナナが有名で、ラベルを目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。一方で、なかにはフェアトレード商品であっても、認証ラベルを張っていないケースもあります。

その場合は、もう一歩踏み込んで企業のHPを確認したり、直接問い合わせたりしてみましょう。

フェアトレードジャパンの公式HPでは、認証を取得している企業の一覧を確認することも可能ですので、興味があればぜひご覧ください。

【貧困の根本的な解決を】政治に関心を持ち、投票しよう

最後に紹介するのは、私たちが政治に関心を持ち、納得いく政策を掲げる政治家に投票することです。

理由としては、完全に貧困を撲滅するためには財政や政策などを改善しなければ、支援を続けていても根本の解決にはならないためです。

例えば、日本の

  • 相対的貧困の原因の多くを占める非正規雇用問題
  • 生活保護を含むセーフティネットの脆弱さ

など、貧困にまつわる話題はたくさん議論されていますが、解決したとは言い難い現状があります。

実際にどのような政策を行えばこれらの貧困問題は解決できるのか、有権者である私たちもしっかり考えなければいけないのです。

以下では、日本の貧困にまつわる問題と、政策との因果関係についていくつか紹介していきます。

日本の貧困の原因となる非正規雇用

内閣府が発表した子供の貧困に関する報告書によると、貧困は世帯主の雇用形態が非正規であることが大きく関係していると指摘しています。1

実際に、母子家庭の就業状況において非正規雇用の割合が50%近くあり、さらに平均年収が200万円であることがわかっています。2

このように非正規雇用を減らすことが貧困問題を解決することの一歩になることは明らかですが、実際には日本での非正規雇用は増え続けているというのが現状です。

総務省統計局の報告によると、1990年には881万人だった非正規雇用は2014年に1,962万人と2倍以上になりました。3

現在も増え続けており、2021年1月には2,058万人となっています。4

このことから、非正規雇用を減らすための効果的な政策がうたれておらず、非正規雇用・所得格差などの問題が解決に至っていないことが分かります。

世界的に見ても日本はジェンダーギャップが大きい

また、日本ではジェンダーギャップについての問題も深刻です。

毎年世界のジェンダーギャップ指数を発表しているGlobal Gendar Gap Reportによると156か国中120位と世界的にも下位グループに属しています。5

2006年時点では115か国中79位であり、日本の男女格差は10年以上の時が経っても改善には向かっていないのです。6

厳しい現状だが、変わっていくには政治に関心を持つ必要がある

このような現状を改善するためには、私たちひとりひとりが政治に関心を持ち、選挙で意思を示す必要があります。

そのためには、新聞やテレビなどで報道される情報を受動的に受け取るだけではなく、過去の事例や他国の状況などを能動的に調べることが重要になるでしょう。

小さなことからはじめて、SDGsの達成を目指す

この記事では目標1「貧困をなくそう」の解決に向けた個人の取り組みを紹介しました。

貧困問題は他人事と考えては問題は解決しません。

募金やボランティアはハードルが高いと感じても、フェアトレード商品を購入してみる、政治について関心を示すなど、できる範囲で貧困問題に取り組んでいきましょう。

参考文献
1,内閣府 平成28年度子供の貧困に関する新たな指標の開発に向けた調査研究 報告書
2,厚生労働省 平成28年度全国ひとり親世帯等調査報告書,7 調査時点における親の修行状況,厚生労働省 平成28年度全国ひとり親世帯等調査報告書,16 ひとり親世帯の平成 27 年の年間収入
3,総務省統計局 最近の正規・非正規雇用の特徴
4,総務省統計局 労働力調査(基本集計) 2021年(令和3年)7月分結果,第8表 主な産業別非正規の職員・従業員数
5,Global Gendar Gap Report 2021
6,Global Gendar Gap Report 2006