中外製薬のステークホルダーとSDGs開発目標

中外製薬

世界を取り巻くさまざまな問題解決のため、国連加盟国が制定したSDGs。2030年までに達成するために掲げた目標です。SDGsは、17の大きな目標で構成されています。

中外製薬グループは、患者さまのしあわせを願い、バイオ医薬品の研究開発をすすめて30年以上になります。中外製薬が、SDGsについてできることは、やはり、SDGs目標3「すべての人に健康と福祉を」を中心とした課題です。まずは、それに向けたSDGs8、9、12、17や、事業活動の基盤となるSDGs5、6、10、13、15、16の計11の持続可能な開発目標に向けて取り組みます。

こちらの記事では、中外製薬の取り組みと社会貢献についてご説明していきます。

「中外製薬」のビジョン・事業内容

引用:サステナビリティ|中外製薬
企業名中外製薬
SDGs目標3.8.9.12.17.5.6.10.13.15.16
サステナビリティレポート

事業内容

日本人の死因順位1位は『がん』。

中外製薬は、この病に打ち勝つため、がん領域製品を開発。2021年には、国内シェア15.4%と日本を代表する製薬会社です。また、バイオ医薬品の一つである「抗体医薬品」についても国内シェアのトップ。

「抗体医薬品」は、特定の細胞や組織に作用して、高い効果や副作用が少ないことが期待できる医薬品です。病に苦しまれている患者さまにピンポイントで作用し、疾患の治療や苦しみの緩和などに貢献しています。中外製薬が誇るのは、バイオのパイオニアということ。

製薬会社の先頭を走ることで、世の中全体へイノベーションを起こします。

ビジョン

がん細胞などの細胞表面にある目印のようなものをピンポイントで捉えることのできる「抗体医薬品」。中外製薬は、国産で初めて「抗体医薬品」を創製しました。

そして、「抗体医薬品」分野において、世界のリーディングカンパニーとして成長するために、2002年、スイスのロシュ社と戦略的アライアンスをスタート。中外製薬の革新的新薬をグローバル展開するため、また、ロシュ社のすばらしい製品を日本国内へ販売し、病に苦しむ多くの患者さまへ貢献しています。

このアライアンスのおかげで、安定的な収益基盤を確実なものとし、より革新的なプロジェクトへ投資できるようになりました。その結果、中外製薬の功績は、国内外で高い評価を得ています。これからも製薬会社の先頭を走ることで、世の中全体へイノベーションを起こします。

中外製薬は、事業を通じて社会的な課題を解決することで、環境・社会への良い影響力と事業利益を両立させることを経営戦略と考えています。

中外製薬のSDGsの取り組み|〜リーディングカンパニーとしてSDGsへ貢献できること〜

それでは、中外製薬の取り組みについて具体的事例を挙げて解説します。

①「中外製薬」のSDGsへのメイン課題~SDGs3「すべての人に健康と福祉を」

中外製薬は、疾患のコントロールをめざし、新薬の創製とソリューションを提供。これまでの技術を集結し、さらなる持続可能な保険医療へ貢献しています。

世界的に流行しているCOVID-19に対しても新しい治療を追求。さらに、世界保健機関が定義する発展途上国のNCDs非感染性疾患(不健康な食事や運動不足、喫煙、過度の飲酒などにより引き起こされる慢性疾患のこと)への支援を行っています。

そして、中外製薬には、世界の人々にまだ充足できていない医療を届けるというミッションもあります。革新的な医薬品を創製すると共に、地域のニーズに合った医療へアクセスできる環境づくりに取り組みます。具体的には、サステナブルな保健医療システムの構築。そして、医薬品へのアクセス向上を目指します。

それにより、発展途上国のNCDs非感染性疾患が減少し、SDGs3「すべての人に健康と福祉を」の実現を可能とし、グローバルヘルスへ貢献します。

②中外製薬のこれからのビジョンに向けたSDGs

SDGs8「働きがいも経済成長も」について

中外製薬は、これからの医療のために、優秀な人財獲得とスキルアップを目指します。

そのために、人財マネジメントシステムの構築に力を入れています。挑戦できる環境を整えること、報酬制度の革新、より健康的に働ける環境づくりに邁進しています。従業員が出産や育児、介護などを理由に仕事が続けられないというのは、優秀な人財の損失です。より柔軟な働き方を推進することで、一人ひとりに合わせたワークライフシナジー(仕事とプライベートの相乗効果)を追求できると考えています。

そのため、積極的にデジタルツールの拡充や在宅勤務などを導入しています。また、「次世代育休支援対策推進法」により、育児求職者が復帰しやすい環境づくりに励んでいます。

その活動が厚生労働大臣より優良企業として認定されました。働きやすさは、革新的な医薬品とサービスを創出すること、そしてそれに集中できることにつながると中外製薬は考えます。このような環境づくりのためには、努力を惜しみません。労働安全衛生の向上やタレントマネジメント、仕事と生活の良いバランスの創造などに取り組んでいます。

SDGs9「産業と技術革新の基盤をつくろう」について

中外製薬は、革新的な医療品とサービスの創出や個別化医療への取り組み、大学などとの教育研究活動を提携して行っています。中でも世界的に注目されている個別化医療は、これからの技術革新への基盤になると確信しています。

患者さまの遺伝子情報などを治療に活かすことで、患者さまごとの治療計画を立てることができます。それによって、疾患へのピンポイントの治療の提供ができ、治療費の削減が実現。

それは、国の医療財政問題へも直結する問題解決への糸口になります。さらに、遺伝子情報を細分化し、ゲノム解析技術の向上を目指し、個別化医療のリーディングカンパニーとしての役割を果たしていきます。

SDGs12「つくる責任つかう責任」について

中外製薬は、ヘルスケア分野における製品について、自然資源の再利用・持続性に努めています。

具体的には、供給と在庫の徹底した管理や品質保証の強化、循環型資源の利用などが挙げられます。

2021年の中外製薬の循環型資源の利用は、再資源化率、98.5パーセントでした。

再資源化量、再資源化率

(画像引用:循環型資源利用|サステナビリティ|中外製薬

さらに、包装材料の軽量化、再生紙の利用、リサイクルを促す材質表示に取り組んできました。将来的には、製品化の段階で、環境配慮包材を使用することを目指し、2030年までには、全製品を対象に環境配慮包材にできるように努めていきます。

また、ライフサイエンスに関わる事業を展開しているので、従業員の科学物質などによる曝露防止のリスクアセスメントを実施しています。

(参考:健康経営|サステナビリティ|中外製薬

SDGs17「パートナーシップで目標を達成しよう」について

さまざまな社会の課題解決に向けて、行政やNGO、研究機関と協力体制を整えている中外製薬。

「開発途上国の人々が感染症による苦難を乗り越え、先進国と同様に繁栄と長寿社会を享受できる世界を目指す」活動をしている公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)に賛同し、参画しています。

このように、イノベーションネットワークの構築やステークホルダーへの情報開示、対話を行うことなど、いろいろな角度から問題解決にチャレンジしています。

(参考:https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20141224150000.html

③中外製薬の事業活動の基盤となるSDGs目標

SDGs5「ジェンダー平等を実現しよう」について

中外製薬は、国籍・男女関係なくみんなが能力を発揮できるような環境づくりに努めています。

女性の管理職候補の育成や次世代リーダを育てる仕組み、プライベートと仕事の両立ができる就業環境の整備をしています。また、2021年の男性育休取得率は100パーセントを達成しています。このように、ジェンダー平等の実現に向けて体制を構築しています。

引用:https://www.chugai-pharm.co.jp/profile/overview/whatkind/index.html

多様な人材が集まり、相互作用できるダイバーシティ&インクルージョンの推進や女性の管理職比率の向上への取り組みをしています。多様な人財の集結は、新しいアイデアにつながり、お互いを尊重することで、新たな取り組みにつながると確信しています。

SDGs6「安全な水とトイレを世界中に」について

中外製薬では、水の使用量削減や排水管理、高度排水処理技術を導入し、水資源の維持を行っています。

中外製薬が管理する工場や研究所において、全排水毒性の試験を実施、環境生物への影響を観察し、排水規制を遵守。大切な資源である水を守る体制を整えています。

水質保全活動を2019年から開始。静岡では、NPO法人の協力のもと、藤枝工場の水源地である川本本町の山林のメンテナンスを実施いたしました。

SDGs10「人や国の不平等をなくそう」について

不平等のない、みんなが実力を発揮できるような職場環境を整えます。

そのためには、行動規制の順守や人権方針の策定を行っています。また、ビジネスパートナーに対してもそれを取り組むことを求めています。

SDGs13「気候変動に具体的な対策を」について

中外製薬の気候変動への対策は、まずエネルギー消費量の削減です。それと同時に温室効果ガスの排出量の削減を事業所全体で進めています。2025年には、サステナブル電力100パーセントを、さらには、2050年へ向けた目標として、CO2の排出ゼロを目指しています。

取り組みとしては、省エネ対策の推進や再生可能エネルギーの利用、温室効果ガスの削減、フロン類の使用廃止に向けた取り組み、環境マネジメントにおける改善システムの構築が挙げられます。

具体例として、高エネルギー効率のよい設備の導入や燃料転換、エコカーへの切り替え、地球環境に配慮したプラスティック素材の導入をしています。また、ゼロエミッション(廃棄物の排出ゼロ)は、浮間事業所、藤枝工場、宇都宮工場の3営業所で達成しています。(2021年)

(参考:気候変動対策|サステナビリティ|中外製薬

(参考:循環型資源利用|サステナビリティ|中外製薬

SDGs15「陸の豊かさも守ろう」について

多様な生物を守ることは、きれいな水を守ることにつながります。中外製薬すべての工場や研究所では、全排水毒性試験を実施。

地域の生態系への影響がないことを確認しています。また、土地劣化の防止に努めるため、産業廃棄物の再資源化を促進し、最終的な処分量を減らし、無害にする処理を徹底しています。

SDGs16「平和と公正をすべての人に」について

中外製薬は、法令などの順守や人権を尊重できる環境を作り、それを守ります。

従業員への教育の徹底やリスクマネジメント、コンプライアンスの推進をしています。そのために、行動基準の策定や贈収賄の防止、サプライチェーンを構築します。また、ビジネスパートナーに対してもそれを求めています。

まとめ

1925年の創業から現在まで、医療・ヘルスケア産業の中核を担ってきた中外製薬。2030年までに「ヘルスケア産業のトップイノベーター」へなるべく、具体的な計画を策定しています。

それは、世界の患者さまへの期待に答えること。世界の人財とヘルスケア分野のあこがれの存在になること。社会課題をリードするロールモデルになることを掲げています。それらの課題を解決するために、これまでの新薬の技術基盤を確固たるものにし、ロシュ社との戦略的アライアンスによる創薬・技術革新に集中的に投資していきます。

従業員、一人ひとりの力を集結し、まだ開発されていない医療課題についても取り組んで、持続可能な医療へ向かいます。社会のさまざまな課題を解決し、同時に利益をあげる経営戦略を掲げ、患者さまの苦しみを限界まで引き下げる医療を実現します。患者さまとそのご家族の医薬品投与後のクオリティ・オブ・ライフの向上や精神的・肉体的・金銭的な負担を減らすことを目標としています。

貧困や飢餓、健康、教育、気候変動などさまざまな問題に直面する世の中に対して、医療・ヘルスケア分野におけるノウハウを活かし、持続可能な解決へ貢献していきます。

参考:中外製薬ってどんな会社?|会社情報|中外製薬

参考:厚生労働省:平成18年 人口動態統計月報年計(概数)の概況

参考:サステナビリティに取り組む背景|サステナビリティ|中外製薬