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持続可能な街づくりを目指す!オーストラリアのバイロンベイは地域全体でエコ活動に取り組む観光地

オーストラリアバイロンベイ

オーストラリア東部に位置するバイロンベイという街をご存知ですか?

6,000人ほどの住民が暮らす海辺の田舎町・バイロンベイは、エコフレンドリーなエリアとしてオーストラリアで高い認知度を誇っています。

そんなバイロンベイですが、実はオーストラリア国内外から多くの人々が訪れる観光地という一面も持ち合わせています。

観光地としての機能を果たしながら環境保全にも力を入れる街。

この記事では、バイロンベイがどのようにして観光業とエコ活動を両立しているのかについてご紹介していきます。

観光立国・日本の持続可能性を伸ばすヒントを見つけるためにも、サスティナビリティを意識するバイロンベイの取り組みを把握しましょう。

そもそもバイロンベイってどんな街?

オーストラリアバイロンベイ風景
出典:Spaceship Earth

バイロンベイは、シドニーと同じニューサウスウェールズ州内に位置する街です。

ありのままの自然を愛する人々が集まることから、今でも自然派のお店が多く立ち並んでいます。
都市部とは180度異なる雰囲気のバイロンベイは、毎年200万人の観光客が訪れる観光地でもあります。

シドニーからバイロンベイまでは飛行機で1時間強メルボルンからは2時間半ゴールドコーストからは車で1時間弱となっており、オーストラリアの主要都市からも行きやすい立地が魅力です。

バイロンベイが取り組むエコ活動とは?

大自然の中に位置するバイロンベイは、観光地でありながらエコ活動にも取り組んでいます。
果たして、どのように観光業と自然保護の両立を行っているのか。

バイロンベイが実施する具体的なエコ活動の詳細については、以下で解説していきます。

①エコフレンドリーな素材の水着

オーストラリアバイロンベイ水着
出典:Spaceship Earth

バイロンベイは、美しいビーチを有する観光地です。

マリンスポーツを楽しむために訪れる観光客も多いことから、バイロンベイの至る所に水着ショップがあります。
そんなバイロンベイの水着ショップで印象的なアイテムが、環境に配慮した素材の水着です。

ペットボトルなどのプラスチック廃棄物を再利用した水着で、ゴミの削減に貢献しています。

中には、リサイクル素材の水着を大々的にアピールしているショップもあり、環境意識の高い消費者からの需要を得ています。

②環境に優しいコルク素材のグッズ専門

オーストラリアバイロンベイのコルクグッズ
出典:Spaceship Earth

バイロンベイには、コルク製品の専門店があります。

カバン、靴、家具、小物といったバリエーション豊富なグッズコルクで作られており、お土産としても人気です。

カバンや靴に使用されがちな革製品は、多くの水を使って製造されます。

また、革の元となる畜産動物を育てるにあたって、大量の温室効果ガスが排出されるといったデメリットもあります。

木製の家具も多くの木を伐採することから、決して環境に良い素材とは言えません。

一方のコルクは、木の樹皮を使って作られます。

木材を伐採する必要がなく、さらに樹皮は再生することから、コルク自然に優しい素材とされているのです。

コルクグッズ専門店では、プラスチック素材のアイテムも販売していません。

エコフレンドリーな商品を取り扱うと同時に、店内には革製品やプラスチック製品が環境に与える問題点を記載した看板も設置されています。

③エコツアーの開催

バイロンベイでは、さまざまな観光会社によるエコツアーが実施されています。

ビーチでのアクティビティ、山でのハイキング、歴史的建造物の見学といったツアーを通して、インストラクターツアーガイド環境保全の必要性を呼び掛けているのです。

海と山に囲まれたバイロンベイには、保護対象となる動植物がたくさんいます。

しかし、何も知らない観光客は、保護対象動物に触ったり、草花摘み取ったりしてしまう可能性もゼロではありません。

そこで、バイロンベイの多くの観光会社では、観光客の環境保護意識向上を目指したエコツアーを催行しています。

保護対象となっている動植物への具体的注意喚起はもちろん、住民や自治体が取り組むエコ活動の詳細を共有することで、訪れた観光客にも環境保全の大切さを啓発しています。

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④食品ロスや食品包装ゴミに貢献するBulk Foodショップが多い

オーストラリアバイロンベイのバルクショップ
出典:Spaceship Earth

観光地として知られるバイロンベイですが、地元住民も生活しています。

小さな田舎町であるバイロンベイは、6,000人強という非常に少ない人口で構成された街です。

しかし、食料品や調味料を量り売りで販売するBulk Foodの店舗が多く、個人経営から大型チェーン店まで複数のBulk Foodショップが立ち並んでいます。

Bulk Foodでは、砂糖、塩、お茶の葉、スパイス、小麦粉、ココナッツオイル、ポップコーン、お米といった多種多様な食品や調味料が瓶や大きなケースに入った状態で販売されています。

近くには量りが設置されており、消費者は無料の紙袋や有料の瓶に欲しい食品・調味料を必要な分だけ詰める仕組みです。

量り売りBulk Foodで買い物をすることにより、食品・調味料を使いきれずに捨ててしまうといった食品ロスを最小限に抑えられます。

また、紙袋や瓶に食品・調味料を詰めるので、プラスチック食品包装ゴミが発生しない点も大きなメリットです。

コンパクトな田舎町でありながら、バイロンベイには多くのBulk Foodショップがあります。

スーパーではなくBulk Foodを利用することで、一般市民も環境保護活動に貢献しているのです

▶︎関連記事:「食品包装をゼロにしてゴミを減らす!オーストラリアで広がるBulk Foodという販売方法

⑤名物「バイロンベイクッキーズ」はサスティナブル素材のパッケージ

バイロンベイ発祥のお土産に、「バイロンベイクッキーズ」があります。

名物として知られる「バイロンベイクッキーズ」は、Byron Bay Cookie Companyが製造・販売するクッキーです。
チョコチップ、メープル、マンゴー、ココナッツ、マカダミア、ブルーベリーといった豊富なフレーバーがあり、1つ入りからギフト用の大きなパッケージまで多種多様な商品が発売されています。

美味しさが魅力の「バイロンベイクッキーズ」ですが、実はパッケージの一部にリサイクル素材を採用しています

名物の「バイロンベイクッキーズ」も環境のためにサスティナビリティを意識し、リサイクルによって廃棄物の削減を実践しているのです。

⑥バックパッカーに設置されたソーラーパネル

オーストラリアバイロンベイのユースホステル
出典:Spaceship Earth

観光地であるバイロンベイには、さまざまな宿泊先があります。

特に、料金がリーズナブルな上に異文化交流も楽しめるユースホステルバックパッカーズは、海外からの観光客やサーファーが多く利用しています。

国際ユースホステル連盟 (Hostelling International)」に加盟しているYHAは、オーストラリアで知名度の高いユースホステルです。

バイロンベイの市街地にも位置していますが、施設の屋根にはソーラーパネルが取り付けられています。

太陽光による再生可能エネルギーを生み出すことで、温室効果ガス廃棄物の発生を抑えた電力発電を目指しています。

▶︎関連記事:「オーストラリアが目指す資源供給と環境保護の両立

⑦自転車での移動を推奨

バイロンベイが街全体で行うエコ活動のひとつが、自転車による移動の推奨です。

市街地の規模が小さいバイロンベイでは、自転車に乗っている人を頻繁に見かけます。

車の排気ガスを削減するために、バイロンベイでは140もの自転車専用通行帯を設置しています。

市街地はもちろん、海辺、丘、山中、橋といった幅広い場所に自転車のための通行帯を作っており、住民や観光客があらゆるエリアに自転車で出かけられるように工夫しているのです。

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まとめ:観光地でありながら環境に配慮した街づくり

オーストラリアバイロンベイのアート
出典:Spaceship Earth

小さな田舎町であるバイロンベイでは、自治体、地元企業、住民によるさまざまなエコ活動が行われています。

エコツアー、お土産の選択肢、宿泊施設、移動方法など、観光客をも取り込んだ環境保全が実施されており、自然に優しい観光地として認識されています。

観光大国である日本も、バイロンベイの取り組みから学べる点は多いのかもしれません。

バイロンベイのエコ活動をヒントにして、日本でも活かせるエコフレンドリーなアイデアを考えてみてはいかがでしょう?