近年世界中で環境問題への取り組みが進められていますが、そのなかでキーワードとなるのが循環型社会です。
本記事では、循環型社会とは何か?から始まり、世界や日本での取り組み事例やSDGsとの関わりまで踏み込んで説明します。
まずは、循環型社会の概要から見ていきましょう。
循環型社会とは?
循環型社会とは生態系の循環を尊重し、自然に負荷をかけない、環境に優しい社会を表します。
具体的には、
- 「廃棄物等の発生抑制」・・・ゴミを出さない
- 「循環資源の循環的な利用」・・・ゴミを資源として利用する
- 「循環資源の適正な処分」・・・再利用が出来ないゴミは適切な処分をする
を徹底することことで、現在、世界全体でその実現を目指しているのです。
そして循環型社会の実現を目指す上でのキーワードとなるのが「3R」です。
循環型社会を実現するためのキーワードは”3R”
「3R」とは、
- Reduce(リデュース)・・・ゴミを減らす
- Reuse(リユース)・・・繰り返して使う
- Recycle(リサイクル)・・・再利用する
を表す総称で、社会全体で「3R」の取り組みを進めていく必要があります。循環型社会について考える際にはセットで語られることが多い用語なので覚えておくと良いでしょう。
そもそも循環とは?
循環型社会では「自然の循環」と「経済の循環」との2つの調和が求められます。
それぞれの循環について考えてみましょう。
自然の循環
自然の循環とは大気や水、土壌、生態系などを含む自然界の健全なあり方です。
例えば、
- 大気の循環
植物が光合成により二酸化炭素を取り入れて酸素を作り、その酸素を動物が吸い二酸化炭素を作る - 水の循環
雨水が川となり海に流れ、蒸発して雲になり、やがてまた雨となる - 生態系の循環
動植物の食物連鎖が行われる
など、それぞれのサイクルが織り混ざり、絶妙なバランスを保って自然界は成り立っています。
経済の循環
経済の循環とは、生産、流通、消費、破棄という一連の流れのことです。
循環型社会を目指すには、自然の循環への悪影響を最小限にするために、
- 廃棄物等の発生抑制
- 循環資源の循環的な利用
- 循環資源の適正な処分
- 3R
を考慮した経済の循環システムが求められます。
循環型社会が注目される背景
それでは、昨今なぜ循環型社会が求められるようになったのか、背景を見ていきましょう。
大量生産・大量消費の経済体系による環境問題が顕著に
循環型社会という概念が生まれた背景には、20世期に入り盛んになった「大量生産大量消費」の経済システムによって、
- 地球温暖化
- 資源の枯渇
- ゴミ問題
などの環境問題が顕著になったことが挙げられます。1つずつ見ていきましょう。
地球温暖化
地球温暖化が進む原因として、
- 石油や石炭などの化石燃料の燃焼
- モノの輸送
- 廃棄物の焼却
によって排出される二酸化炭素が挙げられます。
大量生産大量消費の経済体系は、すべての面において二酸化炭素を排出するものでした。そのため、大気中の二酸化炭素濃度が著しく上昇したことで、地球温暖化を深刻化させてしまったのです。
平成23年版 環境白書によると2008年の世界のエネルギー供給量は1971年から比べて約2.2倍に増加しました。また、平成15年版 環境白書によると、1999年の大気中の二酸化炭素濃度は1750年より約31%も増加しています。この増加率は過去2万年間で前例がなく、さらには、過去 42万年間を通じて最高の濃度であると言われているのです。
これにより、
- 世界の平均気温は変動を繰り返しながら上昇
- それに伴い海面も上昇
- 気候変動による異常気象や自然災害が各地で発生
など、多くの影響を及ぼしています。
資源枯渇
モノの生産時に資源を過度に使うことにより「資源枯渇」が起こります。
特に鉱物や化石燃料などの枯渇性資源は、このままの消費が続くと100年以内に供給が困難になるとされています。
その他にも、人口増加や飼料穀物の生産増加、干ばつによる水資源の不足も懸念されているのです。
ゴミ問題
大量生産に伴い消費も拡大しますが、それは同時に廃棄の量も増加することを意味します。環境省の「第2節 静脈産業で世界の循環型社会の構築を」によると、2050年には世界の廃棄物量が現在の約2倍となることが予想されています。
また、日本国内に目を向けると、高度成長期と言われる1960年から20年間でごみの排出量は約3,500万トン(約5倍)の増加が見られます。その後のバブル期と言われる1980年頃には、ペットボトルが流通し始めたこともあり、廃棄物の量は加速度的には増加しました。
これにより焼却時の二酸化炭素排出量が増加するだけでなく、ゴミ埋立地が足りなくなるなどの問題も発生しているのです。
循環型社会の世界の現状
ここまで見てきたように、20世紀以降の大量消費、大量生産、大量廃棄の経済システムで人々の生活が豊かになる一方、環境に及ぼす多大な悪影響が浮き彫りとなりました。そこで環境への負荷を軽減させ、地球を持続可能なものにするために、循環型社会の重要性が世界で叫ばれだしたのです。
次では、循環型社会へ向けた世界と日本の具体的な動きをそれぞれ見ていきましょう。
循環型社会へ向けた世界の動き
世界的に足並みを揃える条約として、バーゼル条約があります。
これは1980年代に、先進国が、途上国に廃棄物を放置していたことで生じる環境問題を解決するためのものです。1992年に発効され、有害廃棄物の国境を越える移動と処分が規制されました。
他にも1972年にスウェーデンで開催された国連人間環境会議がきっかけとなり、国連環境計画が発足したことで、世界各国で循環型社会へ向けた独自の動きが見られるように。
例えば、EUでは同年に初めての環境行動計画が示され、廃棄物処理法の制定やリサイクルに関する制度の整備が進められました。
また、ドイツでは1972年に廃棄物処理法が制定されました。以後改定が繰り返され1994年には循環経済廃棄物法を制定。
さらには欧州では循環型経済を表すサーキュラーエコノミーという言葉も誕生しています。
サーキュラーエコノミーの推進
サーキュラーエコノミーとは、これまでの3Rの概念だけではなく、資源の更なるリサイクルと再利用を進めて循環を促進させる新しい経済の形です。これにより、新しい市場・産業の開拓や雇用の創出も期待でき、環境と経済との双方にメリットがあると考えられています。
EUでは2015年にサーキュラーエコノミーパッケージ(循環型経済パッケージ)が採択。これは、食品廃棄削減やプラスチックの取り扱い、水の再利用などを含む計画で、資源の利用効率を高めるなど、2030年を目標とした循環型経済への道筋が掲げられました。
また、2020年には2015年以降の成果を踏まえて、新たにサーキュラーエコノミーアクション(循環型経済アクション)が発表され、持続可能な製品の設計や製造に焦点が当てられています。
具体的には、
- 持続可能な消費
- 持続可能な製品の標準化
- 廃棄の防止・無駄の削減
- 使用される資源を可能な限りEU内で維持する
などが挙げられ、特に電子機器や情報通信技術、電池、車両、包装、プラスチック、繊維、建設、建物、食品・水・栄養が重点分野として設定されています。
循環型社会の日本の現状|循環型社会形成推進基本計画が策定
このように、世界規模でさまざまな対策が取られ、循環型経済への移行が進みつつあります。
日本では、大量生産、大量消費、大量廃棄の経済システムから脱却し、3Rを確実に取り入れた循環型社会を目指すために、2000年に循環型社会成形推進基本法(循環基本法)が制定。
そして、循環型社会形成推進基本法に基づいて2003年には「循環型社会形成推進基本計画」が策定され、基本方針や施策がまとめられました。
この計画はおよそ5年ごとに見直され、2018年の第四次循環型社会形成推進基本計画が最新版となっています。(2021年9月時点)
計画では「環境的側面」「経済的側面」「社会的側面」のバランスの取れた向上を目指し、
- 持続可能な社会づくりと統合的な取り組み
- 多種多様な地域循環共生圏形成による地域活性化
- ライフサイクル全体での徹底的な資源循環
- 適正処理の推進と環境再生
- 万全な災害廃棄物処理体制の構築
- 適正な国際資源循環体制の構築と循環産業の海外展開の推進
- 循環分野における基盤整備
の7つの柱が掲げられ、これらをもとに2025年までに国が実施する施策が示されています。
例えば③ライフスタイル全体での徹底的な資源循環では
- プラスチックの使用削減
- 効率的な再利用
- 代替促進
などが含まれたプラスチック資源循環戦略などが挙げられます。
詳しくはこちらのリンクをご参照ください。
ここまでは国が主体となった大きなの動きをご説明してきました。循環型経済を実現するためには、これらの国の対応に加えて、自治体や企業などの取り組みもキモとなります。
そこで次では、循環型社会に向けて取り組んでいる具体的な事例をいくつかご紹介します。
循環型社会の実現を目指す海外の取り組み事例
まずは、海外での事例から見ていきましょう。
【協力して目指す循環型経済】ベルギー、フランダース地方
ベルギーのフランダースでは、「Vision 2050」という長期連略が採択され、最優先事項として循環型経済への移行が掲げられています。
2017年には「循環型調達」「循環型ビジネス」「循環型都市」の3つの軸に特化したコンセプトペーパーが発表され、フランダースにある企業や団体は、これに乗っ取って経済を回すことが目指されています。
循環型調達
循環型調達の目的は、調達=買うことへの変化です。
例えば、
- 生物性由来の素材や再生可能など、環境に優しい素材を使った製品の製造
- 企業や団体が協力して、各企業の資源や製品を他組織と共有すること
- 製品そのものではなく、製品を利用する権利の購入や製品を使うことで得られる楽しみを購入する
などが狙いです。
2017〜2019年の第一期リポートによると、150以上の企業や団体の参画のもと、115のプロジェクト事例が報告され、特にテキスタイルや家具、建築部門での展開が多く見られます。
例えば2社が協力して、リネンや作業服のレンタルとメンテナンスを目指す取り組みが展開されます。これは介護士や清掃員などの作業服や、ケアセンターで生活する人々が使用するリネンなどが対象となり、それらの購入方法や仕様の作成、合法性のテストなどを含めた市場調査、循環型調達の選択肢について検討が進められています。
循環型ビジネス
さまざまな産業の中でもフランダースでは特に、建設業に焦点が当てられています。これは建設業による温室効果ガスの排出、エネルギーや水の大量消費、また資材の生産や運搬など、あらゆる面で二酸化炭素排出量の割合が多いため、環境への影響が非常に大きいことによります。
循環型建築への移行では
- 循環型な設計とシステム・・・設計・建築・解体システムの変更
- ビジネスモデル・・・財務的利益に加え、社会的価値を創造するビジネスモデルへの変更
- 共有・・・パートナーシップを通じて知識やデータの共有をはかる
の3つの軸をもとに、使用する材料や廃棄物減らした建設をし、さらに雇用や経済の成長へもつなげることがコンセプトとされています。
また、循環型ビジネスでは企業や団体など民間がパートナーシップを構築し協力するプラットフォームとしてCIRCULAR FLANDERSを設置。情報共有やビジネスパートナーを探す場として活用されています。
CIRCULAR FLANDERSでは、
- 組織内で繰り広げられてるプロジェクトの事例等のデータ共有
- ニーズに合った企業・団体のマッチングサポート
- 事業を追行する上での政策課題で必要となる、政府などの公共機関とのやりとり
の架け橋ともなっています。
循環型都市
循環型都市は、水やエネルギー、食品に加え、未使用の土地の有効活用や、化石燃料からバイオ燃料への転換などの実現を目指すものです。循環型都市について一般住民も意識と知識を高めてもらうためのユニークな活動も行われています。
そのひとつのCoffee Cycle Storiesでは移動式のコーヒーバーで、バリスタが淹れたおいしいコーヒーを飲みながら、コーヒー豆や皮、カスなどの再利用についての説明が行われます。実際に目で見て触って、匂いを嗅ぎ、循環型経済の理論を身近なコーヒーを通して具体的に学ぶことができるこの活動は、コーヒーカフェとCIRCULAR FLANDERSのコラボレーションで行われています。
また、循環型経済を目指すためには知識や技術を共有する必要があります。そこでフランダースではスマートシティへの移行を目指す13都市のサポートする、シティスマートフランダースというプログラムが2017年〜2019年に実施されました。
このプログラムでは、リアルタイムのデータ開示に焦点が当てられており、市や自治体などの保つさまざまなノウハウの共有が行われました。
2020年よりスマートシテフランダース2.0としてフォローアッププログラムが開始され、主にデジタル化に向けた地方自治体のサポートが行われています。
【土地再生で生まれた文化地区 De Ceuvel】オランダ、アムステルダム
アムステルダム市は、2050年までに完全な循環型経済の構築を目指すと宣言しており、これまでさまざまなプロジェクトが行われてきました。その中のひとつがアムステルダムの北地区にあるDe Ceuvel(デ・クーベル)です。
De Ceuvelは、ある造船会社が倒産し、放置された土地にたてられた一大文化施設です。
汚染されてしまったエリアの価値を上げ、将来的には住居とすることを目的に、アムステルダム市が10年間の土地利用権をかけてコンペを開始。選ばれた建築家たちが切磋琢磨してオフィス空間を作り上げました。
土地利用には土壌汚染の浄化も条件とされ、敷地内には浄化を促す植物が植えられています。また、建物には中古の資材が採用されたり、ソーラーパネルやウッドデッキなどが設置され、室内菜園も行われています。
現在では、室内菜園で育てられた食材などを利用したベジタリアンカフェも運営したり、ワークショップやイベントにも活用される文化スポットとなっています。
【町ぐるみで循環型経済の実現を Circular Berlin】ドイツ、ベルリン
Circular Berlinはベルリン市内で循環型経済への取り組みを広める活動をしている団体です。2018年に開催したマッピングイベントを機に、本格的に活動を開始しました。具体的な取り組みは、
- 循環型経済に関する取り組みの情報提供
市内で繰り広げらているさまざまなプロジェクトを取りまとめてデータを公開する - 教育プログラムの実施
市民への教育を行い、循環型経済に関する意識や認知の向上をはかる - ミートアップの開催
企業担当者などの交流により、コミュニティの構築や実践的な経験、知識の共有をする
などを行っています。Circular Berlinは、自分たちが社会の好循環を活性化するためのプラットフォームとなり、市全体のサーキュラーエコノミー戦略を推進しています。
循環型社会の実現を目指す日本の取り組み事例
続いて、日本での取り組み事例をご紹介します。
【ユニーク取り組みで推進】福岡県
福岡県では県が主体となって、
- ゴミの削減
- リサイクル
- 融資・補助金
の分野でさまざまな施策を展開し、循環型社会の推進を図っています。それぞれユニークな取り組みを行っているので紹介します。
ゴミの削減
・「福岡プラごみ削減協力店」の募集
プラスチックの使用削減や代替え品の利用促進など、プラスチックゴミの削減に取り組んでいる事業所を「福岡プラごみ削減協力店」として認定し、登録証を交付。その取り組みをホームページで紹介しています。
また、協力店を県競争入札の地域貢献活動評価項目での加点対象にしたり、中小企業を対象に「福岡県政推進サポート資金」の利用を可能にするなど、参加意欲を高める工夫をしており、協力店は現在3,570にもなります。
・まちの修理屋さん
県内の修理店や物を長持ちさせる工夫などを紹介し、ゴミを減らし、モノを大切に使うことを啓発しています。修理の対象となるモノや、お店のPRなども掲載されています。
・福岡県循環型社会形成推進功労者知事賞
県内の循環型社会の形成に向けて功績があった個人や企業・団体の表彰を2007年より毎年行い、取り組み内容を掲載しています。
・「3Rの達人」の派遣
県内で3Rに積極的に取り組む個人や、団体所属の講師を県負担の経費で派遣。これにより、3Rの知識や実施活動を広めるセミナーや地域学習となる「3R教室」の開催を促しています。また3Rの達人登録簿を掲載し、講師紹介も行っています。
リサイクル
・福岡県産リサイクル製品認定制度
品目ごとに認定基準を設け、福岡県内で製造されたリサイクル製品を認定する制度です。認定されると県公認のリサイクル商品として認定マークが表示される他、県による積極的なPR支援が受けられ、2021年2月時点で12品目424製品が認定されています。
また、これに合わせて「県産リサイクル応援事業所」の募集も行い、県産リサイクル製品の積極的な販売や使用に取り組む事業所の広報も行っています。
・見学施設の公表
県内で見学が可能な64のリサイクル施設の所在や見学時間、見学申し込み方法などをまとめた一覧を公表し、個人での学びの場を紹介しています。
融資・補助金
- 使用済みプラスチックリサイクル施設整備補助事業
- リサイクル施設整備補助事業
- 環境保全施設等整備資金融資制度
それぞれに基準や条件を設けて、資金補助を行っています。
【関連記事】日本のリサイクルの現状と先進国ドイツの事例を紹介|生まれ変わって何になる?
【参加型で楽しく学んで実施する】岡山県
岡山県では2006年から「おかやま・もったいない運動」を実施しています。
これは、県内での3Rによる循環型社会の形成を推進するための取り組みで、県民の意識を高めるために、各地で定期的にフォーラムを開催しています。
フォーラムでは、
- 県内の養蜂場や農園を訪れて自然について学ぶ1日環境大学
- 省エネや省資源について子供でもわかるような映像での説明
- ゲームなどの親子参加型イベント
など、楽しく学べる工夫が施されています。
また、県内の小学生が家族と一緒に取り組んで参加する「おかやま・もったいない!小学生ファミリーエコチャレンジコンテスト」を開催。小学生が日常生活を通して買い物や食事などで3Rに向けた取り組みや、節電・節水などにチャレンジすることで、家族一丸となって楽しみながら学べ、実践する良い機会になります。
【大学×企業で新しい価値を】すてるデザイン プロジェクト
すてるデザインプロジェクトは多摩美術大学と株式会社モノファクトリー、伊藤忠リーテイルリンク株式会社、株式会社ナカダイ、ブックオフコーポレーション株式会社、プラス株式会社が中心にタッグを組み、循環型社会への取り組みとして2021年5月より始動しました。
「すてるデザイン」は多摩美術大学でプロダクトデザインを専攻する学生の実際の授業プログラムとして、3つのフェーズで展開されます。
- すてたモノをデザインする
リサイクル・リユース資材を使ったデザイン - すてる前提をデザインする
リサイクルを見据えた製品とサービスのデザイン - すてるエコシステムをデザインする
回収や循環の仕組みのデザイン
廃棄物へデザインを通して新しい価値を想像することで、廃棄削減や捨て方を変えることが目指されています。
循環型社会とSDGs目標12「つくる責任つかう責任」との関係
循環型社会の実現は、2015年9月に国際サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)にも大きく関係しています。
SDGsは「誰ひとり取り残さない」世界を目指して「社会」「環境」「経済」の3つの側面から17の目標が掲げられていますが、そのなかでも特にSDGs目標12の「つくる責任・つかう責任」と深く関わりを持ちます。
SDGs目標12「つくる責任 つかう責任」」は、持続可能な生産消費形態を確保することを目指した目標です。これは、資源の効率的な有効活用と廃棄の削減で自然循環への負荷を考慮した循環型社会の概念と親和しています。
目標12が掲げるターゲットの中でも、
12.2 2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する
12.4 2020 年までに、合意された国際的な枠組みに従い、製品ライフサイクルを通じ、環境上適正な化学物資やすべての廃棄物の管理を実現し、人の健康や環境への悪影響を最小化するため、化学物質や廃棄物の大気、水、土壌への放出を大幅に削減する
12.5 2030 年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発 生を大幅に削減する
の3つで、資源の有効活用や廃棄の削減などを明確に掲げており、循環型社会の「廃棄物等の発生抑制」「循環資源の循環的な利用」「循環資源の適正な処分」への取り組みを進めることが、目標達成に大きな役割を担っているのです。
循環型社会の実現に向けて私たちができること
循環型社会の実現の第一歩は、ゴミを出さないよう意識することです。コンビニやスーパーでレジ袋をもらわないことはもちろん、買い物の際には、それが本当に必要なモノなのかをよく考えてから購入することが大切です。
また、モノを使い終わってもそれを使いたい人がいるかもしれません。最近では、フリマアプリで手軽にモノを売買できるようになっているため、積極的に利用してみてはいかがでしょうか。
【関連記事】シェアリングエコノミーとは?企業の具体例や利用するメリット
まとめ
本記事では循環型社会について、背景から現在の取り組みまでご説明しました。時代とともに経済が発展し、私たちの生活はより快適なものになりましたが、残念ながらその代償として環境へ負荷をかけてしまい、地球が悲鳴をあげています。
限られた資源を無駄なく適切に消費し、廃棄を減らし、環境へ十分に配慮した持続可能な社会を形成することが、未来を守るために不可欠です。
ご自身の属する企業やコミュニティで、ゴミの分別など出来ることから取り入れてみてはいかがでしょうか。